オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

旅芸人一座、北九州へ

2014-10-31 | ほほ笑みと感謝の会(パレスチナ子供支援)

今日は「ほほ笑みと感謝の会」パレスチナオリーブパンフルートプロジェクト一座で北九州YMCAでの講演に行きました。
『希望・命・寄り添い~パレスチナ・東日本大震災の中で~』というタイトルで、「語り部」の立野泰博牧師(日本福音ルーテル大江教会)がパレスチナと東日本大震災で出会った人々や子供たちとの触れ合いから受け取ったメッセージを、パンフルートの音色とともに届けるという講演会です。立野牧師は熊本から、そして「笛吹き」の中村純先生は東広島から、そしてピアノ伴奏で自称「綺麗どころ」(笑)の私は広島から小倉駅に集合しました。


一座初の九州上陸ということで、ちょっと興奮気味です。
「ハーロックの銅像がどっかにあるんですよ。」
銀河鉄道999のキャプテンハーロックが心のヒーローの立野牧師は興奮気味です。
実は私もハーロックのファンなんですが、そんな話であんまり盛り上がっても何なので黙ってました(笑)。


今回は三水会というYMCAの新人研修のような研修会での講演で、若い方々が中心の講演会でした。
パレスチナや被災地で、絶望と涙の中から希望を作り出している人々の力強さは、皆さんに何かを伝えることができたでしょうか?淡々と話される立野先生のお話は、毎回まともに聴いてると涙が溢れて演奏できなくなってしまうので、中村先生も私も実は大変なんですが、なんとか無事に講演と演奏を届けることができました。


北九州は銀河鉄道999の作者の松本零士さんが青春時代を過ごされた場所ということで、お弁当は銀河鉄道999弁当でした(笑)。美味しかったです。北九州YMCAの皆さんお世話になりました。

 


この「ほほ笑みと感謝の会の活動」は、何かそれが必要な場所に呼ばれてはメッセージを届ける活動だなと、不思議な感覚で受け止めています。運ばれるという表現以外には思い浮かばないのですが、パレスチナオリーブのパンフルートや被災地の松のパンフルートが語りたい言葉を私たちが代弁してるのかなと思ったりします。ここをお読みの方でもし講演会を聴いてみたいと思われる方がいらっしゃったら大江教会の立野泰博牧師までご相談ください。
立野先生、中村先生お疲れさまでした。


そして広島に帰った私は11月16日に予定している作曲セミナーの打ち合わせでした。
作曲ということをテーマにワークショップをするという私にとって初のセミナーですが、ベーシストの西本圭介さんとドラマーの安井周吾さんに手伝ってもらってこちらも楽しいセミナーになりそうです。
どうぞお楽しみに!!




ライブハウス・オクトパス共催『ホンキの作曲術』~作曲セミナー&ワークショップ
日時:2014年11月16日(日)
     17:00~20:00(二部構成)(16:30オープン)

講師:三輪真理
サポート:西本圭介(Ba)・安井周吾(Dr)
場所:ライブハウス・オクトパス
参加費:一般2500円/学生1000円 別途ドリンク代500円
申し込み・お問い合わせ:
      orangeblue522@gmail.com(三輪)または
      info@rootwest.com(オクトパス)まで。



 


Long time no see!!

2014-10-27 | 友人・家族

ここのところいろんな不思議な出来事が起きていた。
そんな時に見つけたこんな記事。


「死後の世界は実在した!脳神経外科医の世界的権威エベン・アレクサンダー医師や東大救命医らが死後の世界を認める!」 


おおついに!!って感じ。 


大切な甥と英会話の先生であるリサ先生をそれぞれ天国に見送ったのは去年のこと。
甥は8月に突然死。リサ先生は甲状腺がんが5月に見つかってわずか5ヶ月の10月に亡くなった。
二人の死によるショックはやっぱり大きく、甥のことリサ先生のこともこのブログに書いて、思い出しながら何度も泣いた。ブログ記事がきっかけで、同じように身近な大切な人を亡くした人との不思議なつながりもできたりした。事故や突然の出来事で身近な人を見送らなければならなかった人ってこんなにも多いのかな、ってびっくりするくらい。


一人の人の死が及ぼす影響は計り知れない。
残された家族に(文字通りそれは「残された」と感じる)、大きな喪失感と悲しみと絶望感を与えるもの。
でも上の記事が本当だとすれば、それは幻想で、本当は「死」は永遠の別れではないのかもしれない。
つまり「しばしの別れ」。
いつか自分も「あの世」の世界に入れば「お久しぶり!!」とまた顔を合わせることになるのかも。


Long time no see!!


リサ先生の「Hello English」では私は欠席と遅刻の常習犯で、クラスに行くたびに「Oh!! Long time no see, Angelina!!」(お久しぶり、アンジェリーナ!)って言われていた。
Angelina(アンジェリーナ)っていうのはクラスでの私の英語名でお友達のナオちゃん(英語名はジェニファー)が付けてくれた名前。
リサ先生が入院された時から、新しい先生が担当になってクラスは続いているけど、なんだか足が遠のいてずっと行ってない。クラスのみんなは元気かな。


もうすぐリサ先生の命日。
クラスに行かなくなって一年以上経って英語も忘れそう(笑)。
久しぶりに行ってみようかな。


Long time no see!!


リサ先生のクラスに行くようになって初めて覚えた英語の挨拶の言葉。
いつか将来、先に天国に旅立ったリサ先生や甥っ子や父、ミュージシャンのブッチャーさんや青木さん、シンさんたちとこの挨拶を交わす日が来るんだろう。
その日まで私はこの場所で頑張って生きよう!!


「いつか命は 宇宙(そら)へと還る
 すべての時を止めて 永遠が花開く

 美しい朝が来て 鳥はさえずり
 命の歌が聞こえる 今日もこの場所で生きてる

 I'm a member of love, member of love.」

(『Member of Love』Peppermint Leaf より)





Tatiana Parra & Vardan Ovsepian『Lighthouse』

2014-10-15 | おすすめCD

今日はセイウのakiちゃんとランチし、ギタリストの砂Pこと砂原くんとお茶して、蓬-よもぎ-のボーカルのオリオちゃんとお茶するという、ミュージシャンに会いまくった日でした。


akiちゃんとは久しぶりにランチしたんですが話が終わらず、そのまま砂Pとのお茶にも誘って3人で喋りまくり、最後のオリオちゃんとのお茶にも参加してもらい、ほぼ一日一緒にいたわ~~という感じでした。
楽しかった。akiちゃんありがとうね。


いろんな話を聞きました。
音楽の裾野は広い。どんな理由だって音楽はできる。
サクセスのため、友だち作りのため、自分の成長のため、憧れのミュージシャンと共演するため、仕事のストレスを解消するため、好きな人と一緒の趣味を持ちたいため、ただ楽しむため・・・etc。
どんな理由で音楽をやってもOK。音楽の懐(ふところ)はそれほど広い。
でも、私は私の音楽に対する愛と誠意をひたすら貫こう、ってやっぱり思いました。


アドラー流に言うと「課題の分離」。
私は私の仕事をしっかりやる。それだけ。


写真はakiちゃんに教えてもらったTatiana Parra(タチアナ・パーハ)というサンパウロ出身のシンガーの人の話題のCD。素晴らしい。即買い。でもって我が家のB&Oオーディオでヘビロテです。Amazonにはナイです(笑)。





聴いてると次第に心が澄みわたる。瞑想に入れそうな音楽です。 

 


「ホンキの作曲術」作曲セミナー&ワークショップのお知らせ

2014-10-14 | 作曲術

先日からお知らせしてきましたように『ホンキの作曲術』の作曲セミナーとワークショップの開催が正式に決まりました。


ライブハウス・オクトパス共催『ホンキの作曲術』~作曲セミナー&ワークショップ
日時:2014年11月16日(日) 17:00~20:00(二部構成)
     (16:30オープン)
講師:三輪真理/サポート:西本圭介(Ba)・安井周吾(Dr)
場所:ライブハウス・オクトパス
参加費:一般2500円/学生1000円
    別途ドリンク代500円
申し込み・お問い合わせ:
    orangeblue522@gmail.com(三輪)または
    info@rootwest.com(オクトパス)まで。


今回はオクトパスの共催ということで参加費も低めに設定することができました(大感謝)。
お渡しする「マリの極秘資料代」(笑)もすべて含みます。
ぜひ多くの皆さんに参加していただければと思います。


来る人のレベルに合わせた対応も出来ると思いますので申し込みの際にあらかじめメール等で

1.作詞作曲まったく初めてです。
2.作詞できます。作曲は苦手。
3.作曲できます。作詞は苦手。
4.作詞も作曲もできます。さらなるレベルアップをめざしたい。
5.ただ見てみたいだけ。

のどれかをお知らせいただけると嬉しいです。


サポート講師陣に広島在住で世界が認める超絶ベーシスト西本圭介さん(オクトパス)と、ボーカル橘くんの熱いオファーで京都からわざわざ広島に移住してきたdenebのドラマー安井周吾さん(from deneb)にご協力いただけることにもなりました。


内容は、
第1部:セミナー(作曲の基本と応用)
第2部:ワークショップ


ワークショップはで実際に参加者とセッションしながら曲作りもしていきます。
作曲中の曲のある方は、あれば譜面・歌詞カードなどをお持ちください。
楽器を演奏しながら曲を作る方は、普段作曲時に用いる楽器等も持参して下さい。


バンドアレンジについてのアドバイスもしていきます。
既存の曲のバンドアレンジについて知りたいという人にも参考になるセミナーです。


まだ読んだことのない方は、ここ「ホンキの作曲術」の基礎編と応用編の全8回をざっとお読みいただけるといいなと思います。専門用語が多すぎてレベル高すぎるーーと思うところは読み飛ばしてもらって大丈夫です。 
文字だけで音楽の説明をするのは、説明する方も読む方も大変ですよね。
なので今回のセミナーでは実際に音を出しながらわかりやすく解説していく予定です。


どうぞお楽しみに!!



ホンキの作曲術(応用編)~(4)イントロ、間奏、エンディングにもひと工夫

2014-10-11 | 作曲術

ほぼ10日間に渡って連載してきた『ホンキの作曲術』も今回がいよいよ最後です。
今日は(応用編)の(4)イントロ、間奏、エンディングにもひと工夫 です。


楽曲は基本的には歌メロ(歌詞の付いたところ)に意識が向くものです。
でも現代のロックやポップスは基本的には伴奏もあってのものなので、イントロや間奏やエンディングをどのようにするかはかなり重要なポイントです。
イントロや間奏やエンディングを含めての楽曲だという意識を持ちましょう。


最初の「骨格を意識する」のところで紹介した「Let it be」に代表される曲のように本来なら歌メロであるはずの「Aメロ」をインストで演奏する(間奏扱い)にする曲は少なくありません。そうすることで聴く人に「間」(想像する時間)を与えることができます。


例えば有名な「上を向いて歩こう」の二番のAメロの半分は口笛ですが、ここに歌詞がないことはやっぱり粋です。
歌詞に春−夏−秋だけで、冬がないことも聴く人の想像力をかき立てますよね。
これぞ「削ぎ落としの妙」だと思います。
作家にとっては勇気がいるけど「語りすぎない」って大事ですよね。


そして曲には「始まり」があれば「終わり」がある。
お料理ならオードブルからデザートまででフルコース。
いわゆるデザートにあたる「終わり方」にもこだわりを持ちたいですね。


エンディングの最後のコードを何にするか。これにもいくつか方法があります。
まずはきちんと終止形のストレートなコードで終わる。これは基本です。 
でもこれではあまり面白くないなと思ったら他の方法も使えます。


例えば曲の最後で同主転調をする。
短調(マイナーコード)の曲なら最後の最後のコードだけメジャーコードにする。
スピッツの「ロビンソン」などがいい例ですね。


次にサビやエンディングの途中でスパッと切る。曲に勢いが生まれます。
宇多田ヒカルの「Automatic」など。


あとは代理コードで終わる。
例えばハ長調(C調)の曲ならAメジャー、Aフラットメジャーセブン、Fメジャーセブンなど。
曲に余韻を残します。これはわりとライブでは使われることが多いですね。


そしてレコーディングで用いられる王道はサビメロを繰り返しながらフェードアウト。これは最後までしつこくサビメロを繰り返すので記憶に残りやすいわけです。


これは有名なビートルズの「All You Need Is Love」です。
なんとイントロはフランス国家「ラ・マルセイエーズ」が使われています。
そしてエンディングにはサビをしつこく繰り返しながら、そのバックでバッハのインヴェンション、グレン・ミラーの「インザムード」、イギリス民謡の「グリーン・スリーヴス」そしてビートルズ自身の「She Loves You」が入ってます。わかりますか?




遊び心満載のビートルズ、盛りだくさんすぎますね。
私もいつかイントロに「君が代」でもこっそり入れてみようかな(爆)。

ということで、『ホンキの作曲術』基礎編1~4、応用編1~4と書いてみました。
いかがだったでしょうか?
難しかったですか?それとも簡単すぎましたか?
皆さんのご感想はコメント欄やFacebookやメールでお待ちしています。


『ホンキの作曲術』は言い換えれば『キホンの作曲術』でもあります(笑)。
まずは作曲の基本をお伝えできればと思って書いたので、お読みになった皆さんはこれ知った上でどんどん自分の個性を追求していかれるといいと思います。
基本の型をわかってそこからあえて「外す」のはオシャレで個性ですが、基本がわかってないのはただのデタラメです。


なんでもそうですが、いい曲を作りたかったらいい曲をたくさん聴くこと。
そして最初は真似でもいいからとにかく作ってみることが大事です。
初めから名曲は生まれません。最初の10曲くらいはボツにする覚悟で作り始めましょう。


そして何より「本気」で渾身の一曲を作ろうと思うこと。やはりこれに尽きます。
せっかく音楽という形のないものにチャレンジするんだったら、100年先の人にも聴いてもらうという壮大な目標を持ちたいものです。
そんなのムリですか?クラシックの作曲家にはできたことです。
あなたにもひょっとしたらできるかもしれません。


命がけとは言わないまでも、本気で作ることはやっぱり大事です。そして本気で書いた曲を信頼できる誰かに聴いてもらって正直な感想をもらいましょう。
批判は怖いですか?自分の曲に絶対的な自信があれば、何を言われても平気です。


音楽人生のうちに1曲でも、自分の代表曲という曲が作れたら最高ですね。
そんな壮大な夢を描きながら共に楽しく音楽人生を歩んで行きましょう。
最後までお読みくださってありがとうございました。


最後に紹介するのは山下達郎の「クリスマス・イブ」 
この曲はもともと竹内まりあのために書かれた曲で、プロデューサーに「つまらない」と言われてボツになった曲らしいです。それを達郎さんが自分のアルバムにこっそり入れた。それが何年も後に大ブレイクすることになるんですが、達郎さん自身がこの曲をただのボツ曲にしたくないという愛情がこの曲をミリオンヒットに導いたのかなと思います。


あなたが自分の曲(音楽)を愛する気持ちが本物なら、誰に否定されようと捨てる必要はありません。


「歌っていうのは自分の手元を離れた後に意味合いを変えて、聴く人の意志が加わるものなんですよ。今回は特にそれを感じました。一番の典型は「クリスマス・イブ」なんだけど。」
 (参考:山下達郎の名言集
 


ホンキの作曲術(応用編)~(3)転調する

2014-10-10 | 作曲術

さて好評の作曲連載『ホンキの作曲術』(基礎編)~(応用編)も残すところあと2回となりました。
ちょっとは皆さんの曲作りのヒントになればいいな~と思ったりしています。
難しい専門用語もたまに出てきますがそこは自分でググってもらって、調べる楽しみ、知る楽しみを知ってもらったら、と思います。


では前置きはこれくらいで、さっそく本題に入りましょう。
曲の雰囲気を変える手法で「転調」があります。
これも曲に「アクセント」をつける方法ですが、転調は作曲の中でも少しだけ高度な技術になってきますね。


クラッシックの「ソナタ形式」などの曲は転調のやり方はほぼ手法が決まっていますが、ポップスには特にこれと言った決まりはありません。
何調から何調に転調しても自由なんですが基本の転調を知っていると便利なので一応まとめておきます。
さらに転調の基本的なやり方も押さえておけばよりスムーズに転調できます。
主な転調の種類は以下の通り。


平行調転調(調号が同じ調への転調)
 ハ長調(Cメジャー)→イ短調(Aマイナー)
  きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」(中田ヤスタカ作詞・作曲)など

同主転調(主音はそのままで長調から短調へなどの転調)
 ハ長調(Cメジャー)→ハ短調(Cマイナー)
  久保田早紀「異邦人」など

属調転調(V度上、下への転調)
 ハ長調(Cメジャー)→ト長調(Gメジャー)
  MISIA「飛び方を忘れた小さな鳥」(鈴木雄大作詞・作曲)など

短三度転調(短三度上、下への転調)
 ハ短調(Cマイナー)→イ長調(Aメジャー)
  ポリス「メッセージ・イン・ア・ボトル」など

 ハ長調(Cメジャー)→イ長調(Aメジャー)
  渡辺美里「マイレボリューション」(小室哲哉作曲)など

 ハ長調(Cメジャー)→変ホ長調(Eフラットメジャー)
  スキマスイッチ「奏」など

半音上げ転調(全体的に半音上がる転調)
 イ長調(Aメジャー)→変ロ長調(B♭メジャー)
  スキマスイッチ「ボクノート」など


こうして見ると転調のある曲っていっぱいありますよね。
逆に転調のない曲を探すのが難しいくらいです。


さて転調する時には通常「ツーファイブ」と言われるコード進行を用いると転調がスムーズになります。
転調先の調のV度のコード(ドミナントコードとも言う)、さらにそのV度のコード(転調先の調のII度のコードになる)(ドッペルドミナントコードとも言う)を使って、II−V−I 流れで転調先のコードに着地させます。


もちろん「ツーファイブ」を使わない突然の転調もアリだし、それ以外の変わった「一度上げ」「長三度上げ」などの転調もあります。転調は自由ですが、あくまでこれも曲の「アクセント」ですから「やりすぎ注意」です。
いろんな曲の転調方法を聴いてメロディとコードで無理なく転調を取り入れられるようにしたいものです。


このあたりは具体的に音を聴いてもらいながら解説した方がわかりますね。
11月16日の作曲セミナーを楽しみにしていて下さい。


転調が美しい曲の代表と言えばこれ。
ラフマニノフの「ヴォーカリーズ」




メロディとコードがどんどん流れるように自然に転調を続けて行きます。ここまで転調を繰り返すともう最初が何調だったか忘れそうですね。
高度な技術です。でもこういう転調のしかたも勉強してみるといいですね。


いかがだったでしょうか?
あなたのお気に入りの一曲も実は「転調」を含んでいるかもしれないですね。
ひょっとしたらそこが好きでお気に入りの1曲になってるのかもしれないです。
どういう転調をしているのかよく聞いて、自分の曲作りの時に最初はそれを真似てみるのもいいと思います。わからない人はコードに詳しい人に尋ねてみてください。
曲作りに新たな展開が見えるかもしれないですよ。


ということで『ホンキの作曲術』(応用編)も次回で最終回です。
次回はその(4)イントロ、間奏、エンディングにもひと工夫 です。
いよいよクライマックスですね。お楽しみに。

 


ホンキの作曲術(応用編)~(2)アクセントを付ける

2014-10-09 | 作曲術

皆さん昨夜の皆既月食はご覧になれましたか?
昨夜は開店8周年を迎えられたイタリアンのお店 Mr.トーマスさんでFOUR&FOURのミーティングを兼ねた食事会でしたが、お店の玄関に立って満月がどんどん欠けて神秘的な赤い月が現れるのを不思議な気持ちで眺めた夜でした。
iPhoneでは写真は上手く撮影できませんでしたが、Facebookでシェアされていた美しい月の写真を拝借。


「葡萄色の満月」

なんか歌の歌詞が浮かびそうですね。


さて『ホンキの作曲術』(応用編)、今日はその(2)アクセントを付ける です。
曲はほとんど出来上がったけど、なんだかパッとしない。
曲には流れとは別に「アクセント」が必要です。
この場合のアクセントはいわゆる音の強弱とは違う意味で「アピールポイント」みたいなものです。


まずポイントにしたいところだけコードを変えてみましょう。
コードには代理コードと呼ばれるものがあります。
たとえば、Iの代わりにIII、VIのコード。
ちょっと変えてみることで雰囲気が変わります。
そうすると1つのメロディの中に新しい景色が出てきます。


そしてメジャー7th、9th、11th、13th、フラット5、ディミニッシュ、ハーフディミニッシュ など・・不協和音を上手に取り入れてみましょう。
ここは好みが分かれるところなので、こういうのが好きな人に限ります。
C、F、Gなどのストレートなコードに対して、不協和音を入れると少しだけ曲に「曖昧さ」が加わります。
ジャズなどに代表されるように、次のコードに行く前にこういう不協和音を上手に入れると「オシャレ」に感じられる曲になります。


ただしどんなにオシャレなコード進行だといってもあまりそれを使いすぎないことは大切です。
インパクトが強いものはさすがに何回も出てくると「またかよ?」的なうんざり感を与えてしまいます。
「あれ?今何のコードだった?」ってハッとさせるくらいでちょうどいいんです。
どんなに素敵なアクセサリーでも付け過ぎると品が無いですからね。


ベースラインを変えてみる。
ベース音というのは基本的に曲の土台です。同じコードでも、ベースの音を何にするのかで曲の印象は大きく違います。
いつでもルート音を取るのではなく、III度、V度の音にしてみたりオクターブ上げたり下げたり工夫してみましょう。ちょっとベース音を変えるだけで曲の雰囲気をガラリと変えることができます。


メロディラインや歌詞を変える。
曲も歌詞もコードも付けた後でも、歌ってみて歌詞が聴き取りにくい時には思い切ってメロディラインを変えるということもやってみましょう。メロがコードの主要な音と変なぶつかり方をしているとか、言葉そのもののイントネーションとメロの形があまりにも合ってない時には、思い切ってそこを変更する工夫も大事です。


リズムや拍子を変える。
これは比較的良く使われる方法です。
私もよく使います(←ある意味ドラム泣かせ)。
曲の途中やエンディングで拍子を変えたり、4分の4拍子の曲に4分の2拍子を持って来たり、変拍子といわれる4分の5拍子や8分の7拍子などを使うとか。
一定のリズムで聴いている人をちょっとハッとさせる小ワザです。


例えばこれ。スピッツの『ハチミツ』。



コード進行は普通なんですが、Aメロ3小節おきに4分の2拍子が入ってますね。
4分の10拍子と言う説もありますが(笑)。
Aメロでちょっとカオスな緊張感を出して、Bメロ(サビ)で4分の4拍子になった時に聴く人がホッと安心するという曲の展開です。


時間芸術である音楽は、聴き終わった後にどれだけ「余韻」を残せるかが大事です。
「アクセント」をきっかけにまた「思い出して」もらえるような曲作りにすることは大事ですね。
それが「また聴きたい曲」になって、その曲のリピーターやファンを増やしてくれるのです。



ホンキの作曲術(応用編)~(1)組み合わせる

2014-10-08 | 作曲術

いつも私の作曲連載『ホンキの作曲術』をお読みいただいてありがとうございます。
今回、こうやって作曲についてまとめる機会があって私自身すごく良かったなーと思っています。
車の運転にしても料理にしても慣れてくるとその行程をいちいち意識したりしないように、今では習慣になっていて直感的にやっていたことを、こうやってまとめてみると、なるほど自分の頭の中でやっていたことが改めて「こういうことだったのか」ってわかりますね。


さて今日は『ホンキの作曲術』応用編その(1)組み合わせる です。
ここからは言ってみればアレンジ力になります。
メロディとシンプルなコードでも曲はできますが、今の時代はいろんな曲が溢れているので「インパクト」のある「オサレ」な曲にしないとなかなか曲を好きになってもらえません。
もちろん素材は大事ですけどね。


ここで大事なのは「組み合わせ力」です。
ロックにジャズのコード進行を入れてみたり、ダンスミュージックに民謡のメロを当ててみたり、世界中の音楽からヒントを得ましょう。ちなみに私はインド音楽が熱いです。ちょっと前まではカリンバを使ったアフリカンミュージックやエンヤに代表されるアイルランド音楽も熱かったですけどね。


カリンバと言えば、こちらは最近友達のYokoちゃんにもらった竹富島のカリンバ。



実はこれ琉球音階になっていて、なんとなくつま弾いてるだけで新しいメロディーが生まれそうな気がします。このように新しい楽器を手に入れた時にも創作魂は刺激されますね。


いろんな音楽を聴いていて面白いコード進行を見つけたら自分の脳内音楽スクラップブックにぜひ「クリップ」しておきましょう。私には「どこが好きかわからないけど好き」という曲リストというのがあります。
一般的には変なコード進行の曲が多いですけど(笑)。


そうやって脳内クリップした音楽はかならずどこかで登場します。
その時に「パクリ」と言われないためにはやっぱり「組み合わせ力」が勝負です。
ぜったいわからない「組み合わせ」を使って「自分だけのオジリナル」に仕上げ切ることが大事です。
「すべての発明は組み合わせである」という言葉もあります。
音楽にもそれは言えてます。


ヒップホップと歴史のまさかの組み合わせ。レキシの「狩りから稲作へ」




それから、自分が思いついた歌詞やメロディもどんどんスクラップしておきましょう。
私のiPhoneやパソコンには鼻歌で歌ったメロディのモチーフが100個くらい入ってます。
たまーにそれを聴いてると新曲が出来ることもあります。もちろんボツになることもあります。


歌詞で使いたいカッコいい言葉を思いついたり見つけたりした時は、それももちろんスクラップです。以前、歌詞に使おうと思ってなぜかメモした謎の言葉(笑)。
「ドライアーが気に入らない」
「へっぽこ」 
意味不明ですね。その時には何かを思ってメモしたんですけどね(笑)。


とりあえずたくさん曲を作ると次第に自分のカラーが自分なりにわかってきます。
未発表曲がたくさんあることはソングライターの強み。
とにかく作詞も作曲もできるだけ量産すること。
ソングライターにとってこれは必須です。


そしてたくさん曲ができたら自分の作風の変遷も自分なりに楽しんでみることが大事です。
画家のピカソもモネも初期の頃と晩年はずいぶん作風が変わりましたよね。
何年何月に作った曲なのかもメモしておけばあとあと楽しみが増えます。
「この頃の自分って青かったなーー」と思うこともしばしば。曲作りから人生を振り返ることもでき、それも合わせて曲作りの楽しみです。


というわけで、今回は以上です。
今夜は皆既月食だそうですね。 
お天気も良さそうだし神秘的な赤い月が見られるかもしれないですね。
こんな夜はぜひ楽器を持って月を見ながらウィスキーでもいかがでしょうか?
こういう珍しいことがある時はまた新しい曲が生まれるチャンスかもしれませんよ。


11月16日に予定している『ホンキの作曲術』実践セミナー&ワークショップではもうちょっと突っ込んだところまでお話できたらいいなと思っていますのでぜひ楽しみにしていて下さい。
詳細決まったらここでもお知らせします。



オリジナル曲の面白さ

2014-10-07 | 作曲術

連載『ホンキの作曲術』は今日はちょっとお休みして。
今日はちょっとオリジナル曲ということについて書いてみたいと思います。


「オリジナルのバンドをやってます」って言うと「あ、そう」ってさらっとかわされることが多いんですが、一般的に「オリジナル曲」ってどんなイメージで捉えられるんでしょうかね?
やっぱりこんな感じ?(笑)


映画『スィングガールズ』の挿入歌『失恋してもラビンユー』




「バンドあるある」(笑)。
ツッコミどころ満載です(笑)。
これ映画館で観たときは笑いすぎてお腹が痛くなりましたけどね。


まあ、多かれ少なかれ中学生のバンドはこんなところから入るんじゃないですかね。
等身大(の言葉遣いと考え方)の歌詞。
飾らないそのままの(またはどっかから借りて来た)メロディ。
次から次へと出てきて収拾のつかなくなったメロディと曲の構成。


ちなみにこの曲は、
スローなAメロ(サビ)−Bメロ−Cメロ−Dメロ−Eメロ−Fメロ−Aメロ(サビ)
となってますね。すごいね(笑)。


もちろんこれはウケ狙いで作られてるわけですが、それでもちょっとだけ「骨格」を意識して曲を作れば、案外いい曲になるんですよね。
ちなみにこちらはめっちゃ歌詞は笑えるけど、意外に骨格がしっかりしてる名曲(迷曲)。
ご存知、BUNP OF CHIKENの隠しトラックより『new world サミット』




「ポポンポン」って・・。
さすが中学の同級生からのメンバーで組まれているBUNPは面白すぎます。
一部では藤原くんの才能の無駄遣いと言われてますが(笑)。


それから私のヘビロテのお腹よじれる系の名曲(迷曲)『油』



こういうのはもう違った意味で名曲ですよね。
ほんと何回も聴いちゃう(笑)。でも電車とかで聴くとまじヤバイ。


でもこの曲のおかしさは実はしっかりとしたテーマと曲の構成といいメロディとコード進行やリズムがあってこそなんですよね。
そういうところは落語に通じるかもね。
曲の良さと歌詞のバカバカしさのギャップで笑える。
お笑いだって、ボケと突っ込みとか、リズミカルであるとか、キメ台詞とかキャラとかあるもんね。


ふざけて作ったこういう曲が自分の代表曲になるとちょっと悲しいかもしれませんが、やっぱり人生に笑いは必要なんでね。
皆さんも1曲くらいこういう曲を作ってみるのはいかがでしょうか?


私にも1曲ちょっとそういうタイプの曲がありまして。ご紹介します。
Orange Blue時代に作った『君はヤツのもの』。




これは歌詞が先に出来ていて、スタジオリハの時にバンドでセッションしながら作った曲です。
お腹よじれる系には全然ほど遠いけど(笑)。
もうちょっとふざけた感じでライブみたいに歌えば良かったなー。


種明かしをすると、これは当時聴いてたベント・ファブリックの『Juke Box』というアルバムを真似て作ったんですね。




ね?ベースラインとリズムパターンがほぼ同じ(笑)。
もちろんこれはもともと巷によくあるコード進行ですけどね。


また、こういうタイプの曲もたまには書いてみようかな、と思います。
皆さんもぜひ!!




ホンキの作曲術(基礎編)~(4)整形(シェイプアップ)する

2014-10-06 | 作曲術

このところ台風の進路が気になりますね。
まあ秋と言えば台風ですが、被害が少ないことを祈りたいですね。


広島ではあまり見かけないのですが私の生まれた九州では雨戸は必須。
台風でどんなものが飛んでくるかわからないので雨戸の上から添え木を打ち付けたりして台風に備えていました。
台風シーズンは学校が頻繁に休校になるので子供の頃は嬉しかったですけど、カーポートの屋根が飛んで行ったり、屋根瓦が何枚か無くなったり、窓ガラスの1枚や2枚が割れるのは日常茶飯事でした(笑)。
自然との共存はキビシイですが、それもひっくるめて自然と生きる醍醐味ですよね。


さて、いよいよホンキの作曲術の基礎編の最後です。
今回は(4)整形(シェイプアップ)する です。


映画には「編集」、料理には「盛りつけ」、小説には「校正」があるように、ほとんど完成した曲を世に出す前に、ちょっとやりたい最後の作業があります。
それは「整形」(シェイプアップ)。


歌にとって大事なことは実は「語りすぎない」「盛り込みすぎない」こと。
歌詞も曲も盛りだくさんすぎて1回聴いたらお腹一杯になっちゃうような曲は2回、3回と繰り返して聴きたいと思いません。やっぱり「何回も聴きたい曲」であることは大事。


最後の最後に「思い切って削る」ことで、印象の強い曲になります。
全体を通してムダな部分はないか、語りすぎてないか、冗長なところはないか、もう一度見直します。
いろんなことを言うよりも「同じ言葉を繰り返す」方が逆に説得力が増すこともあります。


歌詞を削る、曲を削る、いろんな方法を試してみて下さい。
要らないところを思い切って削ぎ落とすことで曲がさらに洗練されます。
削ぎ落とすことによって日本古来の「わび」「さび」も出てくるような気もします。


こういうとき私が参考にしたいのはやっぱり童謡。
多くの人に愛され歌い継がれる歌には圧倒的な存在感があります。





たった2分の歌の中に人の一生分の思い出が詰め込まれている。
これぞ芸術ですよね。


こちらは、削ぎ落としの達人、大貫妙子さん(←勝手に命名)
選び抜かれた歌詞とメロディ、そして間奏やエンディングの絶妙のバランスでいつまでも心に残る名曲を何曲も作られています。
『黒のクレール」『突然の贈り物』ぜひ聞いてみて下さい。






もちろん、逆に説明が足りないところは何かを足すことが必要な場合もあります。
主観に偏りすぎないように、家族や友だちなど身近な人にまず聞いてもらって率直な意見を聞いてみることも大事ですね。
足したり引いたり。気に入った形になるまでしっかりと整形してください。


というわけで「ホンキの作曲術」(基礎編)(1)~(4)まで書いてみました。
いかがだったでしょう?
少しは参考になったでしょうか?
これを読んでぜひ自分も「ホンキの1曲」を作ってみたいと思って下さる人がいてくれたらいいなと思います。
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