◎頭頂からの脱出
(2014-08-21)
チベット密教では、死に際しての頭頂からの脱出を最優先とする。これぞメンタル体の重視である。
チベット死者の書では、中有に入った後も、いろいろとチャンスがあるという書きぶりで再誕生までの出来事を記述してくれているが、悟りを得るという観点からは、一旦中有に入ってしまえば、一から人生をやり直すしかないということになり、再誕生までの途中に悟りのチャンスはほとんどないのだろうと思う。要するに死んで中有に入ったら今生の求道トライアルとしては失敗なのである。
よって、ハイ・レベル修行者として、メンタル体でサハスラーラ・チャクラから肉体を離脱できるかどうかが最大の関門であると、チベット密教は見ていることがわかる。
というのは、チベット死者の書の冒頭に、頭頂であるサハスラーラ・チャクラからの離脱サポートテクニックが置かれているからである。
将来予想される同時大量アセンションにおいても、この点は、間違いなく大きな焦点の一つになるのだろうと思う。
○メンタル体での肉体離脱のサポート
『喉の左右の動脈の動悸を圧迫せよ。またもし死に赴く者が眠りにおちいろうとするならば、それは妨げられねばならない。そして動脈がしっかりと圧迫されるべきである。そうすることによって、生命力は、中枢神経から還って来ることができず、ブラフマの開き口を通って逝去することは確実である。』(チベット死者の書/講談社P27-28から引用)
※眠りの回避←意識を清明に保つための工夫。
※ブラフマの開き口:頭頂。
〈参考〉
○アストラル体での肉体離脱
残念ながら死に赴く者(クンダリーニか)が、頭頂(サハスラーラ・チャクラ)を通過しなかった場合は、左右いずれかのイダー管かピンガラー管を通じてその他の開き口(へそ等)を通って去っていく。(チベット死者の書)
これはアストラル体での肉体離脱だろうと思う。そして、これが大多数の人の死後のルートであると考えられる。この後、輪廻転生の通常ルートに流れていく。チベット密教ではこれを『無知の状態で死ぬ』と呼ぶ。
フツーの人においては、「(8)光明」は指を鳴らす時間しか続かないともいう。「(5)顕明 (6)増輝 (7)近得」は、指を3回鳴らす時間しか続かないとされ、光明(原初の光)が消えてから3日半は無意識の状態に投げ込まれる。