みみこのneko的生活

スノーボードとねことともに・・・がんと向き合って生きる

夏の読書日記

2015-08-15 21:11:14 | 本と雑誌

 

①②バリでは、丸一日寝込み、その後も体調が完璧ではなかったので、いつものように読書三昧とはいきませんでした。でも、体調がかなり復調したサヌールでは、プールサイドでのんびり読書ができました。

北大路公子『石の裏にも三年~キミコのダンゴ虫的日常』集英社文庫→体調があまり良くないと、なかなか重たい内容のものには手が伸びず、キミコさんと大泉さんにはだいぶ精神的にも助けられました。キミコさんのエッセイは本当に面白い!大好き!私はキミコさんのように酒飲みではないけれど、札幌在住ということやぐうたらなところにすごく共感を持ってしまいます。でも、キミコさんの親孝行なところは見習わなくちゃなあ。巻末の北海道在住作家さんたちとのご当地座談会も面白かったです。

半藤一利『あの戦争と日本人』文春文庫→今のこの時代、読むべき一冊。戦争や今の日本の状況にはいろいろな考え方があるし、あっていいと思うけれど、歴史の事実を繰り返し繰り返し振り返って、その意味を問い直す必要があると思います。半藤さんの本はいろいろ出ていますが、これも何度も読み返したいです。

大泉洋『大泉エッセイ~僕が綴った16年』角川文庫→子猫ちゃんとまではいかないけれど、洋ちゃんはやっぱり好き。入院中、家に帰る度に「どうでしょう」を見て気持ちが落ち着いた気がします。大泉ファンは身近にも多いけれど、あまりこの本を評価している人はいなかったんです。でも、私はとっても楽しく読めました。大泉さんって、もっとドライな感じなのかなって思っていたけど、じいさんをテーマにしたエッセイではちょっと泣けました。


 

③④バリに行く前に読んだ本です。

矢部宏治『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』集英社→目から鱗な一冊でした。これも、戦後70年の節目に読んでよかったと思いました。結局は、新しく出てくるさまざまな資料もみながらこれまでの歴史を紐解き、裏にあるものを暴き、アメリカとの関係を今後どうするのか、本当の意味で独立するということはどういうことなのか、みんなで考えないといけないのではないかと思いました。幅広く、いろんな考えの人たちに読んでほしいなあ。

谷口真由美『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』文藝春秋→日本国憲法の本は、いろいろ読んだけれど、これは読みやすいし、わかりやすいと思います。谷口さん、今は時々テレビにもコメンテーターとして出られていますが、昨年、講演会でお話を聞きました。この時も憲法の話だったんですが、とてもわかりやすく楽しく、ズバッとお話してくださり、憲法を身近に感じることができました。大阪弁っていうのもいいんでしょう。これを読んだ後に、自民党草案を読むと、違いがわかりやすいと思います。話題になるのは9条ばかりな憲法ですが、あえて9条以外、特に後半部に注目したいです。


 

⑤⑥バリ旅前後に読んだ本です。

鈴木真『猫医者に訊け!』KADOKAWA→くるねこさんの本でよく出てくる猫医者こと鈴木先生。ねこについて知っていることも多かったけど、ねこについての考え方でなるほど~と思うことがいろいろありました。「はじめに」で、猫を地球上で一番進化したほ乳類かな!?とした鈴木先生。思わず、頷いてしまった私です。

スズシロ『ほんとねこ』学研→ねこと本が好きな人はきっと気に入ると思います。絵もかわいいし、進め方も上手で、おもしろいです。

野田サトル『ゴールデンカムイ・3』ヤングジャンプコミックス→ちょっとグロいシーンも多いため、万人にはおすすめできません。でも、歴史とアイヌの文化をからめてすすむお話はなかなかおもしろいし、興味深いです。特に、アイヌについては、よく調べていて、どさんことして勉強になります。


夏の読書日記☆その1

2013-08-14 22:23:44 | 本と雑誌

Dsc00140 Dsc00202Dsc00242

①昨年も泊まったサマヤ・ウブドにて。今年は乾季でも雨が多いと聞いていましたが、雨にもあたらず、よい旅になりました。

②スミニャックのヴィラ・アイルにて。ピンクのフランジパニがきれいでした。

③本たち。

益田ミリ『言えないコトバ』(集英社文庫)4コママンガもはさまれたエッセイ集で、サクサクと読めます。この方の世の中にあるコトバに対する疑問の持ち方がなんだかすごく共感できました。そして、「コトバの使い方、気をつけなくちゃなあ」とも思いました。

北杜夫『船乗りクプクプの冒険』(集英社文庫)子どもの頃、よく読んでいた北杜夫さんの本。久しぶりにすごく読みたくなって、バリに持っていって読みました。こんな内容だったっけ・・・と全然覚えていない!でも、ハチャメチャで、自由で、ちょっとバカバカしくて、とても楽しく読めました。

石川直樹『いま生きているという冒険』(イースト・プレス)この「よりみちパン!セ」シリーズは、中高生でも読めるよう内容で、話題や作者も多岐にわたり、ちょっと気に入っています。そして、冒険ものや旅ものが大好きな私は、この本もバリに持っていくことを即決めたのでした。石川さんは知っている人は知っている若手冒険家ですが、高校2年生でインドへ一人旅するくだりはハラハラドキドキ。好奇心はもちろんそれぞれ持っているとしても、それを実現するパワーはどこから出てくるのだろうかと改めて考えたのでした。

角田光代『ツリーハウス』(文春文庫)ある意味、どこにでもありそうな家庭、出来事ですごくドラマチックな仕掛けがあるわけではないのに、最後まで一気に読ませてしまう力量はすごいと思いました。家族をそれぞれの世代や立場で書き分け、一つの家族、歴史を多角的に立体的に厚みのあるものに仕上げています。この時期読むのにもすごくいい小説だと思います。

藤堂志津子『独女日記』(幻冬舎文庫)札幌在住、おひとりさまで、がん経験者で、わんこと共に暮らしている・・・それだけでもう、ものすごく親近感が湧きます。自らの生活を素直に書かれていて、少しずつ「もう若くはないのだな・・・」と感じつつある私の生活ともシンクロしてしまいます。

ヒガアロハ『しろくまカフェ くるみ味』(小学館)テレビアニメでもやっているそうですが、『しろくまカフェ』大好きです。しろくまさんだけじゃなく、どのキャラもすごくいいんです。今回、あまり出番はなかったけど、レッサーパンダくんがいい味出してます。どさんことしては、表紙にもなっているエゾリスさんたちも気になるところですが。


冬の読書日記

2013-03-10 21:20:31 | 本と雑誌

Dsc06165_2 Dsc06224_2

①にゃんちん、ぶっちゃんのおとぼけコンビ。

②例年、おひなさまとおだいりさまだけ3月3日に飾るのですが、片付けたあと早速その箱の上にのるみーみーさま。お立ち台のようです。

昨日、今日とまたもや週末大荒れの北海道。我が家の周りも大荒れで2日間、家でまったりしてました。まったりしすぎて、頭ぼんやりしています。明日の天気は大丈夫かなあ。明日の私も大丈夫かなあ・・・。

北大路公子「ぐうたら旅日記~恐山・知床をゆく」(寿郎社)、「枕もとに靴~ああ無情の泥酔日記」(寿郎社)、「頭の中身が漏れ出る日々」(毎日新聞社)以前、「生きていてもいいかしら日記」を読み、すっかりハマってしまった北大路公子。一気に読みました。内容的にさらっと読めるようで、そうでもない結構緻密な文。おもしろい話をおもしろく書くって、実は結構難しいような気がするんです。そして、読むとちょっと元気が出て、元々「まあ、いいじゃん」という性格の私ですが、「そうそう、これでいいんだよ。」と思えます。それから、恐山は一度行ってみたかったけど、別な意味でやっぱり行ってみたくなりました。

穂積「式の前日」(小学館)新聞のコラムで見かけて、読んでみました。マンガなんですが、良質な短編を読んだような読後感。味のある映画を見た後のような感覚。今までに読んだことのないようなしみじみじわーっとくるマンガです。この感じ、西原理恵子の「ぼくんち」を読んだ時以来の感覚でした。

内澤旬子「世界屠蓄紀行」(角川文庫)以前から注目していた本ですが、やっと手に取りました。なんというか、読むための覚悟が出来ていなかったのです。でも、読んでみて、感謝をして無駄にせずにちゃんと肉を食べようという気持ちにさらになりました。これは、バリに行くようになった影響も大きいかも。バリでお祝いのような葬儀、生きている鶏などを市場で買って家で捌いて食べるという人々の暮らし、大好きなバビグリン(豚の丸焼き)、そんな文化を見聞きして、人の死とか屠蓄とかに関する変な心のバリアがなくなったように思います。その半面、今見ている韓ドラ「根の深い木」でもあるように、屠蓄が下層の者たちの仕事であった国もあり、日本も例外ではないのです。階層がないと思われがちな日本でも、民族(アイヌなど)やなどの差別が今も残っているということをまた考えさせられる本でもありました。

池上正樹、加藤順子「あのとき、大川小学校で何が起きたのか」(青志社)まだ全部読めてはいないのですが、3月11日を前に記録します。121名の児童・教職員中、死者・行方不明者84名という大惨事。どうしてこのような惨事になったのか、この本をもってしても、すべてが解明できたとはいえません。どうして空白の時間が51分もあったのか、どうして山へ逃げなかったのか・・・。疑問は多くあります。生存者が少ない中で確認する術が少ない現状でもあります。でも、この本を読んで思うことは、①組織の中で緊急事態に短い時間で正しい判断をして行動をするということは難しい、②だからこそ緊急事態に備えて具体的な行動を決めて周知しておくことが大事、③過ちを率直に認め、今後の業務に生かしていく組織づくりができるかどうか、ということです。また、子どもたちの中には「山へ逃げよう」と主張していた子どもたちも複数いたにも関わらず、山へは逃げなかった事実。この事実をどう受け止めるのか。学校現場だけではなく、社会のあり方や組織のあり方などさまざまな部面へ問題提起している惨事だと思います。


夏の読書日記

2012-10-13 23:54:37 | 本と雑誌

Dsc05999 Dsc06000Dsc05615

①「生きていていいのかしら日記」「風の中のマリア」「きりこについて」

②「道警刑事サダの事件簿」「田村はまだか」「ともしびマーケット」

③にゃんずのお気に入りの場所がいくつかありますが、にゃんたとぶっちゃんが時々いるのが、2Fのくまのぬいぐるみの上。あったかいのかなあ。

西加奈子「きりこについて」(角川書店)正直、あまり好きな文章ではないなと思ったけれど、中盤からそれも味に思えるくらいになってきて、最後にはじんわりと感動しました。「ぶす」であるきりこと「猫」であるラムセス2世のお話。登場人物はさまざまな背景を抱えていて、みんな個性的で魅力的。でも、やっぱり猫好きとしてはラムセス2世に心奪われてしまいます。うちにもラムセスばりに私を心身共に支えてくれる存在がいます。いつかはお別れすることになるんだろうけれど、私もきりこちゃんのように生きていけたらいいなあ。

百田尚樹「風の中のマリア」(講談社文庫)以前読んだ「働かないアリに意義がある」でアリやハチの生態についてある程度知っていたので、それほど驚きはなかったけれど、擬人化することによって、よりわかりやすく、心情的には寄り添いやすく、一気に読みました。それにしても、生き物ってすごいなあと改めて思いました。

北大路公子「生きていてもいいかしら日記」(PHP文芸文庫)何気なく手に取り買った本でしたが、とても面白かったです。お酒が大好き、40代独身女性の公子さんのエッセー。私はお酒はそれほど好きじゃないけど、なんだかすごく親近感。読んでいて、何度笑ったことか。続編が楽しみです。ちなみに、北大路さん、北海道出身、在住です。

朝倉かすみ「田村はまだか」(光文社文庫)話題の本でしたが、なかなか手に取る気にならず。やっと読んでみようかと思って読み始めたところ、これがなかなか面白かったです。ススキノのスナックでのクラス会三次会。田村を待つ5人とマスター。それぞれの物語が描かれ、そして田村は・・・。最後のまとめ方も素晴らしいし、とても言葉巧みな書き手と思いました。淡々としているようで、いいとこ突いているなあという感じの言葉や文体がすごくいいです。朝倉さんも北海道出身、在住だとか。

朝倉かすみ「ともしびマーケット」(講談社文庫田村はまだか」が素晴らしかったので、この本も読んでみました。かなり初期の作品のようですが、これまた良かった。「田村はまだか」もそうですが、日常ありそうな設定やそのへんにいそうな人たちの中にドラマがある感じ。そして、バラバラに生きている人たちがどこかですれちがったり、つながっている感じ。というか、平々凡々に生きていると思われる私たちの人生にもそれぞれにドラマがあるってことなのかな。

菊池貞幸「道警刑事サダの事件簿」(徳間文庫)今回は、北海道ゆかりの方の作品が多くなった気がします。題名通り、北海道警察で刑事をされていた菊池さんが自身の経験を書かれた本です。事件的にはドラマチックではなく地味かもしれないけれど、現場ではこういう刑事の努力やテクニックがあって、こういう気持ちで取り組んでいるんだなあということがとてもリアルに伝わってきます。これもまた続編がでたら、読んでみたいです。


初夏の読書日記

2012-07-22 22:06:56 | 本と雑誌

Dsc05618 Dsc01485Dsc01486

①ぶっちゃんと本たち。

②「やんのか、ゴルァ」といった感じの裏番長みーみー。「みーたん、こわいニャ」と、にゃんちん、固まってしまいます。

③この2匹、いつも程良い距離を保って穏やかに過ごしているのですが、時々こんな緊迫した場面から鬼ごっこに変わっていく・・・ということもあります。1階から2階へだーっとみーみーが追いかけていって、1階へ戻ってきたら攻守交代していてにゃんちんが追いかけていたりしています。

忙しい毎日が続くと、就寝前の読書はマンガや雑誌に偏ってしまうのですが、久しぶりに重たいテーマの本を2冊読んだので、記録しておきます。

池谷孝司「死刑でいいです~孤立が生んだ二つの殺人」(共同通信社)17才の時に母親を殺害し、22才の時に大阪で姉妹を殺害した男は、「死刑でいい」と言い、25才で死刑が執行された。自分の仕事とも若干関わりのあるテーマが含まれており、さまざまな思いが過ぎりながら、重い気持ちで読みました。でも、重いけれど、読むのをやめることはできませんでした。発達しょうがい、医療、福祉、教育、行政、政治、家庭の問題、人と人との関わり、地域社会、マスコミ、死刑制度・・・さまざまなことを考えさせられます。人によりさまざまな感想を持つと思うけれど、亡くなった姉妹、母親はもちろんのこと、この少年のこともなんとか救うことはできなかったのか、自分の仕事の中でできることはなんだろうかと今も考えています。

ボンボヤージュ「新・旅ボン 北海道編」(主婦と生活社)ボンボヤさんの本を数年ぶりに買いました。やっぱりボンボヤさんの絵は好きです。それと、北海道以外の人の北海道に対する思いというか感想が見えるのも道産子としては面白いです。北海道にずっと住んでいると、その良さみたいのがよくわからなかったりするけど、こうやってみると「やっぱり北海道は(いろんな意味で)すごいんだな」って思ったりします。

宮子あずさ「看護婦が見つめた人間が死ぬということ」(講談社文庫)重たい題名だけれど、一気に読んでしまう本でした。人はどんな形で死を迎えるかはわからないもの。その死を前にして、自分はどういう人でいられるのかなあ・・・といろんな事例を読みながら考えました。でも、宮子さんも似たようなことを書かれていましたが、今できることは今をちゃんと生きること、それなんだろうなあ。そう思っています。