アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

役行者が己の骸骨に出会う

2023-03-19 06:53:40 | 修験道neo

◎トラウマを超えて

(2006-11-15)

 

修験のパイオニア役行者の出現以前も以後も、奥駆けを中心とした山岳での修練が盛んに行われた形跡はないようだ。それほど当時の山の生活は厳しいものであって、まして何十日も山を縦走しながら修行するというのは命懸けであったに相違ない。

 

大峯山は古くは金峯山(きんぷせん)と呼ばれ、吉野川の川岸から山上ケ岳あたりまでの山系の総称である。役行者でさえ未踏の新山に踏み込むには慎重であり、初めて大峯山上ケ岳に登ったのは37歳の時(役行者本紀)。

 

667年役小角は大峯の奥駆けをスタートし、吉野から熊野へ旅立った。役行者が山上ケ岳山頂付近の洞窟で孔雀明王と不動明王を一心に祈念していると一体の骸骨を見つけた。

 

その骸骨は右手に利剣、左手に独鈷杵を持っていた。すると御告げがあり、「役行者は、この山で生を受け生を終わること7回で、この骸骨は3回目のものである。」そこで千手陀羅尼と般若心経を唱えると骸骨は利剣と独鈷杵を小角に渡した。また釈迦ケ岳には第五生、小笹にはすでに眼窩から若木が生えた第六生の骸骨が残っているとされる。

 

役行者は、この独鈷杵を鋳直して孔雀明王像を作り、また利剣は八経ケ岳に埋めたがこれが八剣山とも呼ばれる由縁。

 

役行者は大峯の洞窟で己の前世についてのアカシック・レコードを見たのだろう。

 

人は、前世やら過去世やらで潜在意識に蓄積された傾向によって、その行動や思考を縛られている。それは、最後には必ず自分を振ってくれる人を恋人に選んだり、美少女ゲームにはまってしまうことや、オンライン・ゲーム中毒になったり、果ては、○○愛者であることや、下着フェチや○○倒錯や色情狂であることの原因でもある。

 

人がこうしたことを繰り返すのは、基本的には自分の潜在意識の奥深くにあるトラウマ(外傷体験の記憶)により行動や思考の悪循環を起こしているためである。ところが本来の自分というものは、その悪循環を超えた本当の自由闊達さを生きることができるものなのだ。

 

役行者は過去世の骸骨を見たことをきっかけに、本当の自分に出会ったかも知れないが、平素からの真摯な冥想訓練により本来の自分に出会う練習がないと、きっかけがあったとしても、なかなかそうなるものではあるまい。

 

大峯と髑髏と言えば、陰陽師、安倍晴明が花山天皇の頭痛の原因を探ると、天皇の前世の髑髏が大峯の岩にはさまって、雨の日は膨張した岩でしめつけられるため、頭痛がするのだと奏上して快癒に導いた事件もある(古事談)。

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二重の夢で成る人生-2

2023-03-19 06:38:23 | 覚醒のアーキテクチャー

◎肉体の死と深い方の夢

 

人間は肉体が死んでもほとんどの人は悟りを開かない。それは、肉体が死んだとしても「起きて活動している時間帯の自分という夢」が続いていて、相変わらず「起きている時間帯も眠っている時間帯も稼働し続ける自分という夢」(深い方の夢)には気づかないまま死後の世界にいるということ。

 

チベット死者の書は、人間を悟りに導くプロセスの説明ということで一貫しているので、そういう実もふたもない説明の仕方はとらないが、実際はそういうことである。

 

死のプロセスにおいて、肉体機能停止直後に、すべての人が悟りである「原初の光」に出会うが、誰もがそれと認知できるわけではない。ごく一部の人だけが、「原初の光」を見る。

 

肉体機能停止後数時間で、エーテル体は崩壊。アストラル体は残るわけだが、Aさんが死んで、アストラル体がAさんのままかといえば、そうでなくA´さんになるらしい。アストラル体A´さんになったとしても大概の人は、「起きて活動している時間帯の自分という夢」だけを自分と思い込んで悟らないままで、あの世に生きる。

 

だが、その意識感とかあの世における見方、感じ方は、どこにいても中心太陽が見える(あの世探訪譚では、大概いつでも中心太陽(central sun)が見えると書いてあるものだ)ことからすると、肉体人間が、神を知らないという見方、感じ方とはまた異なるものかもしれない。

 

それにしても大悟覚醒する側は、七転生で大悟したとか、何百回も転生した後に大悟したということからすれば、大半の人が肉体の死後においても、悟りすなわち「起きている時間帯も眠っている時間帯も稼働し続ける自分という夢」に気づかないまま生まれ変わってくるのだと思う。深い方の夢には気づかないのだ。

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