小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



半年ほど前、お寺めぐりのため自転車で入生田の山奥まで出かけた。しだれ桜の名所、長興山紹太寺の前から老人福祉施設の横を通りさらに山奥に進んだところで、滝の流れるような水音を聞いた。その道は片側が樹木が生い茂った斜面になっており、道路下にどのような沢があるのか伺い知れなかった。滝ではないかもしれないが、あるとすればかなりの高さの堰堤か砂防ダムのようだ。GW中にふとそのことを思い出し入生田へ散策に出かけた。小田原市入生田の旧道にある小田急線の入生田踏切。踏切を風祭方面に渡り左側の坂道を上っていく。マンションの前を通り、基礎だけ残っている住宅跡の横の道を進む。しばらく進むと沢を横切る。地図によればこの沢は吾性沢といい早川の支流のひとつである。吾性沢は水が涸れていた。この沢の上流に目指す場所がある。きつい上り坂を10分ほど進む。途中にいくつか作業小屋があった。上り坂の終点は舗装されていない広場になっていた。この広場の右下に吾性沢が流れている。しかし沢が涸れているせいか水音が聞こえない。広場から先は作業道が杉林へと続いている。あまり使われているような作業道ではないので雑草や潅木が生い茂っている。広場から30mほど進むと枝越しにコンクリートの構造物が見えてきた。砂防ダムのようである。作業道から堤体の上に降りれそうなので近づいてみることに。作業道から堤体の上に降りる。幅は2mほどか。かなりの高さ。堤体の上から下流方面を撮影。足がすくむほどの高さ。下からも写真を撮ってみたくなり、藪を掻き分けて下に降りれそうなルートを探す。護岸沿いの藪を掻き分けているとアルミの梯子を発見。一段下の護岸に降りる。川底までは降りれなかったが、下からも堤体を撮影することが出来た。高さは20m以上はありそうで、かなり迫力がある。残念ながら水量が非常に少なかったので堤体の穴から水が滴っている程度であった。プレートによるとこの堤体の名前は吾性沢ダム。砂防事業として作られたもので、昭和63年から平成2年までの期間、工事が行われ平成3年3月に完成。バブル景気の真っ最中の事業ということもありかなり費用がかかっていそうな建築物である。細い作業道の先、谷あいの小さな沢に作られた巨大なコンクリートの砂防ダム。なんとも不思議な光景であったが興味深い散策となった。水量の多いときにまた訪れたい。

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コメント
 
 
 
レポに感謝です。 (よふかしハムズ)
2019-05-03 23:57:51
初めまして、今日(令和元年5月3日ですね)ここにいってきました。近隣を観光後、食べ過ぎたので散策したのです。一夜城の方へ行こうと思いつつ、風情のある踏切に惹かれ、こちらの方を散策することになんとなくなりました。

ですが、主様のレポからさらに8年経っており、
作業小屋のあたりにはイノシシ罠が置いてあったり、
写真にある旧家屋の土台のほかにも、多数家屋のあった痕跡あり(家屋へ向かう階段など)で、作業小屋を少し登ったところで危ないかも、と引き返してきました。

先がどうなっているのか、どんな場所なのか気になって調べていましたが、どこにもレポがなく、わからないままかなぁと思っていたところ、主さまのレポを見つけました。

なぜここの家たちが廃屋(といっても土台以外はしっかり解体されていましたが)になったのか、も気になりますが、先になにがあるのかわかって

すっきりしました!

ありがとうございます。
 
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