ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

護衛艦「いずも」の電飾 @ 横浜大さん橋

2018-06-03 | 自衛隊

 

この週末、息子の卒業式セレモニーが二日続けてありました。
その1日目が終わり、一人で車を走らせていたところ、知人から
このような写真が届きました。

「今日は横浜大桟橋でいずもの一般公開をやっているようですね。

大きさが実感?出来るように海軍の空母と並べて見ました。
上の写真で上から大鳳、いずも、翔鶴です。

いずもは引けを取りません。カッコいいと思います。」


「いずも」は「翔鶴」よりこんなに大きかったとは。

それはともかく、早速わたしは次の日の艦艇一般公開を検討したのですが、
大変残念ながら次の日は卒業式の本番があります。
大抵のことなら自衛隊行事を優先するわたしも、流石に諦めざるを得ません。

そこで、疲れた体に鞭打って、家に帰ってから着替えて、
日が沈んから行われるに違いない電飾を撮りにいくことにしました。

教えてもらって、全体が撮れる汽車道の延長からまず撮ってみます。
まだ電飾は点灯されていません。

それにしても大きい。陳腐ですがこれしか言いようがありません。

マリーンルージュは横浜港を就航するレストランクルーズ船です。

日が沈んで一層闇が濃くなってきました。

横浜といえばおなじみのみなとみらいの光景。
手前は警察署で、裏手には警察の巡視艇が係留されています。

巡視艇ですので「営業終了」ということはなく、夜間でも巡回を行います。

「いずも」は大桟橋にこの週末係留し、二日に渡って広報活動を行います。
昼間の艦内一般公開では格納庫から航空機用昇降機で甲板に上がり、
飛行甲板を見学することができます。

なぜか陸自音楽隊による音楽演奏、太鼓の演奏などがあり、
先着500名に豚汁が振舞われるという豪華イベント。

もう少し早く知っていたら、この日行事が終わって駆けつけたのになあ・・。

ちょっと横から撮ってみようと思い、通路を通って山下公園に行ってみました。
なんとびっくり、海沿いの遊歩道には、いずれも三脚に設置したカメラの放列が!

皆ご自慢のカメラで「いずも」の電飾を撮りにきたんですね。

わたしがここで悩みながらカメラをいじったりシャッターを押したりしていると、
なぜか何人にも

「何撮ってるんですか」

とかなんとか聞かれました。
他にいっぱい人がいるのに、なぜわたしにだけ聞くんだろう。

多分、他の人のプロっぽい感じとは違う、隙というか、
声をかけても怒られなさそうな感じがあったんだろうなあ。

一人目は、少し話すと外国の方とわかる男性。

「あそこにいるのは軍艦ですか」

「海上自衛隊のヘリ搭載艦ですよ」

「飛行機が飛ぶんですか」

(ここで日本人ではないことに気がつく)

「飛行機じゃなくってヘリコプターですね」

「あの橋は・・・」

「ベイブリッジです」

「レインボーブリッジは見えませんか」

「あれは東京ですのでここからはちょっと無理ですね」

人民解放軍のあるお国の方かしら、とちょっと興味が出て、

「旅行ですか?どちらから?」

と聞くと、なぜか

「近くに住んでいます」

しかしあまりこの辺のことはよく知らない模様。

「明日一般公開で艦内が見られますよ」

と言いかけてなぜかやめたわたしでした(笑)


二人目、子供連れの家族のお母さん。

「皆何を撮ってるんですか」

「あれは海上自衛隊の以下略」

「いつもあそこにいるんですか」

「今日明日だけです。明日は中に入れますよ。
お子さんが喜ぶから行って見られたらどうですか」

さりげなく見学を宣伝するわたし(笑)


三人目、自転車の男性。

「それで撮ったらどんな風に写るんですか」

わたしが上の写真を見せてあげると、

「いつも船とかよく撮られてるんですか」

に始まり、ひとしきりカメラ談義に突入しました。
実は談義するほどカメラのことなんて知らないんですがね。

「しかし、そういうスタイルで撮っておられると、なかなかいいですね」

単なる綿の白シャツに無印良品で買ったチノパンとスニーカーですが。

「なんでも形から入ることにしてるので・・・」

とかなんとか適当なことを言いつつ、その場をフェイドアウトしました。

元の陸橋の上に戻った頃、「いずも」の電飾が点灯されました。
時計を見るとフタマルフタキュウ、8時半からの点灯のようです。

この写真は青っぽく撮ってみたかったので、ホワイトバランスを「蛍光灯」で、
シャッターをミラーアップにしてみました。

Nikon810にはブレの原因となるミラーの振動を軽減するために、
ミラーアップという機能が付いているのですが、これを使ってみたのです。

それはいいのですが、ミラーアップでシャッターを押すと、
気が遠くなるくらいシャッターが切れるのに時間がかかります。

ぽちっとな、と押してから、シャッターが切れるまで待っている間に
現場でスクワットを軽く10回くらいできます。やらなかったけど。

ここでわたしは「いずも」が係留されている大桟橋に行ってみることにしました。

三脚を担いだまま移動です。

大桟橋に続く道を歩いていくと、「象の鼻突堤」という、
まさに象の鼻のようなカーブを描く形の突堤があります。

そこからのみなとみらい地区の眺めは最高で、
赤れんがパークのライトアップされた赤レンガの建物までが一望できます。

「フルノ」の機器を搭載した船ごしに撮ろうと三脚を立てていたら、
釣りをしていた人が、

「やっぱり見えている通りに撮れたりするんですか」

と話しかけてきました。

「見えている通りに撮れなくて苦労しているんですよ」

と笑いながら答えるわたし。
逆に、

「何か釣れるんですか?」

と聞いてみると、

「向こうの人はいまさっき何々を(忘れた)釣りましたよ」

「えーすごーい」

馬鹿みたいな反応ですが、他になんて言っていいかわからなかったのです。

大桟橋のウッドデッキに到着。
ここにもたくさんのカメラを持った人たちが三脚を立てています。

その大半が男の人で、観閲式や観艦式などで大きなカメラ持参で
朝の暗いうちから並んでいそうなオーラの人たちばかり。

どうして皆がわたしに声をかけるのか、少しわかったような気がしました。

同じような写真ですが、こちらはベイブリッジを背景に入れてみました。
ベイブリッジのタワーがブルーにライトアップされているのを初めて知りました。

電飾のやり方というのは自衛隊法で決まっていて、船の形を問わず、
艦橋から山形に舳先と艦尾に向かって垂らし、さらに艦首には
水面に向かって一筋電飾線を張ります。

それにしても「いずも」ともなると、舫の張り方がすごい。

舷門からは見ていると上陸していた隊員が時々帰ってきていました。
上陸の時には制服は着ていないので、帰ってくると舷門に立っている人が敬礼しても、
乗艦する人は敬礼を行なっていません。

一般公開の時にはここから乗艦し、艦載機エレベーターで上まで運ばれるのでしょう。

ボートを搭載している艦体比較的後方の右舷側を撮ってみました。
ボートを置いてあるところが明るくなったと思ったら、見回りが懐中電灯で
この部分に異常がないか見回っているところでした。

艦尾のファランクス・シウスとベイブリッジのマッチング。
昔と違って、今の電飾はLEDなので、安全面からも楽になったのではないでしょうか。

この日の月がちょうど「いずも」を彩る電飾の灯と同じ大きさです。

月といえば。
「いずも」甲板に設置されたアンテナが収納されているらしい、
スポンソンという丸いものの向こうに見える月。

月齢16.6の、満月から二日だけ欠けた状態です。

大さん橋のウッドデッキを上に向かって登ってみました。
ここにも三脚がいくつも立っています。

それにしても、このデッキの上、海からの風が容赦無く吹き付け、
6月になったとはいえ湿度の極めて少ないこの日は、日が沈むと
ただでさえ結構寒かったので、わたしは震えあがりました。

ここはデートスポットでもあるのですが、昼間の陽気に合わせて
ノースリーブを着てきたデート中の女性を目撃しました。

寒さのせいで無表情になっている彼女を、自分の上着を貸すこともなく
ただ連れ回しているこの男性がフラれるのはおそらく時間の問題であろう、
とわたしは預言者のように心の中でつぶやきました。

「いずも」の電飾ごしに、山下公園の氷川丸の電飾、
そして横浜マリンタワーが見えます。

NORQ-1スーパーバード衛星通信アンテナとマリンタワーの組み合わせ。

 
もう一度、アンテナと月。
なかなか風流なものでございます。


この写真を最後に、わたしは大さん橋を後にしました。

今回内部を見学できなかったのは残念ですが、その代わり
日頃あまりみることのない夜の「いずも」を見ることができ、
ついでに夜間撮影の練習にもなりました。

ちなみに、大桟橋の現在状況は、ライブカメラで見ることが出来ます。

 
 
 
 
追加。日曜日の朝0940現在。
 
「いずも」の出航を見るために人が桟橋に集まっているようです。
この後もう一度見たら出航が始まっていました。

 
0957。
 
 
0959。
 
 
1010。
 
 
1017。
 
 
1020には画面から完全に姿を消しました。
それにしてもこの画面に映ってた人、ライブカメラの存在を知らないんだろうなあ。