
自分の音楽教室に通ってきてくれてる人たちのことを、「生徒」というか「生徒さん」というか?
以前、私は当然「生徒」だろう…と思っていました。
他の先生の生徒さんは、「お弟子さん」とか「生徒さん」。
これは、その先生に対する敬語のようなものです。
じゃあ、自分の生徒に対しては??
自分の息子のことを「息子さん」なんて言わないよね。
ソレとほぼ同じなのかなと思います。
これは、師弟の技術的に当然な上下関係をキッチリ表しているのではと思ってきました。
しかし…
今私は、私のところにレッスンに来る人たちのことを「生徒さん」と、言ったり書いたりしています。
これは、間違いなのだろうか???
「私の弟子」「私の生徒」…ってことで、特に「私のお弟子さん」なんて言い方は殆どしないだろな~~
…と思っていたら、これが、結構「お弟子さんに頂いたのよ」なんていう感じで、自然に仰るお花やお琴の先生とかいらっしゃるし、、
キッチリ理由はないんだけど、いつのまにか、私よりも年上の方をレッスンしたり、大人のレッスンをすることが増えてきました。(現在は私より年上の方はいませんが)
それでなんとなく、日常の中で、「今日はこれから生徒さんが来るから…」とか、
話の中でそんなふうに、言うことがよくあり、目上の方だけ「生徒さん」でキッズは「生徒」って区別もいつのまにかしなくなり、全員「生徒さん」となってしまいました。
…ここで、「生徒」と書かず「生徒さん」と書くようになったのはいつだろうかと、
またまた検索してみた。暇やね~~(^_^;)
やはり、東京時代は「生徒」と書いてることもあり。
いつも当ブログを読んで下さっている、コメンテイターまゆこちゃんは、「フラミンゴ」のピアニストで、ピアノの先生なのですが、
ご自分のブログでは、生徒さんのことはキッチリ「生徒」と書いていらっしゃいます。
私は、このきっぱりとした、先生らしいところがとても好きです。
いろんなスタンスの「先生」がいて、信念をもって自分の持っている音楽や技術を伝えていくのに、「間違い」なんてないと思う。
生徒が先生を選べばよいのです。
私が高校生の頃、私を音大のピアノ科に行かせたかった、教育ママの母に対して、
「私はやっぱりどうしても歌がやりたい、声楽が習いたい」と言いました。
いや、もっとずっと前から言ってたっけ。でも高校になって、やっと念願の「声楽」を習わせてもらえることになりましたが、
先生を選ぶ選択肢はありませんでした。
これまでずっとピアノを習ってきた先生は実は声楽出身なので、当然その先生に習う。
「師弟関係」とは、そんな感じ。
そして、1度入門すれば、「この先生とは合わない」といって別の先生に替わることはあり得ないという風潮でした。
大学でもそうでした。
なので、大学はまずは「師匠」を選んでから受験するという風潮がありました。
これが当時一般的だったかどうかは私にはわかりません。
受験前に大学の先生にレッスンを受ければ受験に有利ということは全くないけれど、合格した後には、その師匠の門下に入ることは保証されます。

でっ、私が毎月レッスンに通い、お世話になった先生は、某芸大声楽科の主任教授でありました。
主任教授だからではなく、「発声」の系統が同じだからです。
ここの大学には落ちましたが、落ちてもそのまま、レッスンには通い続けました。
柴田睦陸(しばた むつむ)先生です。通称「ムッちゃん♪」
天国でなにをおいてもお会いして、お礼を申し上げたい方です。
「音楽を教える」ということのなんたるかを示してくださった方なのです。
「生徒が先生を選ぶべきなのだ」
柴田師が私に仰った忘れられない言葉です。
なんだか当たり前のことなのだろうけど、「師弟関係」の厳しい不文律のようなのがある世界のなかで、高校生の私に、この言葉は異国の爽やかな風のようでした。
ご自分の「誇り」は、自然体でいて、生徒に慕われ師匠と選ばれることなのです。
ご自分の肩書きに擦り寄ってくる人たちをものともせず。
また別の話ですが、大学時代に、こんなことがありました。
私の友人(男性)が、当時の師匠といろんな点で合わず、特に「発声」について、これまで積み重ねてきたことを全部壊して、1からやり直しを求められるような指導をされる師匠のもとで、
自分の歌はこれでは伸びないと感じて、私の師匠の門下に入りたいと願い出ました。
彼の師匠は女性、私の師匠は男性でした。
私の師匠は、友人の申し出に対し、「わかった、あなたの先生と話をしてみましょう」と言われた。
ところが、友人の師匠は、条件を出されました。
「先生のところの同学年の女の子を1人ください(2人だったかも?)。交換しましょう。」
私の師匠のところに、同学年の女子は私を含め3人いました。
師匠は、誰も交換で差し出すわけにはいかないと、この申し出は断わりました。
なので、友人は、私たちの師匠のところに転籍?はできませんでした。
当時の、私たちの師匠は助教授、友人の師匠は教授でした。
力関係というのもあったのかも…。
私たちの師匠は、平野忠彦先生。「ボンちゃん♪」です。
柴田先生には、「発声」や「師」というものについてたくさんのことを学びましたが、
平野先生からは、「音楽」そのものについて、4年間たっぷりと学びました。
この経験が私の「音楽講師」としての基盤となったことは、本当に恵まれていると思います。
こんな、いろんなドラマのような出来事の中で私たちは「オペラ」を歌い、大学生活を過ごし、
社会人になって、それぞれ音楽の世界に今もいる人、いない人…
今の私は、ミュージシャンでもあるけれど、音楽講師でもあり、しかし、それだけで息子を育てていくことは到底できないので、
「テレオペ」「クリーニング」「うどん」「スーパー」とアルバイトを渡り歩くボヘミアンであります(^_^;)
こんな私のところにレッスンに来てくださる方たちは、やっぱ私にとっては「選んでくれてありがとう」的な感じなのであります。

岡山県出身の柴田睦陸先生は、「僕は岡山の山出しザルなんだ」とよく仰ってました。
自分はもともと何も持っていない。
だから、何も失って惜しいものや困るものもない。
…そういうスタンスでいらっしゃったと感じます。
「芸大主任教授」の肩書きに擦り寄ってくる人たちが、レッスン料の封筒の中に入れてる金額は、(先生は、ご自分のレッスン料は生徒が決めればよいと仰っていました)
中身も確認せず、そのまま執事だか、お手伝いの方に渡されていたと聞いたことも。
先生は、とある一部上場の、名前を聞けば誰でも知ってる会社のお嬢様と音楽を通じて出会ってご結婚され、婿養子に入られたのです。
けれども、会社とは全く関係なく、オペラ歌手として、音楽の師として最後まで現役で生きて、生涯を閉じられました。
この先生との出会いは、私の「音楽講師」としての生き方の原点と思います。
そして、今は、息子に親が育てられるのと同じように、生徒さんたちが私を育ててくれているのだなーと、感じます。
お客様に、店員が育てられるのも同じこと…
だから、やっぱり私にとっては「生徒さん」です。
でも、息子は「息子さん」じゃないから… こんな言葉の問題は、それほど重要なことでもないのですけどね(^_^;)
長々と駄文にお付き合いくださり、ありがとうございます。
ついでに、過去の記事を読み返していて感じたのですが、
ブログ始めた頃は、かなり自由にラフに書いてて、今読み返してもおもしろいわ~~
コレが自分の書いたものかと、ミョ~に感心したりするし(^_^;)
最近は、なかなかホンネが言えなかったりすることが多く、考え込むと記事のアップが滞る…
でもそれは、あちらこちらに気を使っているからなんてことじゃなく、実は自分の風当たりを気にしてのことなのだと…
このあたりでそろそろ私も、次の脱皮をする時期なのではないだろーか、、、、
…と感じまして、八方美人系、嫌われたくない、いい人と思われたい、批判がコワイ…みたいなのが絶対あるよね私、ソレってダメじゃん。
もっとダイレクトに、言いたいことは責任持って言うブログにしたいなと思う今日この頃。
日々、小ネタはいっぱいあるのよ。
放っとくと、今回のように大長編になっちゃうので、画像ナシでもなるべく短くまとめて、アップの回数を増やすとか、いろいろ考慮中。
どうぞこれからも宜しくお願いいたしますm(_ _)m
ガンガンいかな。
専門性が高い人に教わったのはゼミの先生ぐらいだし
良い子で居たいタイプだったので大人しく
先生に聞きに行ったり話したりしなかったから
多分どの先生も私のことはおぼえてないと思うな(^_^;)
音楽界も美術界もどんな世界も
派閥・流派があって・・なんでしょうね。
柴田先生のお話を読んで興味をそそられ
検索したら 出てきましたが動画は無いですね~
http://www.youtube.com/watch?v=23idGHavLFA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=LI14Jgtebx8
http://www.youtube.com/watch?v=l26N6fGItjo
しばらく聴き直してました。
昔の記事も読んでみようかな?
私をブログの世界に導いてくれた師匠は
TAKAMIだからね(#^.^#)
その後,お元気にされてますでしょうか.
以前頂いたCDよく聴かせていただいています.
ブログの内容とは少しずれますが,呼称は僕らの世界でも良く問題になります.
---様をつけるのが良いのか,---さんが良いのか.
もっぱら僕は---さんです.
お仕事大変でしょうが,陰ながら応援しています
私って「生徒」と書いてたっけ?
と思い、自分のブログを改めて読み直してみました。
本当だ!「生徒」と書いてる~笑
ブログでは「生徒」と書いていますが。。
人と話す時は、子供の生徒の事は「生徒の○○ちゃん」、大人の方の場合は「大人の生徒さんの○○さん」という言い方をしているように思います。
TAKAMIちゃんが前にされていた使い分けですね。
「生徒」にせよ、「生徒さん」にせよ。。この呼び名には、親しみとか愛情とか感謝とかの気持ちがこもってくるものですよね!
ところでこれからのTAKAMIちゃんのブログも、楽しみにしています♪
私の場合、プロを目指す人は生徒で、趣味でいいや~と思っている人は生徒さんと言っているような気がします。
たとえば…
「これから生徒のレッスンがあるから」と言えば
受験生が来るから予定は動かせないのだなと思われ
「これから生徒さんのレッスンがあるから」と言えば
もしかしたら、時間を動かす事も可能なのでは?と同業者の人に思って貰えるような気がします。
レッスンの内容に関しては区別はしてませんが、時間の制約については違いがあると思っているので、私はこのように使い分けているようです。
>いい人と思われたい、批判がコワイ
今でもそんな風には思わないけど、
>もっとダイレクトに、言いたいことは責任持って言う
今まで以上に格好つけない正直なTAKAMIさんの人間性が垣間見られるというのは、すごく楽しみだわ。
画像の多用は、ヌルくてユルくて文章の貧弱なブログが使う手でもあるので(そりゃアタシのことだ σ(´∀`; )、TAKAMIさんの場合はナシでも大丈夫よ。
TAKAMIさんのこだわりの文章に触れることは、アタシのグータラな日常に刺激を与えることでもあります。
ということで、これからも応援していきますよ~!
えっ…弱気?
意識してませんでした。
言いたいことがなかなか書けず、考え込んで滞る…ってあたりでしょうか?
昔は、読んで下さるのも身内ばかりだし、ラフにいろいろ書いてました。
読み返すと懐かしい~ので、
これからも、事実確認は注意しつつ、ガンガンいきたいと思います。
♪おゆき
ありがとう~~~~!!(T_T)
柴田先生の若かりし日の声をこんなところで聴けるなんて、
もぉ~~感動したわ。
ほんっと、懐かしいし、こんな若いときの歌は、殆ど聴いたことありませんでした。
私がレッスンに行ってた頃は、退官間際~退官された後だったのよ。
でも、オペラコンサートなどに出られて、
「出戻り新人です」なんて仰ってたわ。
それでも、頭から声が出てる…ってな感じの、頭蓋骨が共鳴しまくってるのが感じられる、
素晴らしい発声だったっけ。
往年の、オペラに出演されてた頃は、スゴかっただろうなあ~
暫し思い出に浸りまくりました。
ほんと、ありがとうね。
♪はたちゃん先生
お久しぶりです~~!!
ご無沙汰してるのは元気な証拠…といいたいとこですが、
またもや失業して、また体調崩したりしてました。
もう今は元気ですけど、また近々「懺悔検査」に参ります(^_^;)
調子に乗ると飲みすぎて、相変わらず
CDお聴きくださりありがとうございます。
先生も、本当にますますお忙しそうですね。
最近、香川県人の糖尿病患者の多さが話題になっていますね。
それに対し専門医の先生が少ないことなどなど…
本当にどうぞ、先生も、お体に気をつけてください。
大勢の方の健康をまもる、大切なお体ですから、、、
♪まゆこちゃん
早速ご登場いただき、ありがとうございます。
実は、この「生徒」か「生徒さんか」というお題で、ず~~~っと前から書こうと思っていたのです。
でっ、まゆこちゃんが「生徒」と書いてることにもずーっと前から気づいていて、
(まゆこちゃんがブログを始める前から)
私がこれを書くと、なんだかまゆこちゃんと対立した立場のような感じになってしまうのが本位じゃなくて、
どのように書いたものかな~と思いながら、今日まできてしまったのでした(^_^;)
しし座でA型で金星人の私たちですが、ピアノの先生としてのタイプはかなり違うよね。
発表会の講師演奏のステージで、カレシが客席から花束を贈呈することについてどうか…とか(コレは私もヤだけど、されたらしょうがない)
生徒さんのお母さんたちがいそうなスーパーの下着のワゴンセールを物色するのはどうか…とか(コレは私は平気)
いろいろ語ったよね~~(*^_^*)
でも、音楽を愛する気持ち、生徒たちを愛する気持ちはふっかぁ~いところで同じと思ってます。
また、いろいろとピアノの先生ネタを書くこともあると思うので、
まゆこちゃんのご意見、ご感想も楽しみにしてますね♪
♪ふうみん by まるちゃん
アハハハ、こだわり魂ですか!!
私って、自分で何かあまりこだわってるつもりはあまりないんだけどね~~
でも、やっぱこだわってるんだろうかな~
何を食べ、何を飲むかとか、
文章だったら、ここはひらがなにするか漢字にするか、改行するか、1行あけるか…
ふうみんちゃん、受験生の声楽のレッスンやってるの?
なんか、大変だけどやり甲斐あって、楽しいだろうな~
私の場合、「声楽」じゃなくて、「ヴォーカル」のレッスン…となってます(^_^;)
♪eowynさん
ありがとう!ありがとう!ありがと~~~~!!
利発で聡明なeowynさん(私にとってはずーーっとこのイメージなのよね)に
そのように言っていただけるなんて、素直に正直にうれしいわ~~(*^_^*)
最近、ホント、画像を撮って載せるような話題がなく、
今回の記事も、何の関係もない1年前の画像を引っ張り出してきております(^_^;)
eowynさんのブログも、緻密でものすごーーく引き込まれて、すっごく興味深いです。
また過去の記事探訪もさせていただきますからね~~(*^_^*)
あっ、それと、リンク張らせていただきますね♪♪
どうぞこれからもよろしくね!!
今、私の所に来てるのは生徒さんばかりです。
昔は生徒も教えてたので、思い出して書いてみました。
面白いお題を有難う♪
時々、覗かせて頂いているんですよ。
でも、なかなかコメントまで至らなくて御免なさいね。
>こんな私のところにレッスンに来てくださる方たちは、やっぱ私にとっては「選んでくれてありがとう」的な感じなのであります。
うん、それって大切な事だと思います。
生徒さんが来なければお金にならないんだし、私にもそれは言えます。
沢山あるケーキ屋の中で「選んで下さって有難う」素直な気持ちですもの。
さんつけでもそうでなくてもどちらでも良いんですよ。
要は有難いと思う気持ちが有るから出る言葉だと。
はっきり、きっぱり本音を言うTAKAMIさんも好き、ちょっと気を遣いながら言うTAKAMIさんもすべて貴女なんですから。
応援してますよ、ガンバ!!
そーでしたか…
私は、声楽の受験生のレッスンしたことありません。
副科の聴音などなどはあります。
私もしかしてコレがいちばん得意かも(^_^;)
誰か私んとこに副科の聴音やコールューブンゲン、習いにきてくんないかな~(^_^;)
♪usagiさん
お久しぶりです~~うさぎさん♪
私も実は、うさぎさんの久々の更新もチェック致してますよ~~
でも、コメントに至らなくて…m(_ _)m
うさぎさんといえば、
あの、レーズンパンや、抹茶ケーキや、干し柿のプレゼント…
忘れられません。私は泣きながら買い物にいって、
「れんと」(黒糖焼酎)といっしょに、抹茶ケーキをいただきました。
あんな、大地とお日様の味…なんていうのはありきたりすぎて、とても言葉で言い表せない、
美味しくてあったかくて大泣きしちゃうようなプレゼント…
あんなうさぎさんの手作りを、お店で味わうことができるなんて、
ものすごく素晴らしいことですね♪♪
いつかきっと行きますね!