小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市のホームページに小田原50選が載っている。小田原の景勝・まちなみ・まつり・名産・郷土芸能の5つの項目について、それぞれ代表するものを10ずつ選んだもので、その中のまつりの項目に大松明・線香まつりとある。開催日の8月12日の後には(現在開催しておりません)の但し書き。この大松明はかつて8月12日に御幸の浜周辺で行われていた海難犠牲者の施餓鬼供養の行事で、浜で高さ一五メートルほどの大松明を燃やし、長時間倒れずに燃え続けると、豊漁に恵まれるとされていた。かなり前から行われていた大松明は一旦途切れたが、十数年前の数年間再び行われたのを最後に開催されなくなってしまった。その大松明と線香まつりは1997年に1度見たことがあり、御幸の浜に立ち上る大松明の炎が印象的だった。もう大松明は行われなくなってしまったが、違った形で供養が行われているのかもしれないと思い、夕暮れ時に御幸の浜に出かけた。午後6時30分、小田原城址公園を通り、御幸の浜に向かう。今日も日中は暑かったが、この時間になり風が少しだけ涼しく感じる。蝉の鳴き声に包まれた遊歩道を歩く。夏の夕暮れの風情が心地よい。遊歩道脇の植込みには招き猫。この後、思いっきり猫パンチされた。南掘の蓮を眺めてから、国道を渡り南町から海岸へ出た。夕焼け色に染まる荒久海岸。御幸の浜近くの突堤には釣り人が二人。大きな月が海の上に昇っていた。8月の満月の日は14日。御幸の浜には人影がちらほら。線香をあげている人がいないかと見渡してみたが、夕涼みや水遊びのグループに花火遊びの若者達しかいなかった。日没とともに、海上に一筋の月明かりの道が出来ていた。濃紺の海に輝く光の帯をのんびりと眺めてから帰ってきた。

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