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WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

瀬戸芸2019 小豆島3

2019-06-18 | 瀬戸内国際芸術祭


瀬戸芸春会期はもうとっくに終わってしまいました。



ワン・ウェンチー(王文志)「小豆島の恋」




さて、しかし。ご紹介しそびれている記事を順次アップ致します。

まずは、小豆島の続き。
この作品を見に行くだけのために、土庄港まで行き、バスを乗り継いで現地に向かいました。
バスを降りて作品に向かう途中の景色も、歩く道もすべてが作品。












芸術祭1回目から、膨大な数の竹による巨大ドームを発表してきたワン・ウェンチー。地元のの付き合いは10年が経つ。
作家にとって中山(小豆島の地名)は自分の第2の故郷と同じだ。
今回の作品は、地元の人々への感謝と思いを込めて仕上げる。(公式ガイドブックより)










これら2点は2010初回開催時の画像




あれから9年。私、瀬戸芸にどんどんハマりまくっていったな~~
このときの記事は大変お粗末で、読み返しても恥ずかしい、、、
私、瀬戸芸においても、まあ成長しとるわ(^_^;)
以下は今回の画像です。

















ドームの中の空間も作品。
人々はここで自由に語ったり昼寝したりできる。
この、空も森も棚田も全部含めた中で愛に満たされて自分をぐで~~~ん…と解放する。
私はそのようにこの作品を受けとめました。
「小豆島の恋」というタイトル。なんで「恋」? 翻訳のレベルか??
「恋」とは、ときめき、ざわめき、時に葛藤、勘違い、、、、
しかし、私も創作する者の「ほんのほんのはしくれ」として、自分が表現したものを、相手にどのように受け止められようと、作品は創作者を離れてひとり歩きをすることに感謝しています。
ですから、私がこの作品の中で「恋」じゃなく「平安」を感じていることは、間違いと思いません。


しかし…
「恋」とはなんでしょうか?
「恋をする」とはどんなことでしょうか? そんなこともドームの中で考えてしまう私。


私はこれまで「恋の歌」を作りまくって参りまして、マジで転換期に遭遇しておりますので(…って遅すぎやろ!)

少し前に、ミュージシャンの方とお会いして、お互いのCDを交換しました。
そのときに、彼女に「TAKAMIさんがこんなにかわいい恋の歌を歌っているとは( ̄□ ̄;)!! 」と言われました。

「あなたが好き あの人も好き 私どうしちゃったのかしら…」

それはもぉ…ソレも人生においてはある、、、、

しかし、私が今歌いたいのは「いのち」とか「祈り」の歌だなあ、、、、
でも「恋の歌」を失いたくない。



…と、まあそんな感じなのです。作品の中で寝そべりながら、めっちゃインスパイアされまくりなのです。



次回 「WIND AND SOUND」 ぜひいらして下さい。後日ご案内しますね♪





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瀬戸芸2019 小豆島2

2019-05-29 | 瀬戸内国際芸術祭

草壁港では、こんなトイレも作品です。



「石の島の石」 中山英之建築設計事務所




草壁港を後にして、次は醤(ひしお)の郷へ。
ここでは、以前に観た作品は省略して、新作のみご紹介します。

「ジョルジュ・ギャラリー」ジョルジュ・ルース

小豆島・醤の郷に「小豆島アートプロジェクト」代表・石井純の祖父母がかつて暮らした古民家が残されている。
26年間静かに眠っていたこの住空間に、2018年10月、フランスの写真家「ジョルジュ・ルース」を招聘し、
約50名のボランティアと共に、和室や納屋やロフトに幾何学模様を描くプロジェクトが進められた。
ジョルジュ・ルースは廃墟や取り壊し予定の建物の空間にインスタレーションを設置、それを写真作品として完成させるアーティストである。
今回、3か所で創られたインスタレーションは、特別に瀬戸芸のために残されて、3つの写真作品と共にこの古民家を改装して造られた「ジョルジュ・ギャラリー」で公開される。
しかしそれらは、箔やチョークといった儚い素材で描かれており、いずれ時間と共に消えていくかもしれない。
人々の営みと共に生きた空間にもう一度息吹を吹き込むと同時に、それは新たな記憶として埋没していく道程の第一歩でもあるのだ。
ギャラリー内ではほかに、制作過程を記録した岸本康の映像作品を、併設の「コヒラ・カフェ」では栩山孝と片山みやびの作品をそれぞれ展示する。
(瀬戸芸公式サイトより)




コレは私がスマホで精一杯撮りましたが少々歪んでいます…悪しからず



正面のある位置から見るとこのように部屋の中に透明の円が浮かび上がります。
その向こうに和室の壁が透けて見えるかのようです。
とても美しくて感動的でした。





ジョルジュ・ルースは、古民家や廃墟化している空間にこのように描くアーティストで、日本にもいくつか作品がある模様。
別室には制作風景なども展示されています。
狭い階段を上ったところには、チョークで描かれたこの作品。



画像からは分かりにくいけど、部屋の隅に大きな四角形が浮かび上がります



今回は時間の都合で行けなかったけど、カフェも併設されていて、メニューも魅力的。
来期は車で、お泊りで、アート旅行で行ってみようかなあ、、、



入り口はこんな感じ…一応アップしとく




この記事を書くにあたってググっていて知ったことですが、プロジェクトリーダーの石井氏は、「モーション・ギャラリー」(クラウドファンディング・プラットフォーム)で出資者を募っていた模様。
小豆島の嘗て実家だったところにジョルジュ・ルースを招聘するプロジェクトに。
目標金額は150万円と、めちゃくちゃ控えめですが、少しでも多くの人たちとこの夢を共有したいとの思いからと推察されます。
石川氏は、某有名メーカーの役員であった方のようで、「150万だけ足りない」なんてワケはなかった筈。
私は「モーション・ギャラリー」というものがあることだけは知ってましたが、実際にサイトを見たのは初めてでした。
こんなふうに資金を集めたい方と、応援したい方を繋ぐのっていいなあ…と感じました。




「鐘舎 Bell Shelter」 朱哲琴(Dadawa)



倉庫を改修し、スピーカーを多数配置して、小豆島で録音されたいろいろな音にスクリーンの映像が反応するという、瞑想空間のようなところ。
大きなおりんを叩けば、それも映像に反映するハズなのですが、この時は設備の不調で残念でした。
しかしまあ、ただひたすら映像と音にぼぉ~~っっっっとできます。

この2箇所、貸切状態でした\(^o^)/


さて。いったん、ここから土庄港まで行って、別のバスに乗り換えて「リン・シュンロン」の新作へ向かいます。
もうそれだけのためです。



「再び」 キム・ミョンミン





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瀬戸芸2019 小豆島1

2019-05-20 | 瀬戸内国際芸術祭





女木、男木、沙弥島…と、近いところから訪れていってますが、今回は小豆島。
いんや~~ここはホントにもぉ広すぎて、しかも私たちは公共交通(…つまりバスね)を利用してのんびり行きましょう…なスタンスでやってるので、たまにはトラブルや失敗もあります。
それも含めて「瀬戸芸」と思ってて、それも含めて楽しいのよ。いろんな失敗もすごく忘れられない思い出なのです。

話がそれるけど、豊島の積み残し事件は、もぉ~~これまでの瀬戸芸の最高の思い出なのです。
しかもこの時は、SYOさんのことを「甲さん」とか匿名で書いてるし(^_^;) ナニゲに内緒で行動してたんだな~
そして、ゆっとくけど、私たちは夜の高速艇の中で手を繋いだり、なんかいい雰囲気になってたワケではないので誤解のなきよう。
今、コレ読んだ方は絶対このときのSYOさんと私はいい雰囲気だったのだと思うだろーから、言っとくヽ(`Δ´)ノ

…と、話が逸れまくりましたm(_ _)m




「Liminal Air -core-」大巻伸嗣


今や高松港のシンボルでもあります。


フェリーで車や、現地でレンタカーを利用して、効率よく回ればよいのだけど、私たち、会期ごとに小豆島には訪れています。その度にそんな高額日帰り旅はできないっす。
他にもなるべくたくさんの島を訪れたいし。
それより、やっぱり島は島時間。
そうして、少しずつ計画しながら、バスの時刻表と相談しながら周ろうってことにしてます。

今回はもぉ、フェリーから「土庄港」行きか「草壁港」行きかで論争?がありました。
でっ、草壁港周辺の作品、なんかよく調べてないけど、先に出向する「草壁港」行きに乗ることに。

このフェリーめっちゃ良かった! 「一等船室(無料)」に席を確保。デッキも占有スペースって感じだし。
小豆島への船の一時間は貴重です。もちろん飲みましたとも\(^o^)/





















これらすべては神さまの作品。




さて。草壁港でいきなり遭遇する。「辿り着く向こう岸」シャン・ヤンの航海企画展







塔の中に入って寝そべるとこんな感じ




廃棄された古い漁船と家具を組み合わせた屋外作品を展示(公式ガイドブックより





↑↑ コレもぜひ読んでほしいなあ…




壁を削って日本の漁村、山村で作業する人たちを描いています



これなんしょ~~ん?(何してるの?)いちばん気になった



別の絵ですが、拡大するとこんな感じ 絵の下に削り屑を集めたものも展示されている




もっとじっくりゆっくり見て、係りの方にいろんなお話を伺いたかった。
なんといっても、自分の作った作品で航海をしようという発想がスゴすぎで、荘子の世界観・宇宙観のようだと感じてしまいました。
荘子なんて、学生時代以来なので、もぉ記憶の遥か彼方だけどね。
今期展示されている作品は、彼の実際の航海用の舟のパーツとなるとのこと。
芸術と生活を分離せず「ごっちゃ混ぜこぜ」にすることの究極だな、、、、しかも定住じゃなくて「航海」
これまでのテーマとなってきた「漂流生活」とはちょっと観点が違う。

しかしもう、次々とわくわくして、ほんとに楽しいです。いろんな思いが膨らみまくります。


夏会期以降は、この場所に、27mの舟が展示されるそうです。見にいらした方の画像やレポートを楽しみにしてます。ぜひご案内ください。


他にもも併せて書くつもりだったけど、長々となってしまいましたので、ここはいったん締めて提出いたします。




Comments (2)
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瀬戸芸2019 四国村

2019-05-18 | 瀬戸内国際芸術祭



「Suitcase in a Bottle」ラム・カツィール



イスラエル出身の作家は移民と絶滅をテーマに制作している。定住が当たり前ではなくなった昨今、旅行や移動、家とはどのような意味を持つのだろうか。
本作では旅をイメージさせるスーツケースや水面に漂うボトルをモチーフに未来への疑問を鑑賞者に投げかける。
(公式ガイドブックより)


そんな、いきなり「イスラエル」とかいわれてもよくわからん!! と仰る方数多なのではとおもわれますが、
私はクリスチャンでありまして、「聖書」は、イスラエルを中心として著されていますので、少しだけですがわかったような気がしました。
そして、このイスラエル出身のラム・カツィールさんの作品の、「漂流」をテーマとした作品が、日本の、この四国村に漂着して浮かんでいる…というのも、とても感慨深いです。

今回の瀬戸芸では、女木、沙弥島、四国村、そして、このあとアップ予定の小豆島でも、定住せず船で生活していた人々をテーマにした作品が心に留まります。


ところで私は生まれてから今まで、どれだけ引越しまくってきただろうか。
ちょっとマジメに書き出してみましたら15回でした。
そして、子供の頃より、今の住居でいちばん長く暮らしていることも判明した。これはちょっと驚きだったな。

でも私は、ここが「終の棲家」という意識はありません。まだこれからいろいろあるし。結婚もするつもりだし。「終の棲家」なんていうものはないような気がする。

漂流TAKAMIなんだな私は。
そんな私にとっての今期の瀬戸芸は、すごく興味深く、「イスラエル」まで出てきたとなると、ほんとにめっちゃ真剣になります。


…と、前書きが長くなってしましました~~\(^o^)/



さっ、気を取り直して、ご案内しますよぉ~~ん♪



四国村の入り口は、徳島、祖谷のかずら橋。



この途中に、ラム・カツィールしの作品が浮かんでいます。四国村での瀬戸芸の作品はコレだけです。




農村歌舞伎のステージ




で。いきなり、「猪熊源一郎」作品展へようこそ!





画像撮り放題だったのです。
しかし、私の心に留まったものを…

氏は、大変なベビースモーカーだったそうですが、あるとき健康のために禁煙を決意したとのこと。
そして、手持ち無沙汰な時間でこのようなものを作って遊んでいた模様。










そんな氏のおちゃめな人間性にも共感しますが、これを作品として遺そうと思った遺族の方がたもすごいな~~~と、、


さて。安藤忠雄美術館、、、


  



 







1年余り前にも息子とmacotoさんとともに訪れてご紹介したところです。
画像がだいぶmacotoさん化してきたような気がするなあ(^_^;)

庭園の薔薇もアップしとく。














醤油蔵・麹室、、、














四国村をのんびりと散策していると、それだけで心が洗われます。
古民家しかない。 違う時代にタイムスリップしてきたようです。
1年前にも記事とともにたくさん画像をアップしましたので、今回はこれでも控えめにさせていただいているつもりなのですけどね、、、



瀬戸芸パスポートをお持ちの方は入場料が半額ですので、ココはしっかりと押さえておくことオススメです。





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瀬戸芸2019 沙弥島

2019-05-17 | 瀬戸内国際芸術祭





毎回春会期限定の沙弥島に行ってきました。

沙弥島は3度目の訪問。
島といっても、1967年に埋め立てにより陸続きとなったとのこと。ですので、車で気軽に行けます。もう春会期、来週末で終わりますので、ぜひ訪れてみてくださいね!

今期はとってもよかったです♪♪

実はどこの島でも「今回はイマイチだったな~~」ということもナニゲにあります。
前回は私にとってはイマイチだったのです。初回があまりにも素敵すぎて、、、、
でも、それは人それぞれの感性なのですから…

しかし私としては、個人的なブログなので、個人的な感想やレポートを書かせていただいています。


沙弥島は、瀬戸芸の作品だけなら、2、3時間でまわれるところ。
それに、柿本人麻呂万葉散策コースや、瀬戸大橋記念記念館、記念公園、東山魁夷せとうち美術館などもあわせて訪れると、1日コースで堪能できます。
初回ご訪問の方にはゼヒともオススメです。
瀬戸大橋記念館では「ブリッジシアター」という大型全天周映像で、様々な番組を楽しめますので、あらかじめ観てみたい番組をチェックして行くことオススメです。


それらにはもう行ったよ…という方で、さらにパスポートをお持ちの方には、屋島の四国村とセットでの訪問がオススメです。
私たちも、今回はそのコースで堪能しまくりました♪



まずはここでお弁当タイム



沙弥島のトラフグ弁当



その他、うどんやおでんも販売していますが、みなさんコレ目的の様子。沙弥島ではトラフグの養殖をしてるって、、、知らなかったな~





「そらあみ<島巡り>」五十嵐靖晃  (お友達の亜希子ちゃんから拝借しています)



この「そらあみ」は、瀬戸大橋で繋がる5つの島で漁師や島の人たちと漁網を編むワークショップを開催して、会期ごとに新しく制作されているのだそうです。
海や空の色によって見え方が変化します。
何気ないようだけど、大勢の海にかかわる人たちの想いが結ばれている作品だと、、回を重ねるごとにこの素晴らしさが心に染み渡っていきます。



「大岩島2」大岩オスカール 












前会期では、小豆島に展示されていたこの作品。
所かわれば、そして3年経てば、全く違うものに見えるのは何故だろう?
自分の心の在り方が変わっている…
それから、作品を味わって楽しむ余裕…というか、「ゆとり」がかなりある、、、

2016瀬戸芸 土庄港周辺の記事

3年前、小豆島で同じ作品に遭遇したときの記事です。ご興味のある方はどうぞぜひご覧ください。大岩オスカールさんの制作風景の動画もアップしてます。
この記事にも書きましたが、2010年に「大岩島」という作品が、男木島の旧公民館の建物で展示されましたが、会期中に火事で消失してしまいました。
それでも、3年後の2013には精力的に続編をお描きになっている。
しかも、ドームになっていて、絵の中に入れる!!


続いては、旧沙弥小・中学校の中のインスタレーション。
これがとっても素晴らしかったのですが、画像はほとんどありません。






…あとはヒミツ…ってことで、実際に訪れてご堪能ください。



「瀬戸大橋の白い直線と緑の丘の対比」 ターニャ・プレミンガー



ところで、私は今回、このなだらかな斜面を上りきることができず、直前で挫折しました。ガーンガーン( ̄_ ̄|||)
前回まではな~~んでもなかったのに!!
交通事故でムチウチになって、三半規管にダメージを受けたり、浴槽で転んで頭を強打したり…と、まあなんかそういうことなのだと思う、、、
もう私はお山には登れないだろうなあ~~

でも、こんな私でもSYOさんは「バカだね~」とかいわず、心配して労わってくれるところがホントに嬉しいし、すごい人だなあ…と思う。



ヨタの漂う鬼の家




現在製作中



漂海の民、「家船」に暮らす人々については、女木島でもテーマになった作品がありました。
大変興味深いです。これに関しては、また別途、お勉強してレポートしたいと思っています。

この後、私たちは屋島「四国村」へ移動しました。
1年余り前にも、「四国村」の建築や、安藤忠雄氏については、建築家macotoさんにふっかぁ~~く解説していただき、息子とSYOさんと4人で、濃~~いときを過ごしましたが、
再訪して、またまた楽しくお勉強になり、認識が少し深まりました。


ってことで、次回は沙弥島からの四国村。お付き合いくださいね。





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瀬戸芸2019 女木・男木 2

2019-05-13 | 瀬戸内国際芸術祭



「風の番人」中里繪魯洲



画像は時系列とはなっていません。悪しからず。

女木島ではその他、レアンドル・エルリッヒ氏のコインランドリーの新作や、その他「島の中の小さなお店プロジェクト」も訪れましたが、
混雑していたし、またゼヒとも夏会期には再訪予定ですので、割愛させていただきます。またゆっくりと鑑賞して、アップします。


そして、男木へ。


息子は最近大変猫に愛着あるらしい。それで、まずは港に着いてから猫ゾーンに向かう。
たくさんの猫たちに出会えて、とっても嬉しかったらしい。
しかし、抱っこは論外殆ど触りもしない。
でも、ひとり連れて帰りたい…とも言う。
息子と猫の距離感は不思議だ、、、
でもなんか、わかる気がする。



男木にはたくさんの猫がいます。彼、彼女たちは、虚勢手術を受けていることのしるしに、耳を「桜カット」しています





長い間人口減少による休校で、6年前にはここでインスタレーションが展開されました。
しかし、今ではこの瀬戸芸をきっかけに移住してきた人たちの家族によって、学校として機能しています。



男木小・中学校







「歩く方舟」 山口啓介



この作品は、もぉ毎回訪れているのだけど、瀬戸芸の会期じゃなくてもず~~っといつでもここにあるのかーーーと思うと、なんか感慨深いな。
なんといっても男木島は小さな島なので、歩いて回れる。
会期じゃなくても、猫たちと触れ合おうと思って行ったらココにたどり着くのよ。



さて。
インスタレーションの鑑賞もしましょう。



「うちの海 うちの見」 サラ・ヴェストファル



公式ガイドブックの、このインスタレーションの解説の画像を撮ってアップしました。
「時間と知覚、そして人の記憶を探求する瞑想空間
空き家の中に、光と映像によってあたかも海景のようなインスタレーションを発表する。光を水に反射させることで、瀬戸内海を光の海として表現する。
暗闇に潜むタコの巨大な触手が観客と息を合わせるかのように動く。人の知覚に訴える空間を作り出す。(公式ガイドブックより)

私の感想は敢て書きません。大変よかったです。ぜひ訪れてみてください。




「アキノリウム」 松本秋則



「古民家で織り成す影絵とサウンドオブジェ」(公式ガイドブックより)
こんなひとことでは表現しきれない、超お気に入りのインスタレーションで、前回に続いて2度目の訪問。
ここは、混みあっていないとき、何度でも訪れてぼ~~っとしたい場所。


…と、まあこんな感じで、急ぎ足で女木、男木と回りました。
両島とも、またゆっくりと訪れる予定。


今回は突然いきなり、息子と2人で瀬戸芸で女木・男木を巡ることになってほんとに楽しかった、嬉しかった。
来年は彼は社会人となる。もうこんな機会も殆どなくなるだろうな。


瀬戸芸レポート今年も気合を入れて執筆します。
次は沙弥島。その次は小豆島です。
お付き合いくださいね。







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瀬戸芸2019 女木・男木1

2019-05-10 | 瀬戸内国際芸術祭






GW10連休、私には全然カンケイないよと、わりとフツーに仕事をしていたところ、突然最後の2日間になって、息子が帰ってくることになった。
しかも、瀬戸芸に行きたいと。
19歳の息子とその母が2人で瀬戸芸に行くというのは、結構特殊なケースな気がする、、、









20世紀の回想  禿鷹墳上








で。 行った。
女木島 男木島。
息子にとってはどちらも初めての島。
(嘗て瀬戸芸では、豊島と直島にはSYOさんと3人で行った。大島には初回、母と2人で行った。)


そーなると、まず女木島は、バスに乗って洞窟まで行かないとね。鬼が島伝説の洞窟。



ここが洞窟の入り口




今回は、洞窟の随所に、大量の「鬼瓦」が展示されていました。県内の中学生による作品とのこと。
その中で息子の目にとまったのは、顔が「クロス」の作品。
息子の視点で鑑賞するって、かなり新鮮、超新鮮。





この他にも随所におびただしく「鬼瓦」が展示されていたのですが、先を急ぎ割愛とさせていただきます。

洞窟を出て、頂上を散策。女木島から見る屋島と八栗。これも息子にとっては初体験…ってことで、なんか私も心に新鮮な風が吹くよ。







山から下りて、「家船」(えぶね)という作品を見ました。
東南アジア一帯では、定住せず、一生の殆どを船で暮らす人々がいたとのこと。
しかし、その船がある島に漂着し、定住することとなった…ことを想定した作品なのだそうだけど、
これに関しては、その後、沙弥島、四国村…でもほぼ同じテーマの作品と出会って触れ合ったので、後ほど全部まとめて書きたいと思っています。


一部画像のみ掲載。









さて。いよいよ。
本日のランチは、TAROさん監修の「瀬戸内ガストロノミー」
TAROさんとは6年前に沙弥島で出会いました。
これがその時の「島スープ」





千年前からある食材だけを使ったものとのことでした。味噌や醤油はありません。



今回は、女木島周辺で採れる野菜や、海の幸…などの食材を使った「食のパフォーマンス」とでもいうのか。
まずは席に着くと、クラフト紙に包まれたモノが。





何が始まるのだろう?…とワクワクします。
TARO氏登場。




本日の食材の説明、そして、これからマヨネーズを作ります、三木町でとれたての卵で作ります…との説明をお聞きしながら、クラフト紙を開ける。
鮮やかな島の幸。
そして、できたてのマヨネーズが供される。ふんわりとして、風味が際立ちます。






続いては、女木島の風でセミドライ状態にしたというポーク。
肉に「風通し」するとな、、、
とってもデリケートな味わいでした。






さいごは、桜の木でスモークした鰆(さわら)のお寿司。実際に桜の木をスモークしてくださり、香りを嗅ぐ演出もありました。
懐かしさと新鮮さが混ざり合って、とってもよかった。
すごく美味しかった。あまり語りたくない。







オマケはコレ





…てか、オマケじゃないし。
レアンドル エルリッヒ氏への敬意。
最後まで、こころゆくまで堪能させていただきました。



息子と2人瀬戸芸、まだ続くんですが、とりあえず、今回はここでひとまず締めさせていただきます。






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瀬戸芸2016 本島2

2016-11-03 | 瀬戸内国際芸術祭


   





港周辺の作品を見て周ってから、お昼前にレンタサイクルをゲットしました。
(上陸したときには品切れだった)

さ~~~あ、まだまだ散策はこれから!!

あまりにも濃い午前、しかもフェリーで酒飲んだだけの我々は、お腹ぺこぺこなのです。

今回のランチはこちら。



めっちゃ民家!!




しかも「ビールあります」に釣られて入るワシら、、、




この季節に「夏野采カレー」って!?
この草冠のない「采」という字には、なんか意味があるんかい?




さらに、このおうちにはアップライトピアノがあるのだが、その前には机の上に積み上げられたブツが…


「残念やね~~ここでイッパツ演奏したら、タダにしてもらえたかもしれんのにね~~」
などなどど言いながらいただいたランチは「お袋の味」。
私たちは、「瀬戸芸」からちょっとはみ出してこんなところに足を踏み入れるのもすっごく楽しいのです。




「夏野采カレー」美味しくいただきました。 SYOさんのアジフライ定食はピンボケでNG(T_T)





先へいきます。









「産屋から、殯屋から」古郡弘



この狭い空間が「産屋」であり「殯屋」であるのだな。
「産屋」=子どもが生まれてくる場所 と、「殯屋」=死者を安置する場所
これをひとつとして表現することに、ものすごく共感しました。

このタイトルだけでじゅうぶん。解説文、いらん。

私達はどこから来て、どこへ行くのかわからない。
その場所との「境界」
母の胎内から生まれてくるとき、産道を通る胎児はものすごくもがき苦しむという。
でもその記憶はない。
人が死ぬときも、どんな死に方にせよ、痛みや苦しみを伴う。
その先にはどこへ行くのか? 
きっと次の世界に到達したとき、死の苦しみの記憶はないんだろうな…

人は、この世界に生まれるときも、去っていくときも、とても苦しむ。
そこを通り過ぎなくては、人は死ねない。
それを、表現していることが、すごくすんなりと伝わってきた。

こんな作品、「音楽で表現しろ」といわれても、私、できないよ。


「いのち」について表現している作品に、たくさん触れます。
いいなあ…

私、「ポップでキュートな恋の歌」に、そろそろピリオドかな…と思う。
私も、どこから来て、どこへ行くのかわからない「いのち」を歌いたいな、、、、













「Moony Tunes」 ツェ・スーメイ




本島はかつては石の産地でもあり、、大坂城まで石が運び出されたとのこと。

この床の円は月を表現しているらしい。
床に月、月の上には神棚、空中に石、、、
この逆転が、幻想的です。

潮の満ち引きに月のかかわりは深く…
宇宙とのかかわりの中での本島…という切り口で島を捉えたってことなのね。
古い建物の中、静かでいて、凛とした空気の中にエネルギーを閉じ込めたような、濃密な空間でした。

























「水の下の空」 アレクサンドル・ポノマリョフ



3隻の船が砂浜に並んでいて、その下には水溜り…のような鏡。
くっきりと空が映し出されています。
どこからどう見てよいのやらぐるぐる回って、たくさん写真を撮りまくりました。
爽やかで、理屈抜きで純粋に楽しめました気持よさそうに空を仰ぐ船。
こういうの好きです。
「作者の意図」なんか考えず、この景色の中にこの作品、もうそれだけで、楽しい。
触りたい♪ ロープの中に入って遊びたい(^_^;)






「善根湯×版築プロジェクト」 齊藤正×続塩飽大工衆




これは、前回訪れたときは建築中で、「工事現場」でした。工法などについて説明していただきました。
島の人たちが集う銭湯になるようなことを聞いたような気がしたのだけど、はて??
私の聴き違いだったのか???
出来上がった「善根湯」は、意外と小さく、鍵がかかって中は覗けませんでした。
階段を上がるとお墓が見渡せました。
前回の活気的な印象とは全く違ったものでした。











海沿いのサイクリング、いいよ~~~
香川本土では、このようなところにはめったにチャリでは行きません。


本島1の冒頭の画像は、帰りのフェリーから見た瀬戸内海です。
海が銀色。
水を敷きつめたようで、光と水のランデブー…って感じ。
心が透明になっていきます。。。






こんなに美しい瀬戸の船旅も、あと1回で終わり…

もの寂しいなあ、、、


最後は小豆島、美都半島です。頑張って書きます。






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瀬戸芸2016 本島1

2016-11-02 | 瀬戸内国際芸術祭


秋深し水敷き詰めて光る瀬戸




10月29日


瀬戸芸、まもなく閉幕。本日は、西の島、本島。
すっごく楽しみにしてました。





フェリーに乗る時点でもぉわくわく。
のんベー2人組は、事前に酒とツマミを調達。(これ毎回)
鰯のさつま揚げ。大変GOODでございました\(^o^)/
しかし、私たち、丸亀港に着くまでの車中。先日の発表会の反省点など語りまくり、現実を引きずりながらの旅の始まり。






でも、フェリーに乗って、目的地本島が見える頃には、「現実」はすっかり潮風が洗い流してくれるんだ。

船旅って、ほんとにいいよ。
船に乗るって、日常生活で殆どないのではないでしょうか?
私たち四国人も、瀬戸大橋が開通してからは、日常で船に乗ることは殆どなく、瀬戸内海の美しさも日ごろは忘れています。



さあ、上陸しました。








「そらあみ」五十嵐靖晃




これは、春会期、沙弥島でも展示されていたもの。
地元の人たちと漁網を編むワークショップとのこと。
こんなふうに波打ち際に展示されていると、自然と人の営みの接点について、毎回感動します。
画像ではなにげないし、頼りなさげなんだけど、近づいてみると、実はすごく力強いんです。








「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」 村尾かずこ
 


これは、前回も「なんじゃこりゃー」と思った「かんばんプロジェクト」??
よくわかりませんが、なんか溶け込んでいて、えんちゃう??? 楽しんちゃう?!(*^_^*)





でっ、このなにげない路地もアートに見える不思議♪





















「威臨の家」眞壁陸二




大変興味深かったです。


解説文より

この作品は、1860年に日本で始めてアメリへ渡航した船「威臨丸」の乗組員、横井松太郎の生家を舞台としている。
「威臨」とは中国の易経からとられた言葉で、「君臣が互いに親しみ合う」ことの意味。
身分の差のあった時代において「(船の上では)位の上下もなく誰もが平等で目的地に向かって力をあわせる」といったメッセージが込められており、
希望と不安、生きて帰れるかどうかもわからない航海…目にするものすべてか驚きの連続であったことだろう。

現代社会において身分の差という差別はもはや無くなったが、
人権、文化、宗教などの違いを認め合えず未だテロや戦争が続いている。
「威臨」という言葉を今後に「異なる価値観を認め合える多様性のある社会」というように解釈し、
世界は広く多様性に富み、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、ペルシアも海で繋がっている。
様々な価値観と習慣があり、信じる神々も様々だが違いを認め理解しあいたい。

また、「威臨の家」は、江戸の絵画の杉戸絵や室内を埋め尽くすモスクのタイル画や教会のモザイク画、ステンドグラスなどが発想の原点であり、時代も国境も越えて様々な絵画の文化を「威臨」的に捉えている。

「生と死、無と無限、混沌と秩序」多くの宗教家や哲学者、または芸術家が、草木や海や山や星を見つめ、答えのない神秘に挑んだように、
この作品も瞑想し、世界と人生を考え祈れるような場所であってほしいと願っている。



あ~~~~長っっっ!!

読んでくださった方、おつかれさまでした。

私はこの解説でたいへん興味があったのは、「乗組員たちに、身分の上下はない」というところでした。

私は、作品に、このような解説文が付加されているのは、個人的な好みとして、あまり好きではありません。
まずは、作品に出会い、そして、作品そのものを「うっっっわ~~ すごっ!!」と感じて、迫り来るものを受け取ったときに、「この作者はなにを表現しているのか」もっともっと知りたくなるのです。


とかいいながら、この解説文をわざわざここに記しましたのは、この文章に共感したからであります。

でも、できれば、これを読まずに作品を味わい、瞑想したかった。






「シーボルトガーデン」川口豊・内藤香織


前回この建物の中の作品がとっても素晴らしく、今日も再会ををものすごく楽しみにして来たのでしたが
「ガーデン」のみの公開で室内の展示は入れ替えとなっていました。(T_T)
ガーンガーンガーンガーン( ̄□ ̄;)!! ( ̄□ ̄;)!! ( ̄□ ̄;)!!

大変なショックです。
でも、これを初めてお読みになっている方にはわからないであろう。…なので、これ以上は書くまい。
まあ気を取り直して、お庭のみ撮りまくりました。
















さて、前回「崩壊と再生の中で」という、築70年の民家を仏教五色と、般若心経で埋め尽くした作品。
これもまた、とても印象的で、大好きな作品でした。
今回は、この作品は瀬戸芸に参加しておらず、作者の方が個人的に前回の作品に手を施されたとのことでした。

入り口で「お賽銭」を払うと、女性が中に案内してくださり、作品について、解説をして下さいました。
今回この作品のテーマは「崩壊の崩壊」ですと…
築70年の家は、3年の間に、崩壊の一途をたどり、前回歩いて見学できた廊下も階段も、2階の部屋も、危険なため、立入禁止になっていました。
鮮やかだった壁の色も、般若心経の文字も色褪せて、前回とは全く違う印象。
「崩壊の崩壊」
まさにそんなイメージ。







このスペースも立入禁止




立入禁止の廊下 この先に階段があり、前回は2Fの作品も鑑賞できました




そして、力をこめて語ってくださるその女性の話を遮って「作者の方ですか?」と聞いてしまいました。

「はい、そうです。」


ああ、ご本人に出会えるとは…


私は、彼女に、前回の印象を語りました。
ものすごいパワーを感じたこと。庭のアプローチの部分がとても音楽的なイメージで、思わず声をあげて笑ってしまったこと。
中に一歩踏み入れたら、泣く子も笑う子も黙る圧倒的なパワーが漲っていたこと。
今回の作品は、それらを3年間放置して、色あせたものを「作品」として展示しているわけではなく、
「崩壊」をテーマに、前回の作品がかたちを変えて再生されています。
作者の森節子さんは、岡山県出身ですが、奄美大島にアトリエをお持ちだそうで、今後瀬戸芸にかかわるつもりはないと仰っていました。
それも、いろんな思いがあってのことでしょう。
「私は一匹狼なんです」
作品から受け取るものだけで圧倒的なので、ご本人とお会いできるなんて、あまりにもラッキー。
彼女に自分の思いを伝えられたことが、本当に嬉しかった。

私は音楽をやっていますと言ったので、彼女は、アーティスト同士として話をして下さいました。


この出会いが、今回の本島の…というより、瀬戸芸のいちばん素敵なできごとでした。



本島…まだお昼ご飯に至ってないよ。


to be continued

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瀬戸芸2016 伊吹島2

2016-10-20 | 瀬戸内国際芸術祭





前回で、私の言いたかったことはほぼ語りました。

あとは、その他の作品のご紹介…そのた、、、、

前回の作品にもでてきた、網戸のような正方形の四角い枠。
これが、他の作品にも、路地を歩いていても、いたるところで登場するので、これは「伊吹いりこ」にとても密接なものに違いない…と感じ、こえび隊のおばちゃんに尋ねてみました。
「コレハナンデスカ~?」





しかし、そのおばちゃんは、詳しいことはご存じなく、「この人に聞いてください。何でもすべて解説してくれます!」と、、、

かくして、それは、いりこを煮沸し、乾燥させるときに使われる「せいろ」なのでした。
なるほどぉぉぉ~~~

私の解説だけではわかりにくいと思うので、ゼヒこれをご覧ください。
水揚げされた鰯が即、このせいろに広げられ、煮沸されていく様子がよくわかります。
いや~~もうゼヒゼヒ見てください!!絶対見てね! 見ろヽ(`Δ´)ノ

http://www.asahi.com/culture/art/setogei/ibukijima/
コレじゃよヽ(`Δ´)ノ


さぬきうどんを支える出汁の原点であります。
…とはいっても、すべてのさぬきうどんの出汁が伊吹いりこじゃないことは承知。
私とて、高級な伊吹いりこは、なかなか買えません。
今回も、お土産に、3種類の大きさの違ういりこセットを売ってましたが、こんなにたくさん、使い切れないよ…と、諦めました(T_T)


でっ、このせいろをパラボラアンテナのように並べた作品




Hire,There,Everywhere / アルフレド&イザベル・アキリザン



このイミシンなタイトル、「せいろのことやろ」と、短絡的に感じてしまいました(^_^;)
ガイドブックによれば、「島の魅力と抱える問題を考える」…

この場所に立つと、島の瓦屋根の向こうに瀬戸内海が見渡せて、幸運にも晴天で、海からの風がほんとうに心地よく、いつまでもぼーっとしていたい…
しかし、このせいろのパラボラアンテナの下には、「島の抱える問題」が表現されているというわけなのね。








「島の抱える問題」といえば…

ト・ラ・ン・ス・フォー・マー -島に成るー / 小林耕平




上陸して、早速路地を散策し始めた冒頭に、こんな作品が…
コレって、作品なん? 作品のイントロダクション?

「島の日常として、放っておくととめどなくはびこる雑草に対する取り組み。瓦や、網?などで、雑草をブロックする」
最初の作品の場所にそんなようなことが書かれてあったと思います。


この方の作品は、島の路地のあちこちに、解説文とともに点在していました。


 





こんな解説文を読みながら作品を観るのはあまり好みではなく、「ふぅ~~ん、なんとなくわかるような気もする」…と思いながらちょっとずつ立ち止まって通り過ぎていき、一番遠いところの「資料館」に展示されている、動画の作品に辿り着きます。
鰯漁の動画、島のお母さん達のお喋りの動画…などなど、じっくり観てみたいけど、時間に限りがあり、とても残念でした。

いただいたテキストを集約すると
「人の目に見える行動や移動の消費カロリーはたかが知れている。
それに対し、体内で起こっている食物の消化から始まる変化は、膨大なエネルギーを必要とする。
このことから、人は、大地の上を歩き移動して変化するのではなく、自分自身の上を移動して、変身していくのである…」

のような主張を、作者は、作品とともに、文章で表現されているのだと思います。
そして、島と一体になる…「島に成る」
島の中に自分を封じ込め、そこからの変化(成長と私は感じる)を体感しよう…というふうに私は受け止めました。哲学的やの~~ 

勝手な解釈ですが、表現者のはしくれとしては、いったん表現し、自分から手離したものをどのように受け止められても「あアンタそれ違う」とはいえないよ…ってことで。


いろいろ、迷子にもなりまして、結局島を2週することに…








伊吹産院 出部屋(でべや)跡



昔、鰯漁の栄えた時代には、遊郭もあったという伊吹島。

この島で出産した母子は、1ヵ月の間「出部屋」というこの場所で、厳しい労働から隔離されて、ゆったりと過ごす…という風習があったのです。
ここにも、きっといろんなドラマがあったのだろうなあ、、、




自宅の玄関先にこんなアート?が…







In the silence of Ibuki,some drops of water stroke me the hour / ウィルフレド・プリエト
 

これは瀬戸芸アート



瀬戸芸アートと、その他アート?がだんだん混在して、「アートって何?」な世界に、、


神さまの創った世界はすべてがアート。それに優るものはない。
人はそれを模倣しているのだと感じる。

ヘビ、トカゲ、ガ、各種幼虫…なんでこんなにアートな美しい模様なの!? なんのため?
アーティストは創造にに行き詰ったら、昆虫や、爬虫類の図鑑をひもとけばよいと思う。






その他の作品と、散策中に見つけたものいろいろ



いりこ庵



伊吹島ドリフト伝説












さて。

最後に、「やむやむ」でいりこおにぎりを買って、乗船しました。
出港までの間におにぎりをほおばったら、あまりの美味しさに、これはゼヒ息子へのおみやげに!!と、大急ぎで「やむやむ」へ走りました。
いんや~~~坂道を全力ダッシュ、こればかりはキツかったっす。
お店について、ゼーゼー状態で、「いりこおにぎり3つ」というのがやっと。
察してくださったお母さんが、「そういうお客さん、結構いるんですよ~」と(^_^;)


これから、伊吹島に訪れる予定のみなさま、おみやげにたくさんお買い求めになること、お勧めしますよ~♪








編集後記


出汁にはかなりこだわりある私は、なるべく近々「伊吹いりこ」を購入して、
・頭とはらわたのみの出汁
・頭とはらわた以外の身の出汁
・伊吹いりこ以外の頭とはらわたのみの出汁
・伊吹いりこ以外の身の出汁
これらの実験をしてみるつもり。夏休みの自由研究にもなりそうな実験ですよ~ レポートお楽しみに。




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瀬戸芸2016 伊吹島1

2016-10-16 | 瀬戸内国際芸術祭






秋会期が始まりました。
西の島。

行きたいところはいっぱいあるけど、まずは「伊吹島」
さぬきうどんの出汁の「いりこ」といえば「伊吹いりこ」
たいへん上質ないりこを産出する島で、本当にいつもいつもお世話になっています。
ゼヒとも、一度はお礼参りにいかなくては!!

…ってことで、伊吹島。

長い長~~~い旅行記ですが、のんびりとお付き合いください。

今回はもぉ、高松駅から始まり始まりぃ♪






伊吹島には、JRで西へ西へと「観音寺」(かんおんじ)へ向かいます。
そこから船で島へ渡るのです。
香川県人は、公共交通がショボいので、日ごろは車にばっかり頼って移動しているのですが、
「島時間」を味わう旅なのだから、ここは電車に乗ろう。

6:40自宅出発。7:07高松駅発。

つい先日この広場は、大道芸フェスタで賑わっていました。(後日アップ予定)
平日の早朝は全然違う様相。






電車は、通勤、通学の人たちが殆どで、瀬戸芸に行こうとしている私たちは完全に浮いてます。
観音寺に着くと、やっと島に向かう瀬戸芸軍団合流…みたいな感じ。






観音寺港。 ここから伊吹島へ





正面に見えるのが伊吹島






小さな瀬戸内海ですが、こんなに表情豊か






晴天 絶景






ほどなく伊吹島に到着。ついに初上陸!




真浦港




さあ、散策開始!

いきなり上り坂です。路地の途中に、「いりこ飯のおいしい店 やむやむ」という看板。
店頭で、お父さんが「いりこ出汁、飲んでいって~」と声をかけてくださり、たくさんのお客さんんで賑わっています。
私も、もちろん試飲させていただきました。




画像はやむやむさんのFace Book よりお借りしています






一口飲んでびっくり! もーほんとにめっちゃびっくり!!濃くて甘みが際立っていて美味しい~~!!! 

口に含み、喉を通り過ぎる味と香りの感動は私の筆力では表現できません。
私、その気になれば真面目にいりこを割き、自分でも、プロのお店に引けをとらない、かなり納得のいくいりこ出汁をとってきたよと自負していたのであります。ところが、、

なんと、
いりこ飯用に頭とはらわたを取り除き、その頭とはらわただけでとった出汁なのだとか( ̄□ ̄;)!! 2度びっくり!! 2度感動、、、、

伊吹島の漁では、水揚げされた鰯を、生きたまま速攻煮沸して、すぐに乾燥させるので、とても新鮮だから…とのこと。
鰯は、水揚げされるとすぐに死んでしまって、すると頭やハラワタが速攻腐リ始めるので、時間との勝負!なのだとか。
これが伊吹島のプライドなのだろうと察する。





「やむやむ」のご主人とおかあさん。忙しくお接待されてるので、ポーズをとっていただくのは差し控えました




秋刀魚のことを思いました。
漁れたての新鮮な秋刀魚のはらわたはとても甘い…とのことですが、私は残念ながらそんな秋刀魚に遭遇したことないです。
ハラワタは苦く、その苦味が酒のアテにはよいのかと、若かりし頃、ずいぶん長い間思い込んでいました。
(私は、小学校のフナの解剖以来、トラウマがあり、未だに魚のはらわたは食べませんが)

伊吹いりこの頭とはらわた、捨てるなんてもったいなすぎる!
これからは、細かく割いてまるごと使うことにしよう。

頭とはらわたを除くのは、伊吹いりこ以外ということにしよう。



さて。
作品ですが。


すべて撮影可だったので、撮りまくり、選択に大変考えこみました。

いりこアート満載!

今回の記事はとりあえずこの作品のみ。






「沈まぬ船」 豊福亮+Chiba Art School
















小学校の教室や廊下いっぱいに張り巡らされた網に絡まる「浮き」は、6万個。これらは島の人たちや小中学生らの手作りなのだそうで、そして、これらは「魚」です。
網にかかった魚、海流にのって泳いでいる魚…

鰯 鰯 鰯 ままかり 鰯 鰯  

海の中で、わたし 海流と一体となって観る漁…な感じ。
伊吹島の漁師魂、島民魂がどどどどぉぉぉ~~っっっ!と迫ってきました。

さっき、頭とはらわたのスープをいただいたばかりなので、

この網にかかった子たちが、みんなそのまま煮沸されて美味しく芳しいいりこになるところを、
このように、小学校の廊下や教室に、カラフルに、コミカルに、しかし圧倒的な説得力で表現しているのは、「圧巻」などという2文字では伝えきれません。

「沈まぬ船」というタイトルからも、アーティスト豊福氏のスピリッツが伝わってきます。

伊吹島の鰯漁の伝統とプライトをまる飲みして、咀嚼→表現されていらっしゃるのだと、感動します。


これが出会いなんです、私にとって。




つづく。
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瀬戸芸2016 直島2 家プロジェクトその他

2016-10-13 | 瀬戸内国際芸術祭

瀬戸芸 直島「家プロジェクト」

酷暑の直島から2ヵ月近く…

秋深まってます。テンプレートも秋刀魚に模様替えしたし、夕飯はすっかり秋の食材…
(と書き始めてから、さらに経過して…)


さて。

今さらの瀬戸芸直島第二弾。もう秋会期が始まっているというのに( ̄□ ̄;)!!  夏の記憶を書きとめておきます。



地中美術館をあとに、バスで「家プロジェクト」の地域へ向かいました。
帰りの船の時間が限られているので、かなり急ぎ足となってしまいます。


「直島特有の家屋や寺社などを改修し、空間そのものを作品化して、家プロジェクト。
現在も生活が営まれる地域で、人が住んでいた頃の時間と記憶が織り込まれている。1998年に始まり、現在では7件が公開中だ。」
              (瀬戸芸2016 公式ガイドブックより)



まずは初回からガイドブックやウェブサイトを見て興味深かったこちらから




角屋/Sea of Time'98 宮島達男



炎天下、バスや徒歩で移動しまくった私たち3人(SYOさん、息子Tak 私)には、このひんやりとした空間が大変心地よかった! 暫く涼みたいよ~~~!!
建物の中は、いきなり暗く、目が慣れません。建物の中は、水が張られたプール状態で、狭い回廊を、足を這わせるように歩いて、私達は、奥の「床の間」のような場所を陣取りました。
「あ~~涼しい…」 体が癒され、水中に明滅しているたくさんのデジタルカウンターを眺める余裕ができます。
0~9までの数字が、ひとつひとつ違う間隔で現れては消えていきます。
ほどよく疲れているこの状態で眺めていると、と・ら・ん・す状態に陥ります。
何時間でも、時間の経過を感じることもなく、ここに「無」になってい続けられるような感じ…
これまでブログの記事にしてきた、仏生山温泉の低温浴に浸かりながら温泉の水音を聴いているときや、屋島水族館で、クラゲの水槽を鑑賞しているときのような、、、



それから、いくつか家プロジェクトを回りましたが、せっかく書いた原稿が保存されず消失してしまいましたので、大きく挫折。はしょります。



最後はここです。




南寺/バックサイド・オブ・ザ・ムーン  ジェームス・タレル



この建物は、地中美術館の建築家、安藤忠雄氏が設計。
館内では、同じく地中美術館の作品を手がけた、ジェームス・タレル氏のインスタレーション(っていう?)が展開されます。
ネタバレにならないよう、ほんの少しだけ…
まずは、館内に案内されると、真っ暗。真の闇。
そこに、小さな光が現れます。
いったいこれがどうなっていくのか、突然巨大になるのか、何か線を描くのか…??
十数分闇の中にいると、目が慣れてきます。
そこで終わり。
しかし、私は、目が慣れるのにものすごく時間がかかり、外に出るのは最後になってしまった。
そして、もう1人、最後までいる人を見つけたら、それはSYOさんだった(^_^;)

これも、どーってことないようで、大変シュールな体験でした。



全行程、大変グレード高く、超有意義だったのですが、実は私が瀬戸芸直島でいちばんよかった~!!と思っているのは、
「Iラヴ湯」に入ったことであります\(^o^)/








予定の行程終えて、港に戻ってきて出港までの僅かな時間で、「ほなこれから各自自由行動!」ってことにして、20分で行ってきた。

「実際に入浴できる美術施設」
と銘打っています。どぉよ、、、そそられまくるじゃないの!
美術施設でフロ入る、、、( ̄□ ̄;)!!
過去2回瀬戸芸会期には、盛況で、とても入れる状況ではないとの噂を聞いていて、今回も、全く入るつもりはありませんでした…のですが、入れた!!
お着替え等準備してなくとも、直島にはコンビニあります\(^o^)/

いんやぁ~~ これまたシュールすぎる!!

まずは、外国人の方がハダカでのんびりと湯船に浸かったり、シャンプーとかフツーにしてる。
これだけでもシュールすぎます。
そして、南国風ジャングル風呂なのか、テルマエロマエ風なのか、はたまた日本の伝統的銭湯なのか、それらが混在して、無国籍銭湯…とでもいう??
これ、絶対温泉or銭湯マニアの方は入るべきヽ(`Δ´)ノ


そして、乗船直前には、たこ焼き買った!
こうして、日常に戻っていく感覚…
瀬戸芸では、島のおっちゃんとのコミュニケーションもとっても楽しい。
ベネッセ直島といえど、ず~~っと昔から先祖代々この島で生きてる人がいるじゃないの。









直島のアートは日帰りでは鑑賞し切れません。
それでも、私なりに思う存分浸りました。そして、ものすごく久々のTakとSYOさんと3人の日帰り旅。

他にもご紹介したい作品はいっぱいあるのです…が、先日行ってきた「伊吹島」が控えているので、かなりはしょりました。
画像のみで失礼いたしますm(_ _)m


















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瀬戸芸2016 直島 「ベネッセハウスミュージアム」 「地中美術館」

2016-09-15 | 瀬戸内国際芸術祭



8月18日 瀬戸芸 直島。(いまさら、、、)



3回目にして初めて踏み入りました。前回、前々回は、豊島にいくときの乗り換えのみ。

2010、2013と、直島は瀬戸芸の本拠地ともいえる島であり、とても賑わって混雑してスゴイことになっているとの話を聞いていたので、パスしていました。
やっと…の直島です。

今回は息子Takも一緒。

酷暑の中、行って参りました~~~!!
もうかなり涼しくなった今、あまり臨場感のない投稿となってしまいますが、悪しからず。


ここでは、「地中美術館」「ベネッセハウスミュージアム」「家プロジェクト」を中心とした作品群が鑑賞できます。

このどれもが館内撮影禁止なので、何をどう書いてよいのやら、、、

まずはバスで「ベネッセハウスミュージアム」へ。
ここは、ホテルと美術館が一体となった施設で、建築自体もアートです。
設計は安藤忠雄氏。


瀬戸芸・直島は、ここに泊まって鑑賞するのが王道なんだろうなあ、、、しかし高いっ!!

作品の中に、先の犬島で出会った柳幸典氏のものがいくつかありました。

一斉にバンザイしているウルトラマンのフィギュアと鏡を使って、日の丸を彷彿とさせる円を構成している作品、「バンザイ・コーナー」





アメリカが広島に原爆を投下したときの爆弾の名前「Little Boy」が刻まれた「The Forbidden Box」は、原爆のきのこ雲と、憲法9条の条文が描かれた布が2重に配置されています。



柳氏の作品はメッセージ性の強いものが多く、「ナゼこれを?」と思いながら、検索しまくりました。
そして、「なるほどぉぉぉ~~~!!」と、、、、まあ一方的ではあるのですが、アーティスト柳幸典氏との邂逅…となるのです。


実は私、犬島の後、三島由紀夫氏の「檄」(げき)からググりまくり、遂には、決して見たくなかった氏の最期に、心情的にもろに立ち会うに至ってしまいました。
もう、絶対にあり得なかった、考えたくなかった、彼には永遠に作家、文学者でいてほしかった。
しかし彼はそれを望んではいなかった…
めっちゃ尾を引きまくりました。

などなども、瀬戸芸が私にもたらす爪痕であります。


まあ、個人的なことはおいといて、、、、

「ベネッセハウスミュージアム」 興味深い、おもしろい作品が次々と、安藤氏設計の空間に配置されていて、時間、空間、全部がとってもグレードの高いアートでした。


ミュージアムを出て、暫し海辺のアート作品を鑑賞。
酷暑ですが、直島の海の風が心地よかった。











さて、次は地中美術館。


文字通り、地面の下にあるので、外から全体像は見えないとのこと。(冒頭の画像)
地上の光を地中に効果的に取り入れた空間になっています。

これも安藤忠雄氏設計。建築自体が素晴らしいアート作品です。どこを切り取っても、素晴らしい空間です。

そしてこの美術館
たった3人のアーティストの、数点の作品が、これでもかという贅沢な空間を用いて展示されています。


クロード・モネ
ウォルター・デ・マリア
ジェームス・タレル


クロード・モネの作品は、絵画なので、「空間アート」ではありません。
しかし、真っ白な壁に配置された「睡蓮」シリーズ5点は、靴の踵の音も拒まれ、スリッパで入室したとたん、そこには、モネが自ら造園した睡蓮の庭の空間の広がりが時空を超えて感じられる…そんな空間アートになっていました。
それ以前に、地中美術館へのアプローチは、モネの睡蓮の庭を彷彿とさせます。ここからもうすでに、モネの部屋へのイントロダクション。









ウォルター・デ・マリア 「タイム・タイムレス・ノータイム」
この部屋には、直径2.2mという大きな黒い球体が、階段を昇った中央に鎮座しています。
玉座のようであり、教会のようにも感じられます。
天窓からの自然光によって、天候や時間で空間の表情は刻々と変化していくとのこと。
この作品のタイトル知っただけで、1日中この階段の片隅に佇んでいたくなるってもんです。





ジェームス・タレル 「オープン・フィールド」
これもまた、祭壇のような黒い階段を昇りつめたところが青い部屋の入り口になっていて、
映画のスクリーンのような入り口から中に足を踏み入れると、遠近感の全く感じられない、無限が広がります。
靴を脱いで裸足で感じる足元のひんやり感だけを頼りに一歩ずつ移動。足の裏だけが自分の存在感。
これが宇宙の果てなのか…? 




いずれの作品も、この空間に日がな一日浸りきりたい、、、

さっさと見て「ハイ、そろそろ次いこ!」なんていう日常の時間の流れと全く違うところで、時空を超えて存在しているのです。


できることなら、ひと部屋につき一日寝そべって浸りまくりたいです。
…まあ、無理でしょうけど。


しかし、はたと思ったのであった。
アーティストは、神の創造の模倣をしているのだ。
安藤氏を含む4人のアーティストは、神からの掲示によってこれらのアートを創造しているのだろう。
この私でさえ、歌を創るとき、天の神さまから降ってくる甘露をいただいている。
絶対に自分の能力だけでは及ばないことがいつも必ず起こる。
彼らは、神と交信するアンテナが特別に秀逸なのだろう。
スピリチュアルの世界では、「宇宙の叡智」とか「摂理」とか言われているようだけど、
それは「神さま」。
私は、すべての作品のその先に「神」を感じました。



いんや~~~ちょっと語りまくってしまいました。


まだ続きあるよ、直島、家プロジェクトそのた。


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瀬戸芸2016 小豆島 土庄港周辺のみ

2016-08-13 | 瀬戸内国際芸術祭
Inside the World's largest drawing




小豆島には、別途行くつもりだけど、犬島が予定より早く回れたので、残りの時間で少しだけ、土庄港周辺を散策しました。




2010年、初めての瀬戸芸のとき、男木島で「大岩島」という作品が展示されました。
これがその時の作品。
これは、私たちが行ったすぐ後に、火事で消失してしまいました。
火事では犠牲者もあり、亡くなった方は、オスカールさんの作品を、制作中に何度も観にこられたおじいさんとのことでした。
オスカールさんの、ご自分の作品が消失したことについてのコメントも新聞やウェブの記事で読みましたが、
彼はその方の冥福を祈り、そして、「マジックインクで描いた作品は、最初からそう長い展示には耐えられないというつもりだったけれど、予定外に早くに消失してしまったことはちょっと残念。」
というような、なんだか爽やかでさばさばとしたコメントを表明していらっしゃいました。
私には、この方の作品との距離感…などについて、とても共感するものがあったのでした。




「大岩島」2010年 男木島




そして、その続編…がこれです。
今回は直径約12mのドームに、海と島の絵が描かれています。
絵の中の扉は実際の出入り口。
私たちは、オスカールさんの絵の中に立って、絵の一部となることができる!

私は、正直申しまして、大岩オスカールさんのことは、2010年の初回瀬戸芸まで全く存じませんでした。
火事で消失する前に、作品をギリギリセーフで鑑賞することができて、超ラッキー。とっても素晴らしく、感動しました。
消失した後のコメントを拝読して、さらにさらに興味を持ち、他にどんな作品を創られているのか、ググりまくりました。


私にとって、瀬戸芸は、作品との出会いはもちろんだけど、アーティストとの邂逅なのです。








「大岩島2」 大岩オスカール






この際だから書くけど、前回記事の「犬島精錬所美術館」につきましては、
ものっっっっそ(ものすごく)尾をひきまくりましたわ。
なんでここで「三島由紀夫」?
しかも彼の文学作品ではなく、壮絶な最期がモティーフになっていることに、私は自分なりに拘りまくり、ググりまくり、
アーティスト柳幸典氏がどんな意図でこの作品を創作したのかに、ついに至りました。
これは、柳氏との「邂逅」だと感じます。
至るまでには、彼のアーティストとしての経緯や、他の作品にも触れ、
「そーだったんか~~~なるほど、そうか~~~」
…となるのです。

詳細は書きません。私の個人的拘りですから。

でも、アーティストはほんとうに「表現」することで生きている。

アーティストだけじゃないよ、フツーのおばさんも、おじーちゃんも、みんな、「表現」することが生きることと感じる。
しかし「表現」といっても、何かのかたちを残すとかそんなことは、あまり重要でないような気がする。
土地や財産や作品や子孫や、それぞれにみんな、生きた証しを残したいと思っている。
でもそれって、5世代も経てば風化するよ。
私の一族も、この先繁栄することなく、途絶えそうだし。

むしろかたちのないもののほうが大切だ。

伝えることと、受け取ること、その連鎖がすごく大切だと思う。




じっくりと感動しておなかぺこぺこ。

やっとお昼ご飯。





ここのカレー、画像は大変ボケまくりですが、とってもとっても美味しかった!!
アジアンな香りで、スパイシー しかし口当たりはとってもマイルドで、いったいこの素材はなんぞや???
もしかして魚??

帰り際にお店の方に伺ってみたら、鶏挽肉とのこと。
ひゃ~~~びっくり、ここまでトロトロに煮込んだ鶏挽肉ってこれまで食べたことなかったかも。
挽肉って、もうそれだけで、「煮込まなくていい」イメージじゃないの。
しかしこれ、とろとろすぎて形骸とどめてないよ。
あとは、ココナッツミルクと、トマト…なんだって。
絶対作ってみる。
タイのグリーンカレー味に近いです。
SYOさんちの大量のバジルなんか入れて煮込むとすごくいいかも。ホウレンソウの代わりに。









「島メシ家」

ここのお店は、島の素材を使った小鉢3~4品とご飯とお味噌汁のランチがメインのようですが、ワタクシ的には、このカレーが超オススメです。
もちろん小鉢も絶品です。
瀬戸芸は、食もアート。


他にもう少し巡りましたが、今回はこれのみで締めてupします。

もう、犬島と小豆島、これだけであまりに濃すぎて、おなかいっぱい、心もいっぱい。
消化するのに1週間かかった!!




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瀬戸芸2016 犬島2

2016-08-07 | 瀬戸内国際芸術祭


犬島精錬所美術館


これを真剣に書こうと思ったら、えらいことになります。

犬島の歴史、精錬所の歴史、アーキテクト三分一博氏、アーティスト柳幸典氏について、そして、作家三島由紀夫氏のこと。

これらが全部集約されたものが「犬島精錬所美術館」です。

すごく思うこと、感じたことたくさんありすぎて、とても自分の筆力では表現仕切れません。


…ので、まずは安易に時系列で体験レポート風に出発します。


館内撮影禁止なので、ぜひこちらもご覧になりながら、お読みください。

YANAGI Yukinori ウェブサイト







まずは精錬所の入り口。
この逆光でショボい画像ですごめんなさいm(_ _)m

前回、冒頭の画像にも登場したこれらのレンガは、精錬の過程でできた「スラグ」からなる「カラミ煉瓦」とのこと。
かつてここに、巨大な精錬所があった…けれど、それが百数年前(しかもたった10年で閉鎖)…というこの時間の隔たりが、あまりピンときません。
数百年か…千年か…まるで、遺跡のようです。いや、遺跡ですよね(^_^;)

敷地全体がアートです。

館内に入ると、スタッフの方がまずこの美術館に携わった建築家とアーティストとのコラボについてご説明くださいました。
それから、この建物の、太陽や植物などの環境を利用した館内空調システムについて。


さて。いよいよアート空間へ、、、

入り口のスクリーンにはには、大きな太陽が燃えている動画。
プロミネンスが見えます。
これ見ただけで、ゾクッとして太陽の燃える音が聴こえてきます。(TAKAMIの空耳)超重低音の耳鳴りとでもいう…?

そして、太陽を背に、まっすぐと、「カラミ煉瓦」の敷き詰められた、狭い真っ暗な直線の道を進んでいきます。
直線は何度も折れ曲がります。
後ろを振り返る度に、いつも、あの入り口の太陽が燃えています。
威圧感のあるギーン…という耳鳴りで、「私はあなたを常に見ている、どこに隠れても…」という感じ。

そのうち、宇宙の星「太陽」ではない、地球の太陽光が見えてきます。
ちょっと耳鳴りが遠のく。ちょっとホッとした…のも束の間、、、、

辿り着いた部屋は、大きな水溜りの上に部屋の建具や家具などを吊るして配置したドームのような空間でした。
この水溜りは、犬島の大きな一枚岩を配置したところにつくられたものと思われます。






揺れもせず、静止して浮かんでいる住人を失った部屋の建具。魂の脱け殻。
ものすごく救いのない逃げ場のない、だけどものすごく美しい空間でした。
画像は明るいですが、実際にはもっとずっと暗く、背筋が凍りそうなテンションの高さでした。

ここからは屋外の展示にも通じていて、そこにも建具が斜めに吊るされていたり、便器が床に転がるように配置されていたり。
ドームの中とは違って、リズムを感じる空間です。

再びドームに戻って、次は鏡の部屋へいざなわれます。
四畳半程度の暗い部屋の対面になっているそれぞれの襖をスタッフの方がゆっくりと開けてくださると、
そこには大きな合わせ鏡が出現。

赤い文字群が簾のようになって映し出され、無限地獄の空間が…

鏡には死者の怨念が映し出されるとかなんとか、コワ~イ解説をしていただいたような気も、、、

このコワイ部屋を後に、やっと屋外へと脱出です。

屋外の作品は、三島由紀夫の『檄』の全文を金メッキの鉄板の文字で天井から吊るしたとても美しい作品でした。


ここで私達はスタッフから始めて「三島由紀夫」の名前を聞きました。

何故ここに『檄』が? 
柱だけの枠組みの中に金色にきらきらと垂れ下がっている「檄」は、「金閣寺」を彷彿とさせます。
しかし、それにしても、三島由紀夫の衝撃的な最期ことは、私も子ども心にものすごくショックでした。
その後、中学時代に読んだ彼の小説と接点がみつからず、私の中では、彼は「作家、文学者」であり続けていてほしく、最期のことは心の遠くに投げやっていました。


ここで、突然三島由紀夫と再会するのか…


しかもしかも、予習不十分であとで知ったことですが、「ドーム」などに浮かんでいた建具は、三島由紀夫の住まいの建具や家具だとか。
屋外の作品も、鏡の部屋も、、、
ソレ、先に言ってよ!って感じ。
館内の作品はすべて、「近代化による精錬所の辿った歴史」に「三島由紀夫」を重ね合わせているのであった。

ベネッセとしては、あまりそのような視点で鑑賞してほしくないのか、きっとそうなんだろうな~~~??
思想的に偏った印象になってしまうもんね。
ここを訪れる世代の人で、三島由紀夫の作品を読んだことがある人がどれだけいるか。
さらには「檄」などという過激な文章が存在していることなんか知ってる人は殆どいないと思う。
私、ちょっと…いえ、かなりググってみましたが、
犬島精錬所美術館の記事を書いているブロガーさんで、三島由紀夫氏に言及している方は私のググった範囲では全くといっていいほどいらっしゃいませんでした。

でも私、思うのですが、アーティストとしてはどうなんでしょうか?
「檄」全文を一文字一文字を作って金メッキを施して、それを糸で繋ぎ合わせて吊るすことや、
三島由紀夫の部屋の建具を運んできて吊るすこと、、柱や階段までも…
それと精錬所の歴史を結びつけることこそが、アーティストとしてはこの美術館のテーマじゃないのだろうか??


そんなことは関係なく、恒星としての太陽と、陽射しとしての太陽、建具を用いたアート、
お経のような金色の文字…
これらを、純粋に楽しめばよいのです。
アーティストの作品の受け止めかたは、受け手の自由。

そして、自然エネルギーで空気を循環させるエコなシステムに「へぇ~~っ」と感嘆してね。







そうそう、ここのトイレはびっくりしました。
ドアを開けたら、便器が後ろむきになっているのです、つまりドア側がタンク。
そして、反対側の壁は半透明なタイルで、天井からの採光もありとっても明るく開放感あります。
なんじゃこのデザインは!!( ̄□ ̄;)!! と思ったけど、、、、




館内のエコシステムの図の中にも、トイレの図があって「REUSE」と書かれています。
この分野は、アーキテクト担当か、、、

なるほどね!

そして、この島は負の遺産を抱えながら、これからどこに向かっていくのか、、、
瀬戸芸の島々はどこに向かっていくのか…ひいてはこの地球という、人が唯一住める場所であるところは。

それぞれのアーティストが、そういう共通のテーマを持ちながら、自分の作品と島の自然に連続性を持たせて創作をしているとことに、とても共感します。







このあと、お昼過ぎの船で小豆島まで戻ります。
その前に港のお店でビール飲んだ♪
もうちょっといて、お店のおばんさんたちと語り合いたかったなあ。

でも、また3年後、こんどは少し余裕のある行程で、さらにじっくり訪れたいと思います。









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