売れ残りを冷凍した上で賞味期限を偽装して再度販売していたなどがJAS法に違反するとして営業停止処分を受けていた赤福が,今日3店舗限定で販売再開しました。当日は,開店前から長蛇の列が並び,ほぼ完売状態とのことで,まだまだ赤福人気は衰えていないようです。
赤福が4カ月ぶり営業再開 同族の閉鎖体質変わるか(共同通信) - goo ニュース
努力は評価するのですが・・
今回,施設等の改善を行い,賞味期限を正しく表示して「より新鮮なものだけを売る」という経営方針を徹底した点は,高く評価できると思います。消費者の不信感はもちろんすぐにはぬぐえないかもしれませんが,このような真摯な姿勢で営業を続ければ,きっと時間をかけて元の通り客足が戻ると思います。これからの赤福の営業努力を見守りたいと思いますし,個人的には三重方面に行くことがあれば,もう一度買ってほうばりたいと思います。
ところで,この問題ですが,以前も書きましたとおり,赤福は何が悪かったかというと,「冷凍して再販売したこと」ではなく,「再販売品があたかも新品と同じのごとく表示した」という点にあったのです。従って,冷凍施設を撤去したというのはどちらかというと正しい対応ではなかったのでは,と個人的には思います。
今回,売れ残りについては,すべて焼却処分をするということですが,もちろんこれにより賞味期限切れ食品を一切消費者に出さないという点では非常に理想的ではあるのですが,一方で,「食品の無駄が大量発生」という点が懸念されます。もっとも,この点は食品会社の宿命とも言える問題で,これをなくすために再利用をして問題になったとも言えますから,すべて捨ててしまうこと自体が悪いとも言い切れません。
ただ,赤福に関していえば,過去の「巻き戻し」の結果,食中毒が発生したなど健康上の被害が発生していなかったため,むしろ,「これは冷凍した再利用品です」ときっちり表示した上で,それなりの金額で販売するという方法もあったのではとも思います。
そもそも,小豆(あんこ)については,多くの和菓子業界では古くから「巻き戻し」をやっていたようで,これは偽装とかではなく,小豆自体そのようなことをすることで味に深みが出るなどと言われていたようです(ただし,この話はとある和菓子メーカーの関係者から聞いた話であり,若干再伝聞の部分があるため,話の内容についての信憑性としては微妙ですが。)。
したがって,赤福で問題が発覚したときに,最初の社長のコメントが「巻き戻しを普通にやってただけ」という感じになったわけですが,これは,「この業界じゃ普通にやってるのになあ」という微妙な疑念が脳裏をよぎっていたものと推測されます。
もっというと,その関係者の話が仮に真実だとすると,「少なくとも少し前までは,他の和菓子業界でも結構巻き戻しはやっていた可能性がある」ということになるのですが,ほとんど食中毒被害が報告されていないとすると,小豆の巻き戻しというのはありなのではという気もします。
もちろん,ここで大切なことは,「そのことを表示する」という点にあります。この認識を持つことが大切と言えるでしょう。
「仰げば尊し,和菓子の恩」という言葉があるように(ないよ!),和菓子にはいろいろおいしいものがたくさんあります。「とにかく,安全でおいしいもの」であれば,必ずしも新品あんこにはこだわらないという人も多いのではないでしょうか。私なんか,安全性が確保されているのならば,安くなるであろう「巻き戻し品」を買って食べるかもしれません。
とにかく,「消費者に正しい情報を表示して,それを消費者が正しく選択できる」という体制を整えること,これが大切と言えるでしょう。もちろん,それで巻き戻し品を誰も選択しなかったのであれば,それはそれで市場経済の宿命といえるでしょう。
中国産の問題もいろいろ出ていますが,とにかく「正確な情報」,これに尽きます。なにしろ,「食は命の根元」ですから。
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努力は評価するのですが・・
今回,施設等の改善を行い,賞味期限を正しく表示して「より新鮮なものだけを売る」という経営方針を徹底した点は,高く評価できると思います。消費者の不信感はもちろんすぐにはぬぐえないかもしれませんが,このような真摯な姿勢で営業を続ければ,きっと時間をかけて元の通り客足が戻ると思います。これからの赤福の営業努力を見守りたいと思いますし,個人的には三重方面に行くことがあれば,もう一度買ってほうばりたいと思います。
ところで,この問題ですが,以前も書きましたとおり,赤福は何が悪かったかというと,「冷凍して再販売したこと」ではなく,「再販売品があたかも新品と同じのごとく表示した」という点にあったのです。従って,冷凍施設を撤去したというのはどちらかというと正しい対応ではなかったのでは,と個人的には思います。
今回,売れ残りについては,すべて焼却処分をするということですが,もちろんこれにより賞味期限切れ食品を一切消費者に出さないという点では非常に理想的ではあるのですが,一方で,「食品の無駄が大量発生」という点が懸念されます。もっとも,この点は食品会社の宿命とも言える問題で,これをなくすために再利用をして問題になったとも言えますから,すべて捨ててしまうこと自体が悪いとも言い切れません。
ただ,赤福に関していえば,過去の「巻き戻し」の結果,食中毒が発生したなど健康上の被害が発生していなかったため,むしろ,「これは冷凍した再利用品です」ときっちり表示した上で,それなりの金額で販売するという方法もあったのではとも思います。
そもそも,小豆(あんこ)については,多くの和菓子業界では古くから「巻き戻し」をやっていたようで,これは偽装とかではなく,小豆自体そのようなことをすることで味に深みが出るなどと言われていたようです(ただし,この話はとある和菓子メーカーの関係者から聞いた話であり,若干再伝聞の部分があるため,話の内容についての信憑性としては微妙ですが。)。
したがって,赤福で問題が発覚したときに,最初の社長のコメントが「巻き戻しを普通にやってただけ」という感じになったわけですが,これは,「この業界じゃ普通にやってるのになあ」という微妙な疑念が脳裏をよぎっていたものと推測されます。
もっというと,その関係者の話が仮に真実だとすると,「少なくとも少し前までは,他の和菓子業界でも結構巻き戻しはやっていた可能性がある」ということになるのですが,ほとんど食中毒被害が報告されていないとすると,小豆の巻き戻しというのはありなのではという気もします。
もちろん,ここで大切なことは,「そのことを表示する」という点にあります。この認識を持つことが大切と言えるでしょう。
「仰げば尊し,和菓子の恩」という言葉があるように(ないよ!),和菓子にはいろいろおいしいものがたくさんあります。「とにかく,安全でおいしいもの」であれば,必ずしも新品あんこにはこだわらないという人も多いのではないでしょうか。私なんか,安全性が確保されているのならば,安くなるであろう「巻き戻し品」を買って食べるかもしれません。
とにかく,「消費者に正しい情報を表示して,それを消費者が正しく選択できる」という体制を整えること,これが大切と言えるでしょう。もちろん,それで巻き戻し品を誰も選択しなかったのであれば,それはそれで市場経済の宿命といえるでしょう。
中国産の問題もいろいろ出ていますが,とにかく「正確な情報」,これに尽きます。なにしろ,「食は命の根元」ですから。
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