アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

聖霊の話

2024-03-27 17:47:11 | ジェイド・タブレット外典

◎ジェイド・タブレット-外典-10-4

◎二位一体

 

キリスト教では、父なる神と子なるイエス・キリストがいて、さらに聖霊があって、三位一体の構成要素である。しかし三つの神々ではなく、唯一の神を主張すると同時に他の多くの神々を否定する。この「他の多くの神々」にあたる部分の大方が太母なのだが、これを否定していることで、三位一体と自称しているが実質は二位一体と評価されることがある(ケン・ウィルバーも二位一体と評す)。

 

そして聖霊といえば、キリスト教の専売特許のようだが、さにあらず。

 

まず、旧約聖書。

創世記7章では、神は土のちりで人を造り、命の息(聖霊)をその鼻に吹きいれられて、生きた者となった。また聖母マリアは聖霊によって身重になった。

 

そして新約聖書。

1.ヨハネによる福音書14章『父がわたしの名によってつかわされる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、またわたしが話しておいたことを、ことごとく思い起させるであろう。』

 

2.同3章『神がおつかわしになったかたは、神の言葉を語る。神は聖霊を限りなく賜うからである。』

 

3.同20章『イエスはまた彼らに言われた、「安かれ。父がわたしをおつかわしになったように、わたしもまたあなたがたをつかわす」。そう言って、彼らに息を吹きかけて仰せになった、「聖霊を受けよ。あなたがたがゆるす罪は、だれの罪でもゆるされ、あなたがたがゆるさずにおく罪は、そのまま残るであろう」。』

 

4.マタイによる福音書12章『人には、その犯すすべての罪も神を汚す言葉も、ゆるされる。しかし、聖霊を汚す言葉は、ゆるされることはない。また人の子に対して言い逆らう者は、ゆるされるであろう。しかし、聖霊に対して言い逆らう者は、この世でも、きたるべき世でも、ゆるされることはない。』

 

こうして並べてみると、聖霊とは神の属性である絶対善を有して活躍している様子。そして人間にとって、聖霊は人間の本質のようでもあり、高級神霊のサポートみたいでもある。

 

さて出口王仁三郎は水鏡で、『キリストは三位一体と説いて居るが、その三位一体は父と子と聖霊とを云ふて居る。聖霊なるものは決して独立したものでなく、天にも地にも人にも聖霊が主要部を占て居る、否聖霊其ものが天であり、地であり、父であり、母であり、子であり、人である。故に三位一体といつても其実は二位一体である。キリスト教には父と子はあつても母が無い。』と言っている。

 

出口王仁三郎は、聖霊が一位、子たる人間が二位で、二位一体と見ているのだろう。一般的な三位一体モデルというものがあるとすれば、無形無相の神(ニルヴァーナ)が父で、母は現象面のシンボル(アートマン)、そして人間の三位一体ということになるだろう。

 

こうして見てみると、聖霊は無形無相の反対物としての現象の総体の主要部のことを言っているようであり、無形無相の神の「有の側の働き」のことも言っているようでもあるから、「父と子はあっても母がない」という言い方になるのだろうか。

 

聖霊とは人間でいえば人間の精神を貫く神的な要素のこと。聖霊を人間が受けるとは見神に相当するのだろう。

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ダンテス・ダイジの人類史観から

2024-03-27 17:37:08 | ジェイド・タブレット外典

◎ジェイド・タブレット-外典-10-3

◎シリウスからエジプトへ

 

ダンテス・ダイジの老子狂言より。

『現代西洋文明の合理的理性から見た仮説としての人間観から人間進化を位置づけてみよう。

 

そうするとレムリア人種は、意欲人間、アトランテス人種は、感情人間、現代西洋人種は、知性人間ということになろう。現代西洋人種とは、地理上の西洋・東洋を意味するのではなく、紀元前3120年以後の人類全体のことである。』

 

ダンテス・ダイジの断簡を読んでいると、レムリアとは明示していないが、大聖者メルキゼデクの悲劇的最期が追憶の一節として登場し、またダンテス・ダイジが人馬合体の姿のケンタウロスであったことも出てくる。当時は、人間の肉体、あり方自体が現代人の想像もつかぬ有様だったのではないか。

その延長線上に、彼自身の故郷であるらしいアルファ・ケンタウリ(地球から最も近い恒星、距離4.3光年)の少女と、シリウスから銀色に輝く空飛ぶ円盤で地球に降り立った彼の姿が見え隠れする。シリウスは、犬星というやや傾(かぶ)いた、或いは照れたような表現で、漠然と言及されている。

レムリア人の客観的な手がかりはないが、その上で彼はレムリア人を意欲人と規定、アトランティス人を感情人、現代人を知性人と見る。知情意を完備した姿が人間の完成形なのだ。

 

紀元前3120年は、古代エジプトの第一王朝で上エジプトのナルメル王が下エジプトを征服しエジプトを統一した頃。勿論この年代は、地政学的な意義を語っているのではなく、中有的な時代、神の現存を確認しきれぬもやもやした5千年の始まりであって、最終的にその知性で物質文明、火力エネルギー主体の文明を極め、社会と人間において上面だけに神がいる5千年をもって知性人としての成熟を図る。

最終段階たる現代では、アトランティス末期同様に人類絶滅兵器を使用できるようになるが、人類が絶滅を回避できるかどうかは、神のみぞ知る。

この5千年は、闇を無視し光を珍重するアポロン的時代。あるいは、生のポジティブ面だけを強調し、死を隠す時代。死の極みは愛の極みに近いがゆえに、死の見えない時代は、愛なき時代でもある。

紀元前3120年において、現代の方向性を定めたと唱えるダンテス・ダイジは、それに先行して紀元前九千年頃エジプトに出現して、以降の足がかりを築いている。

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父なる神が息子における若返りという形で誕生する

2024-03-27 03:02:46 | 覚醒のアーキテクチャー

◎ジェイド・タブレット-外典-10-2

◎崇高な〈日の老いたる者〉が、子どもとして生まれてくる

 

キリスト教においては、三位一体という大枠の中で、父なる神が息子における若返りという形で誕生するというイメージがある。神の子イエスとは、父なる神の『日の老いたる息子』なのだ。

以下にC.G.ユングの説明を挙げる。

『同じように錬金術でも老いたる王には救済者としての息子がひとりある。ないしは老王自身が救済者としての息子になる(ラピスは始めにおいても終わりにおいてもラピスである!)。さらに、王がよりよきものに改まる必要性という点では、中世のある考え方を考慮に入れなくてはならない。それは旧約聖書の怒れる神の新約聖書の愛の神への変容にかかわる考え方で、神は一角獣のように処女〔マリア〕の膝のなかで 〔胎内で〕怒りを鎮められ変貌したというのである。この種の考えはすでにフランシ スコ会の聖人ヨハネス・フィダンツァ・ボナヴェントゥラ(一二七四歿) にも現われているように思われる。その際注意すべきは、教会の比喩言語は父なる神を老人の姿で思い浮かべることを好み、父なる神が息子における若返りという形で誕生するというイメージを好むという事実である。

ノラのパウリヌスはある讃歌のなかで教会を神の母〔聖母〕のアナロジーとして讃美しているが、そこにはこういう詩句が見える。

 

けれどもこの妻は、なんぴとも触れなかったその肉体においてはいつまでも妹のままだ。

彼女が抱擁するのは霊である。彼女の愛する人は神なのだから。

この母から老人が、いまだ可愛らしい子どもの姿で生まれ・・・・・・

 

ここにいわれているのは、たとえば受洗者―――「新たな子どもへと生まれ変わる者」 renatus in novam infantiam―――のことであるが、しかし教会と神の母のアナロジーはまさに、父なる神自身が髭をたくわえた老人として、息子なる神が新たに生まれる子どもとして崇拝されたという点に存するのである。

「老人」senex と 「子ども」puer のこのような鮮やかな対置はおそらく一再ならず古代エジプトの神学の神の更新という元型と接触したことであろう。エフラエム・シュルスのつぎの詩句に見られるようにこの対立の本質同一性が、はっきりと前面に現れている場合には特にそのことをうかがわせる。「崇高さに満ちた〈日の老いたる者〉が、子どもとして、子宮のなかにやどっていた」 Antiquus dierum cum sua celsitate habitavit, ut infans, in utero. 「おお処女よ、汝の小さな子は老人である。いな、〈日の老いたる者〉であり、あらゆる時に先立って存在していたのだ」 Puerulus tuus senex est, o virgo, ipse est Antiquus dierum et omnia praecessit tempora.』

(結合の神秘Ⅱ/C.G.ユング/人文書院P34-35から引用)

※ラピス:賢者の石

 

これは、チベット密教の母の光明が、より錬磨洗練されて子の光明に進化することを連想させるイメージである。チベット密教では母から子、キリスト教では父から子。

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