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日本最古のスピンオフ!?

2018-05-14 23:44:11 | 音楽芸能
 最近、映画やTVドラマで「スピンオフ」作品がやたらと多いような気がする。芸能の世界でいう「スピンオフ」は、ヒット作品をベースに、異なる視点や主役によって別の作品を作り出すことをいうらしい。昔からそういう手法はあるのだが、最近のスピンオフはリスク回避の安易な企画に見えてならない。
 それはさておき、日本最古の芸能が、天岩戸伝説のアメノウズメだとするならば、日本最古のスピンオフは「三番叟」ではないかと思う。村上天皇の御代(10世紀)、金春流の遠祖、秦氏安によって古くから伝わる六十六番の申楽から三番を選んで一組に仕立てたのが今の「式三番(翁)」(花伝書)。さらに時代を下り、登場人物も今日の「翁・千歳・三番叟」の形式に変って行った。神が憑依したかのような翁の神秘的な詞や舞に対し、その「もどき」を大袈裟に滑稽を交えて表現したのが三番叟であり、その特長から狂言方が演じることになったといわれる。そしてそれは普く世に受け入れられ、三番叟が人気を博して行った。而して三番叟の人気は申楽にとどまらず、後世の地域芸能や歌舞伎、舞踊などにも影響を及ぼして行った。そして今日では「三番叟物」といわれるジャンルを形成しているのである。
※右の面は細川家所蔵の「黒式尉(三番叟)」


三番叟(野村万之丞)


舞踊 羽衣三番叟(ザ・わらべ)


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