みみこのneko的生活

スノーボードとねことともに・・・がんと向き合って生きる

2005.9 手術前の説明

2006-03-09 20:21:45 | 副腎腫瘍 手術

手術の5日前、夫と主治医H先生の話を聞く。私のなかのイメージは、まさに「白い巨塔」の世界だったけど・・・。以下主治医の話。

腫瘍については、がんの可能性がある。まずは、大きさ。6cmほどある。(主治医が見た中で第3位の大きさだったそうだ・・・)4cmを超えるとがんが疑われる。また、性ホルモンが出ていることもがんの可能性を高める。しかし、つるっとしており、形もまるい。表面には膜のようなものがあり、腎臓など他の臓器との癒着もない。ぱっと見では、良性の可能性も捨てきれない。。(これらの言葉が夫にはすごく心に残ってしまったようで、がんとわかってから、「『良性だ』っていうようなこと言ってたのにな」と言っていた。やっぱり人間って、いい方に考えちゃうんだよね。)

副腎腫瘍の病理はとても難しい。がんかどうかわからない場合も多い。なので、某大学の副腎の権威の先生に検体を送り、みてもらうことにしている。

がんの可能性があれば、抗がん剤(ミトタン)を使うことを考えている。抗がん剤はとても強く、つらいものになると思う。抗がん剤に入るときは、最初の1週間ほどは入院してもらうことになる。その後は在宅で通院をしながら続けることになる。

副腎がんは、非常に珍しい。がんの場合、予後が悪く、転移もひどい。でも、みみこさんの場合、転移はなく、進行も遅いようだ。(症状と思われる体毛が気になりだしたのは、かな~り前からだったので)なので、治る可能性もある。若いし、なんとか長く生きられるようにしたい。

手術は腹腔鏡手術で行う予定である。しかし、腫瘍が大きいため、開腹手術になることも考えられる。開腹手術の準備もして、無理ならばすぐに切り替えられるようにして行う。

腹腔鏡手術ならば、3時間の予定。傷も小さく、術後の痛みも少ない。翌日からは歩いてもらうし、早く退院もできると思う。腹腔鏡手術には熟練してきており、大きな心配はいらない。(手術の映像もパソコンで見せてもらったり、器具も見せてもらう)

・・・他にもお話はいくつかあり、書類にはんこを押したりして、1時間弱で終了。

だいたい予想していたり、聞いていた内容だったので、ショックは少なかった。気になることにも答えてもらったり、手術の様子をパソコンで見せてもらったりしたし・・・、まあ、こんなもんか。でも、つらい治療はなんとかまぬがれたいと思った。このときは。

翌日、麻酔科の先生、手術室の看護師さんの説明もあった。H先生はいかにも外科系という感じでスパーンシャキーンばっさりとした物言いだけど、お二人は物腰も話し方もとてもゆっくり穏やかで優しかった。泌尿器科のサバサバした先生方の話しっぷりに慣れてしまっていた私には新鮮であった。麻酔科の先生は優しそうなお兄さん先生、看護師さんはとても頼りになりそうだし、なんとなく安心、安心・・・。

でも、麻酔から覚めなかったらどうしようか・・・。


2005.9 入院生活

2006-03-09 18:24:52 | 副腎腫瘍 入院

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「こおな~ゆき~♪、ねえ・・・。いや~、雪ってきれいだよね。

おらもロマンチストになっちゃうよ。

みみこは、雪じゃなくて、雪見だいふくとかアーモンドチョコとか降ればいいのにって言うけどさ、そんなの降ったら、結構痛いんじゃないかと思うんだよね。

おらは、かつぶしならいいのにって思うよ。危なくないしさ。」(にゃんた)

入院生活は、術後以外は痛みや苦しみも少なく(注射はやだったけど)、いろんな人たちに支えられながら、穏やかに過ぎていった。

ご飯は作らなくていいし、大好きな本もいっぱい読めたし、テレビもいっぱい見た。

看護師さんや医師、病棟の患者さんたちなど話し相手もたくさんで、いつも優しくしてもらった。

検査などのない時間帯は、散歩(庭がとってもきれいな病院だった)や買い食いを楽しんだりもした。体力を落としたくなかったので、8階の病室からいつも階段を使って出歩くようにもした。

痛みや苦しみで辛い思いをしている人がたくさんいるなかで、私は病人らしくない病人だったと思う。

でも、ついちょっと前まで健康と思っていた私が突然病人になってしまった。しかも、がんかもしれない。それは、すご~くショックなことだった。

でも、いろんな人たちに出会って、私は自分自身を振り返ることができた。当たり前のことがすごく幸せなことに思えてきた。