詠里庵ぶろぐ

詠里庵

今日の朝日新聞

2008-11-15 22:43:03 | 日々のこと(一般)
朝刊17面の「異見新言」に私の親戚が記事を書いています。入手可能ならご一読を。

その内容とは離れますが派生して思ったこと:
明治維新後日本は西洋文化を取り入れましたが、成功したものとそうでないものがあるように思います。
 衣食住に例をとると、なんといっても食文化は成功しているのではないでしょうか。食文化は変わりにくく、変わるには6代の世代交替が必要とどこかで読んだことがあります。西洋に行くと、国ごとに、日本の西洋料理とだいぶ違うなと思うことがあります。やはり西洋料理を取り入れてもそのままの形でなく、どこかに和食の要素が残ったものになってしまったようです。それが良かったのだと思いますが、和も活かして独自の和風西洋料理がソフィスティケートに発達したように思います。
 衣は全面的に取り入れたので、独自の展開を見せたわけでもないですね。食文化が変わり難いのに対して衣は最も変わりやすいのかもしれません。和服を全滅させてしまったわけではないし、成功といえば成功です。
 最もうまく行かなかったのは住文化だと思います。海外から帰るたびに、もっときれいな町並みにできなかったのだろうかと思ってしまいます。江戸末期に撮られた写真を見ると、住に関しては西洋文化を取り入れる前の江戸時代の方が綺麗だったのだろうと思います。和風の気品と引き替えにヨーロッパの家々の気品を取り入れたわけではなく、機能性だけ取り入れたものだからこうなってしまったのではないでしょうか。装飾の仕方まで真似るのは手が回らないのかもしれません。このことは外装に著しいのですが、内装も味気なくなった気がします。しかも和サイズで洋室洋ドアではいかにもちゃちな感じです。

 衣食住を離れると、取り入れただけでなく独自の発展を見て成功したのはテクノロジー。これは匠(たくみ)の伝統が活きたのではないでしょうか。またアニメ。日本最初のアニメである鉄腕アトムを見たとき、やはりディズニーに敵わないなと思いましたが、今では日本がリード。映画もそのまま真似たというより独自のものがあるような気がします。これらの要因を鳥獣戯画や能・歌舞伎に遡るのはこじつけ過ぎでしょうか?
 またそのまま取り入れて成功したと思えるのは科学、音楽(クラシック・ジャズ)、美術、演劇。こういった普遍性のあるものは日本人は取り入れるのが得意なのかもしれません。
 オペラ、ミュージカル、ポップス、ソフトウェアはまだまだな気がします。どうしても本場モノに敵わない気がします。宝塚は独自の産物ですが、全国的ではありません。

要因をきちんと理解したわけではありませんが、和特有なもの、普遍的なもの、西洋特有のものという軸と、取り入れやすく和と融合しやすいもの、そのまま取り入れやすいもの、取り入れにくいものという軸で考えると、多少は見やすいと思います。もっといい見方があるかもしれませんが。

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