今日は冷たい雨が断続的に降るという陰鬱な日曜日、家から一歩も出ずに過ごした。そんな中、TKUテレビ熊本で郷土の偉人シリーズとして名優笠智衆さんの人生を描いたドラマが放送された。笠智衆さんに扮したのは小日向文世さん、その奥様を松下由樹さんが演じた。これからTVerなどでご覧になる方にネタバレとなってはいけないので内容については省略する。
ドラマを見ながら、１１年前、笠智衆さんの生家である玉名市天水町の来照寺へ母を連れて訪問した時のことを思い出した。その時、ご住職の奥様からお聞きした笠智衆さんのエピソードを再掲したい。
それは笠智衆さんが亡くなる少し前、「おじいさん 笠智衆写真集」の撮影のため、この生家、来照寺へ帰って来られた時の話。余計な気を使わせまいと何の連絡もせず来照寺へ帰って来た笠さん。ところが、たまたまこの日はご家族全員お出かけで家にも本堂にも入れない。しかたなくガラス戸が締め切られたままの本堂の縁側で撮影をすませたそうだ。それを聞いて写真集を見直してみると、たしかにお寺の縁側で着物姿でくつろいではいるものの、うしろのガラス戸は締め切られたままというなんとも不自然な写真。笠さんのお人柄を偲ばせるエピソードに、あとから笑いがこみ上げてきた。
来照寺境内に立てられている出演映画の看板
小津安二郎監督とのコンビは文句なしでしたね。
そういう方の生家はお寺さんだったんですか。
写真集撮影のエピソードは人柄を表していますね。
原節子さんは当地で晩年を過ごしたらしいんで市民会館でときどき出演映画が披露されます。
当然、笠智衆さんもスクリーンに映し出されます。
ローアングルで生きられるいい時代でした。
そうだったんですか。
台詞の底流に流れるイントネーションでどこの人かと思ったら熊本の出身だったんですね。
＞ご家族全員お出かけで家にも本堂にも入れない。しかたなくガラス戸が締め切られたままの本堂の縁側で撮影を
へへへ、楽しいですね。
私は映画では「東京物語」の印象がとてもいいです！
「晩春」って観たことあったかな？と思ったらYouTubeに映画1本入っているようなのでまた、観てみようと思いました。
ウイキペディアも斜め読みしたら「寺を継ぐために進学すると両親には告げていたが、実際にはその気はなかって、父の死で一度住職を継ぐが、兄にその座を譲って再度上京し撮影所に復帰したが、俳優になることは本心ではなく、住職以外ならどのような職業でもよかったんだとか」
私は「東京物語」や「男はつらいよ」のような実像をイメージしていましたが、案外個性の強い腕白さんだったのではなかったのかと思ってしまいました(笑)
「晩春」を観るのも楽しみになってきました。
有難うございました。
原節子さんとは共演も多かったですし、世界映画史に残る名作「東京物語」などは、まず笠さんと原さんのお顔を思い浮かべますね。
小津映画おなじみのローアングルが懐かしいですね。
この生家に入れなかったエピソードもいかにも笠さんにありそうな感じで可笑しかったです。
「東京物語」の実の子たちに疎まれながら、お嫁さんにはよくしてもらうというお父さんには物凄く共感してしまいます（笑）
淡々とした生き様が多くの人から慕われたのではないかと。
「晩春」は、私は娘がいないので、娘を嫁にやる心情はよくわかりませんが、何だかホロっとする場面があったのを思い出します。
あら～偶然ですね 今日YouTubeでお菓子の作り方を見ていて すぐ近くに小津安二郎監督の
『麦秋』があったので全部観ました。もう何度か観ていますが 撮影したときの美しい日本の風景が見られるし
小津監督作品はほとんどに 笠智衆・原節子さんが出ているので 何度でも観ます。
笠智衆さんは若い頃から老け役で 原さんとは親子の役柄が多く
↑の方も書いておられる『東京物語』の尾道の浄土寺のシーンが好きです。原さんが下駄ばきでしたね。
『晩春』もBSPで何度か観ました。原さんを嫁に出したその夜 父親の笠智衆さんが
ひとりリンゴをむく 最後のシーンが良かったですね。
小向さんと松下由樹さんの 笠智衆夫婦の物語ですか 観たいですがこちらで放送があるでしょうか。
若い頃「東京物語」を見た時は、評価の高さがイマイチ理解できませんでしたが、歳を重ねるにつれよくわかって来ました。
「晩春」のラストシーン、いいですね～
TVerやFODで見逃し配信をやっているようですが、いずれ全国放送もやるかもしれませんね。