徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

♪ 揃うた揃たよ 踊り子が揃た

2024-06-20 19:34:47 | 音楽芸能
 来年後期のNHK朝ドラはラフカディオ・ハーンと妻のセツをモデルにしたドラマ「ばけばけ」に決まった。このニュースを聞いて、昨年11月に書いたブログ記事「ハーンが見た盆踊り」のことを再び思い出した。
 ハーンが五高教師時代に書いた「知られぬ日本の面影」の中に、明治23年(1890)ハーンが来日して初めて松江へ向かう途中、伯耆上市で見た盆踊りのことである。ハーンはその盆踊りで唄われる歌詞を次のように記している。
(原文)
  Sorota swoimashita odorikoga sorota,
  Soroikite, Kita hare yukata.
(和訳)
  揃ふた、揃ひました、踊り子が揃ふた、
  揃ひ着て来た、晴れ浴衣。

 この歌詞は明らかに「潮来音頭」や「潮来甚句」などで唄われる
  「♪ 揃うた揃うたよ 踊り子が揃た 秋の出穂より よく揃うた」
の変形と考えられる。ハーンが聞いたこの唄は今では鳥取県民謡「いさい踊り(ハーン踊り)」と呼ばれているようだ。だが、そもそもこのフレーズがどこの民謡なのか気になって調べてみた。
 すると、「潮来音頭」の茨城を始め、主なものだけでも
西馬音内盆踊り~願化(秋田)
郡上踊り~春駒(岐阜)
盛岡さんさ踊り(岩手)
相馬盆唄(福島)
北海盆唄(北海道)
鶴崎踊り~猿丸太夫(大分)
花笠音頭(山形) etc.
 調べ始めるとキリがないくらい各地の盆踊り唄の中で唄われている。
 仏教儀礼の念仏踊りとして中世から始まったといわれる盆踊りは全国津々浦々に「♪ 揃うた揃うたよ」のフレーズとともに広まって行ったのだろう。そして今となってはどこが発祥とも言えないのではないかと思われる。



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