WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

葬儀のあと…

2011-12-04 | 実父






父の葬儀が終わりました。

「お疲れが出ませんように」と皆様にご心配いただきましたが、
やっぱり疲れが出まくりで、今日は1日人間らしい生活ができませんでした(^_^;)

まっ、でも、明日からは、ふつーに日常生活に戻れそうです。


3日間、「非日常」の中にどっぷりと居ました。
いろんなことがありました。
沢山の思いがありました。


その中で感じたことを…。


私は、父の死が、悲しくはありませんでした。
たくさん流した涙は、悲しみの涙じゃないように思います。やっぱり…カタルシスかな??


以前から覚悟もできていたし、こんなに幸せな人生を送った人はいないと思っています。
でも、日本人男性の平均寿命を超えて元気に生きていた父が「天寿を全うした」とは思えません。
入院する直前まで踊っていた父は、誰もが、まだまだこれから、少なくとも10年は元気で、踊り続けると思っていたのでは…
それほどに元気で倒れる直前まで踊っていたのです。
父の近しい人たちはみんな、「早すぎた」と感じていると思います。

父は、C型肝炎のキャリアで、ずっと町医者に定期健診に通っていました。
それなのに、癌を見逃されていたのは無念です。



ダンス業界の方たちに盛大に見送っていただいた葬儀でした。

アマチュアで全日本チャンピオンになったことを機に、国鉄職員から、ダンス教師に転向した父でした。
「ダンス」は生業、「商売」、、、
子供の頃の私はそんなふうに感じていたけれど、父は「アーティスト」として生きた人なのです。
どの業界もそうかもしれないけれど、ダンス業界にも、いろいろな人間関係、利害関係、不純物がいろいろと混ざりまくっているようにも見受けられました。

でも父は、頑固に、自分を曲げずに生き抜いてきたらしい…


そんな父も、さいごは、そのダンスも手放して、すべての栄光も、トロフィーも優勝カップも、肩書きも、全部置いて、ひとりで旅立っていきました。


葬儀のすべてのセレモニーが終わって、父がやっと、10ヶ月ぶりに「お骨」になって家に帰ってきたとき、
パートナーのヒロコさんと、弟夫婦と、私、それに孫2人の時間の中で、
話の流れの中でヒロコさんが言いました。

「私はもう、センセとじゅうぶんに話し尽くして、話し足りないことはもうないと思うわ。
ただ、センセが、あっちの世界で、ひとりでちゃんとやっていけるかなあ…ってことだけやね…」

間髪いれずに弟が
「それは全く父もアンタに対して同じことを心配しよるで」

ここで、一同、めっちゃ心から大笑いしたのでした。

この二人、これから暫く、別々の世界で生きていかなきゃいけない…
でも、いずれ再会するときが必ずくると、信じられるようになってきた。


肉体をもって生まれたわたしたちは、この世の「色」や「かたち」がすべてのように感じるけれど、実はそれこそが幻で、命の実相は別のところにあるのだと…

「輪廻転生」ってホントにするのかどうなんだかわからないけれど、
「天国」と「地獄」があるのかもわからないけれど、

ヒロコさんと父は、これで終わりなワケない。
なんだか確信もってそう思える。

「あっちの世界」ってどんなところだろう? 実相の世界って…???


葬儀や法要でいつも唱えられる、浄土真宗の「白骨の御文」

人の命は儚きもの、そして、
「阿弥陀仏を深く頼み参らせて、念仏申すべきものなり。」
…と締めくくられている。

「念仏を唱えれば救われます。」

理屈はどうでもいい、信じればいい。
そういうことなんだよね。きっと。


この世の肉体を捨てて羽化登仙していった父は、今、どんな世界にいるのだろう??
生前の宗教によって行く世界が違うとは思えないよ。


白装束を着て、草鞋と杖で、今どこにいるの?お父さん…




カテゴリー「実父」のパスワードを外しました。
分かち合っていただければ大変嬉しいです。でもこれは、あくまでも私自身の父との日々の記録として書き留めたものであること、ご了承願います。



Comments (7)
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