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「勇敢な搭乗員が15名・・・」〜映画「ミッドウェイ」

2020-06-08 | 映画

1976年版「ミッドウェイ」、三日目にしてやっとのこと、
日本海軍の航空隊が出撃するところまでやってきました。

出撃準備シーンは「太平洋の嵐」から流用されているといえ、
あのジョン・ウィリアムスが担当した音楽はシーンに重厚さを与え、
日本映画における日本軍の描き方と遜色ない演出がされています。

この点はこの映画の及第点といえましょう。

 

さて、出撃準備に備え、「赤城」「加賀」の搭載機は雷装で、
そして「蒼龍」「飛龍」のはミッドウェイの再攻撃に備え爆装する、
ということを源田実中佐から南雲長官に報告させています。

南雲機動部隊が発進させたミッドウェイ空襲隊は、友永丈市大尉指揮、
合計108機の編隊でした。

源田はのちに、爆装は命中率がよく滑走路を使用不能にするために
800キロ爆弾を装備したと言っています。

米軍偵察機PBYの「ストロベリー5」は、南雲艦隊を発見した、
と打電しました。

さらに別のPBYは、ミッドウェイに向かう
多数の日本機を発見しました。

「フレッチャーよりスプルアンスへ、
敵空母二隻戦艦1隻発見」」

「ニミッツの推測と全く同じ方向だ!」

「”Ahoy, Captain Browning, Let's get to battle stations."
と打電しろ」

こちらミッドウェイ。
連絡を受けて基地隊長はパークス少佐率いる戦闘機隊を出撃させました。

 

ここでDVDの翻訳は、

"I see'em, Kark. Alright, everybody"
(彼らが見えたぞ、カーク、いいか、みんな)

を、

「カークだと思います・・・まあいい」

とわけのわからない誤訳をしています。
「カーク」が日本機のコードネームだと勘違いしたんですかね。
カークは通信している相手だっての。

「ワンパス(一航過)で何機落とせるかな」

と嘯き奇襲をかけた結果、先頭集団に損害を与えることはできましたが、
零戦隊が逆襲に転じ、あっという間に隊長機が撃ち落とされてしまいました。

ミッドウェイ守備隊の編隊をほとんど壊滅させ邪魔者の居なくなった
日本側航空隊は、ミッドウェイ攻略に取り掛かりました。

攻撃隊長は友永丈一大尉。
本物とはあまり似ていませんが、まあそれはよろしい。

友永丈市 - Wikipedia本物

ミッドウェイへの日本軍の攻撃が始まりました。
ちなみにこのとき、映像撮影のために派遣されていた映画監督の
ジョン・フォードは重油タンクや戦闘指揮所などが爆撃されるのを
目の当たりにしていました。

このとき友永大尉の97式艦攻は左翼主タンクを対空砲に射抜かれています。

この映画の細やかなところは、ミッドウェイの滑走路を爆撃し
使えなくすることを目標としていたのに、それにも関わらず
生き残った米軍機が滑走路に降りるのをみて友永大尉が
嘆息する様子までが描かれていると言うことで、事実大尉は

「カワ・カワ・カワ(ミッドウェイに対し第二次攻撃の要あり」

と打電し、攻撃が不十分であると伝えています。

これを受けた草鹿龍之介(パット・モリタ)は、南雲長官に対し、

「いまだに脅威であるミッドウェイを叩くために直ちに
第二次攻撃隊として全機出撃させるべきではないか」

と具申するのですが・・・、

魚雷を装備しているので攻撃しても効果がない、という南雲中将。
中将は米軍の空母に向かわせるべき、といいます。

源田は、友永隊が戻れば、敵艦隊の出現に備えて
雷装して出撃させる、と断言しました。

すると南雲は現在待機している第二次攻撃隊から

「魚雷を降ろして陸用爆弾に換装させる」

ことを決断しました。
友永隊に敵艦隊を任せて、もう一度ミッドウェイを
爆撃することにしたのです。

というわけで換装作業中。

ミッドウェイ基地隊の活躍によって、フレッチャー少将は
南雲機動部隊の位置を特定し、攻撃のタイミングをうかがっていました。

そしてこの人、スプルーアンス少将も、「エンタープライズ」そして
「ホーネット」から総勢117機からなる攻撃隊を発進させる決心をしました。

しかし、日本側の偵察機(利根4号機)が1機帰還の途についていません。
その4番機は、敵艦隊10隻を視認したと報告してきました。

それを聞いた南雲は、

「山口(多聞)少将が直ちに攻撃隊を発進させよと言っておる」

として途中で換装を中止させます。

「しかし・・・・」

「いいからやめさせるんだ」

この後、南雲は戻ってきた友永隊全機を雷装しているしていないにかかわらず
直ちに発進させよといって源田中佐をドン引きさせるのでした。

「発艦中に友永隊は海に落ちてしまいますよ!」

「うーむ・・・それでは収容させて雷装を」

搭乗員の総員配置が始まりました。
エレベーターに乗ってハンガーデッキから甲板に上げられる艦載機。

総員配置が告げられました。
搭乗員控室から雄叫びをあげながら駆け出し、愛機に飛び乗る搭乗員たち。

マット・ガース大佐は、搭乗員たちが乗機するのを見送っています。
この中に息子のトム・ガース大尉がいるのです。

フェリックスが爆弾を抱えている部隊マークは、
「エンタープライズ」の乗組のVF-6航空隊のものですが、
ガース親子が乗り込んでいるのはたしか「ヨークタウン」だったような記憶が。

まあこの際細けえことはいいっこなしだ!

スプルーアンスとともに発進を見送るガース大佐。
ますますこの人の立場がわかりません。
空母乗組の航空のトップということなら艦橋下階の航空指揮所にいるべきなのでは・・・。

映画「1941」のドイツ将校みたいに見学者として乗っているのかしら。

マット・ガース大尉は微笑みさえ浮かべて空母を発進していきます。

こちらは実写映像。
映画に採用された映像はすべてカラーで撮影されたものです。
(そのせいでいろんな不整合が起こっているのですが今はさておき)

こちら「大和」艦上の聯合艦隊。
南雲中将からの打電が山本長官に伝えられます。

「敵艦隊発見、ミッドウェイの250哩、これに向かう」

「ミッドウェイの近くだと?真珠湾じゃなくて、か?」

「南雲中将は計画よりも二、三日早く撃破するつもりなのでしょう」

細萱戊子郎(ほそがやぼしろう)中将、あだ名はボッシー(嘘)

英語でありながら日本軍の将官たちの会話は非常にスクエアですが、
こちらはさすがにアメリカ人だけあって、ガース大佐が
スプルーアンス中将に何も言わずコーヒーを手渡しすると、

「おー、サンクス、マット」

と受け取ったりして和気藹々かつラフな感じです。

繰り返しますが、この映画の問題点は、細部が結構いいかげんなことで、
ミッドウェイ海戦には参加していない機が突如現れたり、
さっきの画面と違う飛行機が現れて、多少なりとも知っている人にとっては
話を理解することすら難しい状態になることです。

たとえば、これはSBDドーントレスだと思うのですが、(ですよね)
この直前に出撃していたのはTBDデバステーターという設定だったはずです。

 

それはともかく、このデバステーター雷撃隊は
戦闘機の護衛なしで「赤城」を攻撃しようとしています。

山口少将はこれに対し、淡々と、

「無茶だが大変効果的だ。
彼らにかまっている間我々は攻撃することができない」

状況的に左にいるのは加来止男艦長ではと思われます。

しかしこの俳優(ジョン・フジオカ)ってば、山口多聞の要素ゼロ。

掩護なしの攻撃なので、後席の銃手はもう必死ですが・・・。

実際のホーネット雷撃隊は、15機全部が零戦隊によって
あえなく全滅させられる運命にありました。

もちろんこれは戦闘機の支援がなかったことが原因で、
彼らの技量の問題ではなかったことは明らかです。

まあ、強いていえばTBDが旧式になっていたことと、
この頃の日本側戦闘機隊がまだベテラン揃いだったせいもあります。

 

この攻撃でTBD一機は「赤城」艦橋に接近したのち墜落し、
この瞬間草鹿参謀長は「死を覚悟した」とのちに語っています。

空母に乗っている司令官以下皆さんも、

” I'm hit! I'm hit! Oh, Jesus!"(やられた!やられた!神様)

交戦中の悲鳴のような雷撃隊の通信をただ聞いているだけ。

そしてウォルドロン少佐が戦死。

「赤城」に渾身の雷撃を放ったゲイ少尉機も撃墜されて海に墜落・・。

しかしここでも大変残念なことに、この実写映像は雷撃機ではありません。
この頃にはまだ飛んでいなかったヘルキャットです。

このヘルキャット搭乗員は、浮かんでいる機体から脱出していますが
実際ゲイ少尉も、撃墜された後機体から海に脱出して生き残りました。

ホーネット雷撃隊のたった一人の生存者、ゲイ少尉は、
撃墜される直前に雷撃を行いましたが、「赤城」に当たっていません。
しかしながら、戦闘後、全滅した雷撃隊に与えられた名誉勲章推薦状には、

「ホーネット雷撃隊は日本空母に魚雷を命中させ、
日本の空母に最初に大打撃を与えた」

とあり、ホーネット隊は他の部隊から恨みを買うことになったそうです。

Improbable: Ensign George Gay at Midway

ちなみに全滅した雷撃隊と、たった一人生き残ったゲイ少尉(赤丸)。
前列ど真ん中で写った一人だけが生きながらえたとは・・・。

「損傷報告、戦闘機一機軽傷、艦艇損傷なし、死傷者なし」

源田少佐の報告に対し、この映画の南雲中将は、

「A whole squadron. 15 brave crews.」
(飛行中隊全員だ・・・勇敢な搭乗員が15名・・)

と呟きながらうっすらと涙をうかべるのでした。

もちろんこの後の展開を知っている我々には、この段階で
敵に同情している場合かというツッコミどころはあるものの、
善意に解釈すれば、武士の情け、もののあはれの気持ちを持つ日本人、

を表現してくれているのかもしれません。

わたしも最初このシーンで思わずグッときてしまったのですが、
大変残念なことに、雷撃機は二人乗りなので
「15名」ではなく×2で30名と言わなくてはいけないところです。

それまでの戦闘で散々二人乗りの雷撃機が出てきた後だというのに、
折角のいい台詞がこれって、ちょっと脚本雑すぎね?と思いました。

こちらレスリー少佐率いる「ヨークタウン」のSBD爆撃機隊。
爆撃準備を呼びかけ、ボムベイのスターターをオープンにしただけで、
なぜか爆雷が投下されてしまいました。

あわててマニュアルで作動させるように呼びかけますが、

「もう遅い!落としてしまいました」「俺もだ」

「こんな電気式スイッチを発明したのはどいつだ?」

「ヤマモト以外にいるか!」

ちょっとちょっと、そこで八つ当たりはしないで欲しい。

さて、こちらは第3雷撃隊です。
日本の空母4隻を発見しました。

「大当たり(ジャックポット)だ!」

指揮官ランス・マッセイ少佐。

「右舷から12機、左舷から14機が来ます!」

雷撃隊の上空では、ジョン・サッチ少佐率いる戦闘機隊が
対ゼロ戦術「サッチ・ウィーブ」を試そうとしていました。

6機の戦闘機隊で零戦を5機撃墜、被撃墜1機だったので、
この戦法はアメリカ人搭乗員に自信を持たせましたが、
この戦闘においては、援護するはずの雷撃隊を守れませんでした。

TBDデバステーター10機が撃墜され、帰還中の2機も燃料切れで
結局全機損失という結果で、隊長を含む24名中21名が戦死しています。

そして、この映画の主人公であるトム・ガース大尉は、
サッチ少佐の戦闘機隊に参加していたという設定です。

そして果敢に戦うも敵の銃撃を受け、コクピットに火災が発生。
叫ぶトムの顔はすでに真っ黒です。

手袋をしたままでこの時代にはなかった形の消化器を取り上げ、
叫びながら火を消した途端、手袋が両手から失くなって、
ひどく火傷をした両手が現れるという不思議な場面です。

 

ニミッツ提督はこの時点で

「ミッドウェイ基地隊は日本軍艦艇10隻に損傷を与え、
1-2隻を沈めたかもれないが阻止に失敗し、基地隊主戦力は失われた」

とキング大将に報告しています。
この時点で日米海軍の戦いは、日本側が勝利をおさめましたが、
これは長い戦いのほんの序盤にすぎなかったのです。

第3雷撃隊は魚雷攻撃も行いましたが、全て不発に終わりました。
南雲機動部隊には一難去ったというところですが、ここで南雲中将、

「アメリカ人たちもまるで侍のように我が身を犠牲にするものだ」

などと悠長なことを呟くのでした。

・・・(´・ω・`)

 

続く。


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6 Comments

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TBDデバステーター (お節介船屋)
2020-06-08 16:01:36
>たとえば、これはSBDドーントレスだと思うのですが、(ですよね)
そのとおりです。TBD,SBD共に参加しています。
スプルーアンスは日本のミッドウェー攻撃隊が帰還し給油中を狙い、午前4時頃攻撃隊を発艦、4つのグループで進撃、フレッチャーは午前6時頃ヨークタウンから35機の攻撃機を発艦、エンタープライズとホーネットの4部隊に加え、ヨークタウンの1部隊計5部隊となっていました。
エンタープライズ F4F10機、SBD33機、TBD15機
ホーネット F4F10機、SBD35機、TBD18機
ヨークタウン F4F6機、SBD17機、TBD12機
エンタープライズの戦闘機はなぜかホーネット隊と行動しました。5つのグループに分かれ、ホーネットのSBDは日本空母を発見できず、21機が母艦に帰り、14機がミッドウェー島基地に向かいました。
スプルーアンス部隊は大回りとなり、ヨークタウンの部隊とほぼ同時攻撃となりました。運なのかな?

>こちらは実写映像。
TBFアヴェンジャー 大戦後期の主力艦攻でミッドウェー海戦には参加していません。

参照海人社「世界の艦船」No685、光人社外山三郎著「図説太平洋海戦史2」、亀井宏著「ミッドウェー戦記」

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半数ずつに出来なかったのか (Unknown)
2020-06-08 17:21:19
>15 brave crews

米軍では一機当たりの搭乗員(クルー)をまとめてCrewあるいはCrew Setというので、15機分のクルーということになり、必ずしも15人を指すわけではありません。P-3Cのような大型機の場合、10人でまとめて1 Crew(Crew Set)になります。

爆弾(数百キロ)や魚雷(1トン)は重量物なので、普段は船底にある弾薬庫に保管し、使用前に格納庫甲板に上げて、機体に装着するので、転換と言われても、そう簡単には行きません。陸上攻撃機と艦船攻撃機を半数ずつ準備する訳には行かなかったんですかね。
返信する
編隊で降下を開始する機体の件 (うろうろする人)
2020-06-08 17:44:23
取敢えず違います。SBDドン―トレスでは有りません。確か当時でさえも第二線級の雷撃機だった筈です。訓練時の映像を使ったものと思われます。勿論「デバステーター」でも無いですが。取り急ぎです。
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きれ亀 (ウェップス)
2020-06-08 20:11:45
>15 brave crews
 英語のことで中尉に意見するのは相当勇気がいることですが(;^ω^)
 この場合のcrewは、船または飛行機の”乗組員”の総称という解釈ができるのではないでしょうか。したがってこの場合は15名ではなく、15組(15機)のクルーととれば間違いではないと思いますがいかがでしょう?
 いずれにしてもVT8のクルーは当時も今もヒーローでして、ウォルドロン少佐がインディアンの血を継いでいることもプロパを助長した一因であろうことは想像に難くないですね。

>細萱戊子郎中将
 この上品で清潔感あふれる紳士の階級章は大佐ですので、細萱ではありません。なんとフロに入らない黒島亀人参謀です(;・∀・)
 三船阿川対談では、山口司令官や渡辺参謀を「ちょっと違いますね~」などと評していますが、この黒島参謀には触れられていません。気付かれたらどれだけ突っ込まれていたやら( 一一)

 あと、大和艦橋の4人の右端は宇垣参謀長だと思うのですが、この作品では影が薄いですね。

 本作品のキャストに関しては、これが参考になります。どんな作品でも根掘り葉掘り調べる好事家はいるもんですね。
https://www.aveleyman.com/FilmCredit.aspx?FilmID=12601
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日米機動部隊の時系列 (お節介船屋)
2020-06-10 10:59:59
参照文献から航空部隊の時間経緯を列記します。昭和17年6月5日
0130 日、上空警戒機、ミッドウェー攻撃隊(九七艦攻36機、九九艦爆36機、零戦36機、計108機)、対潜直衛機、索敵器発進 利根4号機30分遅れ
     米 北半径100哩警戒ヨークタウンSBD10機発艦
0220 南雲司令官「第2次攻撃ミッドウェー予告」
0232 米飛行艇、日接触開始
0255 利根4号機 「敵機15貴方に向かう」南雲長官ミッドウェー島からの来襲機と判断
0234 ミッドウェー島発進の飛行艇PBYの日空母発見通報をエンタープライズでも受信。なお実位置より40哩南東方にずれていた。
0245 哨戒中の米機 日ミッドウェー攻撃隊発見。
0252 ミッドウェー島レーダーで日攻撃隊93哩に発見。離陸可能機全機空中へ。海軍及び海兵隊戦闘機要撃、爆撃機、飛行艇退避。ヨークタウン黎明警戒機収容始める。
0330 日攻撃隊ミッドウェー島攻撃。地上施設の大半は破壊、滑走路の破壊未実施。
0400 日 友永指揮官から「第2次攻撃の要あり」報告受領
     米 スプリーアンス攻撃隊発進命令 エンタープライズSBD33機、TBD14機、F4F10機、ホーネットSBD35機、TBD15機、F4F10機、
0405 ミッドウェー島からの攻撃米TBF6機、B-26 4機、第2次攻撃隊戦闘機防空のため発艦、米来襲機ほぼ撃墜、被害なし。
0415 南雲長官、索敵機先端到着敵なしと判断、第2次攻撃隊の魚雷を陸用爆弾に換装命令。
0428 利根4号機「敵らいきもの10隻発見」位置が索敵線を大きくずれていることに疑問を感じる参謀等なし。
0445 利根4号機「敵付近の天候」報告、南雲長官水上部隊の存在確実判断、空母も含むと推定、九七艦攻の兵装を雷装に命令。
0450 ミッドウェー攻撃隊空母上空に帰投。
0455 ミッドウェー島からの第2波日空母攻撃B-17 15機
0509 「艦種知らせ」に利根4号機「巡洋艦5、駆逐艦5」返信
0524 ミッドウェー島からの第3波SBD16機、SB211機、被害なし。
0530 利根4号機から「後方に空母らしき1隻を伴う」報告
0535 山口司令官から「ただちに攻撃隊発進の要ありと認む」意見具申、南雲長官容れず「ミッドウェー第1次攻撃隊収容し、兵力を整え、攻撃する」と信号、連合艦隊司令長官あて「0500 敵空母1、巡洋艦5、駆逐艦5ミッドウェー島の10度240哩に認めこれに向かう」と打電。
0515 米機動部隊 日水上偵察機発見。
0530~0600 ヨークタウンSBD17機、TBD12機、F4F10機発進。
0618 第1次攻撃隊収容概成。
0630 エンタープライズTBD14機 ノーネットTBD 15機 日空母攻撃 ほぼ撃墜被害なし。
0700 利根4号機発見の敵索敵のため蒼龍搭載二式艦上偵察機(0530発艦)「敵位置付近に敵見ず」と報告、受領されず帰途0800敵機と遭遇、追従して敵空母発見。
0720 南雲長官「第2次攻撃隊準備出来次第発進」命令。
0723 米SBD奇襲 「加賀」9機4発、「赤城」3機2発、「蒼龍」12機3発被弾。

参照光人社外山三郎著「図説太平洋海戦史2」

地上機としてTBFアベンジャーもこの海戦に参加していますので訂正します。亀井参謀も黒島参謀の誤りです。
細萱戊子郎中将は北方部隊の第5艦隊司令長官で重巡「那智」乗艦でアリューシャン方面に居ました。

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サッチ少将 (お節介船屋)
2021-06-28 10:36:16
「世界の艦船」今月号に香田洋二元海将が「いずも」空母化について投稿されていますがその中にサッチ少将の対潜戦に対する功績があります。

生粋の戦闘機乗りで日本海軍にとって零戦が破れる戦法を編み出されたことで有名ですが
対潜部隊指揮官としての素晴らしい面が見えますので引用します。

1 潜水艦探知と追尾のための外洋深海底設置型の対潜早期警戒システム
2 探知音源識別システム
3 水中音波伝搬予察システム
4 対潜早期警戒情報を基に対処行動を行う機動運用対潜部隊
5 対潜機や艦船搭載の潜水艦探知、追尾、識別装備
6 探知潜水艦を確実に撃沈しうる射程と精度を有する攻撃兵器
7 音響以外の潜水艦探知機器
8 任務達成(潜水艦撃破)に十分な能力の対潜部隊
以上8点の構想の柱を纏めて上申、アーレイ・バーク海軍作戦部長が承認され実行となりました。

ただ単なる戦闘機乗りではなく原子力潜水艦にも対応したこの構想を編み出し、実行した能力は非凡であり、対潜戦にも深く関わり、大将まで昇進したことはうなずけるのではないでしょうか。
今もSOSUS網や充実した海洋データ収集分析、対潜情報処理体制等有名です。

参照海人社「世界の艦船」No953
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