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その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

心星ひとつ

2014年11月14日 | 本・雑誌
 今回も沢山のエピソードが盛り込まれ、一緒に悩み抜き問題解決の糸口を探るような仕掛け満載でした。そして季節の行事や料理を取り入れることで、時の移ろいが巧みに表現されているのですよね。何気に物知りな「りう」の口を借りて、解決の突破口になるような人生指南を説かせてるのも心憎い技法です。また、今回は生麩作りで大失敗してしまいますが、失敗談から学んでいつの間にか成長しているのも、シリーズを通しての展開でしょう。

 坂村堂が一柳の柳吾の息子だというのは、とうに分かってたものと思っていましたが、やはり順序立てて読まないとダメですね。現代で言うところのストーカーですが、芳目当てに連日つる家へ通う「よし房」の店主には辟易でした。後々出てこないでほしいものです。

 続いて翁屋の伝右衛門から申し出のあった天満一兆庵の再建と、登龍楼から神田須田町店売却話が同時に舞い込むも、両方の話を断ってしまいます。もしもその話を受けてたらどうなるのか、といったその後の展開を考えてみるのも面白いと思います。

 元飯田町はボヤが多いため、飲食店は火の扱いを朝五つから四つ(八時~十時)に限定され、苦肉の策として出した弁当が当たった、という話のもっていき方も上手かったですね。いよいよ最終談で、小松原のプロポーズを受けるのかどうか、という核心に迫ります。小松原は実名を小野寺数馬といい、駒澤家へ嫁いだ早帆は実の妹という事実も判明。一旦は受けるものの、心星(北極星)に照らし合わせて次巻で断るような予感が。。

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