オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

「梶原順トリオ」ライブ in 広島 LIVE Cafe Jive

2007-07-20 | ライブ・コンサート

梶原順トリオのライブを観にLIVE Cafe Jiveへ。
梶原順トリオは、梶原順さん(順さま(笑))が初めて自分の名前でトリオを組んだユニット。
ベースは川内啓史、ドラムは小笠原拓海。共に22歳(!)の超若手。

今日はギタリスト砂原くんと同じくギタリスト西岡くんの2人と一緒にライブ鑑賞。
順さんのライブを観たことがないという西岡くん。仕事が遅くなるからと言っていたのだけど「こんなすごいものを観ないと一生後悔する」と誘って、仕事を切り上げて来てもらいました。
でもその価値はあったと思うよ。

それではライブレポします。
1曲目はちょっとスローなナンバーから。
実は今日は申し訳ないけれど曲名があまりわからなかったんです。
いつもは全ての曲名を順さんは言ってくれるんだけど、今日は順さんのMCが少なくて(笑)。
「トリオだと自分の演奏を考えるので精一杯でMCの余裕がないんですよ。そんなわけで普通のライブのように(笑)進んでいくと思います。」というわけ。
でも、順さんが「なんだか昨日まではアウェイで、今日はホームでやってる感じです。」って言われたのは嬉しかったなあ。
それだけジャイブが順さんのなじみのライブハウスになってるって言うことなんですよね。

ライブが始まると一緒に聴いてる広島の若手ギタリスト2人は、順さんの手元を凝視。
「いや~~、上手いですわ!!」と西岡くん。
とーーーーーぜんです!!!(笑)

砂原くんが最も感心してたのはボリューム調整。
順さんのギターは「これ以上大きいと絶対にうるさい」ほんのちょっと手前までしかボリュームを上げない。
聴く人のことを思いやるギターだって私は思います。
だから聴いてる人も高音でも低音でも気持ちよく曲に入り込める。
多くのギタリストは自分のプレイや自分の気持ちいいことに夢中になって、プレイ中は聴く人のことなんて全く考えてないんじゃないかな。だからほとんど「弾きすぎる」。
引き算の演奏が出来る順さんのギターはやっぱり大人だなって思います。

ライブ終了後に、この2人は店の外にいる順さんをつかまえて質問してたみたいだけど、
「僕たちは外の音(客席の音)がどうなってるかはわからないんだよね。だけど中のバランスが良くないと外は絶対ダメ。だからリハ中に会場の音の響きを良く聴いて、調節して、中のバランスを取ることだけに集中してるんだよね。」と順さん。
ライブの良し悪しをPAさんやライブハウスのせいにしていてはミュージシャンは務まらない。
広島の若手ギタリスト2人はこの世界的なプロギタリストの言葉をどんな風に受け止めたんでしょうね。

前半、 ホーム感覚満載の順さんに比べてバックの2人がちょっと硬いかなって感じたんだけど、
後半、順さんが2人のために書き下ろしたという『ユー・ガット・ザ・ニュース』という曲をやったあたりからグンと力が抜けて、3人の音が解け合って、すごくいい感じになってきてました。
順さんがソロを弾く時に2人が後ろで盛り上げていく感じや、曲全体の抑揚が聴いていてすごく気持ちよく、ホントにこの若者たちは将来どうなっていくんだろうってすっごく楽しみになりました。

17年前、渡辺貞夫さんのバンドに順さんが迎えられた20代の時もきっとこんな風で、それからずっと順さんは貞夫さんに育てられたんでしょうね。
渡辺貞夫バンドのように、梶原順トリオも長く長く続いていって欲しいと思います。

後半、特別ゲストに広島のサックスプレーヤー藤井政美さんを迎えて4人での演奏も。
サックスが入ったことでさらに音の幅が広がり、順さんのギターと藤井さんのサックス掛け合いも絶妙で、さらにいい音になってました
順さんがこのLIVE Cafe Jiveのために書き下ろした『Jive』も久しぶりに聴けました。
いつもJiveで常連のakkoちゃんにこの曲の譜面(コピー)をファイルで送ってもらったことがあります。
実はこのコピー、去年亡くなったベーシストの青木智仁さんが広島でライブの後、酔っぱらってakkoちゃんにくれたものでした。

順さんが広島によく来てくれるようになった『Jive4周年』というちょっと中途半端なイベント(笑)からまる3年。
この3年の間に順さんの周りに起きた出来事(青木智仁さんと浅野ブッチャー祥之さんの相次いでの他界)とその順さんの心の痛みを思うと、計り知れないものがあります。
だけど変わらずにギターを続けてくれる順さんの音楽への愛と仲間への愛と使命感には、いつも感動を覚えます。

アンコールの最後に演奏してくれた曲は、浅野さんの曲で『そんなことしるかい』。
演奏を聴きながらやっぱり泣きそうになりました。
ライブ終了後、河内くんと小笠原くんの2人にそのことを伝えたら
「僕たちもこの曲やる時は、いつも泣きそうになるんですよ。」ということでした。
こんなハートのある演奏だから聴く人の心を打つんですね。

今日のこのライブも一期一会。
これから伝説のバンドになっていくだろう梶原順トリオのスタートをこの広島で見届けられて、とても幸せだと思いました。

ちょっとセットリストは違いますが、順さんファンの神戸のこまきさんのブログにも梶原順トリオの神戸ライブの詳しいライブレポが書かれてます。そちらもご覧下さい。

私のギター観を根底から覆してくれた梶原順さん。本当に素晴らしいギタリストです。
来月は『Jive7周年』で8月19日(日)に来広です。皆さんも都合がつけば観に行って下さいね。
順さん、今日は本当にありがとうございました。


カリフラワーズ『ラヴ★レターズ』

2007-07-14 | おすすめCD

カリフラワーズのアルバム『ラヴ★レターズ』を聴いた。
この前、モアリズム(by カリフラワーズ)のナカムラさんとピストンさんと付き人の学生の吉田くんが広島に来た時に、
買うって言ったのに「泊めてもらうから」とプレゼントしてもらったアルバム。

ベースのタケさんの遺作となったこのアルバムは、愛の言葉で満ちている。
(ナカムラさん自身によるライナーノーツはこちら)。
ゆっくり落ち着いて聴きたいと思って、なかなか聴けずにいた。
歌詞カードを読みながら、歌を聴きながら、ちょっと泣けた。

熊本人の代表みたいな性格のナカムラさんが歌にする、不器用な男の気持ちは、きっと多くの男の人の本音だったりする。
人って心の中には他人に話せないいろんな物語を持っている。
そんな世界のわかる人にぜひ聴いてもらいたいアルバムです。
ボーナストラックに納められている熊本弁の歌も必聴です(笑)。

 君へ 
 アルバムがひとつ出来上がりました。
 嬉しいような寂しいような複雑な心境です。
 この作品は、真実と嘘と、純粋さと汚さと、
 信頼と裏切りと、愛と憎悪をうたったカタワな僕の、
 これまでの半生を綴ったものです。
 こんな男も居たことを憶えていて欲しい、
 そんな気持ちを込めてうたいました。
 少しの間、ともに歩いてくれた君に、
 何もしてあげられなかった僕からの感謝の意と共に、
 この恋文達を送ります。

 追伸 
 思い出すの、たまにでいいよ。
(前書きより)