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ハリアーとシュペル・エタンダールのフォークランド紛争~イントレピッド博物館

2015-09-07 | 航空機



イントレピッド航空宇宙博物館について順番にお話ししていますが、

今日は2機の飛行機についてです。


British Aerospace/McDonnell-Douglas AV-8C Harrier 1969

これは珍しや、迷彩塗装のハリアーです。
垂直、バーティカルに上がることができるという艦載機にとっては願ってもない
便利な機構を持ったこのイギリス製の航空機、インピッドによると

「ジャンプジェット」

とその機能を一言で説明しています。

最初のハリアーは1967年の12月には初飛行を行なっており、それから15年後には
ブリティッシュロイヤルネイビーが、フォークランド紛争にも投入しています。


海兵隊は1991年の「砂漠の嵐作戦」(湾岸戦争において、アメリカ始めとする
多国籍軍の航空機とミサイルによるイラク領南部とクウェートへの空爆作戦)
において、アメリカ軍としては初めて、ハリアーを実戦投入しました。

ここにあるハリアーはアメリカ海兵隊が注文したオリジナルで、
マクドネルダグラス社によってよりパワフルなエンジンに換装し、
アップデートされて「リ・デザイン」されたAV-8Cモデル。

国立海兵隊博物館(っていうのがあるんですね)から貸与されています。


ハリアーはそのユニークな能力ゆえ、数々の「blockbuster」に登場しています。
007、ジェームスボンドの「リヴィング・デイライツ」(1987)では
西から東に要人を脱出(?)させるため使われ、またシュワルツネッガー主演の
「トゥルー・ライズ」(1994)では、戦闘機の着陸シーンのために、
海兵隊から借りたハリアーIIを使って撮影が行われています。


ちなみに「blockbuster」という言葉ですが、これそのものは大型高性能爆弾のことで、
転じて映画で大ヒットした作品のことをいいます。
昔はアメリカには街のあちこちに「blockbusters」というレンタルビデオ屋があり、
わたしも会員だったものですが、今アメリカは本屋ですらなくなってますからね。
って関係なかったですか。
 
ところでこのハリアーは、砂漠の盾作戦の際、わずか31歳で殉職した

Captain Manuel Rivera Jr.

をでディケートしているという説明がありました。

 

名前からもわかるようにプエルト・リコ系アメリカ人であるリベラ大尉は、
移民の両親の元、ニューヨークのサウスブロンクスで生を受けました。
学業優秀で、大尉に昇進したときにもNASAの宇宙飛行士として候補に挙がるほどでしたが、
彼はそれを断り、砂漠の盾作戦に参加する部隊に行くことを選んでいます。


1991年、ペルシャ湾オマーンでの訓練飛行において、リベラ大尉は、
乗っていたハリアーが強襲揚陸艦「ナッソー」にクラッシュして死亡しました。

キャノピーの結露のせいで、水平線を見失ったのが原因ではなかったかと言われています。

ハリアーの初期型は特に操作が難しかったということですが、
リベラ大尉の事故原因なども、これに続くハリアーIIの安全対策に生かされ、
同じ事故を起こさないための教訓が生まれたに違いありません。


死後、リベラ大尉はパープルハート勲章を始め数々のメダルを叙勲され、
出身のサウスブロンクスの学校にはその名前が冠されています。





外国機つながりでこれ。
みなさん、この飛行機ご存知でした?
わたしも結構いろいろとアメリカの航空博物館を見てきましたが、
フランスの戦闘機をアメリカで見たのは初めてのことです。

Dassault Étendard IVM 1962

ダッソーのエタンダール。
エタンダールとはフランス語で「軍旗」を意味します。

フランス海軍が艦載のための軽戦闘機を要求し、98台が生産されて
1962年から2000年まで運用されていました。
フランス海軍にとってこれが最初の国産艦載機となりました。



レバノン内戦(1983~4年)では地対空ミサイルに被弾して被害を受け、
ユーゴスラビア紛争(1993年)、コソボ紛争(1999年)にも投入されています。

このシェイプから容易に想像されるのですが、エタンダールは低空での高速飛行が得意でした。
1978年以降には「シュペル(スーパー)エタンダール」が開発され、
イラクーイラン戦争、(1980-88年)、
そしてフォークランド紛争(1982年)にも参加しました。



マリーンと書いてあるので海兵隊かと思ったら、これはなんのことはない、
フランス語で「海軍」、つまりフランス海軍のサインなんですね。

このエタンダールは当博物館が、フランス退役軍人会を通じて
フランス政府から直接貸与されているものだそうです。



ところで、ハリアーとエタンダールが並べて展示してあるのには、
キーワード「フォークランド紛争」つながりではないかとわたしは思いました。


どちらの機体もフォークランド紛争に投入されており、

もしかしたらここに展示されている二機は、一緒に飛んだことがあったかもしれませんし、
さらにはNATO(North Atlantid Treaty Organization)か、あるいは
同盟国の関与した任務において、同じ任務を果たしていた可能性もあります。

しかしそれだけではなく、この両機の派生形が、フォークランド戦争において、
実質互いに敵味方になっていたと聞いたら、皆さんは少し驚かれるでしょうか。




ここでフォークランド紛争について簡単に説明しておきましょう。

アルゼンチンは、自国で「マルビナス諸島」と呼ぶフォークランドの島を巡り、
長年イギリスと領有権を主張し合っていました。

この均衡が破れたのは、1982年にアルゼンチンが国境の南端を超えて
サウス・ジョージア島に軍隊を侵攻させ、民間人を上陸させた時です。
(アルゼンチン政府の内政の不満そらしのためだったという説濃厚)

アルゼンチンはすぐさま実効支配に入ったのですが、イギリスはこれに対し、
自国の領土を守るため軍事力を発動することを選択し、戦争が始まりました。

イギリス海軍のハリアー部隊は、派兵が決まったとき、まずフランス軍に支援を依頼しました。
敵であるアルゼンチン軍はフランス製のシュペル・エタンダールを運用していたので、
製造元でありその長所短所を知り尽くしているフランス空軍に、
エタンダール必勝法のためのトレーニングをしてもらったのです。



ルゼンチン軍のシュペル・エタンダールは、その当時アルゼンチンが
フランスのダッソー社から購入したばかりで、ついでにこれもフランス製の
エグゾセ(Exocet)ミサイルAM39(MBDA社)を5発搭載していました。

このシュペル・エタンダール2機が放ったエグゾセ・ミサイルのうち1発が

イギリス海軍の駆逐艦「シェフィールド」HMS Sheffield,D80に当たり、
「シェフィールド」はその後沈没しています。


そして一連の戦闘において、イギリス軍のハリアー(シーハリアー)は
爆撃中に対空砲火によって、ハリアーとしては初めての戦没となり、
さらにはその翌日、悪天候の中、シーハリアー同士がおそらく空中衝突で
一気に2機が失われることとなりました。

フォークランド紛争は、第二次世界大戦後に起こった初めての西側諸国同士の
戦闘であったため、このハリアーとエタンダールのようなことがいくつかこりました。

アルゼンチンは当のイギリスから兵器を一部輸入していましたし、
エタンダールの例のように、両軍ともアメリカ、フランス、ベルギー
などの兵器体系を
多数使用しており、同一の兵器を使用した軍同士の戦闘になったからです。

つまりそれだけ相手の兵器について知悉しながら戦っていたため、
少なくともハード面において、両軍は「同じ条件」で戦ったことになります。
しかし、ご存知のように、結果はイギリス側の圧勝でした。


なぜだったと思われますか?

はい、これはいわば集団的自衛権の勝利”だったんですね。
英陸軍特殊部隊の経験が豊富だったことや、長距離爆撃機の運用が成功したことが、
イギリスの勝利に大きく寄与したというのはもちろんですが、
なんといっても、最大の勝因は、

同盟国アメリカやEC及びNATO諸国の支援を受け、情報戦
を有利に進めたから

だったのです。
衝突が起きた時、南米諸国は、相互に領土問題を持つチリを除き、
一応口ではアルゼンチン支持を表明しましたが、
実際に軍隊を派遣した国は一つもありませんでした。

「メスティソ」、つまり”白人の国”として自らを「南米のヨーロッパ」と称し、
内心、他の南米諸国を蔑視する傾向のあったアルゼンチンは、
こんなところで
人望のなさ(つまり嫌われてた?)が露呈してしまったということだったのかもしれません。


しかし、比較的親アルゼンチンであるペルーからは、この戦争を
「帝国主義との戦い」と位置付けた
義勇軍も参加しましたし、ペルー政府からも、

ミラージュIII(フランス製ですね)

が10機、有償にて調達されました。(結局間に合いませんでしたが)
アルゼンチンは、こういう事態になって、自分が南米諸国の一員であることを
改めて自覚せざるを得なかったのではないかとも言われています。


何かと「日本が孤立する!」と叫ぶみなさんは、本当の孤立というのは
フォークランド戦争におけるアルゼンチンのことをいうのだと認識していただきたい。

たとえ中国と韓国と北朝鮮から孤立しても、中国と韓国と北朝鮮との間にしか
領土と拉致の問題を持たない我が国としては、何の問題もないということもねっ!




さて、戦争は終了し、イギリスとアルゼンチンには国交が再開しましたが、
じつはフォークランド諸島における領有権問題はいまだに


未解決のままなのです。

驚きましたか?今わたしも驚きました(笑)
つまり、アルゼンチンは今もフォークランド諸島の領有権を主張しているんですねー。

映画「マーガレット・サッチャー~鉄の女の涙」(だったっけ)で、
サッチャー首相が、戦死した一人一人の家族に宛てて、自筆で
お悔やみの言葉を書き綴るシーンがありましたが、英国首相として

「イギリスは決して決して決して奴隷にはなるまじ」

という「ルール・ブリタニア」の歌詞通り、自国の領土を侵されたときには
いかなる状況であろうとこれを取り返す、という国是のもとに派兵を決意し、
大勢の若者たち(戦死者256名)の命を実際に犠牲にもしたというのに、
結局領土を完全に取り戻すことはできなかった、ということになるのです。

これは虚しい。虚しすぎる。
今現在の英国民のフォークランド派兵に対する評価を知りたいものです。



さて、ハリアーとエタンダールの話題ですので、最後にフォークランド戦争が

各国の兵器に与えた影響についてひとことだけ付け加えておきましょう。

この戦争の後、実戦を経験していなかったほとんどの兵器が
実際に使用されることによって、
評価すべきは評価され、欠点の見つかったものは
欠点を改善すべく軌道修正されることになり、
結果的に、世界の軍事技術は飛躍的発展を遂げることになったと言われています。


実際の戦争が、人類の科学技術そのものを発展させる原動力であるという説は、

フォークランド紛争においても、正しいと証明されることになったのでした。



続く。

 



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12 Comments

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シュペルエタンダール (お節介船屋)
2015-09-07 13:55:21
アルゼンチンは14機調達して現在まだ10機が在籍しています。フォークランド紛争で損失機なしとは。
フランス海軍も71機調達して、改造した能力向上型Mがまだ21機あります。来年頃まで使用してラファールに全て置き換えられます。ラファールは海軍用はM(40機)ですが空軍も、インド空軍、エジプト空軍も調達していますので、400機を超えます。
(イカロス出版 戦闘機年鑑2015-2016)

なおフォークランド紛争で英軍の大きな損失は同じくシュペルエタンダールとエグゾゼの組み合わせで、空軍ハリアーの搭載、発着足場であった徴用商船(特設空母)「アトランチック・コンベア」をハリアーと共に沈没させられたことでした。

海軍戦訓としては
火薬量の少ないエグゾゼ1発で駆逐艦が火災延焼損失しないようダメージコントロールの大切である。
アルゼンチンが余りに低空攻撃で安全装置が解除せず、ヒットしたが爆発しなかった事象が数件あってイギリスは助かった(1隻は爆弾処理中に破裂して沈没)が、通常爆弾でも地形を利用して攻撃されれば有効となる。
陸軍、物資の陸揚げに長時間かかり、船舶、艦艇が停泊時攻撃にさらされた。(揚陸艦艇の必要性)
クイーンエリザベス等豪華客船を始め、素早く商船を徴用、改造して使用出来たイギリスの体制があった等でした。
日本では政治的に研究する事すら出来ない事でしょう。
日本の外航用商船が100隻くらいしかないからどちらにしても無理でしょうが。(何度もコメントしますが、2800隻ほぼ便宜置籍船)

教科書 (雷蔵)
2015-09-07 17:35:09
まさに集団的自衛権の教科書ですね。英国は国連安全保障理事会の常任理事国ですが、ソ連が拒否権を行使せず棄権したことにより、アルゼンチンに撤退を勧告する国連決議が出せました。

中国が尖閣諸島を取った場合、常任理事国である中国が棄権する訳ない(拒否権を発動する)ので、我が国がいかにアメリカその他の常任理事国に働き掛けても、撤退勧告の国連決議はまず無理です。となると、国連による制裁が発動されることはないので、国連憲章で認められた、制裁発動までの暫定的措置である「個別的自衛権」あるいは日米安保条約の発動に基づく「集団的自衛権」を根拠に戦うしかありません。

フォークランド諸島はアルゼンチン本土から約1,000キロ。英国本土から約10,000キロあります。アルゼンチンはまさか英国が取り返しに来るとは思っていなかったのでしょう。我々も絶対に隙を見せてはなりません。

自衛隊は2009年からアメリカ海兵隊との共同訓練を通じて上陸作戦の腕を磨いています。これは、中国が取りに来ても、ただでは済まさない決意表明です。政権与党は、不退転の決意で平和安全法制の成立を期して頂きたい。自衛隊のはしごを外さないで頂きたいです。

かくなる上は、鉄の女エリス中尉に自衛隊最高指揮官になって頂くしかないですね。観艦式はチケット不要。CH-47がお迎えに上がります。いずもを先頭に艦隊がエリス中尉に敬礼!
商船借り上げ (雷蔵)
2015-09-07 17:38:55
PFI制度を活用して、自衛隊がフェリーを優先的に借り上げる事業が進んでおり、旧東日本海フェリーの高速船なっちゃんWorldは自衛隊が優先的に使用出来ます。
徴用 (お節介船屋)
2015-09-07 20:05:44
商船借り上げとは違います。
徴用とは戦時に強制的に船ごと政府の業務につかせる事であり、日本では政治的にまた憲法を建てに防衛省が研究すらやったらやり玉のあがるでしょう。
何度かコメントさせて頂きましたが、日本所有外航船の隻数は約2800隻、船員は5万数千人95%以上外国船員、その約90%がフィリピン人です。
日本のため、危険な海を運行するでしょうか?
1年約10億トンの輸出入に占める、日本の取り扱いは約65%と聞いています。それもほぼ便宜置籍船での取り扱いです。

大東亜戦争時日本は約600万トンの商船を持っていましたが、海陸軍で半分を徴用し、民需に半分予定(開戦時はほぼ全てを使用に、使用が終われば半分民需に戻すといわれましたが戻せませんでした)でした。
横須賀に慰霊碑がありますが、7万人ともいわれる船員が戦死しました。
旧海軍は真面な護衛もしないでほとんどの商船は戦没しました。
2千人余りしかいない日本人船員は組合が強く絶対に過酷な任務には就かないと思います。

フォークランド紛争時は豪華客船が素早く改造され、兵員輸送のため多量のベット、ヘリパッドの仮設等が実施され、船員はそのまま乗船し、運行されました。
コンテナ船は整備用コンテナを上手く使用し、航空機運搬、発着足場とする等で使用されました。
徴用される商船の図面も了解も海運会社から海軍に貰って事前に計画していないと絶対に実施できません。

こんな事は日本で研究でもしたらそれこそ大騒動になるでしょう。
ただ外国での騒動が起こったとしても船舶の運航はどこまで耐えうるか(食糧を優先輸送するとか)、どのようにしておかねばばらないか(便宜置籍船をどうするかとか)、絶対に研究しておかねば、いざとなったらどうしようもなくなると思います。
商船は新陳代謝が激しく、数年で売却等もあります。
近海フェリーもしかりです。
船団護衛も大変難しい時代(法律等も含め)だと思います。

ハリヤーとシュワちゃん (昭南島太郎)
2015-09-07 21:03:40
最初のハリヤーの写真見た瞬間に『True Lies』を思い浮かべました(笑)。
何回も繰り返し見たので覚えてますが、半分以上がコメディー映画だとしても『ハリヤーって凄い戦闘機だなあ』って思った記憶があります。

実はフォークランド紛争の時はまだ中学生だったのであまり詳しい背景も知らず、アンドリュー王子がヘリコプターの操縦してたってことしか印象なかったです。
一度だけ在英中に同僚に聞いたことあります、『あの紛争は何だったの?』って。一言『あんな本土から離れた所のために英国人の血を流させるのは馬鹿げてる』って言ってました。当時は英語も良くできず背景も知らなかったので、それ以上聞きませんでした。
彼は先祖に貴族がいたらしく、英国の有名大法学部卒だったのですが、王制貴族制度に反対、いつも英国の税金と福祉政策をこき下ろす、ちょっと変わった人間だったので英国人の多数意見ではないと思いますが。。。

ただ日本国民にとって尖閣諸島も竹島も北方四島も目と鼻の先、中韓露の好きなようにさせる訳にはいきませんよね。日本の国民ってもっと賢いかと思ってましたが、どこかの国に魂を売ったような政治家マスコミ、またそれらに騙されてる一般市民がたくさんいるようですね。

昭南島太郎
まだ解決していないとは (アーサー)
2015-09-07 23:56:36
 フォークランド紛争、私が小学生の頃の話なので、詳しくは知りませんでしたが、領有権問題、解決済とばかり思っていました。
 この紛争での、教訓、長らく実戦をしていない軍隊の兵器の整備不良に伴う不発弾の問題や、艦船の上部構造物の材質の問題など、多くの戦訓が得られたと読んだ記憶があります。

 日本のように海外からの資源輸入を船に頼っている国としては、東シナ海有事の際の行動計画は、絶対に必要と思うのですが、難しいのでしょうね。

 船団護衛については、大井篤氏の「海上護衛戦」で、後手に回った海軍の実情が語られています。
 日本も、真剣に検討すべき課題ですが、どうするのでしょうね。
ルーデルさんの弟子 (佳太郎)
2015-09-08 00:12:22
アルゼンチンの空軍はどうもあのルーデル閣下の指導を受けてたようですね。その孫弟子たちが活躍したという…
まあどこまで正確かはわからないです。
アメリカはアルゼンチン向けに輸出した船舶のデーターをすべて英国に提供したようですね、味方がいるからこういう事が出来るわけですからね。安保の何が孤立なんだか…
酒飲んで遊んで止めると言ってた大学生がいたようですがそんなもので止められたら戦争なんて起きませんからね…ついでに占領されるという事の意味も分かっていませんし…
ホコ天でデモしてしょうもない人たちです。ルールを守れない奴らに九条を守れるとは全く思わないです。
う~ん (雷蔵)
2015-09-08 06:32:36
我が国は専守防衛を旨とするので、旧軍のような大兵力はなく、東日本大震災当時の戦後最大規模の動員で10万人でした。

たとえ10万人でも、半島に行って戦争するなら、商船徴用も考えねばならないかもしれませんが、そういう任務は想定外です。

現在の海上輸送力は「おおすみ」型輸送艦3隻で、陸自1個連隊戦闘団(兵員1,000名と必要な重火器)を輸送(LCACやオスプレー、CH-47を使った強襲揚陸)可能です。

これに自衛隊が優先的に借り上げ出来るなっちゃんWorld(兵員500人と必要な重火器を搭載可能)を加えれば、私が思うには、自衛隊にはちょうどいいくらいの輸送力なんじゃないかと思います。

2018年に編成される水陸機動団(海兵旅団)は3,000人規模になります。全員を動員するのに「おおすみ」型3隻となっちゃんworldで二往復です。

1986年の伊豆大島大噴火で、全島民(1万人)を一晩で避難させた時は、自衛隊も参加しましたが、主力は東海汽船でした。

今は「ひゅうが」型や「いずも」型もあります。住民避難だったら、伊豆大島規模でも、二往復くらいでしょう。商船徴用まで必要ですかね?と思いました。
問題提起 (お節介船屋)
2015-09-08 10:17:25
雷蔵さんは専門家ですので、秘密事項は除いて論議してください。
敵がどのくらいかによりますが、離島奪還でも敵の三倍の兵力は必要と思います。「おおすみ」型3隻が常時使用できるとは思いません。確か東北大震災の時も2隻修理、1隻国際援助訓練に向かう途中だったと思います。「ひゅうが」も修理に入ったばかりだったので取りやめて、進出したようです。
海上自衛隊の艦艇も修理、訓練等で実際に事態対処に使える艦艇は良くて6割くらいでしょう(勝手な推察)。特に艦艇修理には歳出がなく、国庫債務行為で年度末から始めに集中しています。
有事は違うとおっしゃるかもしれませんが、民間はお金が必要です。(海軍工廠はありません)
艦艇修理は儲かりませんが、修理後、納金は早いのが取り柄です。
また乗員数が少なく、ペンキ塗りも一部造船所発注です。
現会計法では故障が発生しても正規の競争入札を実施して、契約しなければどんな小修理も実施できません。
特設艦艇は自衛艦をカバーするため、輸送艦、補給艦等必要と思います。
海外活動の場合修理があれば、部品送りで間に合えば良いですが、修理会社が海外派遣された事もあると聞きます。
武器等も高度化され乗員修理の範疇を超える部分も多いとおもいます。
前に工作艦のコメントをさせて頂きましたが、離島奪還でも前進修理は必要であり、特設工作艦が必要と思います。(工員もどうするかが問題ですが、定員削減で防衛技官も少ないと聞いています)
揚陸にLCACだけでは長時間かかるのではと思います。(故障もあると思います)
なっちゃんWoridを使うと書いておられますが、採算が合わず、青森、北海道間の航路から撤退して陸上自衛隊の役務の合ったのであり、維持が出来なければ海外売却の可能性もあります。
民間企業は結構シビアです。
恐らく戦場近傍にはいかないし、港湾設備が整ってなければ搭載陸揚げが出来ません。これも徴用になるのでは。
ヘリコプターでは大型兵器等の陸揚げが出来ないと思います。特にオスプレイは人員輸送が主であり、CH-47に搭載量はかないません。

短期間で有事が終われば良いですが、オイルショックで物不足になった過去がありますが、長引けば、物資供給に便宜置籍船が日本に来てくれる確約はないと思います。
1000マイル護衛、航路設定しても?
数週間でも国内は大騒ぎになるやに思います。
何を優先し、最低限の量はどのくらいか検討し、調整しておく必要があります。
イランからの邦人脱出に首相からの要望すら日本の飛行機会社は組合の反対で行かず、トルコがエルトール号救助の遠い過去の恩義から2機を飛ばしてくれた事案もあります。

過去の歴史から多くの事を検討し、対案を作って訓練しておかねばなりません。
海洋国家だから難民は来ないとは限りません。1万2千人の海上保安庁だけでは対応出来ない場合があります。海上自衛隊は?
尖閣諸島対応は海上保安庁も泥縄で漸く1000トン巡視船が整ってきていますが。その間他保安部の巡視船をやりくりしてなんとか対応。
機雷で港湾封鎖されれば、物資不足となり、パニックともなると思います。
我々もあまりに平和過ぎて、現代戦は到底1国での対応は無理なのに、戦いについてタブー、無知すぎました。
脅威は近くにもあります。
憲法論議でまともな安保法審議が出来ない現在、上記のような論議も大騒ぎになる可能性もありますが。

エリス中尉、雷蔵さん
今後も啓蒙下さい。
痛いところを・・・ (雷蔵)
2015-09-09 06:23:36
艦艇や戦闘機等の装備品を調達する際の数の根拠は自衛隊がどういう戦い方をするかを想定し、それに必要な数を積み上げるのですが、その際、稼働率は考慮されません。

実際には、おっしゃる通り、船や飛行機は常に何分の一かが修理で非稼働なのですが、それを見込んだ数で予算を要求に入れたら、際限がなくなってしまいます。

理想はお節介船屋さんがおっしゃる通りですが、今の防衛予算は戦前のように声が大きければいくらでも分捕れた時代と違い、まず国家予算の総額を財務省が決め各省庁に配分し、その枠内で各省庁が要求します。

戦前の軍隊が好きなことが出来、暴走出来たのは際限なく予算を獲得出来たからです。今は部隊を動かすための燃料さえ、根拠を示して予算要求します。

その根拠を積み上げるために、起こりうるシナリオを作り上げ、それに沿った資材を要求する訳ですが、突拍子もないものだと、やはり、財務省に突っ込まれます。

なっちゃんworldは、PFIと言って、運航は民間企業ですが、船が売却されてしまわない程度の仕事を自衛隊が毎年出せる制度です。

なかなか、お節介船屋さんがおっしゃる、あらゆる事態に対応出来るだけのことは出来ないのですが、出来ることからやっていることはご理解頂けますと幸甚です。

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