オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

『はたらきたい。』

2008-03-28 | おすすめ本

ほぼ日ブックスから届いた『はたらきたい。』という本を読んでいます。

「これから社会に出ていく学生のみなさん、
 今まで大切にしてきたものは、何ですか?
 すでに社会人としてはたらいているみなさん、
 仕事をするとき、何を大切にしていますか?」

そういう問いかけをされる本。

「何を大切にしているのか。」
その答えは学校の教科書にも就職対策本にも載ってない。

今って言う時代は、どんどん価値観が変容していて「大切にしたいもの」も人それぞれ。
どういう答えを期待されてるかじゃなくて、自分ならこの問いにどういう答えを出すかが問われているんだろうね。

「あなたは何を大切にしていますか?」


・・・「笑い」

なんちゃって(笑)。


映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

2008-03-26 | おすすめ映画

ノラ・ジョーンズが主演で話題の映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観てきました。
ウォン・カーウァイ監督がグラミー賞ミュージシャンのノラ・ジョーンズをスクリーンデビューさせたという映画だけあってちょっと期待の映画でしたが、その期待を裏切らない素敵な映画でした。
なにしろ映像が美しい。色がとてもキレイ。
そして音楽、もちろん特にノラの歌と声がすごくいい。

ストーリーは、ノラ演ずるエリザベスが、失恋の傷から立ち直っていくまでの様子を描いたどこにでもありそうなストーリー。
でも、案外深い・・。

恋人に捨てられたエリザベスが立ち寄った街のカフェ。
そこのオーナーのジュード・ロウ演じるジェレミー。
彼の出してくれたブルーベリーパイ。そのパイの味に次第に傷を癒されていくエリザベス。
カフェのオーナージェレミーもやはり、昔仕事で挫折し、恋人に捨てられた傷を持っておりそのことが忘れられない。忘れないために置いてある彼女の部屋の鍵。
そんな傷ついた2人が出会えば、簡単に恋が始まりそうなものだけど、エリザベスはその傷を癒してくれた相手のジェレミーと、簡単には恋に落ちない。

失恋や挫折から立ち直るために必要なのは、次の恋人ではなくて自信。
エリザベスはジェレミーに何も告げずに旅に出る。
遠い距離を旅して自分を見つめ自信を取り戻し、そんな心の変化をジェレミーに宛てて手紙を書く。そしてジェレミーはそんな彼女からの手紙を読みながら、自分のいる此処という場所でまた自信を取り戻していく。
そして300日後にカフェに戻ってくるエリザベス。
同じカフェ。同じシチュエーション。
だけどそこには、旅を通して変化したエリザベスとその彼女がいない間にやはり変化したジェレミーがいて、2人はもう一度出会い、新しい関係が始まる・・・。

ウォン・カーウァイの映画は、カメラワークが独特。
前ボケや背景のボケ具合がなんともいい感じ。
ストーリーもさることながら、その映し方にうっとりする。
ニューヨークの街やカジノでさえも、ノスタルジックに映る。
失恋して悲しいときって、街の景色も何もかもがにじんで見える、そんな感じ。

ジュード・ロウはもちろんカッコいいし、レイチェル・ワイズやナタリー・ポートマンなど脇を固める俳優も素晴らしく、期待を裏切らない出来映えでした。

あとね・・・。

人は、他人に話さないだけで、誰でも心に挫折や失恋の傷を持ってる。
生きていくことは苦しいことも多いし、お酒やギャンブルで紛らせたいような煮え切らない思いもある。
でももうそんなふうに逃げたりせずに、正面から立ち向かってみようよ、っていうエールをもらったような気がしました。

そんな素敵な映画。ぜひ皆さんも観てみてくださいね。


ラヴ・レター

2008-03-17 | おすすめCD

今日はオフ。
今日聴いているのは、ほぼ日レコードで買ったCD『LOVE LETTER』
鈴木良雄さんというベーシスト率いる「BASS TALK」というグループの演奏。
ピアノは大好きな野力奏一さん。野力さんはケイコ・リーの広島のクアトロライブで見て以来のファン。ホントに素晴らしいの一言。

メンバーは鈴木良雄(Bass)、野力奏一(Pf.&Key.&Syn)、井上信平(Fl.)、岡部洋一(Per.)
まるで高級な羽毛布団につつまれて、これまた最上級のジャスミンティーをいただいてるみたいな気分。
いい音楽はこんなにも心を自由にしてくれるんだね~~。幸せ~~。
過去にトリップしたり、未来をイメージできたり。

空も飛べそう~~なんてね。

ちなみに、このアルバムの1曲目『Morning Sun』は確か広島のどこかの映画館で上映前の映画館情報か何かが流れる時にBGMとして流れていたような気がします。
多分ワーナーマイカルじゃないかな。今度行ったら確かめてみよう~。

こちらで試聴も出来ます(PCのみです)。


『キリクと魔女』

2008-03-16 | おすすめ映画

突然ですが、あなたは今、苦しいですか?

仏教の教えに三苦や八苦という言葉がある。
この世は「思うようにならない苦しみ」に満ちていて、その「苦」から「悟り」の状態に近づく方法を「方便」と言うそう。
ちなみに「ウソも方便」とはそこから来ている。

とりあえず私はクリスチャンですからね。
イエスキリストはそれを「福音」と言いました。

苦しみの大きさは、人それぞれ。
小さくても死んでしまいたいほど苦しんでいる人もあれば、大きくて他の人には「さぞかし苦しいだろう」と思うこともなんとも思わない人もいる。
つまり受け止め方次第。

苦しみに負けてしまうのは「ダメなやつ」と言われ、それに打ち克つことが立派だと言われることは多いけど、そのことはとりあえず置いておいて。
知っておいた方がいいことがある。
苦しみは、他人へのそして自分自身への攻撃のきっかけになる。
自分自身への攻撃とは自傷行為。
やめられないタバコ、お酒、薬物などもそうらしい。

「キリクと魔女」という2003年に公開されたフランスのアニメがある。
(もうDVDも出ています。レンタルにも並んでるよ。)
そこにはある村を苦しめ続ける魔女カラバが出てくる。
村はカラバに常に支配され、常に貢ぎ物(黄金)を要求されている。言うことを聞かないとカラバは呪いで戦いに挑んだ働き手の男達を食べてしまったり、村の泉の水を止めてしまったり、「どんだけ~~~」っていうくらいの意地悪をする。
村に残るのは女と老人と数少ない男と子供たち。

その希望のない村に生まれた少年キリク。知恵ある少年。
あきらめる前に解決を考える。次々に魔女カラバの意地悪を解決していく。

ついに少年キリクは母に訊ねる。
「どうして魔女カラバは意地悪なの?」
「それはカラバが魔女だからよ。」
答えになってない答え(爆)。

納得しないキリクは、答えを求めて「その答えを知る」賢者に会いにいく。
行く手を阻む魔女の城を越えて。

途中はハラハラ・ドキドキ!!
観たことない人には申し訳ないけど、答えを言ってしまうと、実は魔女カラバの背中には「毒のトゲ」が刺さっていた。
カラバの背中には、かつて村の男たちによって「毒のトゲ」が打ち込まれ、その「トゲ」が与え続ける痛み。それが村人達を苦しめ続ける理由だったというわけ。
そしてその「トゲ」こそが魔女に力をも与えていた。

「どうして抜かないの?」
少年の問いに賢者は答える。
「その毒のトゲは魔女の背中に深く深く食い込んでいて、抜く時には刺された時以上に苦痛をともなうのさ。」

そしてキリクは勇気をふりしぼりその魔女の毒のトゲを抜きに出向く。そして・・・
あとは映画(DVD)を観てのお楽しみ。
美しい絵本も出ています。映画とともにこれもオススメです。

苦しいあなたの背中に刺さったトゲは何でしょう?
あなたに意地悪する誰かに刺さったトゲは何でしょう?
過去誰かに傷つけられたこと、誰かを傷つけたこと、自分の犯してしまった過ち、失敗、敗北、期待していた愛情や評価を得られなかったこと、裏切り、失望・・・etc.。

抜く時にはちょっと(場合によってはかなり)痛いかもしれないし、ある意味の力を失うかもしれないけど、もうそのトゲ抜いて捨ててしまいましょう。

「ああ、これが毒のトゲだったんだ。」って気づくとトゲは抜けます。
苦しみから解き放たれるには、それが1つの答えかも。
苦しみを攻撃で紛らすのは、もう止めようね。

「心のトゲならば 僕が抜いてあげる
 傷ついた心 癒してあげる
 悲しみの夜には ずっと傍にいよう
 ああ あなたが 立ち直るまで」

(オレンジブルー『始まりの朝』より)


映画『人のセックスを笑うな』

2008-03-03 | おすすめ映画

話題の映画を観てきました。
『人のセックスを笑うな』
永作博美と松山ケンイチ主演。
「19歳のボクと39歳のユリのいかれた冬の物語」というサブタイトルが付いてるこの映画。ストーリーもさることながら映像や音楽のトーンにちょっと興味があったので観てみました。

なかなかいい映画でした。
うん。でもワタシ的には☆3つかな。

もちろんキャスティングは良いし、音楽もいいし、ストーリーや描き方は面白いんだけど、全体的にちょっと間延びした感を拭えなかったかな。
間延びしちゃうとつい「我に返っちゃう」のよね。
上映時間2時間17分。もうちょっと編集に力を入れて欲しかったですね。

原作は山崎ナオコーラの同名の小説。
読んでみないとわからないけど、自由奔放なヒロイン永作博美演じる「ユリ」はなんだか江國香織の小説「落下する夕方」に出てくる「華子」に似て、浮遊感たっぷりでつかみどころがない感じ。
松山ケンイチ演じる「みるめ」はどんどんその彼女のペースに巻き込まれていく。
二人の関係は涙もなければ熱くもなく。現実感もなく修羅場もない。

「寒いね。」って言っては、抱き合って温めあって・・。

映画の全体的な雰囲気もつかみどころがなく、恋愛って、つまるところそんなもんなのかもしれない、ってどこか思考停止しまう感じ。

確かに恋愛って答えがない。
「正しい」とか「間違った」なんてないよ。
でも、少なくとも作り手には「こう思うよ」っていうなんらかの意見があってほしいなって思うのは私だけでしょうか?
もしかして「恋愛に答えはないのよ(だから自分で考えなさいね)」というのが意見?

蒼井優演じる「えんちゃん」が言った台詞、
「みんな寂しいんだもん。だから「寂しい」って言っても意味ない。」っていうのが妙に心に引っかかりました。

音楽は元フィッシュマンズのHAKASE-SUN。
レトロ感漂うサウンドが心地よかったです。サントラ買おうかな。
HPの中に裏公式サイトっていうのがあって、これも面白いです。