小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



最近のweb地図は、航空写真と地図の切り替えがすぐに出来るので、地図の表記と航空写真を比較しながら眺めるのが楽しい。航空写真でもっぱら眺めるのが郊外の山中の農道や林道沿い。山中にコンクリートの構造物や行ったことの無い道路を発見すると実際に現地に行ってみたくなる。先日、水之尾地区の航空写真を眺めていたところ、沢の上流に砂防ダムらしき構造物があるのを発見した。小田原厚木道路の荻窪インターチェンジ西側から板橋方面に向かう通称「ジェットコースター坂」と呼ばれる急坂。その坂の途中に小さな水之尾橋が架かっている。水之尾橋の下を流れるのは荻窪川で、その上流に航空写真で発見した砂防ダムらしき構造物がある。荻窪川沿いに道が無いため、迂回して最近開通した農道へ向かう。新しく開通した農道の毘沙門橋の下に荻窪川が流れている。川幅は水之尾橋の付近と変わらないくらいだが、谷のような地形になっているため毘沙門橋は大きい。おそらくこの近くにある水之尾毘沙門天から命名されたと思われる。毘沙門橋から荻窪川を上流方面に移動すると、水之尾毘沙門天下の鳥居のある場所に到着した。荻窪川は鳥居の脇を流れている。鳥居脇から荻窪川の右岸沿いを進む。雑草が茂っているが石積みの護岸が整備されていて歩きやすい。鳥居脇から50mほど進むと藪に行く手を阻まれる。やむなく藪漕ぎ開始。しかし右岸沿いは石積みの護岸が続いているために比較的歩きやすかった。藪を漕ぐこと5分あまり。護岸から川底に下りる階段が設置された場所に到着した。荻窪川に下りて上流を見ると、思ったとおりコンクリートの砂防ダムが見えた。幅はそれほどではないが高さは結構ありそうだ。左岸側の護岸に足場が設置されており堤体の上部に上がれるようになっていた。足場の途中には取水用と思われる壊れたパイプも取り付けられていた。砂防ダム下流側の護岸は三段になっており2段目の護岸からダム上部を撮影。ダムの構造は吾性沢ダムと似ているが、ダムの表面は石積模様の加工がされている。堤体の上に到着。取り付けられていた工事概要のプレートによると、幅が35mで高さは12m。堤体上部から下流を撮影。結構な高さ。上流の流れは細く、堤体に開けられた穴から流れ落ちる水量は少なかった。この砂防ダムの名称は「水之尾堰堤」で平成9年に完成。これまでいくつか見てきた砂防ダムや治山ダムと比べるとこの水之尾堰堤は表面に模様の加工が施されているなど景観にも配慮されたものとなっていた。山奥の小さな沢に作られた巨大なコンクリートの堤体を眺めるているとつくづく不思議な感じがするのが楽しい。次はどんな砂防ダムに出会えるだろうか。

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