ぱそらぼ (ぱぁと1)

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凋落

2016年10月06日 | 社会派らぼ
富士通が、中国のレノボグループと事業統合をする方向で最終調整を進めています。来年3月を目途にしているようです。福島と島根にあるという富士通の国内工場は、当面維持だそうですが、製造は実質レノボで行われる事になります。パソコン部門不振で、、東芝と富士通とVAIOが統合を目指して交渉を続けていましたが、こちらの交渉は頓挫。今回の富士通とレノボの事業統合に話が進んだようです。(一足先にソニーから分離した)VAIOは、新規事業に力を入れパソコン偏重からの脱却を図っています。既に、NECはレノボとの合併会社を設立し、個人向けのパソコン販売はレノボが行っています。

…ということは、日本のパソコン業界は総崩れ…といった状況に面しています。少し前までは、パソコンは普及の一途をたどっていたはずなのですが、ここに来て頭打ち、「スマホ」や「タブレット」といった選択肢に流れが向きつつあります。スマホやタブレットを十二分に意識して販売されたはずの「Windows8」が、思惑通りの人気にならなかった事も痛かったのではないでしょうか。今現在、世界トップのシェアを誇るのはヒューレット・パッカード、2位がLenovo、3位にDellが続き、日本のメーカーの凋落ぶりが目立っています。

今年のノーベル医学・生理学賞に輝いた大隅氏が、受賞の取材に際して、3年連続でノーベル賞を受賞した日本の科学水準を「過去の遺産を食いつぶしている」と表現しておられました。かつて一流に名を連ねていた日本のパソコンメーカーの凋落は、まさに遺産が食いつぶされようとしている状況を指しています。国力…というのは、国の広さではなく、軍事力でもなく、「もの」を生み出していける力の事を指すのではないかと思います。そういう意味で、日本が今売りにしているいわゆる「オタク文化」は、大切な経済の担い手ではありますが、どちらかというと「アワ(決して悪い意味で使っているのではありませんので、悪しからず)」のようなもので、それだけで国力を支えるのには多少の懸念が付きまといます。

「夢を追う」産業と違って、「モノづくり」は地味ですが、「モノづくり」を支える力が途絶えてしまうような未来の描き方はしたくないと思います。「夢」とか「希望」とか目に見えない理想を追うことは素敵で、若者の心をくすぐるのでしょうけれど、一方で地に足を付けた「現実」を支える若者の気概も育てていきたいと思います。

さて…、次にパソコンを買い替える時期が来たら(当面、愛機は現役で活躍してくれそうですから…もう少し先でしょうけれど)、一体どこのメーカーを選べばよいでしょうか、私。

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特定のテキストフレームだけ、テキストを回り込ませない

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