かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

シンプルな答

2010年07月16日 21時51分58秒 | 医者仕事
今日は発表をしてその後、準備で疲れた体を休める腹づもりだったのだがそうはいかなかった。唯一の受け持ち患者の呼吸状態が悪化し、挿管しているはずなのにも関わらず吸引でも改善しない。そして、空気の入りが異様に悪い。しかしながらレントゲンでは肺はきれいそのもので、気胸もない。首を傾げるも何もしないわけにはいかず、人工呼吸器を持ってくることになった。
しかし、機械につないでもそれでも良くならない。気管チューブを抜いてみると答はすぐにわかった。痰が固くなってチューブをつまらせていたのである。これでは空気が入っていくはずがない。
わかってみればどうして気付かなかったのかわからないほどのシンプルな原因ではあったが、なかなかどうして思い至らないものである。気管チューブを交換すると効果はてきめんで、呼吸状態はいっぺんに安定した。しかしながら二酸化炭素の貯留はなかなか改善しない。自発呼吸もちょっと怪しい。となると人工呼吸器からの離脱はしばらくは難しいだろう。管理が難しいのはこれからである。

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