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鹿屋航空基地~ヘリコプター群

2013-04-21 | 自衛隊

V-107 掃海ヘリ 「しらさぎ」


先日訪れた鹿屋航空基地の屋外展示について、
写真を挙げながら引き続きお話ししています。


情報と言うのはなぜか「偶然性」を持つものです。
大したことではないのですが、このエントリ制作をしたとき、
わたしはたまたま門田隆将著「風にそよぐ墓標」
を読んでいました。

その序章には、あの日航ジャンボ機墜落事故の後、
生存者の少女を吊り上げて救出した第一空挺団の隊員と
著者が共に御巣鷹に登り、現場に慰霊に行った、ということが
書かれていたのです。

そこで目を惹いたこの一節。

作間さんたちが乗るバートル一〇七は
午前八時五分に習志野を飛び立った。
出発前、三番機の隊長、岡部俊哉二尉が
作間さんら隊員に向かって言った。

「悲惨な現場を見ることになると思うが、
しっかり任務を全うせよ」


皆さんも、きりりと精悍な陸自隊員が少女を
ホバリングしたツインローターのヘリに抱きかかえて救出する
あの写真を一度はご覧になったことがあるでしょう。

あのときに事故現場に投入され、習志野空挺部隊を運び、
生存者救出作業をしたのが、この「バートル」でした。

あの、歯を食いしばった隊員にかかえあげられる少女の図は
あの災害における唯一の「救い」として何度も観てきましたが、
あのヘリがどういう機種なのか、全く考えたこともなかったのに
この同日中に起こった情報の見事な符合に、
なにか不思議な感じがしてしまったエリス中尉です。


1962年、ノックダウン生産(部品を購入して日本で組み立てる)が始まって
三年後にはこの機種のライセンス生産が始まっています。

自衛隊はこの機体を「しらさぎ」と名づけましたが、
なぜか皆「バートル」と呼びました。
バートルとはボーイングのヘリコプター部門である会社の名前です。

現地の説明プレートには「掃海ヘリ」となっていました。
海自はこれを掃海用に保持していたからです。
掃海のとき、ヘリは掃海具を海に降ろして牽引します。

しかし一般にバートルは日航機事故のイメージのせいか、
「救難ヘリ」として認識されているようです。

このタイプを一番多く保持していたのがやはり陸自で、
床を補強したりウィンチやローラーコンベアを増設し、
重機材も搭載できるようにし、機体も一番多く保持していました。



ウィキより。
これが陸自仕様。



これは空自仕様。
空自はこの機体を救難機としていましたので、

「救難」=「危急」→黄色

というイメージから、こういうあまり自衛隊らしくない
カラリングにしていたようです。
通常戦闘、哨戒用が「カモフラージュ」であるのと反対に。


この空自のバートルは、最後の一機となった
2009年、入間の空自際でのデモフライトを最後に
華々しく引退しました。
この時にしたデモンストレーションは、ホバリングの状態から
救難隊員が降下して負傷者を吊り上げるもの(!)や、
左右に移動したり水平に回転したり。

youtubeでは、最後に観客に向かって
丁寧にお辞儀する姿が見られます。

あまりの可愛さに萌え死ぬかと思いました。

http://www.youtube.com/watch?v=j2AqGLbHLQc&NR=1&feature=endscreen

(7分から)




BELL-47 練習、観測用ヘリ「ひばり」

ベル47。
ベルというのはヘリコプター会社の名前です。

極限まで機体の重量を減らしたデザイン。
いかにも軽そうで「ひばり」という名前が付けられたのも納得。
海自はヘリにあくまでも鳥の名前をつけたかったんですね。

ただ、このヘリに関して言えば、なんというか・・・虫っぽくない?
もっと言うと「ヤゴ」という言葉が浮かんで来たり・・・。

この骨組み剥き出しの仕様のことを「ティル・ブーム」といい、
さらにこのまん丸のキャノピーを「バブル・キャノピー」といいます。



たしかにバブルとしか言いようがないわ(笑)

しかしこれだけ極限の軽量化をしても、エンジンパワー不足。
だって、エンジンがどこにあるかわからないくらい小さいですから。
なので、コクピットに二人乗ったらもうあとは何も積めません状態で、
いろいろと大変だったと思われます。
もっとも当初はローターが木製だったのでいたしかたないかと。

その後ローターは金属製に変わり、エンジンもパワーアップして
航続距離は飛躍的に伸びました。




OH-6D

海自はヘリに鳥の名前を付けていたのですが、この
「カイユース」にはどうやらつけなかったようです。
川崎はOH‐6を387機製作しましたが、ほとんどが陸自用で、
海自にはOH-6Jの時代から合わせても17機しか採用していません。
この6Dは14機導入されました。
使用中に川崎が製造を中止してしまったので代わりに
MD500E(カイユースの民間向け)を購入しました。



海自はこれを教育用としていましたが、陸自は
ご存知のようにこれを汎用しています。
陸自向けのOH‐6Dには暗視ゴーグル対応操縦席、赤外線監視装置、
赤外線照射装置が搭載されています。

これを調べていて、某ヤフ知恵で

「カイユースには武装しないのか?」

という質問を見つけました。
それに対するたった一つの答えが

「武装しても使い道がないからしません。
哨戒ヘリとしても小さすぎて使い物にならないから、
海自も武装は絶対にしないでしょう」

というにべもない?もので、さらに質問者のコメントが

「武装したらかっこいいんですけどね残念」

だったので、思わず笑ってしまいました。
武装して役に立つのはせいぜい…市街戦ですかね。
ビル街にかいじゅうが現れたとき、とか?



HSS-2A(ちどり)

そう、対潜哨戒機にするにはせめてこれくらいないと(笑)
海自ヘリ、鳥シリーズ、「ちどり」です。

これもねえ・・・
千鳥というよりは「トラフグ」って感じのシェイプなんですが。
機体はシコルスキのS-61。
HSS-2Aは日本での運用名です。

最初は陸上基地からの発進用でしたが、この2Aからは
艦載用としての装備(着艦拘束装置)が追加されました。

現在はSH-60J(シーホーク)に置き換えられ、2003年、
この「ちどり」は全機が退役しました。

にもかかわらず。


鹿野航空基地資料館ニ情報更新ノ要アリト認ム。








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