詠里庵ぶろぐ

詠里庵

僅かにミーハー

2010-04-11 02:50:15 | サイエンス
ですが、十日ほど前長距離移動の待ち時間に本屋で「スティーブ・ジョブス vs ビル・ゲイツ」という本を見かけ、パラパラ見たら2人それぞれのエピソードをそこそこ面白く書いてあるので、買って移動時間中に読んでしまいました。(斜め読みは得意です。和書に限りますが)

ところでこの本で一番重要なこと(と私には思われること)が最後の2ページに書いてありますが、それは学から産への技術移転にも関連してこのところ考えさせられていることと通じているのですが、端的に言えば、日本ではなぜベンチャーを立ち上げる彼らのような人が少ないのかということです。もちろんその答えは「アメリカ人の方が冒険心が強く勇気がある」ではなく、日本が「起業しやすい社会システムにない」点にあります。こういう話題は全く専門外なのですが、それでも「起業しやすい社会システムでない」点が二つはあると思うのですが、その一つが書いてあったわけです。

それは「日本では失敗した起業者が被るリスクが大きすぎるが、アメリカではそうではない」ということです。ではなぜそうなのかということが書いてないのですが、これは具体的には代表者個人保証とか連帯保証人などの制度です。勇気があるないの民族的気質じゃないですね。尤も、こんな制度になっていること自体が民族的気質かもしれませんが。俗に言う「私財をなげうって」を美談にしてはいけないと思います。もちろんそういう人は偉大ですが、美談にする→今後の起業家にも要求するという面がありますから。それでは起業できないのが当たり前です。

もう一つは、その本には書いてないのですが(本の目的が違うから仕方ないのですが)どうも投資家がヘタクソなんだと思います。ジョブスやゲイツのような人が持ってくる企画を見抜けず、リスク分散のため他のどうでもいい起業家にも投資を分散させているみたいなんですね。日本の投資家は。

さて一番目の問題点に戻ると、代表者個人保証とか連帯保証人などやめたら?と日本の銀行に言っても社会の仕組みはすぐに変わらないでしょう。しかし事は急を要するので、この際国がそういう投資家になるのがいいと思われます。その際重要となるのは、「見抜く力」でしょう。これを育てる必要があります。つまりベンチャーを育てるにはベンチャーを見抜く・評価する人材を育てなければいけないわけです。何事もそうで、音楽家を育てるには才能を見抜く・評価する人がいるかいないかが大きいのと同じです。ショパンやドビュッシーの才能が花開いたのはもちろん彼ら自身に才能があったことが第一ですが、それを見抜いて、見抜いただけでなくプロモートする力を持った人々が近くにいて、受け皿となる制度もあったからです。同時代の日本に生まれていたらああはならなかったでしょう。さてベンチャーを見抜きプロモートする人を育てるにはどうするか?・・・と、眠くなったので今日はこんなところで・・・
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