こんにちは。去る三連休、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。我々九大山岳部は7/15~18にかけて、祖母傾縦走に行ってきました。海の日記念☆九大山岳部’22祖母山傾山縦走合宿の様子をお届けします。
0日目午後7時、いつものトヨタレンタカーで2台のVitzを借り合宿スタートです。午後7時半、某3年隊員(自分です)が大急ぎでスーツから登山着に着替えてレンタカーに乗り込み、今合宿参加者が全員集合しました。3年4名、2年1名、1年2名の計7名での山行です。残念ながら参加できなかった1年が多く、九重合宿と比較すると約半数のメンバーでの合宿となりました。登山口付近までの約4時間、3年と2年の隊員計3名がドライバー役を担当しました。長時間の運転、本当にお疲れ様でした。夏合宿後にはもう少しドライバーが増えることを期待しています。がんばれ、合宿免許組!
目的地に到着し、2、3年5名は車、1年2名は駅で眠ることにしました。と、ここでSTB隊にハプニング発生。駅のベンチにマットを敷いたまま付近のトイレに行っていたところ、マットの上に人影が!なんと、したたかに酔っておられたおじ様が某隊員のマットの上で寝転がっていたとのこと。寝過ごして降りた駅のベンチの上にサーマレストのキャンプマットが敷いてあるのを見て、気が利いた駅だと思ったのでしょうか。無理に起こすわけにもいかず、某隊員はそのままトイレ横のベンチで一晩過ごしたそうです。お疲れ様。
翌朝6時45分、いよいよ行動開始です。今回歩くのは、健男社そばの障子登山口から出発し、祖母山、古祖母山、本谷山を通って傾山まで縦走、最後は三ツ尾を通って下山する、祖母傾連山をぐるりと一周するルートです。元気よく出発!と行くはずでしたが、水場が枯れている場合を想定して予備で持っていた6Lの水が堪えたのか、某3年隊員(自分です)が早々にダウン。初めの2ピッチで2時間弱遅れるという最悪のスタートを切りました。
初手で大幅に後れを取ったため、読図がやや難航。これが障子岩か、これが大障子岩か、きっとこれだ、いやこれだと凸凹道を進んでいきます。先頭隊員のルーファイのおかげで特に迷うこともなく、順調に初日の宿泊地である祖母山九合目小屋に到着しました。危険個所などブログ映えするポイントがいくつかあったような気がしますが、ごめんなさい、全然記憶がありません。地図の読み込みが浅かったからか、寝不足だったからか、道が単調だったからか。最初の遅れを巻き返していることを考えると、単純にしんどかったからかもしれません。
祖母山九合目小屋に荷物をデポし、15分ほど歩いて百名山・祖母山山頂に到着しました。昨年度は見ることが叶わなかった景色を目の前に、3年連中は万感の思いです。複数回の祖母山登山の経験がある某1年隊員も、初の”雨の降っていない”祖母山山頂に感動していました。翌日も長丁場になるため、スピーディーに感傷に浸り、山頂にいらっしゃった方に写真を撮っていただいた後即下山しました。急いでテントを設置し、夕食作りに取り掛かります。水も無事その場で確保できました。この日のメニューは九大山岳部史に残る名シェフ、3年Tのオリジナルスパイスダル(豆カレー)。隠し味のケチャップが最高です。カレールウは世界中の山岳部にとって最強の発明品ですが、スパイスカレーを山で頂けるというのは、何と言いましょうか、高品質な幸福を感じます。シェフ、いつもありがとう。煮豆を歩荷してくれた人もありがとう。誰だろう。
翌朝、今宿民の誇りことマルタイラーメンで腹ごしらえをし、6時にテント場を出発しました。この日は古祖母山、本谷山を通過し九折避難小屋を目指します。祖母山を超えると鎖場の連続。7人パーティーでの行動のため思うようにペースが伸びません。祖母山の美しいフォルムを考えると、急降下も致し方なしかな、などと思いつつ歩き、天狗岩手前の開けた岩場で一休み。太陽は出ていないものの景色は見える、という絶好の登山日和です。ちなみに今年度、九重も日向神もあまり雨が降っていません。ここまで来たら夏合宿だけ降るとかありえませんね!春合宿まできっと晴天だろうと思います。…フラグを立てたいわけではありません。本当に晴れてほしいです。頼みます。
その後はテンポよく天狗岩、古祖母山頂を通過していきます。次もきっとすぐだ!と意気込んだものの、本谷山までがなかなか大変でした。道中猛スピードで斜面を駆け上がるシカに遭遇するなどしながら400m高度を上げて本谷山を通過、ようやっと本日のテン場に到着しました。多くの隊員にとっては初日が一番大変だったようですが、個人的には本谷山の登りが3日間で一番きつかったと感じます。だだっ広いテン場にテントを立て、翌日に備えて陽の出ているうちから就寝しました。この日のビーフストロガノフも絶品でした!
迎えた最終日。夏合宿前に日の出前の行動開始を経験しておくことを目的に、3時半にテント場を出発しました。傾山隊5名、エスケープ隊2名に分かれて出発です。新作マカロニチョコフルグラはチョコバナナの雰囲気があり美味でした。
黙々と登り、若干下ってまた登り、山頂直前の1375m地点までやってきました。少しずつ明らむ空を眺めながら岩を登っていきます。だいぶ進んだところで、見覚えのある景色が見えてきました。昨年度、ビバークに使用した場所です。ちょうどテントが張れるほどの空間がありました。なつかしい。そこから15分程度歩き、ついに山頂に到着しました!やや強い風が吹いていましたが、今合宿最後の目的地ということで少しゆっくり休憩しました。
傾山、と言えば吉作落としを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。崖の途中に取り残された男性が、数日間耐え忍んだものの、精神が崩壊し、自ら転落死してしまうお話です。端的に書くと怖すぎますね。TVアニメ「まんが日本昔ばなし」屈指のトラウマ回として有名です。自分は昨年度山行後にこの話を知り、ぞっとした記憶があります。吉作が転落した場所は登山ルートから離れているため見ることはできませんでしたが、登山道もややスリリングな道が多く、どことなくお話の空気感を感じられた気がします。もちろん登山道は整備されており目印もたくさんあります!ただ、登山未経験者におススメできる山とは言えないかな、という感じです。その分山頂からの景色は格別です。山から山を見るのが好きな方には自信を持っておススメできます。三ツ坊ルートを避けて歩き、9時半ごろに全隊員無事下山しました。
終始天候に恵まれた楽しい合宿でした!昨年度は辿り着けなかった祖母山に登ることができて本当に良かったです。体力強化という点では、私個人は初日にへばってしまったこともあり終始あまり負荷をかけることができず、行く意味あったか??という感覚でしたが、下山後少しだけランニングが楽になったような気がします。成長できているのなら嬉しいです。夏合宿まで残り一か月、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。
以上、天候に恵まれた2022年度の祖母傾合宿の様子を食レポ多めでお届けしました。いかがでしたでしょうか。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。最後に、今回が初の祖母山登山だった某1年隊員が山行中に残した名言を紹介して、本記事の締めとさせていただきます。皆さん、お疲れ様でした!
とうに過ぎていると思っていた大障子岩が目の前にあると知って
――――――――祖母って人生?
最終日、傾山から下山中
――――――――エスカレーター無いっすかね。
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