アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

人間の洗脳は何年で解けるか

2024-08-26 06:30:46 | 冥想アヴァンギャルドneo

◎1950年代初頭の中国共産党洗脳以後

(2014-01-18)

 

オウム真理教事件の裁判の報道があり、既にかの事件から19年も経ったことを知った。オウム事件では、カルト宗教という看板を隠れ蓑にして、洗脳というものがかくも強引にかつ粗暴なやりかたで行われていることに日本中が驚かされたものだ。

それは一教団内部で行われていたことだが、共産主義国家では、大規模に広汎に徹底的に行われるものである。

中国共産党は、1948年に中国統一を成し遂げて、その直後の数年において中国全土の思想改造という名の洗脳を、対中国人はもとより対外国人に対しても行った。

アメリカは、朝鮮戦争からの帰還兵の中共による洗脳されぶりを見て、その後洗脳技術研究にいそしんだようである。このあたりは、「CIA洗脳実験室/ハービー・M・ワインスタイン/wave出版」などでも書かれており、LSDの教祖ティモシー・リアリーの官憲からの追及の経緯などを見ても、そうした背景があったことはうかがえる。

こうした組織的洗脳について、私はかねてよりその効果が何年もつかについて関心を持っていたが、中国で共産主義政権誕生直後に施設で洗脳を受けた西洋人に対する調査に関する以下の文で、その大概を知ることができた。

 

『長期の効果

 

西欧人に適用されたような、刑務所内での思想改造のもつ、長期にわたる成功ないし失敗というものについて何が言えるのか。彼らを説得して、共産主義の世界観へ彼らを変えさせるという観点からすると、そのプログラムはたしかに、失敗だと判断されねばならない。

私の対象である二五人の中ではただ一人(そして、私のその人たちのことについて話を聞いただけの他多数の人々の中では、一人だけあるいはおそらく二人)が、ほんとうにうまくいった転向者と見なし得る人物であった。追跡調査で得られた情報によって、香港でこの人たちに面接したときに、観察しはじめて次のことが確かめられた。つまり、思想改造の精神から、中国共産党の行動をより批判的に見るようになるのが一般的ななりゆきであるということである。

彼らの釈放後三年ないし四年たつと、彼らのほとんどが、収容される以前に感じていたものとははるかにきびしい感情を共産主義に対して表明している。

世界の大きなイデオロギー的問題に対する解答を得るため彼らのあてにしているのは、共産主義ではなくて、彼らが若い頃知った西欧の列強であり、彼ら自身の内なる統合であった。この自分たちのうけた思想改造を意識的に容認するということは、決して、心理的な全景をあらわすものではなかった。しかし、意識的な意見というものは、結局は重要な意味をもってくるものである。』

(思想改造の心理/リフトン/誠信書房P253から引用)

 

刑務所や収容所などの施設での洗脳であっても、3~4年経てば戻るだろうということ。ただし、その間にまた洗脳を繰り返されれば元に戻るので、洗脳は定期的に繰り返し行われがちなものである。共産主義を1990年代でやめたロシア、東欧諸国の脱洗脳ぶりはどうだったのだろうか。

ともあれ、この時代の覚醒には、なるべく社会による洗脳を避けるように心がけるというのは必要なことですから。

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中国不動産バブルと末路

2024-08-26 03:17:35 | 時代にFace it

◎全人民スマホ管理の結末

 

直前決算で中国事業で大赤字を出した複数の企業が、普段TVCMなど流さないのに、にわかに有名タレントを使ってTVCMを流すので、そういえば、中国関係で損失を出したのだなとかえって思い出されるこの頃。

 

『中国不動産バブル (文春新書)/柯隆』を読んだ。柯隆さんは、好漢である。

 中国不動産バブルに関して、特に日本人にあまり理解されていない事がいくつか書いてあり、読書メモがてら、感じたことも書いてみる。

  1. 中国は三権分立ではない。三権を超える絶対的権力を中国共産党が保有している。
  2. 腐敗というのは賄賂とインサイダー取引のこと。
  3. 中国のサラリーマンの賃金水準は一般に日本より低いので、中国富裕層の収入は、賄賂とインサイダー取引と不動産投資で構成されているのだろう。中国富裕層は悪銭の人々か。
  4. 10年前で賄賂1千万円というのはチップ程度の扱い。本格的な賄賂は10億円単位なのだろうが、その規模だと案件そのものの採算にも影響大。昔、女優ファンビンビンが、上海の有名占い師に見料1件3千5百万円払ったと聞いて驚いたが、その金額は実は相場だったのか。
  1. 不動産開発で、賄賂のもらい手は中央および地方の共産党幹部と政府の幹部、銀行幹部。わいろは社会の潤滑油と呼ぶそうだが、この高額では、潤滑油どころではない。わいろの出し手は、直接的にはデベロッパーなどだが、もともとの金の出所は住宅ローンを借りている庶民。
  2. 中国と中国人は、契約を守るという慣習がない由。契約を一方的に破棄しても罪に問われないからの由。法律はあるが執行がダメな由。中国は、礼と道徳の国だと考えていたがそうではなかった。始皇帝の時代から韓非子の法家が重きをなしていたのは、約束や契約を守らないのが当たり前みたいな考え方だったのですね。国家間でも合意はするが履行しない例はいくつもあった。
  1. 中国では、最低限の私有財産権も、共産党の意向で踏みにじられることがある。それは、文化大革命とコロナ禍の地域隔離時に顕著だった。コロナ禍の地域隔離時には、官憲が個人の家に勝手に侵入し、ベッドの上に消毒剤をまき、犬猫などペットを殺してまわった由。法律の上に存在する共産党。
  2. 中国は、スマホにより全国民の思想、所在、住居、金銭の管理を現実化した。これは、ジョージ・オーウェルの小説1984年を上回る最先端の管理社会を、人類史上初めて実現したもの。その中で「人間」はやっていけるのだろうか。共産主義洗脳は、1940年代から日々繰り返し行われているが、その末路はどうなるのだろうか。
  3. 不動産バブルの崩壊は、不動産業、金融、行政、共産党の一党支配を脅かすかも。中国は、富が権力側に偏って集中していて、共産党指導者を中心とした特権社会であって、一体これが社会主義体制なのかと考えさせられる構造である。
  1. 中国共産党員は、約98百万人(2022年末)もいて、その賃金は膨大。日本の公務員数は、約3百万人で、その30倍。
  2. 中国では、軍事費より社会治安維持費用の方が大きい由。政府と国家は、人民の信用を失っているかららしい。
  3. 日本もバブルが終わってから20年経っても、それでも今後株価は戦後最高値をつけると信じている人が結構いた。いわんや中国人がにわかに不動産価格が下がるなどとは、頭でわかっていても、受け入れられないだろう。中国人は総じて強気の投資判断なのだろう。
  4. 不動産バブルの崩壊は、政権の致命傷となりかねないので、なんとかして不動産バブルを崩壊させまいとするのだろうが、手はあるのだろうか。1976年の文化大革命終了時も中国経済は破綻していたらしいが、それを改革開放で乗り切った。中国特有の、庶民の人権を軽視するという切り札があるので、何でもできると思っているのだろうか。恐ろしいことではある。上海のコロナでの地域隔離時に食料は途絶し、病院医療も崩壊した事例がある由。
  5. Win Winという言葉は、最近は普通に使われるが、元は中国から最近来た言葉と思う。日本には、三方一両損という美しい言葉がある。
  6. 中国農家のエンゲル係数は50%以上で、都市部住民の平均エンゲル係数は40%以上。庶民は、搾取され絞りつくされている。
  7. 中国の低所得層は、金がなければ、最低限の生活の権利を守ってくれる制度もないという恐るべき状態にある由。
  8. 絶対的権力は絶対的に腐敗する。

 

ダライ・ラマは、存命中での中国共産党の終了を予言。

 ダンテス・ダイジは中国四分割を予言。

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