2月3・4日、東京都西東京市と東京都町田市へ建設経済常任委員会管外視察に行ってきました。
西東京市の都市農業について
西東京市では、所管事務調査のテーマである「農業振興について」視察を行いました。同市は東京都の多摩地域東部にある人口約20万5千人、面積約16㎢のまちです。
担当課の説明では、市街化調整区域農地面積はなく、市街化区域農地面積130㏊のうち生産緑地面積が113㏊で、人口増加が続けば、いずれは全て市街化となるとのことでした。また、総農家数は234戸、378人が就農されており平均年齢は63歳、主な作付けはトマト、小松菜、二ホンナシ、キャベツとなっています。
質問では、第2次西東京市農業振興計画中間見直し(2019年度~2013年度)でも課題となっている2022年問題ついて、生産緑地の指定期限(30年間)が切れることから宅地に転用されるのではとの問いに、「その懸念もあり、昨年11月から生産緑地については、買取り申出が可能となる時期が10年間延長される特定生産緑地にされるよう推進している。おそらく約8割の方は移行してくれる」と話されていました。また、大変驚いたのは本市の課題でもある後継者問題については、「多くが兼業農家をされており、マンション経営や駐車場経営を行っているため、約8割の方が後継者がいる」とのことでした。
その他、地域の特色を活かした農業の推進について、西東京市産のキャベツのマスコットキャラクター『めぐみちゃん』を活用して、交流・情報発信・販売等を融合させたファームカーを市内に走らせ、農業者と市民との交流を行いながら農産物の販売をされていました。
京田辺市の近郊農業と、人口密度が高い西東京市の都市農業との違いはあるものの、今後、農地をどう守り続けばよいのか改めて考えさせられました。
町田市の交通安全行動計画について
2日目の町田市では(人口約42万人、面積約71㎢)所管事務調査のテーマである「交通安全対策について」視察を行いました。
町田市は、2012年4月に交通安全に関する計画である「町田市交通安全行動計画」を策定し、警察や交通安全協会等と協力しながら取組を進めてきましたが、更なる交通安全の取組みを推進する必要があるため「新・町田市交通安全行動計画」を策定されました。計画期間は、2017年度から2021年度の5年間としています。
同計画では、『交通事故のない安心安全な町田市』の実現に向けて、特に留意すべき視点として5つの重点課題を設定してます。①高齢者の交通安全の確保と交通事故の抑止、②子どもの交通安全の確保、③自転車の安全利用の推進、④二輪車の安全対策の推進、⑤歩行者の安全確認の推進、としています。とりわけ、小中学校の自転車運転教室には力を入れておられ、小学生には筆記試験も行い、町田市自転車運転免許証と反射板が送られていました。
また市内20校ある中学校では、スタントマンによる自転車事故を再現するイベントを行い、子ども達に「ルールを守ることは自分を守ること」を意識づけしているとのことでした。同時に啓発活動としては、ホームタウンのプロスポーツ選手の言葉で啓発することは効果的であるとも話されていました。
実績として驚いたのは、町田市における交通事故件数が、2000年の3254件をピークに年々減少し続け、2019年には855件まで減少させていました。
その他、道路の陥没や街路灯がきれている、カーブミラーが曲がっているなど、市民通報アプリを活用した『まちピカ町田くん』の説明を受けました。
町田市の管理している道路の総延長は1200㎞あり、これまで市民からの年間通報件数は約8500件でした。そこで2017年から同アプリを導入した結果、約600件はアプリからの通報されるようになり、通報する市民も、現地確認する職員にも大幅に時間短縮ができるようになったとのことでした。
市民通報アプリ導入費用は、初期費用95万円とシステム使用料・保守料月額11万円とのことでしたが、市の面積割合なので京田辺市の場合に当てはめると、費用は少し軽減できると思いました。