オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

『ピカソ展〜青の時代を超えて』@ひろしま美術館

2023-02-15 | 写真・絵画

ひろしま美術館で開催中の『ピカソ展〜青の時代を超えて』を見に行きました。
ピカソ展は以前に東京で「幻のジャクリーヌコレクション」を見に行ったのですが、今回は全く違った内容の展覧会でした。


以下HPとチラシの案内文より。


【転載開始】

誰もが知る天才画家パブロ・ピカソ(1881-1973)。彼の作品は時代ごとに様々に変容し、91年の生涯を通して10万点近くの作品を残したことで知られています。20代前半の若きピカソは、青色の絵の具を用いて人生の悲哀や葛藤をメランコリックに描きだし、この数年間は「青の時代」と呼ばれました。その後ピカソは、彼の原点とされるこの「青の時代」を超えて、実験的なキュビスムの探究、さらに円熟期から晩年へと生涯を通じて様々な試みを行っています。
本展覧会は、国内でも屈指のピカソ・コレクションを誇るポーラ美術館とひろしま美術館の共同企画展です。二館の珠玉のピカソ・コレクションに、それぞれの時代を彩る国内外の貴重な作品群を加えた約70点の作品で、ピカソの幅広い創作活動を紹介します。また本展では、両館がこれまで欧米の美術館の協力を得て深めてきた最新の科学技術を用いた調査や研究を通して、ピカソの制作のプロセスに焦点を当て、20 世紀の巨匠が遺した創造の軌跡に迫ります。

【転載終了】


今回一部を除いて写真撮影可能だったので、写真も載せてみます。
     

     

  

    

 

ピカソの20代に始まる「青の時代」。それは本人によれば親友の死をきっかけにしたものと言われているそうですがその時代、「青」という色を通してピカソが「貧困」「孤独」「悲しみ」そして「母性」といった人々の内面を描き出すことに注力していたことがうかがえます。ピカソが当時影響を受けていた、バルセロナの画家、サンティアゴ・ルシニョとラモン・カザスという2人の作品も同時に展示されていることによって、ピカソの絵がどのように変化していったかもうかがい知ることができました。


「青の時代」から「バラ色の時代」、そして「キュビズム」に至る変化。
その間に制作された、数々の版画、彫刻、パステル、などなど。


そして今回、X線撮影によって明らかになった、完成した絵の下に描かれていた別の絵。
天才、巨匠と言われたピカソも若き日、困窮の中で、カンヴァスを再利用しながら何点もの作品を模索しながら描いていた様子も知ることができます。


ピカソが長い人生の中で出会う女たちや多くの画家たちから影響を受けながら、そして2つの世界大戦の中を生き抜いて、命の危険が及ぶ中でも決して制作を止めなかったこと。
日記のように絵を描いたと言われるピカソでも、当然そこには人間ピカソとしての幸福と苦悩があり、それをそのまま作品へエネルギーとして注ぎ込み続けたこと。
だからこそその作品が多くの人々の心を打つのかもしれないなあと改めて思います。


ひろしま美術館、ポーラ美術館、バルセロナ・ピカソ美術館はじめ、国内外の重要作品約70点を集めた展覧会。
とっても見応えがありました。


音楽も絵画も、自分の内面を見つめてそこから何かを創り出すもの。
ピカソの情熱に触れたことで私ももっともっと作品を作りたいと改めて思いました。
ますます精進します!!


図録もとっても良かったです。
ひろしま美術館で買いそびれてレクト広島で買いました。



『ピカソ展ー青の時代を超えて』はひろしま美術館にて5月28日まで。
会期中にもう一回行きたいと思っています。
皆さまもぜひ!!

 


小松美羽展〜自然への祈り

2020-11-06 | 写真・絵画

今日はウッドワン美術館で11/8まで開催の「小松美羽展〜自然への祈り」を見に行きました。
Facebookなどでお友だちの皆さんが行かれてていて気になっていた展覧会。
いよいよフィナーレを迎える週末はきっとすごい人出だろうということで急きょ行くことに。


小松美羽という人についてあまりにも予備知識がなかったんですが「国内外で人気を集める新進気鋭のアーティスト」と紹介がありました。


「国内外で人気を集める新進気鋭のアーティスト小松美羽。
 西日本はつの古典となる本展覧会では、初期の銅版画から、近年取り組む神獣をモティーフとした作品まで、
 その代表作を一堂に展覧します。
 本展のテーマとなる「祈り」には、
 いにしえから連なる自然界や生き物たちの生命に思いを馳せ、
 神獣の姿形を描くという行為によって、
 見えない世界と現世を繋ぐ媒介者であろうとする
 小松自身の願いが込められています。
 コロナ禍において、なお一層人の心や魂を癒すために絵を描きたいとキャンパスに向かう
 現在進行形の小松ワールドを今こそご覧ください。」(パンフレットより)


パンフレットや写真では、大きく見開いた狛犬の目や神獣たちの、ちょっとおどろおどろしいタッチに引き気味になってたんですが、実際の作品はすごくカラフルでコミカルなところもあり小松さんの人となりも感じ取れる絵画でした。
そして何と言ってもその力強さとエネルギー。
やっぱり絵も生で見るのが一番ですね。


小松さんは世界各地でライブペイントも行われているそうで、実はウッドワン美術館でもライブペイントが無観客で開催され、その動画の展示がありました。
巫女のような白い衣装を着て大きなキャンバスの前で一礼した後、瞑想をしてマントラを唱え、自分の体を通して両手から出るエネルギーをそのまま移すようにキャンバスに絵を描いていく小松さんのライブペイントは、どこか祈祷師のような、神楽を舞っている巫女のような、神の言葉を伝えるシャーマンのような、独特の雰囲気がありました。


「自分を無にすること」
インタビュー動画で小松さんは語っておられましたが、音楽でも絵画でも、自分を無にして自我を無くし、宇宙のエネルギーと一体化することによって人々の魂に訴えるメッセンジャーとしての役割を果たせるのかなとも思いました。


19歳の時に描かれたという「四十九日」という作品がありました。
飼っていたウサギ、そしてお祖父さん。
その2体の亡骸を見たとき、生命の等しさを感じたという小松さん。
なるほど全ての生命には重い軽いはなく、大きい小さいもないのだと思います。
同時に「あなたの命も、世界の中にあってかけがえのない尊いものですよ」というメッセージをいただいた気がします。


「癒し」とは「宇宙と繋がる」こと、だと思います。
私たちは宇宙の家族の一員であることを思い出す。
そうすることによって宇宙のエネルギーを受け取れるようになる。
そうして初めて私たちは元に戻って「元氣になる」んだなと思います。


小松さんのあまりにもパワフルな作品にちょっとエネルギー当たりを起こしそうになった私ですが、私も彼女のように素直に自分の在り方を整え、作品作りに向き合っていこうと思いました。
頑張ります。



飯田恒弘写真展「オブジェの森」&森ライブ(動画配信)が始まります!!

2020-09-17 | 写真・絵画

写真家の飯田恒弘さんと出会ったのは、今から13年前、2007年にさかのぼります。
きっかけは私のこのブログ記事
今思い出しても不思議な出会い。


人と人との出会いはいろんな縁があります。
ある場所で出会う、ある人に紹介されて出会う、ある会合に参加して出会う、、。
でも、確かにあれは飯田さんと私を飯田さんの1枚の「ブナの樹の写真」が繋いでくれたというご縁です。


写真って不思議です。
写真はある瞬間を記録(記憶)するために撮るから、撮った瞬間から過去のもの。
でもその写真が未来の出会いを引き寄せることにもなる。
そういう意味で写真は未来の片鱗を記録してるのかもしれないですね。


 写真立ての中
 色づく世界は
 心を癒してくれる
 でも
 まだ足りなくって
 心のシャッター
 ぎゅっと押したよ
 そんな春の日

(Peppermint Leaf 「写真」石井聡至作詞/三輪真理作曲)


さて。
その飯田さんの森遊山荘ギャラリーで開催される写真展がいよいよ始まります。
それに合わせてPeppermint Leafの森ライブの動画配信(9/19〜9/27)もスタートします。
素敵な予告編が完成しました。





写真展は9/19(土)〜27日(日)までの開催です。
ぜひ森遊山荘の方へも足を運んでください。


飯田恒弘写真展『オブジェの森〜臥龍に生きる』&森Live

日時:2020年9月19日(土)〜27日(日)
   AM10:00 〜 PM 4:00

場所:森遊山荘ギャラリー
   広島県山県郡安芸太田町小板1055

入場:無料 
お問い合わせ:iidatune@gmail.com
                        090-8995-9739(飯田) 


森Live(期間中のライブ動画配信)

出演:Peppermint Leaf 
   三輪真理(Vo & Key)
   石井聡至(Dr) 
   岩藤洋(Ba)

写真展期間中、You Tube チャンネル「森の写真家iida」にてオンライン配信。




写真展「コロナカ」

2020-09-05 | 写真・絵画

久しぶりに写真の話題です。
お友だちのJさんに誘っていただいて、写真家、浅野堅一さんの主催される写真展「コロナカ」に行きました。


「4月5月の自粛期間中や最近でも良いのですが、このコロナ禍で撮影したものを集めてみます。未だ収まらない新型コロナ禍でみんな何を撮ってて何を撮ってないのか、ちょっと興味があるので企画してみました。」
という案内のあった写真展。
浅野さんの作る特製モヒートにも心惹かれて出かけました。


誰でもA4サイズ3枚まで出展料500円で展示します、ということでしたが、展示された写真はまだ展示スペースの半分くらい。写真からはここのところ随分遠ざかっていたけれど、ちょっと撮ってみようかなという気持ちが生まれ、私も撮ってみることに。
そんなわけで先日プリントした写真を持って再度アトリエを訪ねました。
他の出展者の方々の写真とびっしり密に並べてもらってなんだか不思議な一体感(笑)。


コロナで人と人は「疎」が推奨されている今、写真はあえて「密」に展示してみる。
そのことによって感じる何かを感じてもらいたいという浅野さんの意図も面白いですね。


自分の写真を見ながら思ったことをFacebookの記事に上げました。
転載してみます。


【転載開始】




「写真を結構真剣にやったのは、
16〜7年前。
体の中に溜まった呻きのようなものを、
吐き出すようにシャッターを押した。
 
それは言葉になる前の混沌とした想い。
私にとってそれは音ではなくて、
画(え)でなくてはならなかったのかもしれない。
 
音楽を真剣にやるようになって、
写真はそれほど自分に必要でなくなっていったけれど、
先日「コロナカ」の写真展を見て、
また無性に何かを撮りたい衝動に駆られた。
 
明確にコレが撮りたいというものがあったわけではなくて、
私は何を撮りたいのかを知りたいという気持ち。
つまり、
何かを撮ることで、
自分の心の中を見てみたいと思ったのかもしれない。
 
まだ自分の中に愛は残ってるのだろうか。
そんな気持ち。
 
時の流れとか、
移ろいゆくこととか、
儚さとか、
朽ちていくものとか、
死にゆくこととか、
それらすべて。
それもやはり美しく愛おしい。
 
死は終了ではなくて、
流れであり変化。
それは聞こえる前の音。
生まれる前の愛。
 
自分の撮った写真を見ながら、
そんなことを思っている。

【転載終了】


写真を展示してもらって、撮った私と第三者の目に触れることになった私の写真。
浅野さんと話しながら思ったことを書き止めておこうと思います。


今回の私の写真テーマは、ドライフラワーになったアジサイ。
コロナ禍で今年は人と会えなくなったので、散歩をよくして近所の花をよくスマホで写真に収めました。
もともと花と子どもを撮りたくて写真を始めた私。
「花は生き生きと美しく、子どもは可愛らしく撮りたい」
多分、そんなことを思ってたんでしょう。


枯れた花、しおれた花、花びらの破れた花、、、なんて美しくない。
ましてやドライフラワーを写真に撮る必要なんて。


でもドライフラワーに向き合い、その写真を撮ってみて思ったことは、
枯れた花も美しい、ということでした。


「新型コロナウィルス」という目に見えない敵に向かって、戦ったり抗ったりすることによって体の中に溜まっていくフラストレーションや無力感。それは自分があたかも死や病気に対して感じていることのようでもありました。それを見ないように振る舞っていても、表現されない感情としてどんどん自分の中に巣食っていたのかもしれません。


「死とは、忌み嫌い怖れるに値しない」


自分はこう思う、と、写真に向き合うことによって思い出せたことがありがたいです。
写真は自分にとって音楽ではないもう一つの言語でした。
Jさんと浅野さんにあらためて感謝です。


写真展「コロナカ」は、浅野さんのアトリエで12日まで開催されています。
そこに展示された写真は、どれも興味深いです。
チャンスが合えば、ぜひみなさんも足を運んでみられてください。


DELTA Photography 企画展
「コロナカ」
期間
8月10日〜9月12日
開場日
毎週 月、水、土
開場時間
15時〜21時
入場無料
カフェバー Bar Photoは会場内で営業します。
場所
Creative lab node Yokogawa
733-0011
広島市西区横川町3-1-9  B 206

*開場日、時間は諸事情により変更になることがあるかもしれません。あらかじめご了承ください。
入場制限するほど密にはならないと思いますが、一応会場内への同時入場の人数は6名くらいまでとさせて頂きます。
一応マスク着用の上ご来場ください。体調が悪い時は無理せずお休みください。
展示希望の方は、作品を持参か郵送などで送って来てください。お支払いは現金かPayPay、銀行振り込みなどでお願いします。
参加費一人500円
A4サイズまでのプリントを3枚まで出展可能です。

4月5月の自粛期間中や最近でも良いのですが、このコロナ禍で撮影したものを集めてみます。
未だ収まらない新型コロナ禍でみんな何を撮ってて何を撮ってないのか、ちょっと興味があるので企画してみました。
普段写真撮ってるかどうかは不問で、どなたでも応募可能です。気軽に作品だけでもご参加ください。郵送などで送って頂いても大丈夫です。




言葉に言い表せないもの

2018-02-13 | 写真・絵画

写真を習ったのは今から15年くらい前。
今まで一度も写真の手ほどきを受けたことがなく、カメラについて基本の知識も持ってなかったのでいつか本格的に習ってみたいとは常々思っていた。
たまたま聞いた講演会で写真家テラウチマサトさんの話を聞き、そして偶然にも同時期にテラウチさんの著書に出会い、東京で月に一回開催されるテラウチ先生が主幹を務められる写真雑誌「PHaT PHOTO」写真教室の初心者クラスに入会することにした。


写真教室なんて広島にもたくさんある。
どうしてそこまでしてテラウチ先生の写真教室にこだわったのか。
それは「こういう写真を撮る人の心を知りたい」と思ったから。


写真も音楽も、技術も大切だけどそれ以上に大事なものがあるって思う。
その人のバックボーンや心に浮かぶ景色。
写真を見て何か心が動くとき、それはその同じものを自分も持っているから。
本当はそれを知りたいと思ったのかもしれない。


その写真教室には初心者クラスから始まって上級クラスまで娘が小学校に上がるまで、休んだ時期も含めて3年間お世話になった。クラスの仲間はそれぞれの各々の分野で活躍中だ。


先日何年かぶりにテラウチ先生の講演を聞く機会を得た。
当時よりもまた何キロも先に前進された先生の言葉。
私の好きなのはこの「前進する生き方」そのものなんだなと改めて思った。


写真からほとばしる情熱。
「できない」を「できる」にしていく思い。
人生を否定からではなく肯定から始めるものの見方や考え方。


「肯定は愛」。
そう思う。


先生の撮られたニューヨークのポストカードとDVDを購入した。

  
テラウチ先生はこのポストカードの売り上げを全額東日本震災被災者支援に寄付されている。
いいと思うこと、必要なこと、できることを、肯定的にやっていく。
この姿勢が好き。


簡単には言葉にできないけれど胸に暖かいものが広がる。
私も諦めることなく前進しよう。
笑顔で頑張ります。


テラウチマサトさんのHPはこちら。
http://www.terauchi.com/index.html
書籍やポストカードもお求めいただけます。



星野道夫の旅@今井美術館

2017-09-15 | 写真・絵画

森の写真家の飯田さんから「絶対行って!!」って勧められた『星野道夫の旅』という写真展に行ってきました。写真家星野さんの没後20年を記念する写真巡回展の最終展示。
場所は島根県の今井美術館。急に思い立って行ってきました。


動物写真家として有名な星野道夫さんについてそれほど詳しくなかったんですが、ガイアシンフォニーという映画でその存在を知り、ちょっとだけ本も買って読んでいました。でもちゃんと写真展をみたのは初めて。
大きく引き伸ばされたアラスカを始めとする自然と動物の写真は圧倒的な迫力でした。


生前の星野さんがどんな気持ちで自然や動物たちに向き合っていたのか。
作品から言葉を超えたたくさんのエネルギーが伝わってきました。


「音の聴こえる写真」


たまにそういう写真に出会うことがあります。
波の音、風の音、街の音、音楽の音、、。


ただ星野道夫さんの自然写真からは音が聴こえるというより、むしろ無音という音が聴こえるような気がしました。
それは宇宙を感じる写真だからなのかもしれません。
空気のない宇宙空間は音もない空間だといいます。
宇宙という悠久の時間の中にあって、自分の人生という時間がいかに短くて小さなものなのか、、。
星野さんの写真を見ながらそんなことを思いました。


一滴の雨粒が川を流れ大海原に注いでいく。
自分の命はまるでその一滴の雨粒のよう。
そのような言葉が添えられた写真もありました。


そうだよね。
そんな雨粒ほどの私の悩みなんて本当にどうでもいいこと。
泣いたり笑ったり、人生は色々あるけれど、今日も生かされていることを感謝してまた元気に笑って生きていこう。
何か心が洗われるようなそんな気持ちにもなりました。


素晴らしい写真展でした。9/24までの開催。
ピンときた方がいたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。


今井美術館
https://www.imai-art.jp
〒699-4226 島根県江津市桜江町川戸472−1
Tel 0855-92-1839



木梨憲武展×20years INSPIRATION〜瞬間の好奇心

2016-03-04 | 写真・絵画

木梨憲武といえばとんねるず。
沖縄最終日の朝、飛行機の出発までの時間でどこか、ということでMさんに誘っていただいて沖縄県立博物館・美術館で開催中の木梨憲武展×20yearsを見に行きました。
INSPIRATION〜瞬間の好奇心というタイトルが付けられた展覧会。
木梨憲武さんのこの20年間の作品をまとめた展覧会でした。


ノリさんって絵が描けるんだーー。
まず知らなかったことにびっくり。


馬券の裏に描かれた思い思いのペン画から大きなキャンパスに描かれた本格的なアクリル画。
お笑いのノリさんらしいちょっと笑いを誘う作品から、ほんわか気持ちが優しくなる作品。
中でも何百人もの人が描かれた「friends」というペン画のその精密さには唖然。


「手」をテーマに描かれた絵や、「木」や「花」をテーマに描かれた絵。
作品タイトルも「お手月」とか「わかっ手るっ手」とか、めちゃ楽しい。
鳥が描かれた「timing」っていうピンクの絵や、展覧会の最初のコーナーに展示される「感謝」というカラフルな木の作品など、心が温かくなる絵もありました。
とっても真面目な作品があるかと思えば「仮面ノリダー」の仮面もあったり(笑)。





人間の才能って計り知れない。
だから「自分は◯◯です」って限定しないほうがいいね。
人生は長いんだから興味のあることはどんどんやったほうがいい。


画家だったり、写真家だったり、音楽家だったり、科学者だったり、シェフだったり、コンピューター技師だったり、陶芸家だったり、ダンサーだったり。
ギタリスト、サーファー、登山家それともトレジャーハンターはたまた冒険家・・・?
一度きりの人生。自分を限定するのはやめよう。


10年後のあなた、20年後のあなたは何と呼ばれたい?
20歳で人生が完結するわけじゃない。
生きてる限りが人生です。


 



 


ジャケ画

2015-06-23 | 写真・絵画

白鶴山とのコラボレーションアルバムのジャケット制作をしています。
ジャケ画とブックレットに挿入するイラスト(絵画)をお願いしたのは、ブリスベン在住の画家の緒方慎二さん。私の幼馴染でもあります。緒方くんとは小学1年生の頃からの同級生で、彼はもうその頃から抜群に絵がうまかったんですよね。
写生大会のたびに彼の描いた風景画やお寺の絵に見入っていたのを思い出します。


子供心に「絵が本当にうまい人っているんだーー」って感心仕切りだった彼が、本当に夢を叶えて画家になったと知ったのはほんの数年前。なんかそれがほんとに嬉しくて。
彼のHPはこちら


その彼に今回のアルバムのジャケットの絵をお願いしたところ、すぐにOKの返事。
メールやSkypeでやりとりしながら制作を進めてもらっています。


緒方くんの住むブリスベンはもうすぐ冬。
8月が一番寒い時期になるそうです。
Skypeでもこっちは半袖、あっちは長袖と不思議な気持です。
でもこうやって地球の裏側にいる人とリアルタイムでやり取りができる時代になるなんて、一昔前だったら考えられなかったことです。
ジャケ画に関してちょっとした私の初体験の裏話もあるんですが、それはまたアルバムが完成したら書くことにしますね。
アルバム完成をどうぞお楽しみに。


  水平線がブルーに染まる
  今日もこの場所で僕は目覚める
  遠いあの街心に描く
  君の住んでいる少し寒い街

  遠くから遠くから
  君のこと思う
  目を閉じてみる

  天使も翔ぶよ君の街の上
  君がいつまでも幸せであるように


(Peppermint Leaf『天使の翔ぶ街』より)
 


テラウチマサト写真集『F(エフ)見上げればいつも』

2015-03-27 | 写真・絵画

 

写真雑誌『PHaT PHOTO(ファットフォト)』の編集長で写真家のテラウチマサト先生が写真集を出された。
富士山を撮った写真。
富士山の写真集なんてそれこそうんざりするほどあって、誰が撮っても富士山は富士山だと思うところ。漢字で書いても左右対称でまるで「富士山」ってあの形そのもの。


ところがテラウチ先生の富士山写真はひと味もふた味も違った。
左右対称ばかりではない富士の写真。
1枚目の写真なんて平山郁夫の日本画のよう。
これが写真とは・・。ため息が出る。


テラウチ先生のPHaT PHOTO主催の写真教室には足掛け3年通った。
ずっとやってみたかった写真を一流の人の手ほどきで学んでみたかった。
あとからわかったことだけど日本で億を稼ぐ写真家は片手の指でおさまるくらいしかいなくて、テラウチ先生はそのお一人だった。


先生の言葉から得られたものは計り知れない。
「感性を磨くということ」「見る人を子供扱いしない写真」「tipped」「赤い牛の法則」「音の聴こえる写真」・・etc.


教室の打ち上げで一緒に飲んだりするとその席でいろんな話をして下さった。
写真家って思ったより饒舌なんだって感じたのを覚えている。


一流の人はおしなべて饒舌だと思う。
自分の全く考えを話さずに他人と一緒に仕事はできない。


1枚1枚の写真からしんと静まり返った自然の中にカメラを据えて富士山に対峙するテラウチ先生の姿を感じる。
どこまでも圧倒的な富士山に挑むレンズ。
先生がよく言われていた「決して被写体に「撮らされない」こと」。
富士山を相手にそれがどれほどのことかわかる。


心が高くなる。
私も音楽に対してまっすぐ誠実でいようと思う。
1つ1つの作品に真摯に向き合い最高の芸術として届けよう。
気持ちを新たにしてもらえた。


写真集なんてどれも同じ。そう思ってる人にぜひ手に取って見て欲しいです。
テラウチマサト先生の写真集『F(エフ)見上げればいつも』はこちらから購入できます。

 


草間彌生展『永遠の永遠の永遠』

2014-05-19 | 写真・絵画

妹と一緒に熊本現代美術館で開催中の草間彌生『永遠の永遠の永遠』展を見に行きました。
熊本市での買い物中に偶然看板を見つけて急きょ入って見ることに。
いやーー、すごかった!!行って良かったです。


草間彌生さんについて私はほとんど知らなかったんですが、2012年にルイ・ヴィトンとコラボしたあたりからFacebookなどで「草間彌生展に行ってきました」などの写真を見るようになり、赤と白の水玉とか黄色いカボチャのオブジェとか、あれは一体なんだろう~~って感じだったんですよね。
この『永遠の永遠の永遠』展は2011年から始まった巡回展らしく、熊本で偶然これが見られたのはラッキー!!でした。


草間彌生さんのプロフィール。
草間彌生:前衛芸術家、小説家。1929年、長野県松本市生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに幻想的な絵画を制作。57年渡米、巨大な平面作品、ソフトスカルプチャー、鏡や電飾を使った環境彫刻を発表する。60年代後半にはボディー・ペインティングなど多数のハプニングを行う。73年帰国、美術作品の制作発表を続けながら、小説、詩集も多数発表。93年第45回ベネチア・ビエンナーレに代表作家として日本館初の個展を行う。98年ニューヨーク近代美術館などで大回顧展が開かれる。01年朝日賞受賞。04年個展「クサマトリックス」(森美術館)は52万人を動員。09年文化功労者に選定される。11年5月よりマドリードの国立ソフィア王妃芸術センターを皮切りにパリのポンピドー・センター、ロンドンのテート・モダン、ニューヨークのホイットニー美術館を巡回する大規模な個展が、2012年9月まで開催された。
 

まずは赤と白の立体作品《新たなる空間への道標》がお出迎え。
    

 

おなじみのカボチャ。



そして入ってすぐの言葉に感銘を受けました。
 

 

「永遠の永遠の永遠」

毎日、私をおそってくる死の恐れを克服する時は
私は命の限りの心をしづめて
芸術へのあこがれを見いだすのだった
人の世に生まれいでた時の感動が
私の人生を新しい想像のあらしをもって再生するのだ
地球の深々とした神秘のささやきが
いつも自殺しようとしていた私のうらぶれた命への救済をもって
私は死のあこがれと恐怖を追放して
華やいだ生命のかがやきにいつもめざめさせてくれたのだった
わたしは生きてゆことに
生存のかがやきに
深く打たれ、心打たれ
人間の生命は永遠に回帰するのだという事を実感するときの喜び
私は死の憂鬱を乗り越えて
世界最高の芸術をもって
人間のすばらしさを求めていきたいと決意している
私は生きたい、心の限りも
芸術にかがやいた火をつけて
命の限り、無限の生と死のかがやきをもって
200年も500年も生きながらえて
平和と人間愛の行き着くところへの不滅の志をもって
命の限り、たたかっていきたい
そして、地球の人々に告ぐ
未来は原爆や戦争をやめて
かがやいた生命を
永遠の永遠の永遠に
私の精魂こめた芸術をぜひ見てほしい
あなたたちと一緒に宇宙にむかって
心から人間讃美を歌い上げよう

草間彌生 


そしてそこから始まる100点あまりの作品群。
その情熱と反復。沸き上がってくるエネルギー。
生命、細胞、成長、増殖、そういうものを感じさせる作品です。
圧倒される、という言葉以外に言葉が見つからないほどです。


《チューリップに愛を込めて》という作品。
     


芸術は「私」が存在する前から宇宙に存在し、「私」を通して表出され、「私」が去った後もそこに残る。
もしかしたら「愛」と呼ばれるものかもしれないその「芸術」に自分の身体全部でぶつかり続けて行く草間さんのそのパワーが全作品にみなぎっていました。
 

「私は死ぬまで作品を作り続けます」
85歳の草間さんのその身体のどこからこのエネルギーは来るんだろうって思います。
やっぱり宇宙から来てるのかもしれないですね。


父の三回忌を終えたものの、甥のこともあり「生と死」というテーマに答えを探し続ける妹と私でした。
少し「生きる」ということにパワーをもらった気がしました。
願わくば私の音楽も誰かに「生きる勇気」や「生きる喜び」を与えられる何かでありたい。
そんなことを感じさせられた展覧会でした。


作品紹介はこちら
熊本での展示は6月15日まで。
気になった方はぜひ熊本へ足を運んでみて下さいね。