詩 「みんなやさしい」
おんなの人は/みんな/やさしい
わたしの目の中に住んでいる/おんなの人は/みんな/やさしい
おんなの人は/みんな/やさしい目をしている
おんなの人は/みんな/やさしい声をしている
そうでないという人は/ひとりもいない
わたしの目の中に住んでいる/おんなの人は/みんな/やさしい
詩 「みんなやさしい」
おんなの人は/みんな/やさしい
わたしの目の中に住んでいる/おんなの人は/みんな/やさしい
おんなの人は/みんな/やさしい目をしている
おんなの人は/みんな/やさしい声をしている
そうでないという人は/ひとりもいない
わたしの目の中に住んでいる/おんなの人は/みんな/やさしい
今日の即興詩 「美しいなあ」
空がしきりに春を呼ぶので/空に春が来ている/空と春の/気が合って/仲良くなって/手を取り合って/ふたりが嬉しそうにしている/嬉しそうにしている風景は/美しいな
山がしきりに春を呼ぶので/山に春が来ている/山と春の/気があって/仲良くなって/手を取り合って/ふたりが嬉しそうにしている/嬉しそうにしている風景は/美しいなあ
川がしきりに春を呼ぶので/川に春が来ている/川と春の/気があって/仲良くなって/手を取り合って/ふたり嬉しそうにしている/嬉しそうにしている風景は/美しいなあ
顔がしきりに春を呼ぶので/顔に春が来ている/顔と春の/気があって/仲良くなって/手を取り合って/ふたり嬉しそうにしている/嬉しそうにしている風景は/美しいなあ
声がしきりに春を呼ぶので/声に春が来ている/声と春の/気があって/仲良くなって/手を取り合って/ふたり嬉しそうにしている/嬉しそうにしている風景は/美しいなあ
文句を言うな。文句を言うな。文句を言うな。さぶろうは自分にそう言い聞かせます。何度も何度も言い聞かせます。文句を言ったからといって、それがすべての解決になるわけではないのです。むしろ、傷口が開くだけなのです。そこから、鎮まっていた膿みや痛みが一挙に噴き出てくるのが落ちです。いよいよ窮地に陥るばかりなのです。いつもそうなのです。
だから、我慢をしているのが最善の策なのです。こちらだって、相手からすれば、文句をつけたい巣窟なのです。ただ、相手が黙っていてくれるだけなのです。
ここまで考えて、やっとこさ、さぶろうが踏み止まった。文句を言わないことにした。言えば、きっとその10倍100倍と返ってくるだろう。こちらも悪の巣窟なのだ。叩けばその悪の埃に飛び火して、四方に飛び散るだけなのだ。
さぶろう、寝ることにする。静かにして寝るが一番だ。
福岡県糸島市の牡蠣焼き屋さんに来ています。玄界灘の港に位置しています。正月2日が開店日。わんさわんさとお客さんが詰めかけています。広い広い駐車場が満杯です。牡蠣焼き屋さんがずらり列んでいます。入り口は長い列です。根気強く順番を待つしかありません。若いカップルや家族連れが目立ちます。僕のようなお爺さんは少ないです。ちょっと肩身を狭くしています。中に入ると、食べています食べています。各テーブルに陣取ってわいわいがやがや賑わっています。景気がいいですね。みんな牡蠣焼きが好きなんでしょうねえ。順番がやっと回ってきました。われわれ家族4人が腰を下ろします。
3
ふっと喰うのが嫌になる。喰って喰って喰っている己が、嫌になる。じゃ、喰わないでいるか。いられるか。いられない。すぐにまた喰っている。餓鬼道に堕ちたようにしている。むしゃむしゃ喰うのが仕事というようにして、喰っている鬼の顔。ほかには楽しみがないのか、鬼には。あるはずだが、この鬼は、なかなか見出せないでいる。
2
喰って喰って喰う。よく喰うなあ。一年365日よく喰う。喰わないでは生きていられないのか。昨日喰ったばかりじゃないか。朝になったらまた台所に行って喰う。そんなにそんなに喰わなければならないのか。ふっと溜息が出る。喰わねばならないのだ。オレは喰うために生きているのかもしれない。
1
朝ご飯を頂いた。遅い朝ご飯である。雑煮であった。白餅を一個やわらかくして食べた。高菜の緑が色鮮やかだった。大分産椎茸が香った。ご飯が粥状にして入っている。最後まで啜った。デザートにキウイフルーツの半切れをスプーンで掬った。それから大好きな甘酒を。
16
むぎいぎ。ここで書き止めることにする。
わたしはしかし、相も変わらず、悪業煩悩の火に焼かれている。そのわたしの濁りで仏の義を濁しては成るまい。その羞恥で顔が赤くなる。
*
その羞恥の赤い顔の男が、阿弥陀仏のお慈悲に救い取られているのである。男は一言ぷつりと念仏を唱えた。己の声で、小さく仏を呼んでみた。
15
むぎいぎ。
わたしは夢の中でおんなの人を抱いていた。抱いて喜悦していた。仏法を聞いている者の、これが偽らざる悪態の実態である。ていたらくな暮らしぶりである。
*
その男の、考えているレベルである、これは。
*
無義為義。無義という麦が麦畑で豊かに色づいて実っている。
14
むぎいぎ。いろいろと考えて来た。家族も起き出してきた。台所に庖丁と俎の音がする。
*
仏の妙法、正法が、わたしの悪智慧が推測できるくらいのところにしか、ないのなら、それは、わたしと同レベルの、お粗末レベルということではないか。
*
仏が、迷妄するわたしと同じレベルの、そんなレベルにあるはずがない。