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あんにょんはせよ

ロンドンで出会ったオトメン韓国人旦那と2014年12月生まれの娘と
ソウル西部でのんびり暮らしています。

小さな幸せを大切に、というのが家族のモットー。


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マディソン郡の橋

2018-09-03 | ミュージカル・演劇・コンサート

有名な「マディソン郡の橋」がブロードウェイでミュージカル化をし
昨年、韓国で初演、この夏再演という作品です。
複雑な気持ちを抱きつつ西の我が家から東のチャムシルまで遥々行ってきました。

最初は観るつもりなんて毛頭なかったんですが
先週観劇をしたフランケンシュタインで本当は観たかった俳優さんパク・ウンテさんが
初演から引き続きこのマディソン郡の橋に出演されると聞き興味を持ちました。
とりあえず初演の動画を観たら、まぁ美しい。

舞台セットもオーケストラも歌も美しい。

ちょっと惹かれつつもでもやはりマディソン郡の橋。
ストーリーが…と敬遠してましたが
インターパークのサマーセールで40%割引が出ていたのでチケットを買いました。

そしてその後プレスコールを観たら、号泣。
特に二幕はずっと泣きました。
何がそこまで涙腺を刺激するのかサッパリ分からず、でも楽しみになりました。

ミュージカルを観に行く前に改めて映画でも復習。
驚くことに子供の時に観た時と受け止め方が変わっていました。



フランチェスカはチャ・ジヨンさん
ロバートはパク・ウンテさん

土曜日のイブニングでしたが、空席が目立つあたりこの作品に対する世間の目の厳しさを感じました。

難しいです。
ロマンスではないと思います。

このマディソン郡の橋。
ロマンスミュージカルじゃ無かったです。
(もちろん二人のシーンがほとんどなんですが…)

イタリアのナポリから米兵だった夫と
アメリカへ渡りアイオワで家庭を築き、社会の中で一所懸命に生きてきたひとりの女性の人生が描かれていました。

イタリアとアメリカ、価値観も嗜好も違う中で違和感を感じながらも
丁寧に大切に暮らしてきた女性が主人公です。

私はフランチェスカのように結婚後一度も故郷に帰れない、とか
子供や夫が日本に興味がないとか
そんな寂しさはないし、ソウル生活で同じ日韓夫婦のお友達にも恵まれ不自由ない幸せな生活です。

でも私がプレスコールを観て号泣した理由はきっとフランチェスカの生きてきた世界、違和感
そういうものが私にもあってその孤独感が分かったからだと思います。

在韓日本人、特にご結婚されてる日韓夫婦の皆様に観て頂きたい作品です。

居心地悪い気持ちになりません。
改めて、家族、築いてきたいまの韓国の生活、社会が大切なのだと思うはずです。

でも、ほんのすこし感じる「ここは自分の居場所じゃない」感。
わかる方、たくさんいらっしゃるはずです。

移民の多いアメリカらしい作品です。

そして俳優さん方は、インタビューでも慎重に言葉を選び
とても難しいこの作品を気遣いながら演じられているのがひしひしと感じられました。

一曲目の집을 짖다(To builtd a home)
このナンバーの歌詞の威力!
一曲目から泣けました。
あとでプログラムを見たらこのナンバーのみ歌詞が載っていて作品が伝えたいことがわかった気がします。

原曲タイトルはhomeなんです。
houseじゃないんですよね。

フランチェスカを演じられたジヨンさんの説得力ある歌がまた素晴らしかったです。

話の流れは映画のシーンをうまく取り入れつつ心情を歌うからより深みが増し
映画では推測していたシーンもより分かりやすくなっていました。

舞台セットはアイオワのとうもろこし畑が広がる美しい景色がわかり
ところどころプロジェクションマッピングを使っていて素敵でした。

ただ、車のシーンにハンドルすらないのは何だかなぁな気がしましたが…
あれは意図してなかったのかな?

パク・ウンテさん。
この韓国ミュージカルという深い沼へ誘ってくださった本当の最初の方なんですが
(フランケンシュタインってどんな作品?と
最初に観た動画が断頭台に神々しくあがっていくウンテさんがお初でした…)
本当に綺麗な方で、ロバートという役を清潔感たっぷりに演じられていたのは素晴らしかったです。

つい1か月前まで怪物やってられた方なんですよね?というくらいに爽やかでした。
そして冬からはジキル&ハイドにご出演…すごい役の振り幅…(笑)

そして、歌が本当に上手い方。
優しく気高い歌声でした。

ただ、ロバートというキャラクターに私は「えー」と思うところが多々ありましたが
まぁそのあたりは黙っておきます…(笑)

ラスト、ロバートが歌う내게 남은 건 그대(It all fades away)←ネタバレ注意です。
この時、カバンにいれる写真はプログラムにあるジヨンさんのプロフィール写真だったのが分かり切ない気持ちになりました。

アイスクリーム屋さん前のフランチェスカとロバート二人が駆け寄っていくシーンの夫、息子、娘の反応
あれは何だったんでしょう。
もし現実だったら、のフランチェスカの思う家族の姿だったんでしょうか。
映画はフランチェスカの死後の回想から物語が展開していき
兄マイケルと妹キャロラインの反応はミュージカルのこのシーンを指しているように感じました。
これは一回じゃ分からないと思いました。

カテコで微笑みの貴公子ウンテさんが劇中にフランチェスカが描いていたスケッチを
客席に見せて去っていきます。

素敵な絵でした。
これは劇場で確認すべきだと思います。



マニアカードというスタンプカードが貰えます。



スタンプが貯まると割引券や非売品が貰えるようです。

さすがに私はリピはないですが、たくさん集めている方いらっしゃいました。
素敵な作品だったと思います。

在韓の皆さまにおススメします。
10月28日まで。

ある程度ネタバレオッケーでしたら、プレスコ全編こちらから観られます。
韓国語レベルはかなり低め、日常会話なので私ですらほぼ聴き取れました。



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