てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

二つの事故

2009-12-21 21:13:00 | ビジネスと社会
 本夕刻、軽トラックで信号待ちをしていて三㌧トラックに御釜を掘られた。後続車の障害にならぬよう路肩に自車を寄せると、先方のトラックから降りてきたお兄ちゃんからは開口一番「大丈夫ですか?」と気遣いの一言、続けて「ついわき見をしており(ブレーキの)足が緩んだ。どうもすみません…」と率直に非を詫びる。

 幸いなことに「ド~ン」という衝突音とショックの割には、助手席のかみさんも私も共に、今のところ鞭打ち症状はなく、軽トラックの損傷も見られず僅かに塗料が落ち、先方の車の塗料が付着しているのみ。

 それでも時間が経ってから症状が出る話はよく聞くので、ひとまずケータイから110番通報する。パトカーが到着するまでの35分間に、4年5カ月前に遭遇した前回の事故のことが頭を過った。
 あの時は時間が経つにつれて腹立たしさが募った。相手の学生は事故直後から頻繁にケータイで(保険屋?の)指示を仰ぎ、詫びの一言どころか「(学校が)忙しくて事故処理にかまっておれない。あとは保険屋に任せる」と言ったきり、一切示談に応じる気配はなし。誠意のかけらもうかがえない。モラルと運転技術の低さを嘆き、せめて第二の犠牲者が出ないようにと祈ったものだ 。

 見当違いだったのか一旦は目の前を通り過ぎたパトカーが、その先でUターンして舞戻ってきた。人身事故ではなく物損も軽微なため、駆けつけた二人の警察官が手分けをして双方の車検証・自賠責・運転免許証の提示を求め、簡単に事故状況を聴取した。追突してきた青年に対して注意や特段の咎め立てもせず、「後は双方の連絡を取り合ってください。これで何時でも事故証明書は発行できます。」とのこと。

 思い起こせば追突される寸前にバックミラーで「このままではぶつけられる!」と迫り来る不気味な気配を察知するほどのゆとりがあった。が、如何せん後から迫られる分には、クラクションなどで相手に警告を与える術もなく追突に至った。

 パトカーを見送ってから、幾度となく頭を下げる青年にわが倅の顔が重なり、期せずしてかみさんと同時に「この先は安全運転で…」の声を掛けて別れた。日はとっぷりと暮れ、肌を刺すような寒風に身震いして思わず衿を立てた。
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カキ打ち

2009-12-21 13:37:00 | ビジネスと社会

虫明の港(手前はカキ殻の山)

軒を連ねるカキ小屋

水揚げしたカキ洗いを手伝う娘さん

カキ山を前に打ち子さんのカキ打ち作業

 「ガッ、ガッ」と殻からぷりぷりの身を取り出すリズミカルで小気味よい、カキ打ち音が響いてくる。恒例により虫明町でカキ加工業を営むT渕さんのカキ小屋を訪ねた。

 T渕さんは小生が在職時の平成6年にふとした縁で出合い、わが業界に引っ張り込んだのだが、その前から婿養子に入りカキ加工業を継いでいる。以後15年間二足の草鞋の働き者である。それが祟ってか先年心臓のバイパス手術を受け、今でも半年に一度の経過観察を兼ねた通院は欠かせない。
 両親の後姿を見て育った息子は、今では関西に居を構えるサラリーマン、残るうら若き娘さんがカキの水洗い作業を手伝っていた。

 冬の味覚の代表カキは今が旬で、栄養価が高く「海のミルク」と呼ばれるほど。食用としての歴史は古く、日本では古事記などの古文書にも登場する。またカキ人気は古今東西を問わず、シーザーがイギリス海峡に侵攻したのは、テムズ河口の良質のカキが目当てだったとも聞く。

 岡山では西の浅口市寄島から、東は備前市日生、そしてここ瀬戸内市虫明や隣町の牛窓が一大産地である。港沿いに並ぶカキ業者の加工場では、需要が増える年末の今がカキ打ちのピークを迎えている。仕事邪魔をしては申し訳ないので、手短に用件を済ませて早々に退散した。
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