譲り合い

車中でお年寄りに席を譲ったら「年寄りに見えるのか？！」と切れられた…経験を持っているらしき投稿者のTwitterが8万回以上もリツイートされ、反響を呼んでいます。投稿者の提案は「田中敏三73歳！！座りたいです！！」とか大声で宣言して欲しいというものです。反響が大きいのは、それだけ同様の経験をした事があるという事でしょうか。

確かに、せっかく自分の席を譲ろうとしたのに、「そんな年寄りじゃない！」などと切れられて嫌な思いを経験すると、譲ったものかどうか迷ってしまうのも良くわかります。だから、自分から言って欲しいという切なる気持ちでしょうか。ただ、ここに働いているのは「せっかく譲ったのに」「せっかく、良い事をしているのに」という気持ち。自分の行為が認められなければならないといったような暗黙の「善人思想（？）」かも知れません。

世の中は、ルールで割り切るものでは無いと私は考えています。年長者だから席を譲るという考え方もあります。でも、ここは素直に「立っていることが辛そうだから」席を譲ると考えればどうでしょう。そこには「辛そうか否か」という相手の気持ちに寄り添う時間が生まれます。

素敵な譲り合いの話は、ネットでいくらでも拾うことができます。「まだそんな年じゃないです」と機嫌をそこねたお婆さんに「ただのレディーファーストですよ、お姉さん」をウィンクしたイケメンとか、席を譲ってもらったおじいさんが「おんた紳士だねぇ、わしは瀕死だけど」とお礼を言ったとか、0歳児を抱いた母親と妊婦さんの席の譲り合いとか。世の中は、そんな風ないたわり合いでできていることを、譲る方も譲られる方も学べばよい事ですよね。

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