The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版 『ギリシャ語通訳』 : (3)

2016-05-19 |  ∟グラナダ版SH
― グラナダ版『ギリシャ語通訳』 ”The Greek Interpreter”  (3) ―



間が開きましたが 続き3回目です。

メラス氏は未だ息があるとの見たワトソンの見立てにより、ホームズは屋敷内を探した結果時刻表が
見つかり彼らが英国を脱出しようとしていると推察します。
急遽一行は駅に向かい 彼らが乘っていると思われる列車の出発間際に慌てて乗り込むことが出来ました。


↑ シャーロックがマイクロフトの背中を押して列車に乗り込ませる。何となく微笑ましい兄弟シーン、好きです。 

コンパートメントに収まった三人ですが、マイクロフトはいつの間にか居眠りのご様子。



タバコをふかす(パイプタバコでは無く、紙巻タバコ)ホームズを見るワトソンの複雑な表情。


理由は、窓の下に張られた注意書き。
”Smoking is strictly prohibited in this compartment”
(コンパートメント内の喫煙は堅く禁じます) 当時も車内禁煙だったのね。

車掌に男2人と女性1人のグループが乗車していないか問いただした結果、ソフィ―と若い男
(ラティーマー)は別のコンパートメントにいる事が分かりました。
一方首謀者と思われるメガネの小男(ケンプ)は1人食堂車で優雅に夕食中。
そしていつの間にかマイクロフトが同席しています。
(さり気なくギリシャ語の知識を確認中)

列車の揺れによろけてケンプに抱き着くマイクロフト。 理由がありました。


コンパートメントではホームズが2人を尋問しています。




ラティーマーと結婚するというソフィ―に、彼が兄を殺害した事を告げますが男は強硬に否定します。
いよいよ言い逃れが出来ないと知ると ソフィ―を盾にして列車の外に逃げ出そうとします。



しかし、開いたドアにぶら下がったものの 対向列車に巻き込まれ命を落としました。

一方、食事を終えたケンプはその間の出来事を知らないままコンパートメントに戻り直ぐに室内の状況を理解します。
直ぐに懐にある銃を探しますが無い! 突然マイクロフト登場し拳銃を押し付けました。
食堂車でよろけた拍子に拳銃をすり取っていたのです。
ヨッ!お兄ちゃん!のシーン。



次の駅でケンプとソフィ―は逮捕され、事件は解決したのでした。



兄を見捨てて逃げたソフィ―に対して ホームズは深い疑惑を垣間見せ、そして連行される彼女の身の上を心配する
ワトソンに対して 「冷血でも罪にはならない。 同情する欠片も無いね」と冷たい言葉を放ちます。
こんな所にホームズの女性観、女性を嫌う一面を表しているようです。
同時に、ソフィ―の描き方はドイル先生自身の女性観を表している様にも思えます。

ホームズは女性に関しては距離を置き、常に突き放したような見方をしている様に思えるのですが、正典「ギリシャ語
通訳」からの引用が多い「忌まわしき花嫁」でのシャーロックは感想でも書きました様に、虐げられていた女性の立場
に理解を示したり、突然フェミニズムを語り出したりする点が唐突な感があり、今でも引っかかっているのです。

今回は、何と言ってもマイクロフトが美味しい所をかっさらっています。
直ぐに居眠りをしたり(明らかにタヌキ寝入り)、一見愚鈍な様子を見せたりしながら やはりシャーロックを凌ぐ
と言われる知性を持って 必要な所をバッチリ押さえている。 人のよさそうな笑顔で警戒心を持たせず敵の懐に入り
込み、ケンプの銃を盗み取って、キワドイ場面で彼を仕留める場面等、もう真骨頂ですね~。
正典に描かれているマイクロフト像とは若干異なる描き方ですが、愛すべきキャラクターになっていて、時に可愛い。
そんな訳で、今回マイクロフトの印象が強く、流石のホームズ弟も形無しで少々影が薄いかも・・・・
まぁ、何と言ってもマイクロフトデビューの作品ですから・・・・


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


グラナダ版はこの様な形で結末を描いていますが、正典では メラス氏を救出した所で終わっています。 
そして犯人2人とソフィーは国外逃亡をしたものの数カ月後 ホームズの元に彼らの逃亡先とみられるブダペストの新聞の
切り抜きが贈られてきて、彼らの結末を知ります。 
経緯は兄を殺害されたソフィ―がラティーマーとケンプを殺害し兄の敵を討ったようだとワトソンが語るところで終わって
います。



~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~



所で、7月17日(日)夜9時から AXNミステリーで ”The Abominable Bride" 「忌まわしき花嫁」の字幕版初放送決まった
そうです。
今度はちゃんと「初の字幕版」!!!と番宣しています。
その前に S1~S3も(又)7月3日から3週にわたって再放送される様です。

先日のBSでの放送も無理やり字幕版で見たワタクシですが、今度は安心して見られます(って、又見るつもり)。
BSでの字幕も映画版字幕と大分異なっていたのですが、今回はどうなんでしょう? 映画版と同じかしら?
一番気になっていた、ユースタス卿邸でのシャーロックの呟き ”Red Beard?” がどうなっているのか注目していたのですが、
流石NHKさん、しっかり「赤髭?」と出してくれました。安心しましたよ。これ大事ですもん(私見)。
マイクロフトのメモにもあったし、”Red Beard”はS4でのキーワードになるのではないかと・・・勝手に予想。





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2 コメント

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マイクロフトが良いですね (Ocicat)
2016-05-22 19:30:25
かいとさん、こんばんは。
上手く纏められなかったんですが、読んで頂き有難うございました。
仰る通り正典でのマイクロフトのイメージって もっと堅苦しい感じを持っていたので
すが、このエピソードではとても人間的に描かれていますよね。でも随所に知性を
感じさせて シャーロック自身が自分をはるかに上回る優秀な人物であると言って
いる姿が垣間見える気もします。
それに さりげない兄弟愛も感じられてチョット微笑ましかったりもしましたね。
BBC版のマイクロフトも次第次第に弟愛を全面的に出し始めている様だし・・・
他のホームズ作品でのマイクロフトの描き方もそれそれ違っていて面白いですね。

それから、Behind the Scenesの画像ベタ貼り 御容認下さり嬉しいで~す♪
そんな風に言って頂くと図に乗って機会があり次第又やってしまいますよ(脅し?)
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マイクロソフトが良いですね (かいと)
2016-05-22 14:42:26
こんにちは。
グラナダ版を見ていなかったので 今回読ませて頂き労せずして内容を知る事が出来ました。有り難うございました。 確かにマイクロフトのイメージが少し違う様にも感じましたが、愛すべきキャラクターになっていて これはこれで楽しめますね。 そして「忌まわしき花嫁」への引用部分も良く分かりました。 機会があれば正典も読み直そうと思います。

所で、Behind the sceneの画像も嬉しかったです。私は楽しみにしているので、折りに触れて載せて頂ければ・・・と思っていますけど。
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