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紅茶はサクラの香り

2008-04-04 | 読書【未カテゴライズ】

池澤夏樹「真昼のプリニウス」(中公文庫)を読む。

主人公の職業からして突っ込み所は満載なのですが、我慢して読み続ける。
「夏の朝の成層圏」や「スティル・ライフ」よりは読みやすいかなと選んだのですが
何を書きたいのか、一向に全体像が見えないので、コマル。
最後までガンバリます(この時点でもうダメダメ)。

---読了後---

何とか読み終わりました。
最後50ページぐらいで漸く主題が見えたような気がしました。
まあ、幾分詰め込みすぎですが。

「科学」の目というか手法は、手段に過ぎないって視点が抜けている、と思いました。
“分かった”、“見えた”という瞬間が大事であって、
継続して考える(客観視、批判)という態度がすべてではない。
そこの部分がどうしてもブレてます。
世界を表現したり、気持ちを表すのが言葉(詩)としたら、
そのイメージのどこかにあるもの(たどり着ける場所)の一つではないのでしょうか、科学は。
でも、そこにいたるプロセスが分かるか分からないかは、人それぞれ。
だからこそ、「科学」というちょっとしたガジェットが必要なのではないかと思うですが。

要するに、どちらに偏ってもおもしろくない、ってことです。

--- ---


どうしても“理系作家”というこの意味不明な言葉が引っかかります。
それを忘れればいいのでしょうが、それ以前だもんなー。
読みやすいけど、やっぱり文章が硬い、硬すぎる。
その辺りはやっぱり“理系作家”なんだと納得するも
題材とイメージがどうしても合わない…。


あとは角川文庫の2冊と「バビロンに~」を買うかどうか迷っています。