オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

奥田英朗『空中ブランコ』

2009-11-01 | おすすめ本

奥田英朗『空中ブランコ』
精神科医伊良部シリーズ。2004年直木賞受賞作。
以前から読んでみたいと思いながらなかなか手にする機会がなかった。
今回図書館で借りてきた5冊のうちの1冊。あっという間に読んでしまいました。
めちゃくちゃ面白かったーーー。

何を隠そう、高校時代は精神科医になろうかな~って思っていました。
高校時代は理系だったので。
同じクラスの同級生は50人中、40人が男子。
思いっきり男くさい高校時代でしたね・・。
ひょんなことで進路が心理学になっちゃったけど、あのままお医者さんになってたらどんな女医になってたんだろうって、たまに思います。
多分確実に今とは全く別の生き方をしてただろうなあ・・。

伊良部先生はものすごく変わったお医者さんで、なんだか子供みたいに無邪気に生きている。
注射を打つのが好きで(それもビタミン注射)、いつもお気楽で、美人で無愛想でミニの白衣を着たFカップの看護婦さんを連れていて・・。
こんな人がお医者さんなわけないよね、って誰もが思う風貌。

それに対してここを訪ねてくる患者さんは、いろんな仕事を持ってるけどみんな基本的にすごく真面目。
真面目に生きて真面目に悩んで、そして病んでいる。
こういう(この患者さんみたいな)人、きっといるよな~~って思ってしまう。

「もっと気楽にやればいいんじゃないの?」
この本を読んだ後はきっと誰もがそう感じると思う。

現代は「ねばならない」が多すぎる。
どんどん便利になって早くなって、ミスが無くなって正確になって・・
もっと確実に、もっと正しく、もっと早く、もっと成功して、もっと儲けて・・
一体みんなどこへ向かってるんだろう。

一人ずつの小さな無理、小さなストレスが地球を蝕んでいる。
私たちの我慢はもうきっと限界に来ている。

まずは自分から。
無理してることをやめてみる。
「ねばならない」じゃなく少しずつ「ほんとはこうしたい」を選んでみる。
そしたら、きっと、周りの人もみんな楽に幸せになれるんだよね。



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