once in a blue moon

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オペラ座の怪人(오페라의유령)

2023-09-06 | ミュージカル・演劇・コンサート

3回目のオペラ座の怪人
この日はYES24の貸切公演でした



キャストボードを撮ってもジェリムさんであること以外確認しないで
観劇を始めたらThink of meのブラボーの声が違うことに気付き
初めてラウル役がファンゴナさんだと気付きました(笑)

それくらいオペラ座の怪人はジェリムさん以外ひかれるものがない
私には全く好みがあわない作品なんだなぁと改めて感じました。

私は作品のメッセージを読み取り人生の糧とし
深く考察をするのが好きなタイプで
キャラクターの造形や音楽性、ストーリー性や情緒などがピンとこないと面白いと感じないタイプです。

推しのジェリムさんもまた演じる役の人物像をまず深く考え役作りをしていく方です。
この強烈なオペラ座の怪人であるファントムの人物の生い立ちなど悩みながら一体どういう精神状態なのかと考え人物造形をしていったようです。
こういう生真面目な面も俳優さんとして素晴らしく応援したくなります^^

ジェリムさんいわく、ライナーフリード演出家さまにオペラ座の怪人は話の脈略を伝え魅せていくより
幻想的な世界に誘いシーンシーンを観客に印象づけていく作品なんだと説明されたそうです。

だからファントムの演出が過剰で古くさく見える一方その過剰とも言える演出により観客は各シーンを強烈に記憶していくんだと
これがミュージカルの古典オペラ座の怪人なんだと聞いたそうです。

ミュージカルファンじゃなくとも誰もが知っているThe Phantom of the operaというナンバーで
ファントムがオールバックの頭をなでおろす動作の演出があるんですが
「これやれと?ちょっとオールド過ぎない?70年代じゃあるまいし?うおおおおっ!!」と拒絶したそうなんですが
上述の説明をうけ納得したうえで羞恥心にたえながらオールバックのあたまをなでているジェリムさんです(笑)




この話を聞くまでずーっとこのシーンを観るたびぞわぞわ鳥肌たって気持ち悪かったんですが
ファントム演じる俳優さんが頑張っているとわかりこのシーンが可愛く見えてきました(笑)

この日のジェリムさんは少し喉のコンディションは万全な感じではなくシャウト多めのロック調
シャウトし一小節のさいごの音をきり裂くような歌い方をするときは
ちょっと喉の調子がよくないときです
(おそらく一般人には不調具合がわからないジェリムさんの超絶技法)

本当に喉の調子がいいときは濁りのないまっすぐな声をだすのでオタクはすぐ分かります(笑)

でもオペラ座の怪人ってセミクラシックでクラシック歌唱というかベルカント唱法っていうのかな?
詳しくはわからないんですがあくまでミュージカルなので
ファントムの声にはクラシックとロックの二つの声の力がある方がより魅力的だと私は思っています。

だからロックみつよく歌う今回のジェリムさんは3回目にして一番わたし好みな歌唱でした^^

ジェリムさん5回目の公演はなんと一幕のクライマックス
天使像の上で언젠가 후회하리라 유령을 거역한 것을(いつか後悔するだろう ファントムに背いたことを)と歌う部分で
언젠가~~の途中でマイクが消えるトラブル!

私が座っていた位置からは観づらかったんですがなんか黒い物体が落ちたように見え
まさかジェリムさん落ちたかな?と思い天使像を凝視するも把握できず
ただマイクなしの地声で후회하리라~と劇場に声を轟かせて歌っていて
最後것을あたりでセカンドマイクがはいり爆音で耳が痛くなりました^^;

ジェリムさん常々すごい声量だと思っていましたが
マイクなしであれだけの声はやっぱりただ者じゃなかった...




後程、天使像が大揺れしファントムの帽子がステージに落ちて(私が見た黒い物体はたぶん帽子)
帽子についていたマイクも切れたんだと分かりました。

天使像はとても狭く188cmの大柄なジェリムさんには窮屈だったんですかね
しかも天使像で立ち上がらないファントムもいるなかジェリムさん立ち上がり歌いあげるんですよ
怒りを爆発させるので動きも強く天使像が大揺れしたのかな?
何はともあれジェリムさん落下じゃなく安堵はしましたがやはりプレビューでもないのに高いチケット払ってミスとかあり得ないと
厳しい声があがってきています...^^;
こればかりはジェリムさんをフォローしようがありません...プロなんですからミスはダメですよね。

いつも完璧な公演をみせてくれ飄々と涼しい顔して何でもやりのけちゃうジェリムさんの
本当に久しぶりのミスにびっくりしました
私は2020年2月に見たアイーダ以来かも

カーテンコールではミスしたことを反省していたのか恥ずかしかったのか
仮面を片手で押さえながらしょんぼりでてきました(笑)
歓声あがったら天井みあげてフリーズしてた(笑)

そして謝罪のつもりなのか久しぶりに投げキスしていて苦笑い
かなりこたえているようでした^^;

こんな日もあるんですよね
でも韓国ミュージカル史上最高チケット代のミュージカルなんですからファントムがミスしちゃダメです...大問題です。
(しかしまた次の公演も身長のせい?でトラブルが...^^;)

この日は喉のコンディションにくわえミスもあり
かなりメンタルダメージもあっただろうと推測されますが
相変わらず見事な集中力と観客の集中力をあつめる力を発揮していたのには脱帽です。

感情の表現がより丁寧かつ繊細になってきて
ジェリムさんも路線をつかみきったんじゃないかなと思います。



この日の公演でFinal Lairでファントムがクリスティーヌに選択を迫りますが
クリスティーヌはファントムでもラウルでもなく
音楽の天使を選択したんだなと感じました。

Pitiful creature of darkness

クリスティーヌが崇めた音楽の天使が暗闇のなかで孤独に震えていて
その暗闇の孤独がクリスティーヌ自身の孤独とシンクロしていたのです。
クリスティーヌはYou are not aloneと告げ
奇形の側の音楽の天使にキスをしていると私には見えました。

目を白黒させふたつの顔がひとつになり正気を取り戻すようなジェリムさんの表情の演技はさすがです
そして暗闇にいた音楽の天使を選んだクリスティーヌの選択にショックを受けてました
失恋したことに今回は気付いてました

失恋した痛みに苦しみ唸りながらラウルを解放し絶叫しながら二人を帰します

一度は去ったクリスティーヌがもどって来て
ジェリムファントムは洋服をととのえ母親にかけよる男児のように
飼い主にかけよる子犬のように期待したような表情でクリスティーヌを見つめます

差し出された指輪をみて「크리스틴 사랑해...(クリスティーヌ、愛してる...)」と絞り出すように優しく歌うんですが
ジェリムファントムはこの瞬間に初めて人として恋をしていた自分に気付くんですよね

それまでは狂気じみた所有欲の面がつよく
人として相手から愛されたかった自身の感情にようやく気付くんです。

私がロンドン時代に見たラミンのファントムとは全く違います
ファントムの二面性を追及し狂気と正気を極限まで切り離したジェリムさんの
ファントムの解釈はジェリムさんらしくて私は好きだなと思いました。



プロフィール写真からも左右でちがう表情をしていてお気に入りです^^

床におちた白いベールに音がでるようにチュとしたのが印象的でした

たくさんの方から怖いと評判のジェリムさんのファントム(笑)
興味あるかたいらっしゃれば良席ではありませんがチケットありますのでぜひー!

***

おまけ


貸切公演の特典で頂いたミニトートバッグが優秀でした♡




















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