― ”The Private Life of Sherlock Holmes” ―
ビリー・ワイルダー版 「シャーロック・ホームズの冒険」 : 粗筋と検証 最後です。

・・・・・粗筋は今回で終わりますが、引き続きネタばれしております。
びしょ濡れになってホテルの部屋に戻りましたが、ホームズは「あれは機械仕掛けの怪獣だ。
連中の考えそうな事だ。 ディオゲネスクラブだよ」と言います。
そんな時 ”アッシュダウン様へ”とシャンペンが届けられ、これを持って待って居る馬車に乗って
くるようにと事づけが届きます。

例の古城に着くとそこにはレッドカーペットが敷かれ、テントからマイクロフトが出て来てホームズを
迎えます。 「アッシュダウン君」と・・・
(* やっぱりマイクロフトには読まれていたんですね)。
テントには各種の装置があり、ホームズはあの怪獣が潜水艦か何かの実験だろう。
ミジェットは乗務員、怪獣は偽装工作、カナリヤはガス漏れ探知用だろうと推理していました。

聖書のヨナ記には「ヨナは3日3晩魚の腹の中にいた」と書かれている。
バラドンの開発した空気ポンプを使って これを目標にして潜水実験をしていた。 とマイクロフト
が明かしました。
所が事故が起こりバラドンと小さい2人が事故死してしまった。
この事を君の依頼人に知られたくなかったのだと続けます。
「どういう事だ?」と尋ねるホームズに、「彼女はバラドン夫人ではなく ドイツ政府の為に働いて
いるスパイで イルゼ・ホフマンシュタールである。 本物のバラドン夫人は既に殺されているのだ。
英国随一の頭脳も騙されたな」というマイクロフト。
(* これを聞いたホームズはショックを受けただろうにあまり表情を変えない。
強がっている? それともショックが大き過ぎたのか・・・それとも既に推測していたのか・・・)
結局女は信用出来ないという持論に戻ってしまい 又傷ついてしまったホームズ)
(* このあたりのやり取りは ”A Scandal of Belgravia” に踏襲されている様です)。
そこへ、ヴィクトリア女王が視察に訪れます(レッドカーペットはこの為だったんですね)。

陛下はホームズに「そなたの噂は聞いている。 今は捜査中か? 次の事件簿は何時出るのだ?」
とお尋ねになるのですが、「期待なさらない方が・・・・ 」とホームズ。
マイクロフトが自信たっぷりに女王に秘密の軍艦について説明します。
「姿を見せずに敵艦を攻撃する事が可能です」というマイクロフトに、女王は「相手に警告もせず
国旗も隠してか?」とお尋ねになり、得意気に返答するマイクロフトに「ミスター・ホームズ 非常に
不愉快だ。卑劣だ、わが国には相応しくない。絶対許さん!」とお怒りで、「直ぐに破棄するのだ」という
言葉を残してご帰還になりました。

「やれやれ、我々二人とも女性にしてやられたな」と云う弟に お兄ちゃんは、「最新科学の結晶も巧みな
諜報活動も水の泡だ。 潜水艦がそんなに欲しいなら連中にくれてやる。」とのたまいます。 ドイツの
諜報員を誘き寄せ潜水艦と共に爆破してしまおうというのです。

(* めげないし 転んでも唯では起きない立ち直りの早いマイクロフトだわ)
「どうやって?」と聞く弟に、「君とフロイライン・フォン・ホフマンシュタールの親密な関係を利用
させてもらう」と何でも利用する鬼畜なマイクロフトです。
(* 因みに、フロイラインはドイツ語の ”Miss” ですね)
ホテルに戻ったホームズは眠っていたガブリエルを起すと、「ドイツ語で”城(シュロス)の下”という
場合 前に付ける冠詞は ”ダス”か”ディ”か?」と尋ねます。
始めはシラを切っていたガブリエルも観念したのか 「”ワンテン・ディム・シュロス”よ。」と言い
それまでのフランス語訛りを止め ドイツ語訛りの英語に変わりました。
窓の外には例の怪しい修道僧達が佇んでいるのを見たホームズは、「観念したまえ、”フロイライン・
ホフマンシュタール”。 友人がお待ちかねだから合図をする様に」と云うも彼女が動かないので、
「潜水艦の場所を知らせる」とホームズ自身が日傘で信号を送ります

間もなくマイクロフトが迎えに来るので荷物を纏める様に云うホームズに、イルゼは最初にベーカー街に
着いた時から気が付いていたのか尋ねると、「それより少し後だった」と云うホームズ。(ホントか?)
イルゼは、最高の頭脳と勝負する為に日本行きを断ってこの仕事を志願したのだと言い、「身の程知らず
だったわ。 私の完敗よ」と言いますが、ホームズは「誰でも失敗する。ワトソンの事件簿が出ないことを
祈ろう」。
と言っている所に、又もやワトソンが ホームズと叫びながら駆け込んできます。

(* お約束の、 荷物にケッつまずいてコケる)
「又あれが出た」というワトソンに望遠鏡をのぞいていたホームズが見たものは水中爆発したらしき潜水艦
だった。
シャンペンボトルと聖書が浮かび上がってきました。
(哀れドイツの諜報員・・・)
「ホームズ、勿体ぶらず説明してくれ」と蚊帳の外のワトソン。
マイクロフトがイルゼを迎えにやって来ます。
逮捕されイギリスの監獄に投獄されると思っていたイルゼに対して、マイクロフトは「君はスイスととドイツ
の国境で我が国の諜報員と交換される」と聞かされ驚き意外な表情をするのですが、「お礼は弟に言ってくれ。
彼の案だ」と言います。


(* ここで眼差しだけで語り合う様なイルゼとホームズの微妙な表情が切ないのです。)
イルゼは日傘を受け取ってマイクロフトと出て行きます。
すると、蚊帳の外だったワトソンは、「嫌なら何も言わなくっていいよ。 僕はただの作家だ」と言い、
ホームズは「今回の事件は発表するな。彼女の為だ」と言いますが、「彼女はドイツのスパイなのに何故
肩を持つのか。 書かないと約束するから教えてくれ。友人として…」と騒ぐワトソンに、窓の外を見て
いたホームズは 「静かに。 私的なメッセージを伝えようとしている」。

馬車に乗ったイルゼが日傘を使ってメッセージを送っています。
(* この時のイルゼの表情が凄く良いんです。 冷徹な女スパイの表情になりながら心に秘めた想いが
滲み出ているような・・・クールで美しい表情なんです)


「何だって?」のワトソンに 「アウフ・ヴィーダーゼン(又会いましょう)と・・」
そして221Bの日常に戻り 朝食を食べている2人の元にマイクロフトから手紙が届きます。

その手紙を読んだホームズは衝撃を受けた表情のまま窓辺に歩み寄りぼんやり外を眺めます。

こっそり盗み読んだワトソンですが、手紙には「イルゼ・V.H.は横浜の海軍基地を偵察中日本の諜報員に
逮捕され 裁判の後銃殺刑に処された模様。 彼女は日本滞在中 ”アッシュダウン夫人”と名乗って
いた様だ」
流石に「残念だ」というワトソンに 「あれは何処にある?」と訊ねるホームズ。(コカインの事なんですね)
医者カバンを利用した隠し場所(ファイル)を教えるワトソンです。(身体に悪いからと散々反対していたのに、
流石にホームズの状態を見かね許したんですね)。
「隠すのが上手くなったね」と言いながらコカインの瓶を手に自室に戻るホームズ。
(背中がヤルセナイ)。
そして、ワトソンは机に向かい執筆を始めました。

~~~~~~~
以上で終わりです。
長くなってしまいましたが お立ち寄り頂きお付き合い下さり有難うございました。
あと一回(ひつこくてスミマセン)感想の続きと DVDにありましたSpecial Featuresについて追記するつもりです
ので 宜しければ又お付き合い下さいませ。
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ビリー・ワイルダー版 「シャーロック・ホームズの冒険」 : 粗筋と検証 最後です。

・・・・・粗筋は今回で終わりますが、引き続きネタばれしております。
びしょ濡れになってホテルの部屋に戻りましたが、ホームズは「あれは機械仕掛けの怪獣だ。
連中の考えそうな事だ。 ディオゲネスクラブだよ」と言います。
そんな時 ”アッシュダウン様へ”とシャンペンが届けられ、これを持って待って居る馬車に乗って
くるようにと事づけが届きます。

例の古城に着くとそこにはレッドカーペットが敷かれ、テントからマイクロフトが出て来てホームズを
迎えます。 「アッシュダウン君」と・・・
(* やっぱりマイクロフトには読まれていたんですね)。
テントには各種の装置があり、ホームズはあの怪獣が潜水艦か何かの実験だろう。
ミジェットは乗務員、怪獣は偽装工作、カナリヤはガス漏れ探知用だろうと推理していました。

聖書のヨナ記には「ヨナは3日3晩魚の腹の中にいた」と書かれている。
バラドンの開発した空気ポンプを使って これを目標にして潜水実験をしていた。 とマイクロフト
が明かしました。
所が事故が起こりバラドンと小さい2人が事故死してしまった。
この事を君の依頼人に知られたくなかったのだと続けます。
「どういう事だ?」と尋ねるホームズに、「彼女はバラドン夫人ではなく ドイツ政府の為に働いて
いるスパイで イルゼ・ホフマンシュタールである。 本物のバラドン夫人は既に殺されているのだ。
英国随一の頭脳も騙されたな」というマイクロフト。
(* これを聞いたホームズはショックを受けただろうにあまり表情を変えない。
強がっている? それともショックが大き過ぎたのか・・・それとも既に推測していたのか・・・)
結局女は信用出来ないという持論に戻ってしまい 又傷ついてしまったホームズ)
(* このあたりのやり取りは ”A Scandal of Belgravia” に踏襲されている様です)。
そこへ、ヴィクトリア女王が視察に訪れます(レッドカーペットはこの為だったんですね)。

陛下はホームズに「そなたの噂は聞いている。 今は捜査中か? 次の事件簿は何時出るのだ?」
とお尋ねになるのですが、「期待なさらない方が・・・・ 」とホームズ。
マイクロフトが自信たっぷりに女王に秘密の軍艦について説明します。
「姿を見せずに敵艦を攻撃する事が可能です」というマイクロフトに、女王は「相手に警告もせず
国旗も隠してか?」とお尋ねになり、得意気に返答するマイクロフトに「ミスター・ホームズ 非常に
不愉快だ。卑劣だ、わが国には相応しくない。絶対許さん!」とお怒りで、「直ぐに破棄するのだ」という
言葉を残してご帰還になりました。

「やれやれ、我々二人とも女性にしてやられたな」と云う弟に お兄ちゃんは、「最新科学の結晶も巧みな
諜報活動も水の泡だ。 潜水艦がそんなに欲しいなら連中にくれてやる。」とのたまいます。 ドイツの
諜報員を誘き寄せ潜水艦と共に爆破してしまおうというのです。

(* めげないし 転んでも唯では起きない立ち直りの早いマイクロフトだわ)
「どうやって?」と聞く弟に、「君とフロイライン・フォン・ホフマンシュタールの親密な関係を利用
させてもらう」と何でも利用する鬼畜なマイクロフトです。
(* 因みに、フロイラインはドイツ語の ”Miss” ですね)
ホテルに戻ったホームズは眠っていたガブリエルを起すと、「ドイツ語で”城(シュロス)の下”という
場合 前に付ける冠詞は ”ダス”か”ディ”か?」と尋ねます。
始めはシラを切っていたガブリエルも観念したのか 「”ワンテン・ディム・シュロス”よ。」と言い
それまでのフランス語訛りを止め ドイツ語訛りの英語に変わりました。
窓の外には例の怪しい修道僧達が佇んでいるのを見たホームズは、「観念したまえ、”フロイライン・
ホフマンシュタール”。 友人がお待ちかねだから合図をする様に」と云うも彼女が動かないので、
「潜水艦の場所を知らせる」とホームズ自身が日傘で信号を送ります

間もなくマイクロフトが迎えに来るので荷物を纏める様に云うホームズに、イルゼは最初にベーカー街に
着いた時から気が付いていたのか尋ねると、「それより少し後だった」と云うホームズ。(ホントか?)
イルゼは、最高の頭脳と勝負する為に日本行きを断ってこの仕事を志願したのだと言い、「身の程知らず
だったわ。 私の完敗よ」と言いますが、ホームズは「誰でも失敗する。ワトソンの事件簿が出ないことを
祈ろう」。
と言っている所に、又もやワトソンが ホームズと叫びながら駆け込んできます。


(* お約束の、 荷物にケッつまずいてコケる)
「又あれが出た」というワトソンに望遠鏡をのぞいていたホームズが見たものは水中爆発したらしき潜水艦
だった。
シャンペンボトルと聖書が浮かび上がってきました。
(哀れドイツの諜報員・・・)
「ホームズ、勿体ぶらず説明してくれ」と蚊帳の外のワトソン。
マイクロフトがイルゼを迎えにやって来ます。
逮捕されイギリスの監獄に投獄されると思っていたイルゼに対して、マイクロフトは「君はスイスととドイツ
の国境で我が国の諜報員と交換される」と聞かされ驚き意外な表情をするのですが、「お礼は弟に言ってくれ。
彼の案だ」と言います。


(* ここで眼差しだけで語り合う様なイルゼとホームズの微妙な表情が切ないのです。)
イルゼは日傘を受け取ってマイクロフトと出て行きます。
すると、蚊帳の外だったワトソンは、「嫌なら何も言わなくっていいよ。 僕はただの作家だ」と言い、
ホームズは「今回の事件は発表するな。彼女の為だ」と言いますが、「彼女はドイツのスパイなのに何故
肩を持つのか。 書かないと約束するから教えてくれ。友人として…」と騒ぐワトソンに、窓の外を見て
いたホームズは 「静かに。 私的なメッセージを伝えようとしている」。

馬車に乗ったイルゼが日傘を使ってメッセージを送っています。
(* この時のイルゼの表情が凄く良いんです。 冷徹な女スパイの表情になりながら心に秘めた想いが
滲み出ているような・・・クールで美しい表情なんです)


「何だって?」のワトソンに 「アウフ・ヴィーダーゼン(又会いましょう)と・・」
そして221Bの日常に戻り 朝食を食べている2人の元にマイクロフトから手紙が届きます。

その手紙を読んだホームズは衝撃を受けた表情のまま窓辺に歩み寄りぼんやり外を眺めます。

こっそり盗み読んだワトソンですが、手紙には「イルゼ・V.H.は横浜の海軍基地を偵察中日本の諜報員に
逮捕され 裁判の後銃殺刑に処された模様。 彼女は日本滞在中 ”アッシュダウン夫人”と名乗って
いた様だ」
流石に「残念だ」というワトソンに 「あれは何処にある?」と訊ねるホームズ。(コカインの事なんですね)
医者カバンを利用した隠し場所(ファイル)を教えるワトソンです。(身体に悪いからと散々反対していたのに、
流石にホームズの状態を見かね許したんですね)。
「隠すのが上手くなったね」と言いながらコカインの瓶を手に自室に戻るホームズ。
(背中がヤルセナイ)。
そして、ワトソンは机に向かい執筆を始めました。

~~~~~~~
以上で終わりです。
長くなってしまいましたが お立ち寄り頂きお付き合い下さり有難うございました。
あと一回(ひつこくてスミマセン)感想の続きと DVDにありましたSpecial Featuresについて追記するつもりです
ので 宜しければ又お付き合い下さいませ。
← ビリー・ワイルダー版「シャーロック・ホームズの冒険」 : 3/4
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