WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

ゴッホ

2009-05-20 | 親子 ART LIFE

ゴッホ 月星夜


お友達が、Takにと、古い画集を下さいました。

「ゴッホ」「モディリアーニ、ユトリロ、ビユッフェ」。
私が生まれた頃に出版されたもの。もうウチでは「ただの木片」だからと(^_^;)

Takが学校「読書」の宿題で何を読もうか私の本棚を捜しているので、「ゴッホ」の画集の解説のところを一緒に読むことにしました。

ご存じとおもいますが、ゴッホは、1800年代後期の画家。
生きている間に認められることはなく、精神を病み、37歳で自らの命を絶った。
同時代のゴーギャンとの共同生活や、ショッキングなエピソードについては知っていたけれど、牧師の家庭に生まれたこと、画商や、本屋、宣教師、家庭教師…いろんな職業を試みながら、どれも人々から受け入れられず、絵画の道を選んだという経緯は、あまり知りませんでした。

「高階秀爾」という方の、ゴッホの生涯に関する解説は、このように始まります。

ゴッホの悲劇は、人間の魂の悲劇である。
単に世に理解されぬ画家の悲劇というにとどまらない。
他人に理解されぬ魂の悲劇なのである。
しかし、ゴッホほど「理解される」ことを必要とした人はいなかった。
彼は他の魂との交流を強く望んでいた。
自分のようなものでも、他人のために何か役に立つことができるはずだというのが、繰り返し彼の手紙にあらわれる疑問である。

……


漢字が難しいので、私が読み聞かせをしました。
言葉も難しい。
「他の魂との交流」なんて、ちょっと難しすぎたかなあ、、、

でも、読み進めるうち、Takはベッドにころがって、うつ伏して泣き出したのです。
「かわいそうだ」といって。

大人向けの解説文なので、子供の涙を誘うような情感たっぷりの書き方はもちろんしていません。
ひとしきり泣いたあと、

「ゴッホは、イエスさまと神さまのところに行けたかなあ?」

「それはお母さんにはわからないよ。行けたと信じたいけど、神さまにしかわからない。」

さらに読み進めて、途中の、当時の画家の○○派…などというグループ分けや、地名がいろいろ出てくるところは子供にはワケがわからないので割愛。
でもTakの知っている「ミレー」の描く農民の絵に強く影響を受けたことや、「赤と青によって、人間の恐ろしい情念を表現する」などというところは読み聞かせた。
「娼婦との同棲生活」というくだりも出てくる。
「娼婦」とは、男の人とお付き合いすることを仕事にしてお金を貰っている人…
そうやって、ともかく最後まで読んだ。

「ゴッホは、絶対天国に行けたと思う。天国から自分の絵が認められている様子が見えるはずや。」

こういって、Takはひとりで立ち直った。


以前「ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ」という絵本を読んで、Takは、かいぶつがかわいそうだといって、ものすごく落ち込んだっけ。

そのときの記事はコレ。

日記に、感想文を何度も消して書き直しながら、あまりにも落ち込んで立ち直れないTakがいたたまれないので、私は、言葉を添えてあげたっけなあ。
ちょうど2年前の今ごろのことです。


長くなってしまったけれど、この読み聞かせの時間でいちばん感じたのは、Takの成長なのでした。
それが書きたかったのよねん(^_^;)


教会学校は、Takの心の「核」ともいえるところに直接大きな影響を与えてくれている。ありがとうございます。
「魂の交流」とか「全てを捧げて愛そうという決心」なんていうことが、ごく自然に理解できるようになったんだもの。

それから、絵や、作品に対する感性も、ものすごく豊かに膨らんでいってると思う。
「お母さんね、こないだ、TVで『ミレー』の番組をやってるのを見て、泣いちゃったんだよね。」とかいうと、「どうして?どんな絵?」などといって、ネットで検索してぼくも見たいと食らいついてくるし。
ゴッホの「赤と青」のくだりでも、「いや、それだけじゃないと思う」とかって自分なりの意見を言うし。

だんだん頼もしくなってきたぞTak。
将来は、「ただの人」かもしれないけれど、生きることの意味を自分なりにみつけて、幸せに生きてくれればそれでいい。

…と思いつつも、ガミガミと近視眼的に今日も大声で叱り飛ばす私(-_-;)
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6 Comments

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 (kaede)
2009-05-22 05:28:54
教会学校の牧師先生の話も、音楽も、絵画も
Takくんの魂に直接響いている、って感じが
ヒシヒシと伝わってきます。
こういうのを本当の「感受性」というのではないでしょうか…

うまくいえませんが、これも神様の導きなのかなぁ…と思います。
返信する
TAKくん (おゆき)
2009-05-22 06:28:08
TAKくんはkaedeちゃんが言うように
感受性・・感性が豊かで
それをTAKAMIがちゃんと育ててる
(教会学校に行かせる、芸術関連の本を与えるなど・・)
から まだまだまだまだ心豊かに成長していくと思います。

ただの人・・ってなんだろう・・・
私は俗人だから周りの豊かな生活を羨んじゃって
心が乱れちゃうことばかりだけど
金銭的に豊か・・でも寂しいかもしれないしね・・・
といっても金欠の昨今、”金”と叫んじゃう(・_・)\(-_-;)
返信する
 (TAKAMI)
2009-05-22 08:51:08
♪kaedeちゃん
以前からしつこく書いているような気がするけど、
Takの「感受性」は、遺伝とかそんなんじゃないような気がする。
「魂」そのものって、「遺伝」なんかしないじゃないの。
「私は保護者」「この魂がウチにホームステイしている」
ってゆースタンスでコイツの感性に対しては対峙していかなイカン…という気がしています。
生活全般と、勉強は、それはまた別!!!(^_^;)

♪おゆき
私はね、母子家庭だから、、という開き直りがある。
だから、ビンボーで当たり前なのですという、、、
「母子家庭」って、昨今では、ある程度「保護」されているじゃないの。
医療費もタダだし、、、
しかも私は時給生活者。
お金がなきゃ、働く時間を増やせばいい。それだけのこと。
対して、おゆきは、一般的な家庭だし、自営…じゃないにしてもソレに近い状況だし、
どんなに頑張って働いても即収入に反映してこない…みたいなのってあるよね。
「俗人」なんておゆきは言うけど、ソレって、一般人としてのお付き合いを周囲に対してやっていくには、
周囲の人たちの生活と比べる…なんていうのは当然のことと思います。
そして、そんな状況でもmitsukiちゃんに、寂しい、悲しい思いをさせないようにという心遣いも。
そういう意味では、私よりも、おゆきのほうが、よっぽど大変だし、ストレスもあるだろうし、
精神的にキビシイだろうなあ…とお察しします。
心乱れて当然と思います。
私だって、心乱れまくりだけど、おゆきのほうがもっとキツイだろうなと思う。
あさって、Takの学校の運動会。
せっかく今年度になって新調した体操服を、早速習字の墨でむちゃくちゃに汚してきたので、激怒して、叱りとばしまくった。
ゼッケンも含め3000円越…ぐらいだったかなあ。
この緊縮生活の折、運動会に、新しい体操服を新調して着せることに、何か意味があるだろうか…と、、、マジで考えこみました。
「晴れ舞台には真っ白なユニフォームを」
普段はどーでもよくてもステージ衣装にはこだわる私としては、普通の経済状態なら、どんなに叱り飛ばしても、やっぱり運動会の体操服は新調してやったと思う。
(それほどヒサンに汚れているのです。墨は落ちないからね~~(T_T))
でも、それが当たり前にできない状況で、いろんなことを考えたよ。
「価値」について考える機会を与えられているのかも…と思います。
返信する
いやぁ~ (おゆき)
2009-05-23 07:08:21
私の中では "今の状況は私のせい・・というより旦那のせい”と
責任転嫁を出来るからTAKAMIより楽だと思いますよ・・・・・
もう少しして段々家庭状況が把握できるようになったら
多少の留守番させてでももっと働きに出るつみりだし(どこかで雇ってくれれば・・・)。
確かに 水商売だから働いた時間分 給料が出るわけではない今の仕事。
でもバブルの時によそ様以上に稼いでその道を選ぶのを
止めなかったわけだから私も旦那と同罪。
なんとか今の状況より悪くならないように踏ん張り
道を開きたいと思ってます===

体操服・・・・わかるな・・・
ママ友と靴の大きさの話をしていて
ふと、mitsukiの上履きが入学以来換えてないのに気付き
”上履き大丈夫?”と聞いたら
”ちょっときつくなってたけど言えなかった”と言われちゃったのよね(-_-;)
子供に 家庭状況を分からせねばいけないと思ってそうやってきたけど
ちょっと切なくなったわ。。。。
運動会は今日?明日?
ゼッケンだけ換えられないかな・・・?
でも運動会は衣装じゃないと思うから
がんばれ TAKくん!
返信する
 (さざえ)
2009-05-23 16:59:32
ほら、よく言うじゃない。
親も子を選べない。子も親を選べないって。
肉体はたしかに私から生まれてきたけど、魂はきっとどこかからやってきた。私は肉体を提供してあげた。
心臓はちょーっと悪いけど、一応五体満足に生んであげれて、よかった~と思ってます。
育てるのは難しいですが、ま、神様からの預かりもんじゃけ、ちゃーんと独り立ちさせにゃいけんなぁ、ぐらいで。
あたしゃ、服はオークションで全部ゲットしてます。
好みもあるので、一応吟味して、120、130を150点8千円でそろえました。(一応ブランドもんや新品もあるんですよぉ)
これにて彼女の服は終了。
あとはワッペンやレースやボタンなどでかわいくする仕事が残ってます。ふー

tak君の魂はTAKAMIちゃんと共鳴しあってるからこそ親子なんだと思うよ。
↑これがいいたかったんだ。よくわかんないコメでごめん
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 (TAKAMI)
2009-05-24 17:35:47
♪さざえはん
おひさしぶり~な気がします。
ちょうど、いつぞやさざえはんが紹介してくれた塩江の「セカンドステージ」の記事を書いているところだったのよん♪
シンクロかもね??
服をオークションで…
それはスゴイわ~~
私はオークションは全然慣れてないので苦手だもんね。
私のような性格には、向いてない…ような気がする、、、
でっ、よくわかるよぉ~
私も常々そのように感じてるもんね(*^_^*)
遺伝子じゃない、魂だ…と思う。
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