ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

ニューヨーク、ニューヨーク〜旅しながら写真を淡々と貼る

2015-07-23 | アメリカ

ニューヨークは初めてではありません。
ボストンに住んでいたとき、目的もなくふらっと旅行にきたことがあります。

当時はまだ「グラウンド・ゼロ」と呼ばれていた911の、ワールドトレードセンター跡を
お金を払って観るツァー(中に入れてもらって見学台みたいなところから写真を撮るだけ)
で見学し、ウォルドーフアストリアでお茶を飲んで、寿司◯でおばちゃんに嫌な目に遭わせられ、
ブルックリンブリッジを見て、エンパイアステートビルの屋上に登り、自由の女神を観て、
ついでにジョン・レノンが撃たれた現場を見てきました。

ツァーに参加したわけでもないのに、典型的なおのぼりさんコースの王道を行ったわけですが、
それはそれで、この街の片鱗くらいはわかった気になっていました。

しかし、そのときと今回とで大きく違ったのは、交通手段。
アムトラックという都市間を結ぶ電車(ぢゃないのか・・・とにかく列車)だった前回と、
車での移動だった今回では、見える景色も随分違いました。



ノーウォークのホテルは高速乗り口のすぐ近くだったので、幾つかの分岐をやり過ごせば
あっという間にハドソンリバーを渡り、いつの間にか川沿いを走っています。

アムトラックでは見ることはなかったのがこのハドソン川で、わたしは
写真に見える河にかかっている橋を見るなり、

I'm just taking a greyhound on the Hudson river line
cause I'm in a New York state of mind.

という、ビリージョエルの曲の一節を思い出し、口ずさんでしまったのでした。

この歌詞の「ハドソンリバー・ライン」というのを、今まさに走っているところです。

「グレイハウンド」というのはアメリカ最大のバス会社ですが、転じてバスのことを
「a grayhound」と名詞扱いで言ったりするのです。
今回、ハドソンリバーラインでグレイハウンドは見なかった気がしますが、
長距離バスは1日に何本も走っているものと思われます。



ニューヨークの中心街に行くには、このように、右側はハドソン川、そして左に
いわゆるハーレムがまず出てくると、あとは高層ビルが連なるニューヨークです。



ハドソン川をこのまま少しだけ下って行くと、河口にはあの「松明を持ったレディ」が立っている
リバティ島、アメリカ人の5人にふたりが、そこにある移民局を通ってきた先祖を持つという
エリス島、沿岸警備隊の置かれていたガバナーズ島があります。



ここからは、それらの島を巡るクルーズツァーが出発しています。



ハドソン川の対岸は、ダウンタウンから離れたところなので、ベッドタウンとなります。
しかし、川のこちら側に住むのと向こうに住むのでは随分ステイタスが違う模様。

「セックス&ザ・シティ」で、主人公のキャリーが自分でへし折った()携帯電話を再発行したとき、
ナンバーがマンハッタン島居住を表す「3で始まらなかった」からといって、

「わたしは”3”の女よ。違う番号から始まる電話なんて持たないわ」

みたいなことを言っていましたが、(あの主人公たちのスノッブなことといったら)
まあそういうことなんでしょう。



この道はハドソンリバーの横を走っている道路です。



外国人が日本に来て驚くことの一つは大都市が清潔、ということですが、
住んでいるものの目から見たら、どこが綺麗なの?と思うこともあるかもしれません。
しかし、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロス、パリ、ロンドン、モントリオール、ローマと、
一応先進国の大都市に訪れた経験のあるわたしに言わせれば、東京の清潔さは異常。
もちろん香港、台湾、上海や南京などは「問題外の外」です。

どんな都市にも、大都市ならではの繁栄の澱のような部分がそこここに蓄積していたり、
上の写真のような工事中だから仕方ねえだろう、と言わんばかりの
実にお見苦しい光景が展開していて、
その雑さは目を覆うばかり。

日本では普通にある「工事中のお詫び」みたいな看板を今回ニューヨークで見ましたが、
ご迷惑をかけているお詫びをする気など全くないのが、これを見てもよくお分かりでしょう。



時間によっては大渋滞になるニューヨーク市街。
その中をぶいぶいと走り回っているのがイエローキャブ。
今回ちょっとした発見だったのは、「ニューヨーカーの運転は粗い」ということです。

総じてサンフランシスコもボストンも、アメリカ人の運転は大胆です。
高速道路がどこもまっすぐで広大なせいか、制限速度が日本のように低めに設定されていないせいか、
一旦フリーウェイに入ったが最後、親の仇のように飛ばすのが普通。
しかし、ニューヨークに入る道では、さらに一番右車線で時速100キロで走っていても、
左2車線ではブンブン車が追い越していくほど皆が普通に飛ばします。
追い越し車線に入ったら最低でも120キロ出していなくては後ろに「渋滞」ができます。

それだけならいいのですが、皆車間距離を取らない(笑)

わたしは決して慎重すぎる運転をするわけではなく、周りの流れに合わせた、
空気読む運転を常に心がけているつもりですが、高速の車間距離だけは広くとります。
日本でさえ、今乗っている車の自動制御機能がとってくれる車間距離で走っていると、
前の車と全く同じ速度で走っているのに、間に割り込んで来る”いらち”な車があるのですが、
ここであの車間距離を取って走っていたら、後ろからマジで怒られてしまいそうです。

今回も走行中、なんども後ろの人の顔がバックミラーではっきり確認できるくらい接近され、

「よくこんなので皆事故を起こさないなあ」

と思っていたら、やっぱりNYまでの三往復中、車間距離が原因と思われる事故を
3日の間に2回目撃しました。
みなさん、後ろにどんなに煽られても、車間距離は取りましょう。



渋滞した車が信号で渡りきれずに横断歩道の手前にいるの図。

通りの突き当たりにあるのがタイムズ・スクエアです。
「H&M」のロゴが大変目につくところにありました。



街角にあった謎のペイント。
猫の形のステンシルには天使の羽と輪っかの書込みがあり、
さらに上には

「He's sick. I'm twisted.」

と謎の暗号が・・・・・。



様子がわからないのでオンラインでパーキングの予約をしました。
右角に見えている機械式の駐車場なのですが、これが高い。
都合三回ダウンタウンで車を停めましたが、最低料金が38ドル。
今は円安なので車を止めるだけで4200円は必要ということになります。
日本で一番高いのは表参道付近のパーキングだと思うのですが、おそらくニューヨークは
世界で一番駐車料金の高い都市に違いありません。



ロックフェラーセンターの一角にある「ラジオシティ・ミュージックホール」。
1932年に作られたアールデコ建築のホールで、エミー賞などの授賞式も行われます。



ラジオシティの道を挟んで向かいにあるここもロックフェラーセンター。
そもそもロックフェラーセンターというのは、5番街と6番街にある複数のビルの総称です。
クリスマスには巨大なツリーとスケートリンクが作られ、市民を楽しませています。



ニューヨーク近代美術館の前の道ですが、工事中。
いつ来てもどこかしら工事中というイメージがあります。
労働の場の確保みたいな意味があるんでしょうか。



イエローキャブの群れと「ミニオンズ」の看板はよく似合う(笑)
市中観覧バスも大盛況。
バスの後ろに各国の旗が書かれていますが、ハンディフォンでも貸してくれるのでしょうか。



ミニオンズ看板もう一丁。
日本でも7月30日に公開されますね。
日本ではあまり人気がないみたいですが、アメリカでは何か人々の琴線に触れるものがあるらしく、
あっちこっちでキャラクターグッズも発売されています。



アメリカのおデブ女優、コメディエンヌのメリッサ・マッカーシーの新作。
これ、日本では多分公開されないと思いますが、見てみたいです。



ニューヨークのバスも、動く広告としていろんなペイントがされていますが、
ミュージカルの宣伝バスも多いです。
わたしたちが今回見たのはこの「オペラ座の怪人」と「シカゴ」。

バスの向こうにある店はディスカバリーショップです。
テレビのディスカバリーチャンネルがプロデュースしている面白グッズ屋で、
昔はボストンにもサンフランシスコにもあったのですが、ネットでの販売網が発達したからか、
何年か前に一挙に閉店してしまいました。
ここニューヨークのは旗艦店なので、生きながらえているようです。



ああここか、とちょっと感動してしまった「バードランド」。
ジャズのスタンダードの名曲で

「ララバイ・オブ・バードランド」

というのがあるのですが、「鳥の国の子守唄」ではなく、ここのことです。
マンハッタントランスファーにも「バードランド」がありますね。

Manhattan Transfer Birdland



階段を降りていくと憂さを忘れる・・・どこ? バードランドさ
スイングとバップがそこでは王様・・・どこ?バードランドでは
バード(チャーリー・パーカー)が料理し、マックス(ローチ)が見れるよ・・バードランドでは
マイルスが来たこともある、トレーン(コルトレーン)も来たよ・・どこ?バードランドに
(カウント)ベイシーが吹く、(アート)ブレーキーが吠える・・どこで?バートランドで
キャノンボール(アダレイ)もそのホールで演奏した・・・・バードランドで!
(わたし訳)



錚々たるジャズの巨人たちが通り過ぎていったこのドア。
演奏予定表をみてみましたが、残念ながらわたしが知っている名前はありませんでした。



立派な建物のピッツェリアの向こうにあるのはホテル「セントジェームス」。



ニィーヨーク市消防署の前を通り過ぎました。
バタリオン9の徽章は、ブロードウェイにある消防署らしく、仮面があしらわれています。

あの911のとき、ビルの内部に勇敢にも駆け上っていったのは消防士たちでした。
彼らは「所々から出火しているだけなので、助けられると思う」と通信し、
煙の中かから人々を誘導するために、高層ビルの上階にたどり着いていましたが、
そのときビルはまるで砂糖菓子のように崩壊し、ビルの人々とともに犠牲になったのでした。

この車庫のシャッターには、あのとき亡くなった当消防署の隊員たちの名前が書かれ、
赤いバラと永遠に彼らを顕彰する文言が刻まれています。



署の前には、消防隊員たち(皆マッチョ)が、休憩に出てきていました。
なんとタバコを吸っているようですね。



画面に映っている人の9割が日本ではDEBUと言われるような体重の持ち主ですが、
決してここアメリカでは珍しい光景ではありません。
ただ、ニューヨークのオフィスワーカーには、これほど野放図に太っている人は
男女を問わずあまりいないので、おそらく観光客だと思われます。



ところで地方の土産というのは全世界基準でどうしてこうしょうもないのか(笑)



朝方、ニューヨーク名物の馬車が路上に待機しているところを通り過ぎました。
新婚さん向けなのか、白い馬車のうしろにはハートのマークが。
それにしても汚れの目立つ白い馬車くらい綺麗にしろよと思うのはわたしが日本人だから?



馬が引いている馬車が歩いているのは今回一回だけ見ました。



ミュージカルは5時に終わるので、それからダウンタウンを出ると、渋滞がこの通り。
皆一斉に街を出て自宅に向かうので毎日おなじみの光景のようです。

これはハドソンリバー沿いの道なのですが、この道路の右側にずらりと並ぶビル、
これは「すべて」トランプ・タワーです。



*おまけ*

喧騒の都会から1時間いくと、実にのどかなノーウォークに到着。

このカメラの看板はホテルの横にあったのですが、「スタンフォード」というのは街の名前で、
西海岸のは「N」ですが、こちらは『M」です。(発音は一緒)

ここアメリカではカメラというとご覧の通りNIKONかCanon、たまにソニー、オリンパス。
道行く人を見ていても、それ以外のカメラは見たことがありません。
ことこの分野に関しては、日本企業がアメリカでの占領軍であるといった状況です。

あれ?アメリカのカメラメーカーって何かあったっけ?




 



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3 Comments

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アメリカのカメラメーカー (佳太郎)
2015-07-23 22:50:11
昔はコダックもカメラを作ってましたね。新たなフィルム規格を作ってはやめの繰り返しでしたが。まともに残ってるのは135(35㎜判、いわゆる普通のフィルム)、120、220規格ですね。コダックは戦時中にはカードンというライカのまんまコピーを作ろうとしましたが間に合いませんでした…あとはデジカメの黎明期にデジカメのユニット作ってましたね。カメラの部分はニコンやキヤノンという悲しさですが…わりと報道用として普及したそうです。
あとはアーガスのアーガスシリーズ、ハリーポッターのコリンクリービーが持ってるカメラです。そしてユニバーサルカメラのマーキュリーあたりがカメラマニアには有名どころですかね。この二つは戦後の進駐軍が良く持っていたそうです。
しかしながらアメリカはカメラの一大消費国ながらカメラメーカーがほとんど育たず、輸入が多かったようです。ドイツ、日本から輸入していたんですね。ライカ、ニコン、キヤノンですね。この二国に戦争で勝ちましたがカメラについては負けたようです。
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グレイハウンド (ハーロック三世)
2015-07-24 01:17:23
グレイハウンドば最も安価な長距離移動手段として今も活躍しています。

19の時に生まれて初めて飛行機に乗ってアメリカへ行った私は、何を思ったかグレイハウンドの最長ルートを使って、バンクーバーからフロリダの叔母の家をめざしました。

所持金はたった200ドル。

夜行バスに乗って宿泊費を浮かせて、1日2食・全てバーガーキングのセットで済ませながら2週間かかってたどり着きました。

もう二度と無理です。
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ビジターズと車の運転 (昭南島太郎)
2015-07-24 08:23:08
四半世紀以上前の大学3回生、友達に誘われ初ニューヨークツアー旅行。
一番仲良かった友人が「NY行くなら!」と僕に渡してくれたのが佐野元春さんの「ビジターズ」。「NYの街をこれ聴きながら行って来い!」と。普段音楽聴かなかった太郎ですが、それこそ当時のテープを擦り切れるほど聴いた懐かしい記憶があります。
観光もしたし今はなきWTCへも行きました。バブリーな時代、学生でも5番街で買い物してました(汗)

NYer、昭南島人の運転より恐そうですね。こちらもまず道を譲る気ないしお互い前に入ることしか考えないから車間距離取らないし、へたにウィンカーなぞ出そうものなら距離を詰めて来て危ない、だからウィンカー出さずいきなり割込み(怒)。
どうやったらこんな見通しの良い真直ぐの道で6-7台が事故るか、と思いますが。更に驚きの行動はその他の車が停車して事故した車のナンバーを写真に撮ります、反対車線でも同じ事をやってます(こいつら~)。
トトと呼ばれる4桁を当てるクジを買うためなんです。そのナンバーの車が当たった=クジも当たる?と言う中華系らしいゲン担ぎです。おかげでこちらは渋滞に巻き込まれいい迷惑です。

今日は日本から来た旧友と観光、会社休みの太郎です(笑)

昭南島太郎
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