小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



地図を眺めていると、小田原市酒匂の印刷局小田原工場から桑原の富士道橋近くの土手裏まで1直線の道路があるのに気付く。水道道と呼ばれているその道路は、かつて印刷局小田原工場が開業した当時、桑原の水源地からの導水管を埋設した土地の上に設けられた道路である。現在も印刷局の管理地だが普通の道路として使われている。小田原市酒匂の独立行政法人印刷局小田原工場。昭和16年の5月に内閣印刷局酒匂工場として開業した。その当時、印刷や製紙用の工業水源に富士道橋近くの伏流水と土手裏の湧水を利用することとなり、桑原の水源地から印刷局まで導水管が約4kmにわたり埋設され、その導水管沿いに道路も作られた。印刷局小田原工場の裏手。当時の導水管がどの場所から工場内に入っていたのか痕跡を探したが分からなかった。1940年代後半の航空写真を見ると、この工場裏手には鴨宮駅から鉄道の専用線も引き込まれていたようである。おそらく導水管は小八幡川右岸沿いに埋設されていたのではと思う。西湘高校の前を通り迂回して白銀公民館近くの水道道に到着。印刷局方面を撮影。この先、JRの線路で行き止まりだが、印刷局方面にまっすぐ道が続いている。白銀公民館近くの下菊川に架けられた橋。橋の手前の標識には「印刷局小田原工場導水管防護のため重量制限」の表示。水道道は4トン車以上は通行出来ないようである。その橋の横には導水管と思われる古い鉄管が設置されていた。水道道を進む。約4kmほどの直線の道路で、途中には印刷局の名前の入った杭も道路脇に設置されている。水道道をしばらく進むとさがみ信用金庫の横から巡礼街道に出た。巡礼街道には斜めに合流。巡礼街道の先にも水道道は続いている。巡礼街道の反対側の水道道も斜めに合流。水道道はヤマダ電機の裏を通り国道255方面に続いている。ヤマダ電機裏の水道道にも重量規制の標識が設置されていた。鴨宮のしいの食品近くの用水に架けられた橋。ここにも印刷局の管理地を示す標識が設置されている。その橋の横にもやはり古い導水管らしき鉄管が確認できた。橋を渡り水道道を進むと日産の横から国道255号に出た。<後編に続く>

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )