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人は簡単に言うのだけれど

2009-01-14 | 読書【未カテゴライズ】

ポール・ブルックス(上遠恵子訳)「レイチェル・カーソン」(新潮文庫)を読む。

レイチェル・カーソンは2007年生誕100年だそうで、

そのとき復刊文庫化されて買い忘れていた伝記本です。

とはいえ、途中に3部作や手紙、雑誌掲載ものが入るため、

構成は伝記というより著作+解説になっています。

ただ「潮風の下で」「われらをめぐる海」「海辺」の3部作は

訳ではなく原著に当たる方が適切である、という感じが否めない。

内容は、書かれた当時の最新データを用いて書いてあるとはいえ、

1950年代であり、読むに耐えない部分は多少あるのかもしれません。

大事なのは姿勢であり、自然に対する見方ということでしょう。

その点では、最初のエッセイ「海のなか」が一番良かったという感じがします。

そういえば「沈黙の春」は、昔挫折した記憶があります。

今になれば少しは読めると思いますが、

「センス・オブ・ワンダー」ともども、単行本を当たる予定です。

(版権の関係なのでしょうが、著作の5冊が一つの出版社から出ていないのは気になります。)


公害問題も環境問題と言葉を置き換えてしまえば、

どこかクリーンなイメージがするのはなぜでしょうか?

(“象牙の塔”として見ているのは誰なのか)

真実はもっと泥臭く、人間の嫌な面を見ないで済むはずがないことを

忘れてはならない。