The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版『海軍条約事件』: (2)

2018-01-24 |  ∟グラナダ版SH
グラナダ版 ”The Naval Treaty” (2)

The Adventure of Sherlock Holmes S01E03
(1984年放送)


・・・・続き : その(2)です
(大分間が空いてしまいましが・・・・)



フェルプスの話によれば、外に居た警官に尋ねるとこの15分の間に出て来たのは掃除婦だけと
の事だった。
その場にいた警官がスコットランドヤードに連絡を入れたのだと。

フェルプスは「 事の重大さに気付いた。直ぐに取り戻せると思っていた。叔父や大臣たちに迷惑
をかけてしまう。もうおしまいだ」と話しながら興奮、錯乱し始める。
アニーが用意した薬を飲ませ落ち着かせるワトソン。


その間ホームズは部屋の外に出て一服。
戻って来た兄のジョセフに聞き込みをします。
フェルプスとアニーのなれそめや、妹に付き添って来たという兄の経済状況等を(株をやっている
と)等を聞き出します。
そして、フェルプスと11時の汽車に乗る約束はしていなかったというジョセフ。 
(何となく怪しんでいる様子のホームズ)

フェルプスが落ち着いて来たので部屋に戻るホームズに、「やんわりと頼むよ」とワトソン。

話を続けるフェルプス。
スコットランド・ヤードからフォーブス警部が来て、一緒にタンジーの家に行き家探しをしがた何
も見つからなかった。
その後フェルプスは11時40分の汽車に乗ったが、駅で発作を起こし錯乱状態のまま家に運ばれた。
(これが冒頭シーンになります)
ホームズはアニーにその時兄が帰宅していたか確認します。
フェルプスはその後9週間アニーと看護婦の世話になっている。 そしてフォーブス警部も何の手
掛かりも掴んでいない為、最後の望みをホームズに託したのだと語ります。

ホームズは、この特別任務の事を誰かに話したか確かめるのですが、アニーも含め誰にも話して
いないというフェルプス。

するとホームズは突然花瓶に活けてあったバラの花を掴み窓辺に歩み寄り語り始めるのです。

 ここ、正典にもある有名なシーンです!)一幅の絵を見る様です(眼福その1!)
”What a lovely thing a rose is. There is nothing in which deduction is so necessary as
a religeon. It can be built up as an exact science by the reasoner. Our highest assurance
of the goodness of Providence seems to me to rest in the flowers. It is only goodness
which gives extras, and so I say again we have much to hope for from the flowers.”
『バラは何と美しいのだろう。 宗教と同じく何の推理も必要としない。バラは神が創った科学
の結晶。 この花こそ神の存在を証明する確固たる物だ。神はこんなに美しいものを創造された。
だから再度申し上げたい。この花から多くの希望が得られると。』
 ホームズが宗教や神について語る珍しいセリフです)
↓ こちらが正典中パジェット版挿絵 (花を持つ手がグラナダ版では左右異なりますが)



これを見ていた3人は唖然とした表情!
(大丈夫か?この探偵は・・・)のアニーはつかつかとホームズに歩み寄り、「この謎を解く見込
みは?」と尋ねると、ホームズは「謎?」

H : この案件は確かに難解かもしれない
A : 手掛かりは?
H : 7つの手掛かりがある。しかし結論を言う前に検証が必要だ。
A : 疑っている人は?
H : ”I susupect...myself”  それは・・・・私自身だ。
A : 何ですって?
H : 結論が早く出過ぎてね。
A : ではロンドンに戻って早く検証なさっては?
H : (にっこり笑ったホームズは)ご忠告に従おう、ハリソン嬢。
そしてフェルプスに向かって、
「もっと神に期待しても良いのでは? 私は魔術時では無い」と云ってバラを花瓶に戻し部屋を出ます。
(何だか訳が分からないという表情のフェルプス)


ロンドンに戻り外務省を訪ねるホームズとワトソン。
馬車の御者に5月23日の9時半過ぎに外務省に行った馬車を調べる様に指示します。


フェルプスの事務所で同僚のゴローにも話を聞く。 ホームズが「ゴローか、フランスの姓だな」と云う
と、ゴローは「その通りです。しかし中身は英国人です。 名前のせいで疑われているのですか?」と尋
ねると、ワトソンが、「ホームズの祖母はフランス人だ」(余計な事を云って・・・とチラッとにらむホー
ムズ)( ホームズの祖母がフランス人である事は「ギリシャ語通訳」で初めて知った筈のワトソン君、
知ったかぶりしてます)
ゴローが部屋を後に帰宅した後、部屋の中を調べるホームズとワトソン。
そこへスコットランド・ヤードのフォーブス警部がやって来ますが、彼はホームズの事を疎ましく思って
いる様で横柄で嫌味な態度をとります。


すると、ホームズは、「過去に解決した53件のうち 私の名前が出たのは4件だ。若い君が知らないのは
仕方ない」とビシッと言いますと、流石にへこんで口をつぐむフォーブス。
進行状況を聞き取るが、問題は何故ベルが鳴ったのか・・・に辿り着きそうです。

「犯人が分かったら連絡する」とフォーブスに言い残し、ワトソンと共に外務大臣であるホールドハースト
卿に会いに行きます。


ホールドハースト卿に色々尋ねるホームズです(このシーンも正典挿絵通り)


この条約の内容が外部に漏れれば国際問題になると懸念されていたが文書が盗まれて以来深刻な問題は
起きていない。もしも文書がフランスかロシアの手に渡れば卿の耳にも入る筈であるにも拘らず 2ヵ月
を経た今も何も起きていない。
外務省に入り込み極秘文書を入手したのは偶然に起きた事だと、そして外務大臣自身も潔白であると判
断したホームズは221Bに戻ります。


ホームズは「キミには本業があるのは分かっているが明日も同行してもらえると有難いのだが。明日も
同じ汽車に乗る」と云うと、ワトソンは「勿論だとも」と嬉しそうに云い別れます。

↑ 嬉しそう過ぎで張り切るワトソン!

ホームズと会い話をしたフェルプスは少し落ち着き元気をとりもどし その晩はアニーの看護なしで1人
で眠ることになりました。

しかし、夜中にふと気づくと窓の外に怪しい人影が・・・・・。




・・・・・to be continued です。




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