小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



もともと体を動かすことがあまり好きではなくインドア派の人間である。6年ほど前に禁煙に成功し、ダイエット目的でランニングを始めた。長距離走は最も嫌いな分野の運動だったが、何故かストイックに続けることが出来た。当初2km程しか走れなかったのが、1年後には10km以上走れるようになり、この間に20kgちかく減量することが出来てダイエットも成功した。減量後はダイエットの目的も無くなり、健康維持のためだけにランニングを続けるのも、モチベーションが低下しそうだったので、新たな目標を探していた。そんなときに富士登山競走を知った。富士登山競走は富士山の登山道を利用したマラソン大会で、富士吉田市役所前から5合目までのコースと山頂までの2つのコースが設定されている。山頂コースはコース距離21km、標高差3000mを制限時間4時間30分以内に走らなければならない過酷な大会。ちょうどランニングと平行して富士登山にものめり込んでいた時だったので、いつかは出場してみたいと思った。富士山に初めて登ったのも6年ほど前。体重が100kg近い知人と須走り口から徹夜登山をした。自分とまったくペースの合わない知人との登山は山頂まで7時間30分ほどかかり、夜明け前の寒さと相まって酷く疲れてこりごりしながら下山した。その翌年、今度は単独で富士宮口から登ったところ2時間30分ほどで登頂することが出来た。自分のペースで登ると、それほど疲れないことも分かりその年は6回富士登山をした。以来、富士登山競走への出場を目標に富士登山を続けた。具体的にどのようなトレーニングを行えば良いのか分からなかったが、富士山の空気の薄さのなかでいかに早く山頂まで登ることができるか毎回タイムを計りながら登山した。登頂回数が20回を越えるころには、山頂まで1回も休憩を取ることなく登頂することが出来るようになり、最もきつい御殿場ルートで4時間30分を切るペースで登れるようになった。またハーフマラソンの大会にも出場して1時間35分台で完走することが出来た。そして昨年、初めて富士登山競走にエントリーした。富士登山競走は初回エントリーで山頂コースには出場が出来ない。5合目コースで2時間30分以内に完走することが出来たら、翌年に山頂コースにエントリー出来る。5合目コースはコース距離15km、標高差1480m。2010年7月23日午前8時30分に富士吉田市役所前をスタートした。5合目コースは大まかに2つのパートに分かれており、富士吉田市役所前から馬返しまでの11kmが緩やかな上り坂の舗装路を走り、馬返しから5合目までが土の登山道を早歩きで登る。ハーフマラソンのタイムと富士登山の回数から、少し自信があったが、5合目コースでも相当にきつく、2時間23分台でフラフラになりながらゴールした。とりあえず翌年の山頂コースの出場資格は得られたが、山頂コースでは2時間20分以内に5合目を通過できないと関門ストップになってしまうのと、完走できるボーダーラインの通過タイムが2時間10分なので少なくとも翌年は13分巻かないとダメである。またなにより、5合目の時点で山頂まで行く余力が残っていなかった。富士登山競走をまったく甘く考えていた。昨年の富士登山競走後は、日ごろのランニングの距離を延ばし、富士山にも5回登った。そして今年の7月22日、第64回富士登山競走の日を迎えた。

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