ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

横浜地区・田浦地区の艦艇展示〜2022年国際観艦式

2022-12-07 | 軍艦

さて、観艦式に参加した外国海軍の艦艇を紹介し終わりました。
(最後のはあまり紹介になっていませんでしたが)

というわけで、今日は横浜地区で係留された
海自艦艇の写真(例によってKさん提供による)を取り上げます。

この日なぜ横浜に海自の艦艇が集結したかと言いますと、
同じ日に横須賀では外国海軍艦艇の一般公開が行われたからです。

いつもの「いずも」の場所には(お、韻を踏んでる)
タイ海軍の「ディポヌゴロ」とカナダ海軍の「バンクーバー」
「ウィニペグ」が係留されていたからですね。

■横浜地区展示

展示は山下公園から通称「くじらのせなか」である大桟橋、
そして赤煉瓦、海上保安庁の基地の隣の、
ハンマーヘッドこと横浜新港に分けて行われました。

係留場所はこの通りです。


少し前にご紹介した日本の古い映画、「金語楼の海軍大将」で
どこか中国の陸戦隊基地があるという設定でロケが行われた場所です。

その時に写っていたビルは割と最近取り壊されて、
(今でもGoogleマップに残っていると思う)その代わり?
その奥にガンダム・ファクトリー・ヨコハマのガンダムが立っています。

GUNDAM FACTORY YOKOHAMA official movie

まさに「こいつ、動くぞ」です。
このガンダムは2023年の3月いっぱいまで展示されています。


案内に書かれているのは、輸送船LST-4003「くにさき」だけですが、
実際には3隻も係留されていました。



ガンダムの横に係留されているのは、イージス艦「あたご」DDG-177



外側にいるのは「もがみ」型のようです。
FFM-1「もがみ」FFM-2「くまの」かはここからは分かりません。

最新型の注目艦である「もがみ」型なので、
観艦式にはどちらも参加したようです。


ガンダムの埠頭(って名前じゃないんですけど)から
大桟橋を見遣ると、そこには旗艦DDH-183「いずも」が。

実はこれをタイプしている12月3日、横須賀で「YYのりものフェスタ」があり、
「いずも」の内部が公開されていたので久しぶりに乗ってきたところでした。



「いずも」が横浜にやってくると、必ず大桟橋の
「くじらのせなか」というデッキに横付け係留されます。

横浜展示で一般公開は行われていたそうですが、
前もって整理券が配られ、それを持っている人だけが対象でした。

わたしはそもそも会場にも行っておりません。



そうそう、前に「いずも」が「くじらのせなか」に泊まっているときには、
夜間わざわざやってきて写真を撮ったんだったわ。

夜間撮影用に三脚まで持って・・・・。



「くじらのせなか」から見た「いずも」右舷側。
この後に行われた観艦式では、「いずも」は旗艦として、
内閣総理大臣が乗艦する観閲艦の役を努めました。

紅白のテープが巻かれた柵があるところは、
岸田総理が本番で立った観閲台です。

この後一国の総理が乗艦する予定だったのですから、
「いずも」は横浜では一般人を乗せなかったのではないでしょうか。



同時刻の「ハンマーヘッド」に泊まっていた「あさひ」級の
DD-120「しらぬい」には見学者の姿が見えます。

昔長崎で「あきづき」の体験航海に参加させていただいたことがあります。

「あきづき」は航海後、三菱重工で入渠することになっていたため、
岸壁で建造中の「あさひ」と並んでメザシに係留し、そのおかげで
就役前の甲板を歩くという貴重な体験ができましたが、
その後あっという間に2番艦の「しらぬい」が就役していました。

「あさひ」の就役は2018年、「しらぬい」は翌年ですから、
まさに「矢継ぎ早に」といった感があります。

今回「しらぬい」は所属基地である大湊からの参加です。

ちなみに、2010年、海賊対策でソマリア海に派遣されていた
護衛艦「ゆうぎり」で、屎尿処理の際に発生した硫化水素が管内に逆流し、
殉職者一名を出すという悲惨な事故がありました。

その後自衛隊では新幹線にも採用されているタイプである、
負圧により引き込むシステムのトイレの採用が始まりましたが、
護衛艦では「あさひ」型からこの変更が行われるようになったそうです。



「しらぬい」の前方には「たいげい」型潜水艦のネームシップである
SS−513「たいげい」が来ており、その文字通りの、

「くじらのせなか」(誰うま)

には、見学者の姿が見えます。

潜水艦はそもそも滅多なことでは中に見学者を入れませんが、
甲板には簡単に乗艦できるため、よくこのような見学を行います。

おそらくですが、これだけは予約はいらなかったのではないでしょうか。

「たいげい」級潜水艦はその後着々と同級艦を建造中で、現在は
三菱重工製だった本艦の姉妹艦として、

SS−514「はくげい」川崎重工

SS−515「じんげい」三菱重工

が鋭意建造中です。

「たいげい」級は6番艦までが予定されているので、
あと3隻が「何鯨」になるのか、楽しみにしていましょう。

そして、今回の観艦式に参加する潜水艦は、

SS-592「うずしお」(就役2000年)
SS-509「せいりゅう」(就役2018年)
SS-513「たいげい」(就役2022年)

と、海上自衛隊潜水艦隊が運用する潜水艦の3タイプ、
「しお」「りゅう」「くじら」がそれぞれ1隻ずつとなりました。

この3隻はいずれも横須賀基地所属となります。

■横須賀港第二区展示



ここでもう一度横須賀第二区と言われる
(この名称、皆さんほとんどご存じなかったようですが)
船越?田浦?の海自艦艇の写真をご紹介します。



「あわじ」型掃海艦の2番艦、MSO-305「ひらど」

「あわじ」型掃海艦は「やえやま」型掃海艦の後継で、
1番艦の「あわじ」は2017年、「ひらど」は18年から就役しています。

機雷を扱うという任務の関係上木製が主流だった掃海艇、艦ですが、
繊維強化プラスチック(FRP)製に切り替え中です。


興味深いことに、その横の岸壁には、
MSO-304「あわじ」MSC-605「ちちじま」が並んでおり、
両型の艦体の大きさの違いがよくわかるようになっていました。

MSOはMineSweeper Ocean
MSCはMineSweeper Coastalで、
つまり大きさ的にはMSO>MSCとなります。




こちらには、同じ「えのしま」型掃海艦のMSC-604「えのしま」と、
2015年から就役している3番艦MSC-606「はつしま」が並んでいました。

前に「コックムス」の技術について言及したように、
「えのしま」「はつしま」はユニバーサル造船で建造された際、
FRPについて「コックムス」から技術支援を受けています。

ちなみに今回の観艦式、どういうわけか掃海艦は参加しなかったようです。



なんかじわる。


続く。






最新の画像もっと見る

3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
満艦飾 (お節介船屋)
2022-12-07 10:34:10
「もがみ」型がヤードが短くて、ヤードの満艦飾用滑車がないようで艦橋トップへの展張となっていますね。
おそらく電灯艦飾用もマストヤードにはないと思います。
割り切った艤装となったと考えます。

>MSO-304「あわじ」とMSC-305「ひらど」が並んでおり、
両型の艦体の大きさの違いがよくわかるようになっていました。

分かっておられるので指摘するのは酷でしょうがMSC-305「ひらど」ではなくMSC-605[ちちじま」の誤植です。
返信する
掃海艦と掃海艇 (お節介船屋)
2022-12-07 10:20:47
外洋用と沿岸用で艦、艇の区分けですが基準排水量では690tと570tで120tしか違いません。

参照文献では「もがみ」型護衛艦の配備に伴い、掃海艦艇は12隻に減少となります。
掃海艦は3隻就役し、2隻建造中で、掃海艇は「えのしま」型3隻、「ひらしま」型3隻、「すがしま」型11隻が就役していますが「すがしま」型、「ひらしま」型が順次除籍されます。

なお確かな情報ではありませんが、当分の間掃海艇は建造されず、掃海艦がFFM「もがみ」型との兼ね合いを考慮しながら建造されるようです。GFRP船体の掃海艦艇が8隻となりますので、木造船体の掃海艇が全て除籍されても後4隻が建造されるのみです。就役年数のGFRPと木船体との違いで相当の建造間隔が空く時期があり、「えのしま」建造時の建造技術の不出来さが再燃しないことを願っています。

「もがみ」型はMがMulti-PurposeとMine Warfareの意味だそうです。
監視、情報収集、海賊対処、グレーゾーン事態対処等に加え、敵前上陸の前駆作戦としての掃海と目前の脅威に対する機雷敷設が任務とされていますので完全な対機雷戦の掃海や敷設艦が実施する海峡封鎖や機雷原設置の大量敷設は出来ません。

一時掃海艦艇が0になるのではと言われていましたが文献では12隻の保持が記述されています。

掃海艦と「もがみ」型護衛艦にはUUVが装備され水路調査や機雷探知に使用されますが、UAVも必要であり、開発が急がれます。

参照海人社「世界の艦船」No976,985

防衛産業の減少や造船所の衰退で予断を許しませんがどうぞ厳しい現在の国際情勢に対応して防衛が実施できる国内態勢となっているように希望します。

このところ防衛費増額や内容が示されつつありますが、また米国製の高い兵器の買い物等に費やさないで国内の防衛装備品や開発、防衛産業の実態を把握して適切な施策を講じて欲しいと思います。

ミサイル購入で弾薬庫の多数の増加が示唆されましたが、基地や弾薬庫近傍の無秩序な開発、売却で現弾薬庫の保管量の減少を放置しておいて、多数の弾薬庫の新設は地方自治体の非協力を含め無理と考えます。

増税での負担等国民の理解得られない状況とならないよう願っています。会計法、火薬等取締法や財産権等も大いに議論が必要ですが抜け落ちてないでしょうか?
防衛を阻害する法律等も含め検討、改正が必要と思います。
返信する
誰も「しらぬい」 (Unknown)
2022-12-07 08:16:09
横浜の一般公開は見に行きました。桜木町から横浜新港⇒大さん橋⇒山下ふ頭と歩きましたが、どの船も乗るには一時間待ちくらいの行列でした。

ゆき型(1977年度計画艦)からのきり型⇒あめ型⇒なみ型と進化して来た汎用護衛艦(DD)ですが、対空戦ではアクティブフェイズドアレーレーダー。対潜戦では低周波大出力ソーナーという目玉装備の開発が進められて来て「あきづき」型と「あさひ」型がその答えになります。気合を入れて見て来ました。

イージス艦導入以降、自衛隊にもVLSが導入され、それまでの箱型ランチャーは絶滅しましたが、アスロックもVLSから発射出来るものを導入しないと遠距離対潜戦に対応出来ないので「長射程アスロック」(制式名:07式垂直発射魚雷投射ロケット。略称:07VLA)の開発が決定されました。これが初めて搭載されたのが「あさひ」型で、開発の決定から実に三十年になります。感慨深いものがありました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/07%E5%BC%8F%E5%9E%82%E7%9B%B4%E7%99%BA%E5%B0%84%E9%AD%9A%E9%9B%B7%E6%8A%95%E5%B0%84%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

イージス導入以降、合わせて導入したアメリカ製の「垂直発射アスロック」(VLA)は、それまでの箱型ランチャーから発射していたアスロックをVLSに対応するように改修しただけで、射程等性能には変化はないのですが、国産の07VLAは低周波大出力ソーナーの性能向上を折り込んで開発したので、アメリカ製の「垂直発射アスロック」(VLA)を凌駕します。

掃海艇(MSC)は、今後の新造はありません。掃海艦(MSO)は現在の3隻体制から6隻に増強され、掃海艇の任務は「もがみ」型FFMが引き継ぐことになります。たくさん作る(計画22隻)ので、汎用護衛艦(DD)建造は「あさひ」型2隻の後、しばらくお休みです。その先がどうなるのかは誰も「しらぬい」(笑)
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。