アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

中国怏怏(おうおう)

2023-09-07 07:33:40 | 時代にFace it

◎牢獄に入れられて博打をする

 

中国のキャッシュレスは、世界で最先端であり、屋台の買い物から乞食への寄付までスマホがないとできないという。

以前総合格闘技の徐暁冬が、中国武術のトップやカンフーの名人や太極拳のチャンピオンを軒並み撃破していったが、それが共産党の逆鱗に触れた。かれは、信用スコア最低となり、ローンも借りられず、電子決済もできず、新幹線のネット予約もできなくなり、生活に困窮していることなどでそれを知っている。

中国の戸籍データには、預金残高など信用情報に加え、思想傾向(共産党の方針に忠実かどうか)まで含まれているそうだから、突然上海や武漢などの都市封鎖が行われても、なかなか本気で封鎖破りなどはできないのだろう。

だが、白紙運動や都市封鎖解除などを経て、都市封鎖下では、急病になったり薬が切れても病院や薬局に行けなかったり、亡くなっても死体を家から出せなかったりという、誠に不都合な事件が多発していたことがちらほら伝えられるようになってきた。

都市封鎖、地区封鎖とは、都市や地区丸ごと牢獄にしてしまうことだった。

 

実際に牢獄に入ってしまうと、心的エネルギーは発散場所を求めるものであって、古来も現代も、独房なら自慰、他人と同居なら博打ギャンブルが行われがちなもの。

それを見て取った孔子は、食べるものがあってやることがないなら博打をしていた方がましと言っている。

そんなわけで、鋳造貨幣ができると真っ先に使われたのは、物との交換ではなくギャンブルのチップだった。

小アジアのリディアで世界最古の鋳造貨幣が作られた時、早速サイコロ賭博で利用されて、食事もせずにギャンブルに打ち込んでいた人が結構いたという。

日本でも、最古の鋳造貨幣である富本銭は、683年(天武天皇12年)頃登場したが、その主たる用途は、双六博打のチップだった。双六はバックギャモン。ところが天武天皇自ら博打好きで、役人にも庶民にも博打大流行となり、持統天皇の689年、698年、754年と博打禁止令が出された由。(参照:お金の秘密/安西正鷹/成甲書房P44-46)

※論語 陽貨第十七

「子曰く、飽食終日、心を用うる所なきは、難きかな。

博奕なる者有らずや。之を為すは猶お已やむに賢(まさ)れり。」

 

中国は、スマホと監視カメラで世界最高の牢獄国家を作り得たわけだが、人間がそこに心理的安定を持って暮らすには、ギャンブル以外の何かが必要になる。古代ローマでは、それは見世物だった。

食料があって、時間があって、居所があって、スマホやテレビの見世物(芸能、スポーツ、ドラマ、映画、動画、エロなど)に飽いて、(オンライン)ギャンブルもできない時、人は自分自身に向き合い始める。

不幸なことだが、それは冥想の始まりではある。

※見るべきほどの事をば見つ/平知盛/平家物語

 

2023年9月5日のBS日テレ 【深層NEWS】で、“中国抱える「時限爆弾」不動産“危機”中国経済“異変”何が?“の議論の中で東京財団政策研究所の柯隆主席研究員が、中国が企業の破産認定をしないままゾンビ企業が増えてどんどん不況が深刻化する先は、”革命が起こる“と何気なく語っていた。

都市封鎖、地域封鎖以前から既に中国人は世界最高の牢獄にあったわけだが、電子マネーしか使えない社会、物理紙幣が実質使えない社会にあっては、何かあればあっという間に生活できなくなるということだろうから、物理的封鎖は、物理的暴発にすぐつながるということがあるのではないか。その辺が共産党の終焉が意外に急速に起こる可能性を暗示しているように思う。

 

『確かに私は、今、この日本という国に住んでいる。そして、このアトランティス文明が崩壊する直前に若者達の間ではやった歌をくちづさむ。

そして、この国が一つの獄舎になろうとする光景を見た。』

(ダンテス・ダイジの「戯れに冥想を」から引用)

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