３
で、いつもの朝ご飯がテーブルに列びません。自分で作ればいいのですが、面倒です。今日はわたしも断食にします。朝昼くらいは。ときにはこれもいいでしょう。食い続けているお腹の疲労を癒してさしあげることも必要でしょう。
家内の日頃の功績が、こんなときに、偲ばれます。内助の功に拠ること多大です。
こんなことを言うとすかさず、「わたしはあなたのための飯炊き婆ではありません」というパンチが返って来ます。ですから、日頃この感謝の弁も添えないことにしています。
２
わたしたちはもう長らく家庭内別居が続いています。ダブルベッドで寝起きしたような経験はそもそもありません。肌を触れ合っていません。近くに来て寄り添ったこともありません。これで夫婦と言えるのかなあとも思います。老後は何処も五十歩百歩、或いはそれに近いのかもしれませんが。いやいや、仲のよい老夫婦も見かけますけどね。片手で互いに杖を突き、もう片方の手を取って、睦まじく寄り添って歩いているカップルも。
家内の寝起きの部屋へ見舞いに行ったら、防寒の暖房が効いてむんむんして暑そうでした。顔が真っ赤です。今日は看病看護をすることになりそうです。
１
というのに、まあ。家内が起きてきません。熱が３８度近くあります。夜中からずっと吐いていたようです。トイレに何度も通っているようです。嘔吐下痢症の症状のようです。ただの風邪なのかもしれません。ともかくダウンです。起き上がれません。移しては行けないと言って、吐いた物はビニール袋に包んであります。
９
（これは１，２，３，４，５，６，７，８から続いています）
わたしはひたすら守られています。ひたすら応援されています。わたしは唯々、よい方へよい方へと導かれています。手を引かれて行くその行く先行く先がわたしの極樂世界です。それを提示されます。わたしはそこで仏陀にまみえます。
というところで起承転結の結とします。外はもうすっかり明るくなっています。
８
（これは１，２，３，４，５，６，７からの続きです）
わたしはいただいた今日をお迎えするだけですんでいます。深呼吸をします。深呼吸するその空気もわたしの鼻先まで運ばれて来ています。スーパーに買いに行ったのでもありません。わたしはそれをすうすうすうと吸って楽しんでいればいいのです。
７
（これは１，２，３，４，５，６より続いています）
銀河系宇宙がわたしを中心軸に据えて活動をしています。「かくあれ」とわたしが命じたのではありません。創造者の神になっていたのでもありません。そういう壮大な意図を、わたしがこしらえたのでもありません。
万邦万法がわたしへの奉仕を貫いています。わたしがこれだけの奉仕を受けるだけの男なのかどうか、ふっと考え込んでしまいます。
６
（これは１，２，３，４，５から続いています）
わたしはハンドル操作をしていません。宇宙の善意の法がわたしにハタライテいるばかりです。わたしはそれを楽しんでいればいいのです。らくちんらくちんです。太陽が地球を回っていてくれるのです。みながみな、おはからいです。わたしがかくあれと計らったのではありません。
考えてみると、わたしは慇懃無礼な男であります。威張り腐った男であります。みな左団扇ですませていられるのです。
５
（これは１，２，３，４から続いています）
これは何も新しい一日の始まりだけではありません。諸事万般がそうであります。始まりもそう。終わりもそう。しかあらしめられているばかりです。わたしが此処へ生まれて来たのも、そう。わたしが死んで行くのも、そう。わたしは客なのです。丁重にもてなされています。
４
（これは１，２，３から続いています）
これを仏法では「自然（じねん）法爾（ほうに）」と申します。「自然」は、「自らでしかあらしむ」「あらしめられて、ある」。「法爾」は、「そのハタラキのままに」。「法」は、「正法」「妙法」「ダンマ」「宇宙運営エネルギー」。わたしの自力は無用です。
３
（これは１，２から続きます）
有り難いことであります。わたしが地球を回転させたのではありません。地球がみずからで回転をして、新しい日を創造してくれました。東の方から朝日が昇って来ます。わたしは何にもしていないのに、あたたかい日の光にそっくりすっぽり包まれます。
