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The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

「オリエント急行殺人事件』公開を前に:アガサ・クリスティーやその他あれこれ

2017-11-30 | アガサ・クリスティ


以前ご紹介しました リメイク版「オリエント急行殺人事件」”Murder on the Orient Express”の公
開12月8日が近づいてきました。
そこで、この映画を観る前に 改めてこの作品の原作が生み出された要因、この作品に纏わる色々な
事柄に触れ直しながら復習と予習をしてみようと思います。
以前も書きましたが、ワタクシがアガサ・クリスティーの原作を読んだのはもうかれこれ20年以上
前(ひょっとすると30年位かも)と兎に角大昔の事で、クリスティー作品にのめり込む最初の作品
であったと思います。
兎に角予想もしなかった様なエンディングに驚かされたものでした。 その後クリスティー作品は
殆ど読破しましたが(「トミーとタペンス」物は読み残している作品が幾つか)、何れにしても遥か
昔の事。
そんな状態ですので、久々に原作を再読してみるつもりです。

その後映像化され、TVドラマも含め色々観てはおりますが、今回は久々の映像化という事で兎
に角楽しみにしている所です。
(過去の作品に関しては キャストも含め拙記事ご参照いただければ幸いです)
『オリエント急行殺人事件』2017 リメイク版が豪華です!

↓ 日本語版予告編
https://youtu.be/CFkQMskGMZk?t=1
(サー・ケネスのフランス語訛りも見どころ?、あ、聞きどころ)

ただ、アルバート・フィニー版の印象がかなり強烈に残っているので、今回のリメイク版がどの様
に作られているのか興味と不安が入り乱れているというのも少なからずあったりして・・・・

以下これまでに書いた内容と重複する部分もありますが、
「オリエント急行殺人事件」」はアガサ・クリスティーにより1934年に発表された 著者の長編とし
ては14作目、エルキュール・ポアロ シリーズとしては8作目にあたる作品です。
クリスティーは 大西洋単独無着陸飛行で有名な飛行家リンドバーグの息子が誘拐されその後殺害された
事件(リンドバーグ愛児誘拐事件 )に着想を得てこの作品を書いたと言われています。←少々ネタ
バレになりますが・・・

(余談ですが、リンドバーグの大西洋無着陸単独飛行は、1957年ビリー・ワイルダー監督、ジェームズ・
スチュアート主演の「翼よあれが巴里の灯だ」 ”The Spirit of St. Louis”と言う映画になっています。
かなり古い映画ですが、何時どこで観たんだったかな~?昔”名画座”ってのがあったので、そんな所で
観たんでしょうね。)

又、これも良く知られた事実ですが、アガサは1926年12月3日に自宅を出たまま行方不明になった失踪事件
があります。 ”Agatha Eleven Missing”「アガサ・クリスティー11間の失踪」として世に知られ、結局
11日後ヨークシャーのハロゲート・ハイドロパシック・ホテルで名前を偽って滞在していた事で発見され
ました。

この事件を題材に 独自の解釈で制作された1979年公開された「アガサ 愛の失踪事件」”Agatha”が
あります。

※ ヴァネッサ・レッドグレーブ、ダスティン・ホフマン、ティモシー・ダルトン等出演
(余り知られていないかも知れませんが、勿論観ましたよ!)

そして、その後執筆活動を再開し、何度かイスタンブールを訪れ その際は「ペラ・パラスホテル」
”Pera Palace Hotel” に滞在し、「オリエント急行殺人事件」の構想を練ったと言われています。
(余談ですが、「ペラ・パラスホテル」、勿論行きました。 出来れば宿泊したかったのですが 生憎
予約が入っていた為部屋の中を見せてもらうだけでしたが・・・)

↓ 「ペラ・パラスホテル」外観です。クラシックな雰囲気の好きなホテルです。

↓ アガサ・クリスティーが宿泊していた部屋(レストレーション前、私が訪れたのもこちらでした)
 ”Agatha Christie Room”

↓ 2010年にレストレーションされた部屋(使いやすそうにはなった様だけど、以前の方が雰囲気がある様な・・・)


又この作品の主題になる「オリエント急行」ですが、1883年に「ワゴン・リ社」により運行が始まった
豪華国際寝台列車で その当時はパリ―イスタンブール間の運行でした。(その後ルートは度々変更さ
れています。)

当時はイスタンブールにあるターミナル駅である「シルケジ駅」がオリエント急行の終着駅(出発駅)
として使われていました(又、余談ですが、この駅も時間の合間にチラッと外観だけ見てきました)


そして、これらの事を踏まえた上で臨む今回のリメイク版「オリエント急行殺人事件」ですが、英国
をはじめ諸外国では既に公開され 全世界興行収入で約1億5,500万ドル(約165億円)に達しそうな
勢いを見せているそうです。
そんな状況があるせいか、続編の企画が進められているそうです。
同じくサー・ケネスがポアロを演じ(監督も)、「ナイルに死す」”Death on the Nile” になるとも
言われています。
(source : シネマトゥデイ)

この作品は1978年に「ナイル殺人事件」と言うタイトルで公開された事があります。
この時のポアロは、ピーター・ユスティノフ。 その他ベティー・デイヴィス、マギー・スミス、ミア・
ファーロー、アンジェラ・ランズベリー、デヴィッド・ニーブン等豪華出演者でした。凄かったですねぇ。
ミア・ファーローが良かった。

(ひつこいですが、勿論この作品も観ました。 以前書いた事があるのですが、この時のユスティノフの
ポアロは体格が立派過ぎて、人の良いオジサン風でチョットイメージと違うかとも思ったのですが、兎に
角豪華なキャストとエジプトの風景を堪能する事が出来る作品ではありました。 どの風景も懐かしく、
アガサ・クリスティーがこの作品を執筆したと言われ、又作品にも使われていたアスワンにある ”Old
Cataract Hotel”には偶然宿泊する事になり、このホテルからナイル河を見ながら映画をシーンを思い
浮かべながら感慨にふけったものでした。

そう言えば、映画の中でルクソール神殿の列柱の上から大きな石が落ちて来るシーンがあり、実際その
場を訪れた時 このシーンが蘇り思わずビビりながら上を見上げたもんでした(汗)

又TVドラマのデヴィッド・スーシェ版ポアロ作品でも「オリエント急行殺人事件」、「ナイルに死す」
共に制作されています。 スーシェ版も良かったですねぇ。
↓ 「オリエント急行殺人事件」

↓ 「ナイルに死す」


サー・ケネス版”Death on the Nile”が実現するとすれば どんな作品になるのか・・・・又期待が
膨らみます。

色々思い出す事が多く、アチコチ話題が飛びまくりで申し訳ありませんでした。
因みに、トルコもエジプトもいわゆる”聖地巡礼”ではありません、念のため・・・どうでも良いですね(汗)

「オリエント急行殺人事件」、観た後感想が書ければ良いんですけど・・・(出来るかなぁ?)






『オリエント急行殺人事件』2017 リメイク版が豪華です!

2017-06-02 | アガサ・クリスティ
“Murder on the Orient Express” 「オリエント急行殺人事件」2017


TVドラマの「オリエント急行殺人事件」の再放送を観ようと 放送日をチェックしていたところ
とんでもない驚きの情報が流れていました。
何と、映画リメイク版が今年2017年11月にリリースされるとの事。
そして、そのキャストを見て余りの豪華さにビックリして椅子から転げ落ちそうになりました。

その前に、”Murder on the Orient Express”の基礎情報(誰でもご存知でしょうが・・・)
この原作はアガサ・クリスティー(1934年発表)の長編としては14作目、エルキュール・ポアロ
シリーズとしては8作目にあたる)作品です。
内容に関しては 今更書く必要もないと思いますので省きますが、最初にこの原作を読んだ時
(これも大昔)の強烈な印象が強く何時までも記憶に残る作品です。クリスティーの作品の中でも
特に好きな作品の1つです。
雪に閉じ込められた列車内での情景が殆どなので動きが少ない分演技力が必要とされる作品なのだ
と思います。
 
これまでも何度か映像化されていますが、今回は久々の映画化で 予想もしていませんでしたので
兎に角驚きでした。(私の情報収集が遅かったのかも知れませんが)


今回リメイク版は、サー・ケネス・ブラナーが制作、監督、主演を務める作品で、先にも書きました
様に他出演者が凄すぎる!
プロデューサー陣も『エイリアン・コヴェナン』」等の監督であるリドリー・スコット、『シャーロック・
ホームズ 2009』や『X-MENシリーズ』のサイモン・キンバーグらがサー・ケネスと共に担当している
という豪華版。


(エンターテインメントウィークリー)
出演者は :
エルキュール・ポアロ : サー・ケネス・ブラナー
サミュエル・エドワード・ラチェット : ジョニー・デップ
ヘクター・マックイーン : ジョッシュ・ガッド(実写版「美女と野獣」のル・フウ役)
エドワード・ヘンリー・マスターマン : サー・デレク・ジャコビ
メアリー・デブナム : デイジー・リドリー(スターウォーズ「フォースの覚醒」のレイ役)
ハリエット・ベリンダ・ハバード : ミシェル・ファイファー
グレタ・オルソン : ペネロペ・クルス
ドラゴミノフ公爵夫人 : デイム・ジュディー・デンチ
ヒルデガード・シュミット : オリヴィア・コールマン
アンドレニ公爵夫人 : ルーシー・ボイントン
アーバスノット大佐 : レスリー・オドム・ジュニア

ね~、凄いですよね~(ワクワク!)


ケネス・ブラナーのポワロは原作のイメージ、他のポアロとは違いチョット立派過ぎ(?)の様に感
じるのですが・・・お髭も立派だし どちらかと云うとピーター・ユスチノフ版ポアロに近いタイプ
かしら?とも思えます。が、何といってもサー・ケネスです。 これまでとは違うポアロを演じている
だろうと期待します。

最初の公式trailerが本日(現地時間6月1日)リリースされました。
↓ こちらです
https://youtu.be/Mq4m3yAoW8E




この予告編を見る限り、映像的にもこれまでとは違う切り込み方をしている様ですが、この選曲は評価
が分かれています。 う~ん、難しいところですね。


以前拙記事に触れた事があるのですが、「オリエント急行殺人事件」の映画版は1974年公開され名作の
評価も高い作品です。 勿論観ています(古!)



以前書いた事もあるのですが、ポアロのアルバート・フィニーはアクが強くて ちょっと鼻持ちならない
キャラクターになっていて原作で自分が持っていたのイメージとは少し違う様に感じていたのです。
が・・・ この作品の出演者も凄かったです。 豪華です!

参考までに、
エルキュール・ポアロ : アルバート・フィニー
ラチェット・ロバーツ : リチャード・ウィドマーク
ヘクター・マックイーン : アンソニー・パーキンス
エドワード・ベドウズ  : ジョン・ギールグッド
アーバスノット大佐  : ショーン・コネリー
メアリー・デベナム : ヴァネッサ・レッドグレーブ
ドラゴミノフ公爵夫人 : ウェンディ―・ヒラー
ヒルデガルド・シュミット : レイチェル・ロバーツ
ハリエット・ベリンダ・ハッバード ; ローレン・バコール
グレタ・オルソン : イングリッド・バーグマン
アンドレイニ伯爵 : マイケル・ヨーク
アンドレイニ伯爵夫人 : ジャックリーン・ビセット

この作品は多部門でアカデミー賞にノミネートされましたが、イングリッド・バーグマンが助演女優賞を得ました。


TVドラマのデヴィッド・スーシェ版ポアロによる「オリエント急行殺人事件」は英国及び米国では2010年、日本
初放送は2012年でした。

この作品でラチェットを演じていたのは 最近SHERLOCKでずっとお馴染みになっていたトビー・ジョーンズです。
以前見た記憶はあるのですが 又ジックリ観直したいと思っています。

兎に角、2017年リメイク版はこれから先絶対見逃せない作品の筆頭に挙げられます。
公開は、UKが11月3日、USが11月10日、そして日本公開も12月予定となっている様です。
兎に角楽しみです!







「名探偵ポアロ」ファイナルシーズン放映を前に

2015-04-06 | アガサ・クリスティ
- 「名探偵ポワロ」最終章放映を前に -



名探偵ポワロ(原題 Agatha Christie's Poirot) は1989年から2013年にかけてロンドンのウィー
クエンド・テレビで制作されました。
2013年6月 第13シリーズをもって放送開始から24年にしてシリーズ完結となりました。
25年に渡り同じシリーズを続けてきた事は改めて凄い事だと実感しましたし、偉業を成し遂げた
感じがします。感慨深いものがあります。






エルキュール・ポワロ (デビッド・スーシェ)
アーサー・ヘイスティングス (ヒュー・フレイザー)
ジェームズ・ハロルド・ジャップ (フィリップ・ジャクソン)
ミス・レモン (ポーリン・モラン)


全シリーズ(13シリーズ)全70話はほぼ原作通りの映像化で日本でもずっと放映されていましたが
今月AXNでいよいよファイナルシーズン放映予定と言う事で、現在傑作選再放送中です。

 


アガサ・クリスティーの原作は ン10年前にミス・マープル物を含め全巻完読したのですが、
ごちゃごちゃになっていて全部の詳細は忘却の彼方になってしまっているのですが、TV放映も
何度も観ていてもこれ又忘れてしまっていて改めて見直さなければならないと思っている所です。

最終話「カーテン」を読んだ時は衝撃的であった事は覚えているのですが、放映前に原作を読み
直そうと考えている所です。
ACDが正典でホームズを葬ってしまったと同様に クリスティーもカーテンでポワロを終わら
せてしまったのは悲しかったし残念ではありましたが、引き際の潔さを感じてある程度は理解し
た事を覚えています。 

TVドラマのポワロを演じるデビット・スーシェは原作のイメージに一番合っていると思いまし
たし、なにしろ24年も続けばすっかりポワロとして定着してしまいました。

映画版ではアルバート・フィニー版、ピーター・ユスチノフ版も観ましたが、フィニーは少々
アクが強すぎ、ユスチノフは体格が立派過ぎ等々で結局スーシェ版が一番イメージに近いので
はないかと思えました。
因みに、ミス・マープルはジョーン・ヒクソン版以外はダメです(独断と偏見私見)。

 
↑ アルバート版ポアロです     ↑ ピーター・ユスチノフ版ポアロ


ポワロと相棒のヘイスティングスは 退役軍人であり穏やかな風貌で 一見頼り無い感じでもあり
時にポアロから痛い言葉を浴びせられながらも 常にポアロに寄り添い助けとなる関係は丁度
ホームズとワトソンの関係に似て 天才探偵ではあるが独断と自信過剰とも思える”灰色の脳細胞”
を駆使するポワロにとって普通の感覚を持つヘイスティングスが緩衝材となり 手綱を引いてい
る関係と思います。
ホームズがワトソンを評して言っていた 「自分自身では光り輝かないが 閃きを与える存在」な
んですね。
ヘイスティングス大尉は一時牧場を営む為アルゼンチンに行って入た時以外は常にポワロと行動
を共にする掛け替えのない相棒、親友であります。



又秘書のミス・レモンは存在感は余り大きくはないのですが、ポワロを知り尽くし時に事件解決の
手助けをする役割です。(原作ではあまり多く登場していないと思います)。 少しとぼけている
様でもあり、時に母親の様な立場で接する姿はかなり好きなキャラクターになっていました。

ジャップ警部はホームズに於けるレストレード的な立ち位置ですが、ポワロを良く理解し 時に利
用しながら良い関係を持っている様に描かれています。

TV放映も随分前から続いていましたが、ずっと吹き替え版でした。
ポワロの声の熊倉一雄氏は割とイメージに合っていた様な気がしていましたし、何より長い間馴染
んでしまっていたのですが、 最近字幕版を放映してくれる様になりました。
やはり字幕版は良いです。
本当は字幕無でもOK!と言いたい所ですが、やはり字幕無くては辛いですよね。 
ポワロのフランス語訛りの英語で雰囲気が良く分かるし、全部字幕版で見直したいと思いますよ。

ファイナルシーズンを前にデビッド・スーシェのインタビューを流していたのですが、全くの英国英語
でした(当たり前か)、で 改めてポワロのフランス語訛りのセリフで演じたのは大変だったろうと
感じさせられました。


↑ インタビュー中のお髭無しのスーシェです。

グラナダ版SHも含め 原作のイメージは字幕版で観るとご本人の声、しゃべり方を含め雰囲気、
感じ方が全然違います。


↑ ポアロ髭メーク中


最終話「カーテン」は観るのが辛くなりそうです。
番宣で見聞きするだけで涙が出そうになるので、作品を観たら泣けそうですね。


↑ 「カーテン」の画像です。 これを見ただけでも涙腺弛みます。



又ファイナルシーズンを観た後感想等書いてみるかも知れません。